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「それは難しいんじゃない?」すぐ批判してくる人を仲間に変える"あるひと言"

プレジデントオンライン / 2021年9月10日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

こちらが何か言うと「それは難しいんじゃない?」と、すぐに批判的なことを言う人にはどう対処すればいいのか。経営コンサルタントの高橋輝行さんは「『難しいとおっしゃる理由は何でしょうか』と切り返すといい。批判的な人から頭脳を借りられると、仕事がスムーズに進むようになる」という――。

※本稿は、高橋輝行『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

■面倒な人と出くわしたらどう対処すべきか

組織の中にプロジェクトをストップさせてしまうような“面倒な人”がいることがあります。その典型例として、

●人の意見を聞こうとしない「思い込みの強い人」
●答えや成果ばかり急ぐ「せっかちな人」
●ネガティブな反応や後ろ向き発言が多い「批判的な人」
●具体的に伝えないと動かない「指示待ちの人」
●やりますと言ってやらない「動きの悪い人」

が挙げられます。ここでは、そのような人に出会った時の対処法を、私の経験をもとにお伝えします。

■思い込みの強い人に真正面から反対するのは逆効果

強烈な成功体験をした創業者や自信過剰の人に見られがちですが、思い込みの強い人は周りの誰かが意見をしても「絶対に自分の考えのほうが正しい」と言い張って耳を傾けようとしません。

高橋輝行『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)
高橋輝行『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)

こういう人に「それは違うと思う」と真正面から反対すると逆効果となり、また「こちらはどうでしょうか」と別案を提案しても信念を曲げようとはしません。ただ、自信の裏には必ず何か背景があるので、まずそれをつかむことから始めます。

例えば、「確かに、その考えは面白いと思います。そう強く思う理由を聞かせていただけませんか」と伝え、相手が「以前、これで成功したので、今回も同様にやればうまくいくはずだと思っています」と言ったら、「確かに、その成功は素晴らしいですね。しかし、その時と今回はこの点が異なるため、それを踏まえた方法をイメージする必要があるように思いますが、どうでしょうか」と質問しながら、相手の思い込みの枠を外すようにリードします。

相手に「確かにそうかもしれません」と言ってもらえるようになれば、そのイメージを膨らませるディスカッションに入るといいでしょう。

■せっかちな人にはゴールイメージを共有する

「あの件はどうなった?」や「全然進んでいないじゃないか」と言いがちなせっかちな人に、今の状況を事細かに説明する、進んでいない理由を並べ立てることは火に油を注ぐようなものです。「だから、そういうことを聞いているんじゃなくて!」と言い返されてしまいます。

このような人とは、まずゴールイメージを共有し、スケジュールを固めることから始めましょう。

例えば、「この件については、企画を仕上げることをゴールに、1カ月で終わらせたいと思います。2週間で素案を作り、それを確認いただいた後、残りの2週間で仕上げ、確認いただこうと思いますが、いかがでしょう」というイメージです。

せっかちな人の多くは、あまり細かい内容までは踏み込んでこないのですが、たまに細かくチェックしようとする人がいます。そういう場合は、「週に1度、進捗状況を共有したいと思いますので、水曜日の朝9時にお時間いただければと思いますが、いかがでしょうか」と事前に予定を押さえておくといいでしょう。いずれにせよ、相手から確認や報告を求められないようにしておくことがポイントです。

■批判的な人は「発言の真意」を探って巻き込む

こちらが何か言うと「それは実現が難しいんじゃないか」や「それを社内の人間でできるのだろうか」と言う批判的な人に対して、「実現できるかやってみなければわかりません」や「そんなことを言っても始まらない」と反論しても意味はありません。批判的な表現にいちいち反応するのではなく、そのような発言に隠された真意を確かめましょう。「難しい」や「できない」と発言する裏には必ず何か理由があります。

例えば、「難しいとおっしゃる理由は何でしょうか」と質問し、「この課題をクリアしないとダメだと思っています」と言われたら、「その課題をクリアするイメージを一緒に考えたいのですがいかがでしょう」と相手をディスカッションに巻き込んでいきます。

批判的な人から頭脳を借りることができるようになると、イメージの解像度を飛躍的に上げられるようになります。理由は、批判的に物事を見ることのできる人は思慮深い人が多いからです。

■指示待ちから人を脱却させる方法

話をしていると「では、具体的に何をすればいいのでしょう」や「具体的に言ってもらわないと動けない」という指示待ちの人がいます。

このような人を一括りに「受け身な人だ」「使えない人だ」とレッテルを貼ってしまわず、相手と一緒にイメージを作るようにしましょう。指示待ちに見えるのは、実は頭の中にイメージが湧いていないことが大半だからです。

例えば、「具体的にどうすれば」と聞かれたら、「こんなイメージを持っているけれどどうでしょう」とヒントを与えながら思考を促すようにします。

相手が「こういうことでしょうか」と答えを探るような質問をしたら、「たとえ話をしただけで、あなたならどう考えますか?」と相手の思考を引き出すようにして、相手の頭の中にイメージさせるようにします。

くれぐれも「こうして」と答えを言ってしまわないように注意してください。そうすると、いつまでも指示待ち状態から抜けられません。

■「なぜやっていないのか」と問い詰めても意味がない

「やります」「わかりました」と言ったのに動いていない人に、「どうしてできないのか」と問い詰めると思考停止となって逆効果です。多くの場合、イメージを持たないまま空返事をしてしまい、後になって一人で悩むパターンです。

イメージがないため、「どうしよう」と悩みながら他の仕事に追われてしまいタイムアップになります。このような人には、指示待ちの人同様、一緒にイメージを作ることが効果的です。「やります」と返事をしたら、「どのように動くイメージを持っていますか」と質問し、相手のイメージを引き出します。たいてい、「どう動いていいかよくわかりません」と答えるので、「例えば、こういう感じで動くのはどうでしょう」とヒントを出しながら相手にイメージさせます。

相手が考えこんでしまうようなら、「実際に動くとするなら、具体的には何と何をどのように行うイメージですか」と細かく分解してイメージさせていくのも一手です。

イメージを引き出すこちらが、「代わりに自分が引き受けることになれば、これなら動けそう」というところまでイメージを具体化することがポイントです。相手に「考えておいてください」と思考を投げてしまうとまた「やります」「わかりました」と言って、同じことが起こり、相手は動いてくれません。

【図表1】社内の面倒な人の扱い方
出所=『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』

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高橋 輝行(たかはし・てるゆき)
経営コンサルタント
1973年、東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科を修了後、博報堂にて教育エンタメ系企業の広告・PR・ブランディングを実施。その後、ベンチャー企業を経て経営共創基盤(IGPI)でぴあの経営再建を主導。2010年KANDO株式会社を創業。桜美林大学大学院MBAプログラム非常勤講師、デジタルハリウッド大学メディアサイエンス研究所客員研究員。著書に『ビジネスを変える! 一流の打ち合わせ力』(飛鳥新社)、『頭の悪い伝え方 頭のいい伝え方』(アスコム)、『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)他。

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(経営コンサルタント 高橋 輝行)

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