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仕事量はほとんど同じなのに「忙しそうな人」と「余裕のある人」の決定的な違い

プレジデントオンライン / 2021年9月25日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gorodenkoff

仕事量はほかの人と変わらないのに、いつも忙しそうにしている人がいる。マーケティングコンサルタントの酒井光雄さんは「仕事に追われている人ほど仕事の段取りが悪い。限られた時間で要領よく働くは4つのポイントがある」という――。

■いくら働いても仕事が終わらない根本原因

あなたの職場で、こんな具合に仕事をしている人はいませんか。

・パソコンの前でフリーズしたまま、前に進まない
・期限までに仕事が終わらない
・提出するとやり直しになることが度々起きる
・喫煙所に行って、考え事ばかりしている
・会議の直前にならないと資料が提出できない
・上司が望んでいる肝心な要点や結論が書類に提示されていない

頭が悪いわけではなく、またやる気はあるのに仕事がスムーズに進まず、いつも忙しそう。そのうえ、なかなか結果が出せない人がいます。こういう人はどの職場にも必ずと言っていいほど存在しています。

仕事の量は他の人と同じなのに、いつも残業している人は決まって同じ人だったりします。なぜ仕事が遅くなる人が生まれるのでしょうか。本稿では仕事が遅い、要領の悪い人に共通する「残念な習慣」を踏まえ、スマートな働き方を考えてみます。

■要領が悪い人、仕事が遅い人に共通する“残念な習慣”4パターン

仕事が遅くなる人たちを観察していると、仕事が速く進む人にはない「残念な思い込み」やその人独自の「いただけない習慣」があることに気づきます。

パターン①:目の前の仕事にすぐに取り掛かる

今すぐにすること・今日中にすること・今週中にすること・来月までにすること、といった具合に仕事を分類し、優先順位をつけて仕事をすることが苦手な人がいます。

例えば、

・休み明けに溜まったメールやチャットの返信をしていたら、午前中がつぶれてしまった
・1カ月前に依頼されていたのに着手できずにいた仕事があったが、別の仕事の締め切りと重なり、本人はパニックになっている
・1週間前から転勤する上司の送別会があることは分かっていたのに、仕事が遅れていたため直前になって参加できなくなった
・連休の前日、夕方になってから仕事を手伝ってほしいと頼んだが、同僚から断られた
といった具合です。

本人に悪気はないのですが、周囲の人たちから見ると要領の悪さが際立って見えます。

パターン②:時間さえあれば、仕事はできるという思い込み

通常の勤務時間内に仕上げようとせず、残業することを前提に仕事をする人がいます。

例えば、

・提出期限が迫っていても、残業すれば何とかなると思って仕事をしている
・残業が度重なり睡眠不足で作業効率が落ち、悪循環にはまっている
・仕事が進まないため休日も出勤しているが、進展しているように見えない

といった傾向があります。

時間さえあれば、仕事はできると思い込んでいる人に見られる傾向です。いくら時間があっても仕事の段取りが悪ければ、期日までに仕上げられないことに本人が気づいていません。真面目な人が多く、残念なタイプです。

腕時計
写真=iStock.com/Hanasaki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hanasaki

■段取り不足、時間配分の大間違い……

パターン③:仕事に取り掛かるまでに時間がかかる

作業手順が決まっているルーティンワークなら得意なのに、自分で最適な方法を考えて進める新しい業務になると、取り掛かるまでにやたらと時間が掛かってしまうタイプです。

・これまで前任者の仕事の仕方をそのまま踏襲してきた
・マニュアル通りに仕事を進めることが仕事だと思い込んでいる
・自分で仕事の段取りを考えたことがない
・ルーティン業務を仕事だと思い込んでいる

といった傾向があります。

進め方が決められている作業と、自ら創造的に仕事の段取りを考えて進めていく仕事との違いを理解していない人です。

パターン④:ネット上で答えを探し続けている

ネット検索時代の弊害なのですが、ネットで調べればそこに答えや作業手順などが見つかると信じ、自分の仕事の仕方を探し続けるタイプです。

・PCに向かって熱心に検索しているが、動いているのはマウスだけ
・自分で考えず、ネットで見つけた記事をそのまま引用・転載している
・裏付けのない情報やブログの記事を仕事の資料として使ってしまう

といった傾向があります。

情報収集は必要ですが、自分で考える前にネット検索していては、必要とする情報に巡り合えないことが増えてしまいます。

■振られた仕事はすぐに取り掛かってはいけない

こうした「残念な習慣」から脱却し、創造的に効率よく仕事を進めるには、次のような4つのポイントがあります。肝心なことは、タスクに着手する前に段取りをつけることです。

ポイント①:自分の仕事を重要度と緊急度とに分け、全体像を把握する

仕事には重要度の高いものから低いもの、そして時間的に緊急度の高いものから低いものまでが存在しています。仕事の要領が悪い人は、まず自身の仕事を整理する必要があります。

【図表】まず自身の仕事を整理する
図表=筆者作成

この時の優先順位ですが、<B象限>を最初に取り組み、次に<A象限>の仕事を手掛けます。重要なのに時間がある<A象限>の仕事は、大きな案件である可能性が高いので、時間を掛けて少しずつ取り組むように心掛けます。直前まで手つかずにいると、精緻に仕上げることができなくなります。

社内メールや電話、ビジネスチャットの返信に代表される<C象限>は、<B象限>や<A象限>に取り組んでいて集中できなくなった時に、気分転換を兼ねて済ませます。メールでよく利用する返信の文面はひな形をPCに記憶させておいて使うようにすれば、時間が節約できます。<D象限>の仕事はしなくて済む方法がないかを考え、極力排除していきましょう。

人には個別に、仕事に最も集中できる時間帯があります。自分が集中できる時間帯を把握し、その時間帯に<B象限>や<A象限>の仕事に振り向けます。昼食後の眠くなりやすい時間帯は会議やリモートミーティングを組み込むと、眠気がなくなり無駄なく効率化できます。

■ゴールから逆算したほうがいい

ポイント②:ゴールから逆算して進捗を管理する

自分が手掛けている仕事の重要度と緊急度で分類ができたら、<B象限>と<A象限>の仕事を中心に作業スケジュール表をつくります。仕事の期限や締め切りをゴールに設定し、そこから逆算して作業項目とその内容を記していきます。

例えば企画書や報告書の作成、プレゼンテーションなら、「ゴール←リハーサル←ドキュメントの作成←目次づくり←上司やチームとの情報共有←仮説の検証←情報収集←仮説づくり←上司やチームとの事前確認」といった具合に逆算していきます。

同時並行でいくつも仕事が動いている場合には、不測の事態が起きた際のリスクヘッジとして、作業日数にはそれぞれ余裕を設けておきます。情報の共有化や報連相のための日程もあらかじめ設定しておき、事前に参加者と共有化しておきましょう。

このほか、2つの注意点があります。

要領の悪い人が陥りやすいのが、情報集めや資料集めでのミスです。

仕事を効率よく進めようとするあまり、いつまでもネット検索して参考文献やコピーペーストできる資料を探す人がいます。情報収集は必須ですが、時間を掛け過ぎてしまうとロスが生じます。やみくもに探すのではなく、情報収集の前に自身で仮説を立て、その仮説を裏付ける情報がないかを探します。これも期間を区切ることをお勧めします。

また、大きなプロジェクトを任された時は、プロジェクトをいくつかのフェーズに切り分け、フェーズごとに必要になる作業手順と小さなゴールを設定して進めます。例えば5つのフェーズに分けておのおのの作業手順を組み立て、それぞれゴールを設定します。「国内外の市場動向と分析」「注目したい成功事例」「目指したいビジネスモデルとその策定」「事業計画」「作業スケジュールと予算」といった具合に切り分けます。

大きな仕事ほど切り分けて考え、仕事を進めていくと、負担感は軽くなります。また小さなゴールを到達する度に達成感に満たされる効用があるので効率よく進めることができます。

■「完璧主義はNG」100%の完成度を求めてはいけない

ポイント③:同僚を巻き込み、上司と方向性を擦り合わせる 

頭がよい人ほど、すべて独力で仕事をこなそうと考える人が多いようです。しかしこの発想は、孤立したり独断専行したりする弊害を生む恐れがあります。ひとりで考えてもアイデアが浮かばず悶々とする時は、自分だけで抱え込まず、上司や同僚に相談しましょう。

床に散らばる資料の上に疲れ果てて横たわる男女
写真=iStock.com/miko315
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/miko315

カジュアルな方法としては、同僚をランチに誘ったついでに相談するという手があります。またアイデア会議の開催を呼びかけ、チームメンバーに助けてもらう方法も効率的です。

そして、要領よく仕事をこなす上で極めて重要なのが、進捗状況を上司に報告しつつ、疑問点は事前に相談してから作業を進めることです。

何時間もかけて作った資料が、上司からダメ出しされ、最悪の場合にはやり直しになることもあるでしょう。結果的に要領の悪い仕事になってしまいます。やり直しを避けるには、期待されているアウトプットと自分が取り組んでいる内容に乖離(かいり)がないかを定期的に上司に確認しながら作業を進めることです。

途中段階でもフィードバックをもらうこと。こうした手順を一つひとつこなすことで、最短距離でタスクをこなし、結果として効率的な働き方を実現することができます。

ポイント④:スキマ時間や休憩時間を上手に活用する

集中して仕事をこなすためには、休憩時間やスキマ時間を活用することが大切です。集中して仕事をしていれば誰でも疲れますし、課題にぶつかり前に進めなくなることがあります。こんな時は気分転換を兼ねて、数分で済む<C象限>の業務を済ませてしまいましょう。

人間が集中できる時間は50分から1時間程度ですから、集中力が途切れたら5~10分の休息時間を取り、その間にメールやビジネスチャットの返信など<C象限>の業務に振り向けます。

■ひとりで抱え込まず、周囲の助けを借りよう

優秀な人や仕事ができる人ほど、皆仕事でスランプに陥った経験を持っています。社会人になってまだ間がない人だけでなく、新たな部署に異動になりこれまでのように仕事ができなくなって苦しんでいるミドルのビジネスパーソンもいます。

こんな時にひとりで仕事を抱え込み、誰にも相談できずにいてはつらい思いをするだけです。苦しんでいる時に解決策を共に考え、共に導き出してくれる人がいたら本当に救われます。

スランプに陥ったり仕事に手がつかなくなったりした時はひとりで抱え込まず、進んで人の力を借りるようにしましょう。こうした時に力になってくれるのは、同様の経験を積んできた先輩や上司です。可能性を持つ人を救えるのは「痛みを知るミドルエイジの人たち」です。

集中して効率よく仕事に取り組めば会社から評価され、仕事が速く終われば自分の自由時間が生まれます。

仕事で立ち止まり悩んでしまったら、遠慮せず同様の経験をしたことのある人に相談しましょう。解決する糸口が必ず見つかります。

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酒井 光雄(さかい・みつお)
マーケティングコンサルタント
学習院大学法学部卒業。事業経営の本質は「これまで存在していなかった新たな価値を生み出し、社会に認めてもらう活動」であると提唱。価値の低いものはいつの時代も、必ず価格競争に巻き込まれ、淘汰されていくとして、一貫して企業と商品の「価値づくり」を支援している。日本経済新聞社が実施した「経営コンサルタント調査」で、「企業に最も評価されるコンサルタント会社ベスト20」に選ばれた実績を持つ。著書に『不況を乗り切るマーケティング図鑑』『デジタル時代のマーケティング・エクササイズ』(共にプレジデント社)、『全史×成功事例で読む「マーケティング」大全』、『成功事例に学ぶ マーケティング戦略の教科書』(共にかんき出版)、『コトラーを読む』『商品よりもニュースを売れ! 情報連鎖を生み出すマーケティング』(共に日本経済新聞出版)、『価値づくり進化経営』『中小企業が強いブランド力を持つ経営』『価格の決定権を持つ経営』(共に日本経営合理化協会)、『図解&事例で学ぶマーケティングの教科書』(監修)『男の居場所』(共にマイナビ出版)など多数ある。プレジデント社のオンラインサイト「プレジデントオンライン」で連載コラムを執筆し、多くのファンに支持されている。日経BP社が主催する日経BP Marketing Awardsの審査委員を長年務めている。http://www.ms-bgate.com/

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(マーケティングコンサルタント 酒井 光雄)

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