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「使用済みマスクをどこにでも置く子供」がたった1日で変わる絶妙な"ゴミ箱の置き方"

プレジデントオンライン / 2021年9月1日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Birdlkportfolio

何度言っても「使用済みマスク」を玄関に置きっぱなしにしてしまう子供には、どう伝えればいいのか。教育家の小川大介さんは「同じ間違いを繰り返すのは、単に忘れてしまっているだけ。思い出すきっかけを作ればいい」という――。

※本稿は、小川大介『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

■言ってもすぐに取りかからない子ども

「プリントを鞄にしまって鉛筆を片付けて」と言うと、プリントだけしまって鉛筆はそのままになっているなど、一度に2つのことを言ってもだいたい1つしかしません。1つだけ言ってもすぐに取りかからず、そのうち言われたことを忘れてしまいます。(小1女子)
子どもの事情
聞く姿勢になっておらず、覚えられない。
OKワード
「今言ったこと、いくつあった?」

子どもの事情から言うと、「また言われてるな」くらいの気持ちで覚えようとしていないのだと思います。聞く姿勢ができていないため、印象に残っているほうだけしかやらないのです。

ではどうしたらいいかと言うと、1つには細かいステップで確認することです。

「プリントを鞄にしまって鉛筆を片付けてね」と言ったときに、「はーい」と返事があったら、そこですかさず、「今言ったこと、いくつあった?」と聞いてみましょう。

子「えーっと、2つ」

親「何と何かな?」

子「鉛筆しまう」

親「もう1つあったよね?」

これで出てこなかったら、「もう1回だけ言うから、きちんと覚えてね」と言い、聞く姿勢を作らせてあげます。

このように段階を踏むと徐々に、今やることが何かを自分で整理し、実行できるようになっていきます。

■子どもが聞けるくらいに「指示の数」を減らす

「親の話を聞かない、聞いてもすぐ忘れてしまう」というご相談はよくありますが、聞く姿勢を作るにはまず、親があれこれ言う回数を減らすことです。

1日の中であれしなさい、これしなさいと親が指示をする回数が多いと、子どもはバランスを取るために適当に間引きしてしまいます。たまに言われる程度なら聞く耳を持つと思いますが、「あれやって、次それやって、これもやって……」と矢継ぎ早に言われたら、全部は聞けませんよね。

大人はつい、思いつくままにあれもこれもと指示を出してしまいますが、そうすると余計に子どもに届かなくなってしまうのです。

「忙しいし、一気にまとめて言ってしまいたい」と思うお気持ちはわかります。ただ、ワーッと一度にたくさん指示を出されても、子どもは情報を整理できません。

ですから、まずは子どもが「聞こう」と思えるくらいの回数に指示を減らします。子どもの表情に気を配って、顔をしかめたり、表情が曇ったりしたら、「あ、これぐらいが回数の上限だな」と判断するといいでしょう。

指示を減らした分、親が伝えるときは、きちんと聞くことを求めて構わないと思います。

子どもがきちんと聞いて実行できたら「さすが、ちゃんと聞いてできてるね」とほめてあげる。そこまでの一連の動作をセットにするとよいでしょう。

■同じ間違いを繰り返すのは「環境のせい」

脱いだ衣類を洗濯かごに入れる前に、「ポケットからハンカチとティッシュを出してね」と何度注意しても、入ったまま。「マスクはゴミ箱に捨てなさい」と言っているのに、玄関で外したら置きっぱなしで困ります。(小1男子)
子どもの事情
単純に忘れてしまっている。
OKワード
「わざとじゃないもんね」

「今言ったことをすぐにしない」のと、このケースのような「何度も言っていることを今日もしない」のとでは意味が全然違います。すぐにしないのは意思や受け止めの問題ですが、何度も言っていることをしないのは、本気で忘れているのです。それは本人が悪いのではなく、思い出しやすくなっていない環境の問題です。

ですからこれは、「何回言ってもわかろうとしない」と受け取るのではなく、どうすれば思い出しやすくなるかを工夫していくのがコツです。

本人にも「わざとじゃないもんね」という言葉から入って注意喚起します。

たとえば、親御さんが衣類を洗濯機に放り込んでいるとき、子どものズボンのポケットからハンカチとティッシュが出てきたら、「でも、わざとじゃないもんね」と言ってみましょう。

すると、お子さんは「うん」と言うでしょうから、「でもこれだと困るから、かごに入れるときに出しやすくなる方法を一緒に考えようか」と話します。

画像=『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』
©内野こめこ
画像=『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』 - ©内野こめこ

■「あ、マスクを捨てるんだった」と思い出させる方法

忘れさせないようにするには、思い出すきっかけを多く作っておくことです。

小川大介『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)
小川大介『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)

たとえばハンカチとティッシュの問題なら、脱いだ服を洗濯かごに入れるとき、ポケットを裏返しにすると決めて、洗濯かごの目立つところに「裏返し」と貼っておく。「あ、ポケット」と気づきやすくするのです。

マスク(使い捨ての場合)についても、ゴミ箱の置き場所を工夫したいですね。帰ってきたら、必ず目に入る場所にゴミ箱を置くことで、「あ、マスクを捨てるんだった」と思い出させてあげるのです。日によってちょっとずつ置き場所を変えると、いい意味で違和感を生じさせられるので、子どもも気づきやすくなります。

布マスクなどの場合は、机の上にマスク置き場を作り、「マスク」と大きく書いて、そこにマスクを置くと文字が隠れるようにするのも一案です。マスクを置かないと「マスク」の文字が目立つので、落ち着かず、置く習慣ができていくでしょう。

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小川 大介(おがわ・だいすけ)
教育家・見守る子育て研究所所長
京都大学法学部を卒業後、中学受験個別塾を創設。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。執筆、講演、教育系企業への助言など幅広く活躍中。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。著書に、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』・『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』・『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)、『1日3分! 頭がよくなる子どもとの遊びかた』(大和書房)など多数。 Instagram/中学受験情報局「かしこい塾の使い方」

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(教育家・見守る子育て研究所所長 小川 大介)

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