ひろゆき「何でも後回しにするだらしない人も秒速で作業を終わらせる方法はある」
プレジデントオンライン / 2021年8月9日 11時15分
※本稿は、ひろゆき『無敵の独学術』(宝島社)の一部を再編集したものです。
■今やっていることを変えるにはモチベーションが必要
もともと、「やる気」なんてものはありません。
人間には「今やっていることを継続したい」という意識が働いているだけなので、それをやめて別の行動をとるには、なんらかのモチベーション、動機づけが必要になってきます。
つまり、その動機づけができれば行動するモチベーションも上がります。
ちょっと極端ではありますが、たとえば「これをやらないと殺される」とか「今動かないと餓死する」というような、恐怖心なんかも大きな動機づけになりますよね。背に腹はかえられない、というやつです。
あるいは、「これをやれば1億円もらえる!」なんていう報奨を目の前にぶら下げられたら、行動をすぐにでも変えるという人はいると思います。
それはやる気の問題ではなく、恐怖とか報奨への期待といったデメリットやメリットによって、行動を選択しているというだけのことなのです。
「掃除をしないで漫画を読み続けていたら、殺される」という状況があれば、普通はすぐさま漫画を投げ出して掃除を始めますよね。あるいは「漫画を読まずに掃除をしたら1億円あげる」と言われたら、誰でも掃除に飛びつくわけです。
その原理は、言うことを聞かない子どもに何かをやらせるときとあまり変わらない感じで、とてもシンプルなものなのです。
■「すぐやれちゃう人」は、なぜできるのか
やりたくないようなことであっても、すぐ行動できてしまう人というのは、このメリットやデメリットのイメージを自分のなかでつくりあげるのが上手なのだと思います。
たとえば、成功してものすごく幸せに過ごしている自分をイメージする。「あんなふうになれるんだ」という期待とともに行動を変える。
あるいは逆に、空っぽで何もなく寂しく生きている自分をイメージする。そうすると「ああ、そんなことになったら、家にいるのが超絶つらくなるだろうな」と思って、恐怖心から行動に変化が生まれる。
すぐに行動に移せる人の心理状態というのは、こういったものなのだと思いますし、その場合はコスパもめちゃくちゃいい。アタマの中でイメージするだけでモチベーションを上げることができるわけですから。
■「モテたいから」「将来安泰だから」でもいい
さらに具体例を挙げてみます。
たとえば、受験生が「勉強を頑張って、絶対に早稲田大学に合格したい」と思っていたとします。
大学の公式ホームページばかりを見るのではなく、実際にキャンパスライフを送っている人や、卒業した人たちが幸せそうに過ごしている様子をフェイスブックなんかで見て、「こんなふうになりたいなあ……」と思ってモチベーションを上げるのもひとつの方法です。
女の子にモテたいから、モテるイメージのある早稲田大学を受験したという人だって実際にいますし、大手企業に就職して「将来安泰」と感じたいから就職に有利な早稲田大学を受験したという人だっていると思います。メリットを得ることをモチベーションに変えたいい例ですね。
■不安や怯えはモチベーションに変えられる
逆に、デメリットを被(こうむ)りたくないという思いから、大学に落ちて大変そうな人を見るのも動機づけになりますよね。
何年も浪人していて彼女もいなくて部屋にこもっています、みたいな人がたまにユーチューブに動画を上げていたりします。いわゆる「子供部屋おじさん」が、「俺はいつかは早稲田に行くんだ」と叫びながらひたすら時間を浪費しているのを見ると、「絶対にこうはなりたくない」という危機感が生まれる。そして、その怯えをハングリー精神に変えていくことができます。
幸せなゴールをイメージしてメリットを得ようとするのか、危機感から生まれるハングリー精神でデメリットをなくそうとするのかは、人によって「合う/合わない」があると思います。
自分をコントロールするのにどちらがより使いやすいかは、やってみないとわかりません。なので、実践してみて気に入ったほうを使うようにしてみたらいいのではないかと思います。
■「この不安は当然なんだ」と認める
今の日本では、おそらく大多数の人が漠然とした不安をもっていると思います。しかも昨今はコロナ禍でもありますから、「この先の経済どうなってしまうのだろう?」「この仕事は大丈夫なんだろうか?」と、不安になる要素だらけなわけです。
逆に今、何も不安がないという人は「上がっている人」、人生ゲームでいうとすでにゴールに到達してしまった人だけだと思います。
ちょっと上から目線な感じになってしまいますが、僕自身は今後、よほどの悪さでもしない限り、一生食いっぱぐれることはないと思います。だから、経済的な理由で不安を感じるということもほぼありません。
だけど、まだ今、人生ゲームの途中にいるならば、不安を感じて当然だと思いますし、まともな人です。「この不安は当然なんだ」とまずは自分で認めてください。
■コロナ禍でも「不安なんてゼロです!」という人はヤバい
まだ人生ゲームの途中だというのに何一つ不安を感じていない人がいたら、ヤバい人だと思っていいくらいです。
コロナ禍という未曽有の状況に直面しているにもかかわらず、「なんの不安も感じないです!」「毎日、超楽しいです!」という人は、これといったモチベーションのない人か、どうでもいいとヤケになっている「無敵の人」でしかありません。
そういう人は「成長しない人」でもあるのです。
僕が最近上梓した『無敵の独学術』(
その第2章でも紹介していますが、「自分は不安なんだ」ということをきちんと認められる人は、ワラにもすがるではないですが、何かチャンスがあればそれに飛びつこうとするもの。
「今はこういうスキルを手に入れよう」「そのためにプログラミングやデザインの勉強をしておこう」というふうに、不安を、行動するための原動力に変えられる。
つまり、不安をモチベーションに変えられるのは、ハングリー精神のある人です。こういう人は独学に限らず、何をやっても伸びると思います。
■後回しにしてしまう人が締め切りを守る方法
このようなやり方で、メリットやデメリットのイメージをモチベーションにして行動を変えられるようになったとします。
でも、やりたくないことや面倒なことを、つい後回しにしてしまう人は多いです。こういう人は「後回しにする癖」が、長い人生の間についてしまっています。
この癖が直ることはありません。では、どうすればいいか。
答えは、「本当にやらなきゃいけないときにやり始める」ためのテクニックを身につけることです。
テクニックといっても、コツさえつかめば誰にでもできる簡単なことです。
たとえば、夜の8時になったら1分間だけ、やらなくてはいけないことをやる。それ以外の時間は好きなことをやっていい。そういうふうに決めてしまえばいいのです。そう決めると、どんなに怠け者な人でも、8時になればさすがに動きます。
■直らないなら、ギリギリまでやらなければいい
ちなみに、「これはさすがにやらないとダメだろう」と自分に罪悪感をもたせるために、8時まではひたすら遊ぶことをオススメします。そうすることで罪悪感がすごく高まり、むしろ8時になったらホッとしてやるべきことに取りかかれたりするものです。これはテクニックとして使えます。
面白いことに、いったん何かをやり始めてしまうと、今度はその作業を1分でやめることのほうが難しくなったりするのです。
たとえば「8時になったら、このメールを返信すると決めていたけど、こっちのメールもついでに返信しておくか」という感じですね。
冒頭でも言ったとおり、人間には「今やっていることを、そのまま続けてしまう」という習性があるので、それがたとえやりたくない勉強であっても「今やっていることを維持しよう」というエネルギーが働きやすいのです。
遊びを途中で切り上げるよりもはるかに簡単にできますから、試しにやってみてください。
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2ちゃんねる創設者
本名は西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、『無敵の思考』『働き方 完全無双』(大和書房)、『論破力』(朝日新書)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
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