なぜ「市場がない」と言われた、ノースフェイスの高級マタニティ商品を男性がこぞって買ったのか
プレジデントオンライン / 2021年9月4日 8時15分
ゴールドウイン【ザ・ノース・フェイス マタニティウェア】の場合
■みんながほしいマタニティウエアがないのでは?
男性向けアウトドアウエアのイメージが強いザ・ノース・フェイスが、マタニティウエアを発売したのは2019年のこと。発売以来、売り上げを伸ばし続け、この秋冬の販売金額は、なんと前年比約300%! 商品開発のリーダーに抜てきされた矢野真知子さんは、当時、事業部企画メンバーの中で唯一の出産経験者。矢野さんは、まず徹底的にデータにあたり、周りのママたちの声を拾った。
「データを調べると、マタニティ市場は小さく、少子化で縮小する一方。マタニティウエアにかける総額も2万円台。でも出産を機にファッションが変わったというデータや、周りのママたちの『着たいマタニティウエアがなかった』『メンズサイズを着ていた』という声もあったので、こういう市場だからこそ満足していない人がいるんじゃないかなと隠れたニーズを期待したんです」
とはいえ、ザ・ノース・フェイスの機能素材を使ったアウターは、とても2万円台では世に出せない。だとしたら「産後も長く使える」ものが絶対条件であると導き出した。
■産後の女性も購入! 男性の反応も予想以上
メインのアイテムは「ダウンコート」。防風・撥水(はっすい)性、保温性が高く、妊娠中はもちろん、カバーをつければ産後も赤ちゃんを抱っこできる。初お披露目となった展示会では、高い機能性が評価されて計画比160%の受注があった。実際に販売を始めるとウェブストアでは、ワンピースが即完売。発売2週間で販売店舗を集約せざるをえないほど売れた。
「購入者は妊婦さんだけでなく、半数は産後の方でしたから『産後も使える』という狙いが当たりました。買い物は旦那さまやご両親といっしょの方が多く、ウェブストアでの購入者の約半数は男性。驚きました」
今後もザ・ノース・フェイスらしい商品を作ることにこだわりたいという。
「数字をとるために何かをするよりも、やるべきことをすれば数字はついてきます。ですから売り上げを増やすために商品を増やそうとは考えていません。必要最小限で、いちばん強みを生かせるアイテムを出していきたいですね」
※金額は税別です。
(株式会社ゴールドウイン 第一事業本部 ザ・ノース・フェイス事業一部 キッズグループ 矢野 真知子 文=池田純子 撮影=市来朋久)
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