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「東大生は和食習慣」朝のご飯・みそ汁・焼き魚・納豆・海苔…で成績が上がるワケ

プレジデントオンライン / 2021年7月23日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ranmaru_

わが子の成績と食事の習慣には相関関係があるのか。『成功する子は食べ物が9割 最強レシピ』などの著書がある予防医療コンサルタント・細川モモさんは「朝ごはんは、洋食より和食のほうが食物繊維を摂りやすく、血糖値の上昇を抑えてくれます。また焼きジャケには脳の神経伝達物質の働きをよくする物質が、大豆や卵には記憶に関係するレシチンが含まれます」という。わが子の栄養不足を解消するための、朝食、お弁当、おやつを作る際のアドバイスをしよう――。

※本稿は、『プレジデントFamily2021年夏号』の一部を再編集したものです。

■一見、健康に見えても“栄養不足”の子供が少なくない

日本の子供に“隠れ栄養不足”が多いのではないかと指摘するのは予防医療コンサルタントの細川モモさんだ。

「カロリーは足りていても、タンパク質や、ビタミン・ミネラルといった栄養をとれていないことが多いのです。日本の子は肥満とやせに二極化している傾向があり、どちらも栄養素が偏っていたり不足したりしていることが原因の一つだと考えられます」(細川さん、以下同)

栄養不足になると、体の成長を妨げるほか、学力やスポーツのパフォーマンスにも影響すると細川さんは力説する。

「小学校中学年以降の子供たちは、成長に膨大なエネルギーを使っています。スポーツや塾の勉強、習い事を頑張っている場合は、さらにエネルギーを消費します。成長に使うはずのエネルギーを勉強やスポーツに充てているようでは、その子が本来持っている能力を発揮することはできないわけです。だから、子供が必要とするカロリーや栄養は、体重あたりに換算すると大人の倍以上だと思ってください」

子供が最も不足しがちな栄養素に鉄分がある。鉄分不足で貧血が続けば、疲れやすいうえに疲れがとれにくい。スポーツなら動体視力や持久力が低下するという科学的根拠もあり、貧血がなくても鉄分不足は子供の体に影響を与える。

長時間勉強しても成績が上がらないという場合は、努力不足ではなく必要な栄養が足りていないことが原因、という可能性も大いにあるのだ。

『プレジデントFamily2021年夏号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2021年夏号』(プレジデント社)

「頑張りたいのに頑張れない、頑張っても結果が出ないとなれば、子供もフラストレーションがたまります。そうならないためにも、食生活で支えることが、親の最重要ミッションだと思ってください」

特に小学校高学年から思春期は注意してほしいと細川さんはくぎを刺す。

「女の子は9歳、男の子は11歳から始まる成長スパートは人生で最も鉄やカルシウムを必要とする時期。毎日の食事でどんどん補給していかなければ、どの子も栄養不足になる恐れがあります」

そこで、栄養不足にならないための三つの食事のコツをお伝えしよう。

■“やせすぎ”の影響知っていますか?

やせすぎの子が増えている。肥満の悪影響は広く知られているが、やせすぎがもたらす問題は見過ごされがちだと細川さんは指摘する。

朝食
写真=iStock.com/taa22
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taa22

「たとえば、骨量は20歳ごろにピークに達します。一生のうちで最も多い骨量をピークボーンマス(最大骨量)と言いますが、やせすぎているとピークボーンマスの頂点が低くなってしまう。当然、身長もあまり伸びません。成長期に強い骨を作れないと、将来、骨折しやすかったり、骨粗しょう症のリスクが上がったりします」

また、女の子の場合は初経が遅れ、さらに婦人科の病気のリスクが上がる恐れもあるそうだ。

やせすぎが増えている背景には親世代の影響もあるという。

「背景のひとつに、親世代の“やせているのがいい”というボディーイメージが挙げられます。たとえば子供をほめるとき、『あの子はスリムでいいね』『細くてスタイルがいい』なんて口にしていませんか? やせているほうが美しいという価値観は、日々の何げない一言で子供にすりこまれていきます」

親自身も言動に注意したい。

■わが子が栄養不足にならないために

その1 朝ごはん「成績を上げたいなら、パンよりごはん」

東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授が行った「朝食と脳の働き」の研究調査によると、朝ごはんにお米を食べている子供の知能指数は平均で104点だったのに対し、パンを食べている子供の平均は100点だったという。さらにMRI調査によって、ごはん食の子供たちはパン食の子供たちに比べて、神経伝達物質が集まる灰白質や記憶をつかさどる海馬の容積が大きいことがわかった。

細川さんは、この結果を次のように分析する。

「米の栄養成分がパンより優れているということではなくて、米が主食の献立のほうが脳にいい栄養をとりやすい、ということだと考えられます。まず、米が主食の和食はノリや納豆やみそ汁の具など、洋食に比べて食物繊維をとりやすい。食物繊維には、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。糖は脳のエネルギー源ですが、血糖値は高すぎても低すぎてもよくない。乱れないことが望ましいのです。一日の最初に食物繊維が豊富な食事をとると、昼食、夕食で多少の暴食をしても血糖値の乱高下が起きにくくなります」

ごはん食のメリットはほかにも。

「和食の定番のおかずである焼きジャケやサバのみそ煮には、脳の神経伝達物質の働きをよくするDHAやEPAが豊富。大豆や卵には、記憶に関係するレシチンが含まれます。一方、パン食によく登場するソーセージやハムには、体に必要なタンパク質が豊富ですが、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸なども多いですね。これらの脂肪が多い食事をすると集中力が低下するという研究報告があります」

子供の脳のことを考えれば、朝食はごはん食に軍配が上がる。ちなみに、「プレジデントFamily」が実施した東大生へのアンケートでも、小学生時代にごはんなどの和食だった人は49.4%、パンなどの洋食だった人は34.9%とごはん派のほうが多かった。

また、朝ごはんのおかずの品数が多いほど成績が伸びる、家族で食卓を囲む家庭の子ほど学習効果が上がる、という研究も。

「ただ、そうはいっても品数の多い朝食を作るのは大変ですよね。栄養が満たされればOKと考えて、便利なアイテムをどんどん活用しましょう。ごはんとみそ汁さえ作れば、あとはひじきやきんぴらなどのお総菜やミールキット、納豆やしらす、サケフレークなどを活用するのもおすすめです。それにお母さんだけが調理の負担を背負う必要はないですよね。お父さんや子供だって朝ごはん作りの戦力になります」

朝ごはんをしっかり食べるためには、十分な睡眠をとることも重要。起きた瞬間にだるさや疲れが残っているようでは、当然ながら食欲はわかない。

「夕食が遅くなるときは、油分控えめのあっさり系に。たとえばバターは消化に最長12時間かかります。夜遅くにこってりしたものを食べると、翌朝になっても胃腸は前日の夕食を消化中。脳や体への影響が大きい朝食を充実させるためには、夜は“あっさり”が正解です」

●脳の灰白質比の平均値

※灰白質とは脳の中の神経細胞が多く存在する場所

【朝ごはん】
【幼稚園~小学生】
お米52.5
パン51.5
【中学生~大学生】
お米53.5
パン50.5

東北大学加齢医学研究所・川島隆太教授「朝食と脳の働き」の研究調査より

■わが子が栄養不足にならないために

その2 お弁当「弁当箱のサイズをチェック」

細川さんに寄せられる質問のひとつに塾や習い事に持っていくお弁当がある。

昼食
※写真はイメージです(写真=iStock.com/usako123)

「帰宅後に家で食事をする場合は別ですが、塾弁を1食としているなら、第一に気をつけてほしいのはカロリー。必要なカロリーをとれる量かどうかを、まずチェックしてください」

目安となるのは、弁当箱のサイズ。子供の成長に合わせ、サイズアップしていくことが大切だという。

「容量とカロリーはほぼ同じ。つまり500mLの弁当箱なら、およそ500㎉分が入るということです。年齢が上がるにつれ、必要な摂取エネルギー量の目安も増えていきます。1食に必要なカロリーは1日の必要エネルギーの3分の1です。12歳男子なら800~1000㎉、12歳女子なら700~900㎉。子供の成長や活動量、生活スタイルに合わせて、弁当箱の容量を大きくする、果物を入れる容器を別に用意するなど全体の容量を増やしましょう」

また体を作る大事な材料となるタンパク質もしっかりチャージしたい。

「卵焼きやサケなどの人気のおかずもおすすめです。おにぎりなら、昆布や梅よりもツナ、タラコなどを選びましょう。肉や魚、大豆などのタンパク質食材には、鉄や亜鉛などのミネラル分も豊富だからです」

子供にも伝えて、コンビニや総菜店のお弁当を買うときにも、自分で選べるようにするといい。

●1日の必要カロリーは
12歳男子の場合 約2900㎉
12歳女子の場合 約2700㎉

厚生労働省、活動量が多い場合

■わが子が栄養不足にならないために

その3 おやつ「スナックではなく“第4の食事”と考えよう」

成長期の子のおやつは、「三食でとりきれない栄養を補うためのもの」と細川さんは言う。200㎉を目安に栄養価の高いものを食べさせよう。

スムージー
写真=iStock.com/5PH
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/5PH

「スナック菓子やアイスなどは、カロリーは高いものの栄養が少ない“エンプティカロリー食品”と言われます。ときどき気分転換に食べるならいいですが、毎日の習慣にするのはよくありません。おやつは、食事で不足しがちな鉄や亜鉛、食物繊維を補う絶好の機会。総合栄養シリアル、豆乳と果物のスムージー、鉄やカルシウムが添加されたビスケットやヨーグルトなど、手軽に食べられて栄養価が高いものを活用しましょう。ポテトチップスを食べるなら、飲み物はココアや豆乳、甘酒など栄養価が高いものにするなど、栄養をプラスできる組み合わせを意識するといいですよ」

成長期であり、栄養をおやつで補う必要があることを子供に話そう。

「特に給食のない日は、カルシウムや鉄分が必要量に満たない子が4~7割にも達します。ただ、頭ごなしに『スナック菓子はダメ』と言っても、子供は反発するかもしれません。『今、何を食べるべきか』の話をして、子供に納得してもらうことも大事です」

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細川 モモ(ほそかわ・もも)
予防医療コンサルタント、一般社団法人ラブテリ代表理事
米国で最新の栄養学を学び、栄養アドバイザーの資格を取得。2009年に医師・博士・管理栄養士などの専門家が所属する「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。母子の健康向上を活動目的とし、幅広い活動を行う。『成功する子は食べ物が9割 最強レシピ』など著書多数。2児の母。YouTubeで子供の食と成長に関する情報を配信中。

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(予防医療コンサルタント、一般社団法人ラブテリ代表理事 細川 モモ 構成=浦上 藍子)

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