多くの国民から祝福されなくても…覚悟を決めた眞子さまは記者会見で何を伝えるのか
プレジデントオンライン / 2021年9月29日 17時15分
■深いお辞儀は「眞子さまから注意された」から?
9月27日午後3時過ぎ、小室圭が甘ったるい海の王子から、目つきのややきつい精悍(せいかん)な大人の男になって帰国した。
帰国直前、ニューヨークでフジテレビが彼を直撃していた。
問いかけには何も答えなかったが、彼の外見の変貌ぶりが話題になった。
長くのびた髪を後ろで束ねたちょんまげのような髪型は、秋篠宮眞子さんと婚約した頃の小室圭とは違う人物のようだった。
3年2カ月という年月と、楽ではなかっただろうニューヨーク生活が、彼を鍛え、たくましくしたのだろうか。
ほほえましいエピソードがスポーツニッポン(9月26日付)に載っている。
ニューヨークで取材を受けた際、無言のまま去っていった。だが次の日のTBSの直撃では、何もいわなかったがビルの中に入る際、記者に深々とお辞儀をしたのだ。
これについて宮内庁関係者は「眞子さまから注意されたのでしょう」と指摘している。
「前日の会釈一つしなかった態度にネット上で『ガン無視するなんて皇族と結婚する人の態度なのか』などと批判が広がったことを眞子さまが重く見た可能性が高い」(スポニチ)
これがもし事実だとすれば、2人の間では眞子さんが主導権を握っているようである。
同じ年の男女の結婚は、女性のほうが“姉さん”的になるといわれるが、彼女たちも例外ではないのだろう。
■メディアの裏をかいてクラスを変更する徹底ぶり
成田空港の到着口から出てきた小室圭は、マスクをかけていることもあるのだろう、鋭い目つきで周囲を睥睨(へいげい)し、何やら敵地へ乗り込んできたという雰囲気を感じたのは、私の考え過ぎだろうか。
170人を超える報道陣に向かって深く一礼した。
機内でも、彼のコメントを取ろうと、エコノミーの小室圭の座席の周囲をいくつかのメディアが確保していたが、飛び立つ前に急遽、小室圭はビジネスクラスに格上げされ、取材連中をガッカリさせたそうである。
多くの警備員に囲まれ、宮内庁差し回しのクルマに乗り込んだ。当初、帝国ホテルで隔離生活を始めるといわれていたが、急遽変更して、横浜にある小室圭の実家、母親・佳代が待つ家に向かった。
母親とも3年以上ぶりになるのだろう。息子はニューヨークでの生活を話し、母親は長年勤めていた洋菓子店社長との労災トラブルや、メディア取材のしつこさについて嘆いたのだろうか。
そこからスカイプで眞子さんとも話し、これから始まる日本でのさまざまな難関をどう乗り越えていくのかを話し合ったのだろうか。
■婚姻届に皇室離脱の手続き…11月末には渡米か
これでようやく主役が2人そろった。
小室圭はコロナのための隔離期間を過ぎてから、眞子さんと対面ということになるのだろう。
10月23日の眞子さんの誕生日までには入籍、皇籍離脱をするそうだから忙しいに違いない。
週刊文春(9/30日号)では宮内庁担当記者がこういっている。
「眞子さまは十月二十三日に誕生日を迎えられます。誕生日には近影や近況を公表する必要があるため、それまでに婚姻届を提出して、皇籍を離脱するかもしれません。そこから眞子さまのパスポートやビザ取得のための手続きを行い、秋篠宮さまの誕生日である十一月末までには渡米するのではないか」
父親の誕生日を祝わないで、さっさと旅立ってしまうというのである。
秋篠宮と眞子さんとの修復しがたい関係を象徴するような慌ただしさだが、実際は、そう簡単にコトは進まないようである。
10月半ばから渡米のためのパスポート取得などの手続きを始めても、皇族には戸籍もないから、一部の報道では3週間ぐらいはかかるだろうという。
そのため眞子さんは秋篠宮家を出て、しばらく都内の高級マンションで生活をして、そこが2人の最初のスウィートホームになるのではないかといわれているようだ。
だが先立つものはどうするのだろう。以前からいわれていたが、皇籍を離脱する際に払われる1億4000万円ともいわれる「一時金」を、眞子さんが断わっていたことが明らかになっている。
多くの国民からこの結婚が祝福されていないから、税金から支払われるおカネはいただきませんと、眞子さんはいっていたようだが初心を貫いたようである。
■渡米前の家賃やNYでの生活費は“仕送り“か
だが、渡米前のマンション生活や、ニューヨークで新婚生活を始めるために必要なのは、小室圭への愛はもちろんだが、相当な額のおカネも必要になる。
眞子さんには成人してから年に1000万円近い皇族費が支払われていたという。週刊誌の中には、それが1億円近くなっているだろうから生活費の心配はいらないとみているところもある。
だが、小室圭には蓄えがなく、留学中に借りたおカネが1000万円以上にもなるといわれている。髪結いの亭主を抱え、高い家賃と生活費、十分なセキュリティーも必要になってくるとすれば、1億というおカネはあっという間に消し飛んでしまう。
女性セブン(9/30・10/7日号)は、皇籍を離脱してしばらく滞在する都内の高級マンションの家賃も、ニューヨークへ行ってからの生活費も、内々で秋篠宮家の皇族費から援助するはずだと見ている。
だが、秋篠宮に毎年支給される皇族費は「年間9150万円」(女性セブン)だという。
家賃はいらないとしても、その金額で秋篠宮家のさまざまな費用を賄い、その上貯金するというのはなかなか難しかったのではないか。
これまでも、秋篠宮紀子さんが「おカネがない」と愚痴っているという報道は何度もあった。
その上、こじれた親子関係では、秋篠宮家からの援助を期待するのは無理があるように思うのだが。
■疑惑追及の会見にはならないだろう
それに最大の難関が待っている。秋篠宮が以前からいっていた「多くの国民に納得」してもらうために開かざるを得ない記者会見である。
どのような会見になるのだろう。
時期は10月中旬。場所は婚約会見と同じ赤坂東邸か。
最初に入ってくるのは眞子さん、続いて小室圭。居並ぶ宮内庁記者会の面々にあいさつして、椅子に座る。2人の前には低い机が置かれ、婚約会見と違うのは2人の前に透明なアクリル板が置かれるくらいか。
幹事社代表が「このたびは秋篠宮眞子内親王におかれましては、小室圭さんとのご結婚が決まり、まことにおめでとうございます」とあいさつをする。
それに対して眞子さんが「結婚が決まったことを誠にうれしく思っております」と答える。
前回は、「先ほど、御所へご挨拶に上がりました。天皇皇后両陛下より、大変温かく、心のこもったお言葉を頂きました」といったが、今回はないのだろう。
記者会から事前に出された質問以外は答えないといわれている。宮内庁記者会の質問が終わった後、週刊誌なども入れた質疑応答を行うとも報じられているが、それはないと思う。あくまでも結婚報告の会見で、疑惑追及の場ではない。
■「ご両親とどのような話し合いをしてきたのか」?
考えられる質問は、「婚約延期から4年近くあいたが、眞子さまはその間どのようなお気持ちでお過ごしになっていたのか」「小室圭さんとは連絡を取り合っていたのか。どのような話をしていたのか」
当然、小室圭の母親・佳代と元婚約者との金銭トラブルについての質問もあるはずだ。
そして「ニューヨークでお暮らしになるということだが、不安はないのか」。私だったら、「結婚についてご両親とはどのような話し合いをしてきたのか」と聞きたいが。
さて、どのように答えるのだろう。
4年近くのブランクについては、「私の結婚についての考え方はまったく変わっておりませんでした」と、静かな中にも決然としたいい方になるのではないか。
会えない間は、スカイプで毎日連絡を取り合っていたと、小室の母親・佳代が語っている。「毎日連絡を取り合ってはいましたが、その内容についてここで申し上げるわけにはまいりません」程度のことは話すのだろう。
■金銭トラブルについては言及するのか
金銭トラブルについては小室圭が話すだろうが、まず、「母と元婚約者の方との婚約中のおカネの問題では、秋篠宮ご夫妻を含め皆さまに多大なご心配をおかけしてしまったこと、深くおわび申し上げます」という謝罪で始めるのだろう。
そして、「元婚約者の方とは現在、私どもの代理人弁護士の方と話し合いを始めております。大変お世話になった元婚約者の方のご納得がいく形で早急に解決するよう努力する所存でございます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」とでもいうのか。
週刊文春によれば9月14日、元婚約者と小室側の弁護士が南青山にある弁護士の事務所で会いまみえたという。
元婚約者の「佳代と会って話がしたい」という要求に対して、弁護士からは、「佳代さんがあなた方に向き合うには、まだ時間がかかる」といわれ、彼は「ちょっと、これから怒るからね」と前置きして、「こちらは手紙でも電話でも構わないと言っているのに、全く対応してくれないというのは、どういうことなのか」と怒声を響かせたというのだ。
■「温かく、居心地が良く、笑顔あふれる家庭を…」
まだ解決には程遠い状態のようだが、それを突っ込む勇気のある記者はいないだろうから、この問題は、引き続き週刊誌が追い続けることになる。
だが、2人が結婚してニューヨークへ行き、母親の佳代も向こうへ行ってしまえば、週刊誌の野次馬精神にも限りがあるから、この問題への関心は失われフェードアウトしていくのではないか。
秋篠宮夫妻については、「いつでも温かく見守っていてくださいます」程度ではないか。
結婚生活については、前回の会見で眞子さんはこう述べている。
「幼い頃より結婚をするときは、皇族の立場を離れるときである、という意識を持って過ごしてきました。その中で、天皇陛下をお助けし、自分なりにできる限り皇族としての仕事を大切に果たそうと努めるとともに、私自身の生活も大事にしてまいりました。両親も、私の考えを尊重しながらも、助言をし、見守ってくれました。
(中略)新たに家庭を築くことは、なかなか想像の範囲に収まることではないと思いますが、小室さんと共に、温かく、居心地が良く、笑顔あふれる家庭をつくることができれば、うれしく思います」
記者からの不規則発言は許されない。かくして2人は立ち上がり、再び記者たちに頭を下げ、会見場を後にするのだろう。
■記者も国民もフラストレーションが溜まる会見になる
週刊新潮(9月30日号)は、かつてノルウェー王室で、ホーコン王太子と交際中だったメッテ=マリット王太子妃が、メディアにドラッグパーティーに参加していたことなどを暴かれ、王室の支持も急落したときのことを持ち出している。
「それでも彼女は、00年11月の婚約会見で過ちを認めつつ“今後を見守って”と涙ながらに訴え、以来、多くの国民の支持を得てきた」
眞子さんもそれに倣(なら)って「涙の大逆転」があり得るのか、だが、「そんな芸当は望むべくもなかろう」と切って捨てる。
なぜ眞子さんが涙を流して訴えなくてはいけないのだろう。彼女は一途に小室圭との結婚を望んできただけで、後ろ指をさされる何ものもないのに。
会見は宮内庁が考えたフィクションである。記者たちは、本当に聞きたい彼らの本音を聞くことができず、それを見る国民もフラストレーションが溜まることは間違いない。
だが、眞子さんにも記者やその後ろにいる国民にいいたいことが溢(あふ)れるほどあるはずだ。
彼女は何をいいたいのか、私が忖度してここで書き記してみたいと思う。
■過熱する報道合戦についての思い
眞子さんはこう話し始める。
「私たちの結婚が多くの国民の皆さまから祝福されていないということは、誠に残念なことだと思っています。
そのことについてはこれまでも2人で話し合ってきました。小室さんのお母さまと元婚約者さまとの間の金銭問題について、私たちの説明不足と、誠意の無さがあったからだと深く反省しております。
このことについては速やかに解決することをお約束します。
そのことでもう少し話をさせてください。
この問題が週刊誌で報じられ、それがきっかけとなって婚約が延期されてしまいました。
私たち2人にとっては大変残念なことでしたが、未熟なまま結婚を急ぎ過ぎていた私たちには必要な時間だったと思っています。
ですが、その後も洪水のように報じられた情報の中には、小室家のプライバシーを暴きたてるものや、事実と異なるものが多く見られました。
また、秋篠宮家についても、情報源が定かでない噂話が面白おかしく報じられました。
それを読んだ国民は、事実かどうかを確かめる術もないまま、小室圭さんやお母さまの佳代さま、秋篠宮家の悪いイメージだけが広がってしまったように思います。
意図的だとは思いませんが、マスメディアがスクラムを組む力を思い知らされました。
妹の佳子は大学を卒業するときの文書で、『メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています』といっています」
■一連の報道を検証してみる必要は絶対にある
「私も今、こういわせていただきます。
マスメディアで重要な仕事をしている方々には、ご自分が書いた一本の記事がもし間違っていたとしたら、隠していたいプライバシーを暴かれたら、書かれた人がどれほど傷つくのかを、今一度考えていただきたいと思います。
私たちについての多くの報道を見ていて、皇室の人間と関わると大変なことになると思う人もいると思います。ただでさえ皇室以外の人たちと知り合う機会が少ないのに、ますますその機会を奪ってしまうことになりはしないでしょうか。
私には佳子という妹がいます。彼女は『結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています』といっており、自分の意思で結婚したいと考えているようですが、そんな彼女の願いが、私たちのことで、少しでも影響しないように願っています。
開かれた皇室を目指すべきなのに、両側から閉ざすことにならないか、心の底から心配しています。
私たちはこれからニューヨークという街で新しい生活を始めます。アメリカはプライバシーを尊重する国だと聞いております。
メディアの方々には、私たちのプライバシーを侵さないよう、くれぐれもお願い申し上げます。
国民の皆さま、私たちの結婚を祝福してくださいとはいいませんが、これほど2人が信じ合っているのだから、この結婚は認めてやろうといっていただけませんか。
そういっていただければ、私たちは幸せな気持ちで旅立てます」
秋篠宮眞子さんの口を借りたメディア批判になったが、この騒動が一段落したら、これまでの眞子さん&圭報道を検証してみる必要は絶対にある。そう私は考えている。(文中敬称略)
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ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)
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