「結婚しないと幸せになれない」が大間違いだと証明する"ある調査結果"
プレジデントオンライン / 2021年10月28日 12時15分
※本稿は、るろうに『心理カウンセラーYouTuberが教える1秒で不安なくなる大百科』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
■「結婚すること」が目的になっていないか
現代は一人で生きていく人が増えているとはいえ、まだまだ世間的には「結婚しないと幸せになれない」と考えている人は多いです。ですが、結婚は人生のゴールではありませんし、結婚しなくても幸せにはなれるんです。
もちろん、結婚したいと素直に思える相手がいるのであれば、結婚したほうがいいと思います。子どもを産みたい女性にとって、年齢のタイムリミットを意識すると焦りが出てしまうのも仕方ないことです。
ですが、ここで気をつけていただきたいのは、結婚すること自体が目的になっていないかどうかです。
僕が以前お会いした30代女性のニシムラさんは20代の頃から「早く結婚して子どもを産みたい」という願望の強い人でした。20代半ばから本格的に婚活を始め、約1年後には婚活パーティーで知り合った男性と結婚しました。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
ところが、旦那さんは結婚するやいなやニシムラさんが友人と食事に出かけることを拒むなどの束縛をするようになりました。仕事の付き合いで男性と会わなければいけない時も、旦那さんはニシムラさんを怒鳴り、次第に夫婦関係にも亀裂が入り始めました。そして、結婚後1年もたたず離婚することになってしまいました。
■独身者のほうが助け合える人間関係を持っている
ですが、ニシムラさんは「独身に戻った今のほうが自由で幸せ」だと言っています。
ニシムラさんは長い間誰にも相談できず、つらい思いをしていました。このニシムラさんの例は少々極端に感じるかもしれませんが、結婚したからといってパートナーがあまりにも夫婦以外の人間関係を制限するようならば注意が必要です。
実は、人間関係の依存先はたくさんあったほうがいいんです。そうでないと、パートナーとの関係性が悪くなった時に頼れる人がいなくなってしまいます。
そうなると、常にパートナーの顔色を気にして、自分の言いたいことも言えなくなる可能性があります。そういった不自由な夫婦生活はつらいことも多いでしょう。
2015年に行われたアメリカの国民統計を用いた調査があります。この調査では、独身者と既婚者の人間関係の質を比較検討しています。その結果、独身者のほうが肉親や友人、同僚など自分の近しい人と頻繁にコミュニケーションを取り、お互いに助け合える可能性も高いということが分かっています。
なので、結婚前にこのパートナーは夫婦以外の人間関係も尊重してくれるかを慎重に見極めてください。結婚できるかどうかよりも、あなたが自由に生きられるかどうかのほうが、幸福度が高まる可能性は高いです。
■「謝るクセ」のある人は、大切にされなくなる
自分が悪いことをしたわけではないにもかかわらず、すぐ「すいません、すいません」とペコペコ謝っていませんか。低姿勢でいること自体が悪いわけではありませんが、これは相手からなめられる原因になってしまいます。あなた自身を大事にするためにも、すぐに謝る口癖はなくしたほうがいいんです。
もちろん、明らかにあなたに非がある場合は素直に謝罪すべきだと思います。自分の非を認めることなく、自分を正当化していたら人間関係を悪化させてしまいます。
ですが、たとえばパートナーから親切にしてもらっただけなのに、条件反射で「ごめんなさい」と言うのが口癖になっている人は、だんだんと相手から尊敬されなくなってしまいます。
![お辞儀をしている人](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/670/img_88f68288894b93d8b0f004afde67168f274714.jpg)
■親切にされたら「ありがとう」と言えばいい
あなたも自分に対していつも「ごめんなさい」とペコペコと謝っている人がいたら、どうしても心のどこかで下に見てしまうのではないでしょうか。
また、「ごめんなさい」と言われると、相手からすると親切心でやったことなのに「余計なことをしてしまったのかな……」と誤解させてしまう可能性もあります。
だから、非がないのに謝るってあなたにも相手にも損なことが多いんです。それってもったいないですよね。
もしも相手から親切にされたら、迷惑をかけてしまってすみませんと言うよりも、「ありがとう」と感謝を伝えてみましょう。
相手がわざわざあなたのために時間や労力を使って親切にしてくれたんだから、素直にありがとうと伝えるほうがお互い嬉しい気持ちになれますよね。
「自分なんかのためにすいません」とわざわざ自分の価値を下げるような言い方をする必要はありません。相手はあなたに親切にしたいからしてくれた、それってあなたには親切にされるだけの価値があるってことなんです。もっと自分に自信を持って、心からの感謝を伝えましょう。
■たとえ親であろうと、嫌な家族と一緒にいなくたっていい
「たとえ嫌でも家族だから一緒にいなきゃいけない」
そう思って家族と我慢しながら毎日を過ごしている人は少なくありません。でも、家族といえど一緒にいなければいけないなんてルールはないんです。あなたが成人しているのであれば、どこで誰と住むかは全てあなたに自由に決める権利があります。
僕はこれまでYouTubeで、あなたの人格を否定してくる人や、いつも感情的にキレる人とはすぐに距離を取って関わらないほうがよいと言ってきました。
時々こうした発信をすると「自分の親がこうなんですけど、これが家族だったらどうしたらいいんですか?」という質問をもらいます。この質問にはおそらく「すぐに離れたいけど、親とは一緒にいるものだからどうしようもない」という考えが背景にあるのだと思います。
たとえ親であろうと、あなたにつらい思いをさせてくる人と一緒に暮らす必要はありません。基本的に他人は自分の思い通りには変わりません。「今はつらくてもいつか親も分かってくれて優しくなるはず」と思っていたところで、親が自分の期待通りに変わることはまずないでしょう。
親には親の考え方や価値観があり、それはこれまで何十年もの人生を通して作られた強固なものだからです。
■物理的に離れることで、良い関係になれる場合がある
成人になれば、親子であっても独立した大人同士の関係です。もし、お互いの利害関係が一致しないなら「一緒にいないほうがお互いのため」と考えて離れたっていいんです。
![るろうに『心理カウンセラーYouTuberが教える1秒で不安なくなる大百科』(SBクリエイティブ)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/2/d/200/img_2daaaa80b824c409f5bfada0ce91688c290601.jpg)
とはいえ、「一緒にいないと親を見捨ててしまうようで悪い気がする」と罪悪感を持つ人もいると思います。それなら関わりを完全に絶つのではなく、あなたにとって無理のない範囲でコミュニケーションを取るようにしてみるといいでしょう。
「ヤマアラシのジレンマ」といって、人は距離が近くなりすぎると逆に関係がうまくいかなくなるという傾向があります。2匹のヤマアラシが寂しいからといって距離を近づけすぎると、お互いの針が刺さって痛い思いをしますよね。
物理的に離れることで、心理的にも程よい距離感が生まれると、お互いに余裕ができて良い関係になれるんです。
同居していた時にはケンカばかりだった家族が、別居をしてみたところお互いストレスなく関われるようになったというケースはよくあります。だから、家族は一緒にいなきゃいけないという常識にこだわる必要はありません。
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臨床心理士・公認心理師
大学院修了後、国立医療機関の精神科や保健センターで延べ3000件以上のカウンセリングを中心とするメンタルヘルスの支援を実施。地域の病院や民間団体の依頼を受けて講演会の講師にも従事。現在はフリーランスとして活動を行っている。これまでの経験から、働く人のメンタルヘルスに役立つ心理学の知識をSNSで配信している。2019年10月からYouTubeチャンネル「心理カウンセラー るろうに」で「ためになるメンタル系の情報」を発信し、現在チャンネル登録者数12万人。
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(臨床心理士・公認心理師 るろうに)
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