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「中1の息子がこっそりAVを観ている」そのとき親なら絶対に使ってはいけない"ある言葉"

プレジデントオンライン / 2021年9月26日 11時15分

イラスト=大野智湖

思春期の子供がこっそりアダルトビデオ(AV)を観ていたら、親はどう対応するべきなのか。作家でカウンセラーの夏目祭子さんは「AVのようなセックスはニセモノだと伝える必要がある。そのためには4つのポイントがある」という——。

※本稿は、夏目祭子『親子で学ぶ「幸せな性」と命のお話』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

■親子向けの性教育講座で必ず受ける質問

Q 「中1の息子の母親です。はっきり確かめてはいませんが、おそらく息子が、もうインターネットなどでアダルト動画を観たことがあるのではないかと考えています。きっと男子同士の友達関係からも、そういう情報が入ってくるのでしょう。興味本位でそういうものを観て、性に対して間違ったイメージを持ってほしくないのですが、それをどう伝えたらいいのかわからず、もどかしい思いをしています」

A 実はこの質問は、私が親子向けの性教育講座を開いた時に、毎回必ず親御さんから頂く、『ご質問率100%』のお悩みなんです。それほど、今の日本では、真実を歪めてしまう劣悪なポルノ描写が、多くの人の目に入りやすい場所に垂れ流されているということです。

まず、私が実際に自分の息子にどう伝えたか? という体験からお話しします。

今はもう大人になった息子が中学2年の時のこと。息子がインターネットのアダルトサイトにアクセスしたらしい形跡に気づいた時、私の中に「男女の営みが、その程度のガサツな行為だと思うような、粗暴な感覚に染まってほしくない!」という強い思いが湧いてきました。

それで早速、タイミングを見計らって、息子に話を振ってみました。

■あくまで一般論の世間話のように切り出す

この時、「観てたでしょー」なんてからかうようなことは、絶対言わないようにしました。

「今、よくインターネットでアダルトサイトとかあるけど、あれってどう思う?」

と、あくまで、一般論の世間話のように言ったわけです。

すると息子は、「さぁねぇ……」と完全にしらばっくれて返してきました。

何だか大人の会話みたいですね(笑)。

そこで私は言いました。

「あれは演技でやってる作りごとだから、あれが本当だって鵜呑みにしちゃダメだよ。女の人を“物”みたいに扱ってるからね。

それより、ちゃんと現実の女の人はどうなのか、よく見たほうがいいよ」

——息子は「あっそう」という感じで淡々と聞いていましたが、「母の教え」として残ったのではないでしょうか。

制服を着た学生
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taka4332

■「あれが本当だって信じちゃダメ」ときちんと伝える

では、これにもう少し補足して、ポルノ動画について男の子に伝えておく時のポイントを4つお教えします。

「何でそんなもの観てるの!」などと、頭ごなしに怒ったり責めたりしないこと

その理由は2つあります。

(1)セクシャルなことは良くないこと、という後ろめたいイメージがつくから。
(2)今後、性の話は親にはできないと、心をクローズしてしまうから。

そこで「興味を持つのは自然なことだから、悪いことではないよ」と認めてあげるといいでしょう(ただし、その内容、描かれ方に注意するということです)。

「あれは演技で、わざとらしく作ってるから、あれが本当だって信じちゃダメ」と伝える

実際に、ポルノ動画のマネをしたりお手本にすると、女の人は「ないがしろにされている」気分になります。

もっとわかりやすい言葉で言うと「雑に扱われている」気持ちになるんですね。

「実際の目の前の女の人の気持ちを、よく聞いたほうがいいよ」

どうしたら嬉しくて、何がイヤなのかを、ちゃんと確かめること。

「相手と『仲良くしたい』と思ったら、その人の『体を大切にする』ようにしないと、気持ちは伝わらないからね」

「大切に」とは具体的にどうするのかというと、大切な宝物を扱うようなつもりで、ていねいに触れることですね。

そうしたら、きっとその相手は、「私のこと、よく考えてくれてる、わかってくれる」と感じるので、愛情が深まります。

■女の子にはどう伝えるか

息子さんが女の人の体に興味を持ったり、性別を問わず「好きな人」ができた時とか、タイミングをみて、少しずつ伝えていくと、将来、身近な女性や、好きな人を大切に扱える男性に育ちますよ。

夏目祭子『親子で学ぶ「幸せな性」と命のお話』(徳間書店)
夏目祭子『親子で学ぶ「幸せな性」と命のお話』(徳間書店)

実は、多くの女性が、自分より体格が大きく、腕力が強い男性に対して、本能的な「怖さ」を感じていると言います。だから、男性は自分と同じような、もしくは男同士のつき合いと同じような感覚で女性の体に触れると、女性にとっては「乱暴」と感じられることが多いのです。だから、「宝物のようにていねいに」とイメージするくらいでちょうどいいのです。

そんなふうに行動できる男性がどんどん増えていけば、「性暴力」も起こりにくい社会になっていくことでしょう。この点でも、親御さんの役割は重要だと言えますね。

では、女の子には、どうやって伝えるとよいでしょうか?

女の子にもやはり、男の子と同じ、もしくはその裏返しとなることを伝えます。

「あれは演技で、動画を作ってる人の、勝手なイメージでやらせてる“作りもの”だから、あれが本当だって信じちゃダメ」ということ。

「“あれに出てくる女の人みたいにしないといけない”なんて思わなくていい」ということ。

「動画のマネをする男の人もいるだろうけど、自分がされてイヤなことははっきり伝えて、お互いに気持ちよくつき合えるように努力したほうがいいよ」ということ。

女性の態度次第で、相手の男性も変わることができます。娘さんが、そんなふうに男性に良い影響を与える女性に育つように伝えていきましょう。

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夏目 祭子(なつめ・まつりこ)
作家
カウンセラー、心身機能研究家。1964年生まれ。早稲田大学法学部卒業。1999年、ダイエット依存症克服体験を描いた小説『ダイエット破り!』(河出書房新社)でデビュー。2006年『ダイエットやめたらヤセちゃった アンチダイエット・スリミングの魔法』(彩雲出版)が多くのダイエット・摂食障害経験者、医療関係者の支持を集め、チェコ語版も刊行される。2002年より、「魂に響く性教育」「大人が学び直す真実の性」講演活動を開始、全国29都道府県で、愛と性に悩む男女を直接指導。福島学院大学特別講師。生活習慣美容研究会会員。『あなたが目覚める愛と性のギフト』(徳間書店)など著書多数。

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(作家 夏目 祭子)

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