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「娘が難関女子中に合格」元外資系コンサル母のすごい"エクセル勉強予定シート"

プレジデントオンライン / 2021年8月8日 11時30分

清水家もリビング学習派。清水さんが台所にいるときにはキッチンカウンターで勉強をすることもあったそう。(画像=『プレジデントFamily2021年夏号』)

子供と二人三脚で成長していくにはどうしたらいいのか。人材育成コンサルタントの清水久三子さんは「ひとり娘が中学受験する際、親として子供が自律的に勉強できるようになることを一番の目標にしました。就寝前にかける言葉は『今日はどうだった』。小6時は勉強の進捗の管理を自分でできるようになりました」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2021年夏号』の一部を再編集したものです。

■◎人材育成コンサルタント・清水久三子さんの場合

株式会社アンド・クリエイト代表取締役社長。人材育成コンサルタント。一人娘は現在、難関私立女子校に通う中2。娘の受験サポートをする100の秘訣を書いた『働くママの成功する中学受験』(世界文化社)をはじめ著書多数。
この先役立つ「時間管理」を教えて、自律的学習に

人材育成のコンサルタントである清水久三子さんは、子供の中学受験にもコンサルタントのノウハウを活かした。

「受験勉強が本格化するのは4年生から。そのため、3年生の1年間を助走期間と考え、入相性を見たり、そこで出会った人たちからいろいろな情報を収集したりしながら、余裕を持って娘にとってベストな戦略を立てようと思いました」

さらに、出張が多く、つきっきりで勉強を見られない清水さんは、「子供が自律的に勉強できるようになること」を一番の目標に掲げた。自律的に学習する力は一生役立つと考えたからだ。

「『仕事と中学受験の両立は無理』と思うかもしれませんが、計画を立てて実行し、振り返り、次に活かすサイクルは仕事と似ています」

■コツ1:振り返りの習慣をつける

中学受験において、「テストや演習を振り返ることが大切」だと清水さんは考えた。

『プレジデントFamily2021年夏号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2021年夏号』(プレジデント社)

採点をしたら勉強が終了した気になる子は多いが、「『勉強はクイズとは違う。間違えた問題はその選択肢がなぜ不正解なのかを理解しないと、振り返ったことにはならないよ』と娘に説明しました」と

清水さんは語る。

「子供は間違った問題に向き合うことを嫌がり、適当に終わらせようとするんですね。でも、受験では問題を確実に理解することが大事です。『理解できていないことがそのまま一つ、二つと積み上がっていけば、入試本番までに何カ所積み重なると思う? 勉強したことを振り返ってわからないことをゼロにしておけば、入試本番では勉強したことでわからないことはなくなっているはずだよね?』と、ことあるごとに振り返りの大切さを話し続けましたね」

振り返りの習慣をつけるまでには時間がかかると思ったほうがいいと清水さんは言う。

「いきなりノートにやり直させるのはハードルが高い。4年生の頃は『なんで間違ったのかな?』と質問して答えられたら振り返りは完了としていました。学年が進むにつれ、徐々に振り返りをする習慣を身につけていきました」

振り返りをしたくない背景には自信のなさもあるため、子供を励ますこともあったそうだ。

「できない問題を直視するのはつらいこと。『塾では同じ単元を何度も繰り返し勉強するから、今できなくても大丈夫なんだよ。本番にはできるようになるから、今ここで振り返っておこう』と励ましました」

■コツ2:スケジュール管理シートを活用

子供が勉強を自律的に進める秘訣は「スケジュール管理」だと清水さんは言う。写真は清水さんの娘さんが実際に使っていたスケジュール管理シートだ。

エクセルで作ったもので、一日のスケジュールが1週間単位で見えるようになっている。

実際に使っていたスケジュール管理シート。週ごとの目標から、日々の振り返りまでしっかり使い込んでいたことがわかる。「子供は紙が大きいほうが見やすいようです。受験期間中にA3 サイズに対応したコピー機も買いました。過去問をコピーする際にも重宝します」
画像=『プレジデントFamily2021年夏号』
週ごとの目標や振り返りに使った管理シート。A3サイズで印刷。「子供は紙が大きいほうが見やすいようです。受験期間中にA3 サイズ対応のコピー機も買いました。過去問をコピーする際にも重宝します」 - 画像=『プレジデントFamily2021年夏号』

「毎週末にテストがある塾だったので、1週間ごとに学習内容を見直すようにしました」

学校や塾の授業・テスト、習い事など、あらかじめわかっている予定は、先にシートに記入しておく。さらに課題を書く欄には計算や漢字、理社の暗記といった毎日のルーティンワークを書きこむ。

一方、ルーティンワーク以外に1週間でやるべき課題については、日曜日の夜に親子で相談し、次の月曜日から日曜日までの計画を立てる。

「どの課題を何曜日のどの時間にやるかは子供に好きなように決めさせていました。1週間の子供のスケジュールをシートで見ると、多くの時間が学校や塾で埋まってしまい、家で勉強する時間が少ないことがわかります。そこで子供自身が、朝起きて学校に行くまでや、学校の休み時間に勉強する必要があることに気づき、隙間時間を活用するようになりました」

やるべき課題を実行できたかどうかは、毎日寝る前に子供がマルバツを付ける。その際やり残したことがあっても親が責めないことも重要だ。

「やり残したことを責めても仕方ありません。自分でスケジュールを振り返り、やり残したことをいつやるかを考え、計画を調整することが大事です」

大手塾のカリキュラムでは、学年が上がるにつれてやるべきことが増えるので、4年生のうちに親子でスケジュール作成を習慣にし、いずれ一人で管理できるように慣れさせておくといいそうだ。清水さんの娘さんの場合、6年生の時には自らスケジュール管理ができていたので、親はあまり手出しをする必要はなかったそう。

■コツ3:「怒らないゲーム」にする

中学受験のサポートには親自身のイライラをうまく調整することも大事だ。清水さんは、

「自分が怒ったら子供の偏差値が5下がるゲーム」だと言い聞かせて、感情をコントロールしたそうだ。

「怒らないゲーム」を成功させるために、清水さんがやったことは三つある。一つは伝え方の工夫だ。

「例えば子供がゲームや本に夢中になっているとき、『いい加減にやめなさい!』と言いたくなりますが、そこから険悪な雰囲気になりますよね。そういう場合はまず『何時までやる?』と聞きます。子供が設定した時間をオーバーしたとしても『次からはどうしたらいい?』などと、子供が自分の行動を振り返れるような言い方をするようにしました」

二つ目は、親の気持ちを伝えるときのタイミングに気を付けること。

「子供が寝るときに伝えるようにしていました。寝る前、ベッドの横に座り、『今日はどうだった?』などと話しかけます。真っ暗な部屋だとあまり怒れないので、穏やかに娘の気持ちを聞いたり、自分の気持ちを伝えたりできました」

ベッドの背景に対するランプ
写真=iStock.com/Viacheslav Peretiatko
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Viacheslav Peretiatko

三つ目はイライラするときは思い切って早く寝るということだ。

「なんだか今日はイライラしてしまうというときは、だいたい疲れているんですよね。怒らないゲームをクリアするためにも『ママ、疲れているから寝るね』と言って、夜の9時に子供より早く寝てしまっていました。たいてい寝たらすっきりするんですよね」

自分のストレスをいかにためないかにも心を配り、1日30分は自分のための時間もつくっていたそうだ。

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清水 久三子(しみず・くみこ)
株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び力』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/

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(株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長 清水 久三子 文=加藤紀子 撮影=市来朋久)

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