橋下徹「コロナ患者の自宅療養に開業医の積極関与を訴える理由」
プレジデントオンライン / 2021年9月1日 11時15分
■新型コロナに関しては一般の医師は治療を「拒否」できる
コロナ禍が始まってからのこの1年半、ずっと医療体制の強化が唱え続けられましたが、その間、多少コロナ患者対応ベッド数やコロナ患者受け入れ病院数が増えたものの、劇的な改善にはつながっていません。
医師法第19条によって医師は「応招義務」を課されています。これは国民が治療を求めた場合には医師は応じなければならないというものですが、応じなくてもいい例外も認められています。
その一つが感染症なんです。
特に感染症法の1・2類相当ないしは新型インフルエンザ等に位置づけられた新型コロナ感染症は、原則感染症に対応できる医療機関が治療することになっており、一般の医師は治療を拒否することができます。
また感染症に対応するための人員や医療機器、その他施設環境が整っていない医療機関や、他の病気対応でいっぱいいっぱいの医療機関も拒否することができることになっています。
このために、一部の医療機関と一部のベッドのみがコロナ対応に当たることになり医療が逼迫(ひっぱく)しているのです。そして法律上、感染症患者の窓口役、医療機関の調整役として行政(保健所)が定められているので、保健所に業務負担が集中し、パンク状態になってしまっているのです。
■大部分が軽快する軽症者全員を専門医療機関で受け入れるべきか?
そこでこの打開策のために、僕は本メルマガの3号にわたって(Vol.258~260)、医療機関の役割分担論を展開してきました。
その要諦は、日本の医療機関全体、医師全体でコロナ対応に当たるべきで、特に開業医が全面的にコロナ対応に当たるべきだというもの。
新型コロナ感染者数は日に日に増えていますが、実はその約8割は軽症者や無症状者。もちろん軽症といっても、かなりしんどいようですが、それでも大部分の患者が2週間ほどで軽快しているのです。
メディアは毎日、その日の感染者数を大々的に報じますが、実は同時に毎日多くの患者が回復しているのです。しかしその数字はメディアで大々的に報じられていません。
酸素吸入器が必要だったり、さらに重症化して医療機関の専門的な治療が必要だったりする患者は全体のうちの少数。
裏を返せば、大部分の患者は一般的な療養や治療で回復しているということであり、本来この患者たちに対しては感染症の専門医療機関や保健所が対応する必要はなく、開業医が責任を持てばいいのではないかというのが僕の持論です。
(以下省略/全文はメールマガジンでお読みください)
(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約1万7800字です)
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.261(8月31日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【有事の医療政策】病床逼迫、保健所のパンク……有事を乗り切るために必要な「医療への強制」という考え方》特集です。
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元大阪市長・元大阪府知事
1969年、東京都生まれ。弁護士、政治評論家。2008年から大阪府知事、11年から大阪市長を歴任し、大阪都構想住民投票の実施や、行政組織・財政改革などを行う。15年に大阪市長を任期満了で退任。現在、テレビ出演、講演、執筆活動を中心に多方面で活動。『実行力』『異端のすすめ』『交渉力』『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』など著書多数。
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(元大阪市長・元大阪府知事 橋下 徹)
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