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「夕食が10分以内」スマホを見ながら"カレーを飲むように食べる人"を待ち受ける暗い未来

プレジデントオンライン / 2021年9月29日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hanasaki

昭和初期の人に比べ、現代人の食事にかける時間は半分(11分)に減った。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部管理栄養士の赤石定典さんは「肥満の成人男性のうち約6割に早食い傾向があります。糖尿病など生活習慣病のリスクも高まります」と警鐘を鳴らす――。

※本稿は、『プレジデントFamily2021秋号』の記事の一部を再編集したものです。

■「10分で早食い」絶対NGの理由4

戦前(昭和初期)は約22分、現代は約11分。これ、何の比較かわかりますか?

答えは1回の食事にかける時間。家庭によって差はあると思いますが、現代の日本人は総じて早食い傾向にあると言えるのです。

もちろん、子供も同様です。夕食を10分程度で食べ終えているようなら要注意。今のうちにゆっくり食べるよう習慣づけることが大切です。

では、なぜゆっくり食べたほうがよいのでしょうか。理由の一つは肥満防止です。脳の満腹中枢は食べ始めて20分ほどで働き始めるため、早食いの場合、つい食べ過ぎてしまいがち。

子供のうちは運動量が多いので肥満に直結することは少ないのですが、そのまま早食いを続けて大人になると影響大。実際、肥満の成人男性のうち約6割に早食い傾向があるという報告があります。糖尿病など生活習慣病のリスクも高まるというわけです。

さらに、ゆっくり食べるとかむ回数も増え、消化がスムーズになります。食べた物が小腸に送られるときには3mmほどの小ささになっている必要があり、よくかむと、その分、胃で細かくする必要がなくなり、胃の負担が軽くなるのです。

しかも、そしゃくによって脳の働きを活性化することもできます。居眠り運転の予防にガムが効果的なのはそのため。よくかんで食事を取れば、勉強に集中できるでしょう。

また、意外に思うかもしれませんが、そしゃくはむし歯予防にもつながります。むし歯菌が増殖するのは、口の中が乾燥しているとき。よくかむと唾液がしっかり分泌されるのでむし歯菌が増えにくくなるのです。かむ回数を増やす秘策は“箸置き”

こうした利点から「1口30回、かむべし」というのが通説ですが、一口頬張っては「1、2、3……」と数えているとせっかくの食事が楽しめないですよね。

そこで、私がお薦めしているのは、一口ごとに箸を置く方法です。自然とかむ回数が増え、和食の作法も身につきます。子供用のかわいい箸置きを用意してやるのもよいでしょう。

献立を工夫することも欠かせません。現代の食事は昔より柔らかい食べ物が多く、そのためにそしゃく回数も少なくなっています。顎が細い子供が増えているのは、かまなくて済む食事の影響といわれているのです。

かむ回数が増えるのは、野菜、きのこ、海藻、こんにゃくなどの食物繊維が多い食材。毎日の食事に意識して加えてみてください。

逆に、早食いになりやすいのは、牛丼や親子丼などの丼物やカレーライスです。特にカレーはほぼかまずにするっと食べられるうえ、スプーンを使うことで早食いが助長されやすいのです。

■カレーや丼物には、大麦ご飯など“飲み込みにくい食材”を

とはいえ、丼物もカレーライスも子供たちの大好物。メニューから外せないですよね。そこで試してほしいのが白米を大麦ご飯や玄米ご飯に替えること。これでそしゃくが促されます。サラダを添えるのもいいですね。

おやつにしても、せんべい、焼き芋、するめいか、おしゃぶり昆布などを選ぶとかむ力がつけられます。勉強中なら砂糖不使用のガムをかむのもよいでしょう。リラックスして集中力も高まるはずです。

こうした工夫とともに、家族で楽しく食卓を囲むことも大切なポイントです。食べるスピードが自然とゆっくりになるからです。避けたいのは1人で黙々と食べる孤食。食事時間は短くなり、ましてスマホなどを見ながら食べるとかむことがおろそかになってしまうのです。

ちなみに食の細い子の場合、ゆっくり食べると満腹になってしまい完食できなくなるケースもあるので、ゆっくり食べようとは言わないほうがいいです。子供の食事の状況に合わせながら、かんで味わう大切さを伝えてください。

具材がごろごろ入ったカレー
写真=iStock.com/kazoka30
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazoka30

■自然とかむ回数が増える調理の4つの工夫(カレーの場合)

1:具材を大きく切る

ジャガイモ、ニンジン、肉などは大きめに切って入れましょう。小ぶりのジャガイモをまるごと煮込んでも楽しいですよ。お皿にゴロッと入っていたら“当たり”とすると子供も喜んで食べるでしょう。きのこ類などを入れてもいいですね。

2:骨付き肉を入れる

骨付きの鶏肉でチキンカレーにすれば骨からも旨味が出るし、食べるのに手間がかかるのでその分ゆっくり食べられ、そしゃく回数が増えます。

3:キーマカレーにする

ひき肉は飲み込みにくい食材なので、肉をひき肉にするだけでもかむ回数が増えます。

4:目玉焼きやコロッケなどをのせる

口に入る大きさに切るのに時間がかかり、そしゃく回数が増えます。見た目も華やかに。

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赤石 定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士
『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』などの本やテレビで、食事で健康になる情報を発信している。

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(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士 赤石 定典 構成=上島寿子)

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