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何を話してもスルーされていた人が見ちがえる「言葉に重みを増す」驚きの方法

プレジデントオンライン / 2021年10月9日 10時15分

幸本陽平著『脱!残念な考え方』(自由国民社)

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、9月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サイトの編集部が紹介する——。
第1位:『脱!残念な考え方』(幸本陽平著、自由国民社)
第2位:『「スルーされない人」の言葉力』(ひきたよしあき著、大和出版)
第3位:『伝える準備』(藤井貴彦著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第4位:『サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学』(阿部誠監修、新星出版社)
第5位:『「後回し」にしない技術』(イ・ミンギュ著、吉川南訳、文響社)
第6位:『45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(木下紫乃著、日経BP)
第7位:『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』(樺沢紫苑著、KADOKAWA)
第8位:『変える技術、考える技術』(高松智史著、実業之日本社)
第9位:『感情マネジメント』(池照佳代著、ダイヤモンド社)
第10位:『医者が教えるダイエット 最強の教科書』(牧田善二著、ダイヤモンド社)
第11位:『新版 ミーニング・ノート』(山田智恵著、金風舎)
第12位:『生物はなぜ死ぬのか』(小林武彦著、講談社)
第13位:『インスタグラム』(サラ・フライヤー著、井口耕二訳、NewsPicksパブリッシング)
第14位:『不安な時代をどう生きるか』(本田健著、大和書房)
第15位:『教養としてのデータサイエンス』(北川源四郎/竹村彰通編、内田誠一/川崎能典/孝忠大輔/佐久間淳/椎名洋/中川裕志/樋口知之/丸山宏著、講談社)
第16位:『グラフィックファシリテーションの教科書』(山田夏子著、かんき出版)
第17位:『無(最高の状態)』(鈴木祐著、クロスメディア・パブリッシング)
第18位:『超入門カーボンニュートラル』(夫馬賢治著、講談社)
第19位:『半歩先を読む思考法』(落合陽一著、新潮社)
第20位:『失敗を語ろう。』(辻庸介著、日経BP)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2021年9月の閲覧数ランキング

■「残念な考え方」から「ロジカルな考え方」へ

今月の第1位は、『脱!残念な考え方』でした。

「日本人の多くはロジカルな思考を苦手としている」という主張があるとしましょう。これは「残念な考え方=非ロジカルな考え方」です。

なぜなら「多く」とはどのくらいで、どう調べたのかわかりませんし、「ロジカル思考が苦手」とはどのような状態なのか、その判断の基準も不明だからです。主張の根拠は「私がそう思うから」でしかありません。

本書で定義する「残念な考え方」は、この例のように「ツッコミどころの余地が多い」もののこと。「本当にそう?」「証拠はある?」「あなたの感想では?」「ただの偶然では?」「例外では?」などといったツッコミが思い浮かぶようなら、それは「残念な考え方」なのです。

では逆に、ロジカルな思考とはどんなもののことを指すのでしょうか。本書では「ロジカルな思考」=「つながっている」「深く考えている」「広く考えている」の3つの要素を満たした考え方、と定義しています。

「つながっている」とは、演繹(えんえき)的もしくは帰納的に考えたとき、そこに不自然さや間違いがないこと。「深く考えている」とは、具体的であること。「広く考えている」とは、「本当にそれだけ?」「ほかにもっとあるんじゃない?」というツッコミが入らない、「抜け漏れ」のない状態であることです。

本書では、「つながっている」「深く考えている」「広く考えている」のそれぞれの観点から、ロジカル思考について掘り下げていきます。残念な考え方から抜け出し、ロジカルに考えるために、ぜひ本書を手に取ってみていただければと思います。

■発言がスルーされてしまう人は何がダメなのか

第2位は、ストーリー仕立てで「言葉力」が身につく『「スルーされない人」の言葉力』でした。

ひきたよしあき『「スルーされない人」の言葉力』(大和出版)
ひきたよしあき『「スルーされない人」の言葉力』(大和出版)

同じようなことを言っていても、「もっと話を聞かせてよ」と言われる人と、スルーされてしまう人がいます。両者はどこが違うのでしょうか。本書を読めば、その違いを理解するヒントが見つかるでしょう。

主人公は、大手スーパーマーケット「ダイワ・フーズ」に勤めるバイヤー、中田晴。売れそうな食品や食材を見つけ、商品として店頭に並べるのが仕事です。生産者との交渉や社内プレゼン、販売方法の立案などといったあらゆる場面でコミュニケーション力が求められるのですが、話すのが苦手で、発言をスルーされてしまいがちという悩みを抱えています。

そんな晴のところに、救世主・エドが現れます。エドは、晴が子どものころに飼っていた愛犬。晴の言葉力をアップさせるべく、過去から戻ってきれくれたのです。

まずエドは、晴の発言には「私」という主語がないため、どこか人ごとのように聞こえてしまうと指摘します。翌日の会議で、エドのアドバイス通りに発言してみた晴は、周囲の人が自分の発言に耳を傾けてくれていることに気づくのでした。

このように本書では、ストーリー形式で、人を動かす言葉の編み出し方が紹介されます。話すのが苦手な人はもちろん、文章力や資料作成力を上げたい人にとっても、読んで損のない一冊となっています。

■「言葉のプロ」が後輩指導で使う表現

第3位には、日本テレビの報道番組「news every.」の藤井貴彦キャスターの著書『伝える準備』がランクインしました。20年超のベテラン、まさに「言葉のプロ」である藤井キャスターは、どのような「伝える準備」をしているのか。その秘密が明かされる一冊です。

藤井貴彦『伝える準備』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
藤井貴彦『伝える準備』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

そのうちの一つが、後輩など助言を求める人への「伝える準備」です。藤井キャスターは普段から後輩たちの仕事を観察し、「アドバイスを求められたらこんなことを伝えてあげよう」とメモしておく習慣をもっているのだといいます。

藤井キャスターが準備しているのはこんな言葉。「あと少しで合格」「もっとやれる人だよな」「気持ちは十分見えた」「いい時と比べると、惜しい」「納得したくないだろ」「今日が大舞台じゃなくてよかった」……こうした表現なら、言われたほうも前向きな気持ちになれて、素直に改善に向けて歩き出すことができるでしょう。

本書ではこのほかにも、藤井キャスターがいかに自身と向き合い、真摯に「伝える準備」をしてきたのかがわかるノウハウが多く紹介されています。あなたも本書を参考に、自分の伝え方をブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか。

■約2000人のキャリア相談に乗った「ママ」のアドバイス

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第6位は『45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』でした。

木下紫乃『45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(日経BP)
木下紫乃『45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(日経BP)

本書の著者は、企業研修や中高年のキャリアコーチングを行いながら東京で「スナックひきだし」を営んでいる紫乃ママ。3年半の間、会社員や社長から子連れの主婦まで、約2000人が訪れ、紫乃ママに悩みを相談してきました。

本書では、スナックひきだしに来店した10人の悩みと、来店者に対して紫乃ママが贈ったアドバイスが紹介されています。例えば高山加奈子さん(仮名)は、大手金融会社で14年ほど勤務したのち、会社での仕事に楽しみを見いだせず、36歳で独立しました。独立後は幅広く仕事をしているものの、自信の持てるスキルが見つかっておらず、「私は何屋さん?」と悩んでいます。

高山さんに対する紫乃ママのアドバイスは、自分に3種類の「タグ」をつけようというもの。3つのタグは、一番稼いでいる仕事のタグ、「これからお金にしていきたい」と思って取り組んでいることのタグ、本業とはちょっと離れた趣味や好きなことのタグ、という内訳がベストです。「自分ならではの在り方」を3つのタグで表現することで、たくさんの人たちの中で、「記憶にとどめてもらう」「思い出してもらう」「見つけ出してもらう」存在になれるのだといいます。

タイトルには「45歳からの」とありますが、年齢にかかわらず、キャリアで悩んでいる方や転職を考えている方に手に取っていただきたい一冊となっています。

■「昼休みの20~30分外出」だけで午後の仕事の効率が上がる

第7位の『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』にもご注目ください。努力しているはずなのにうまくいかない——もしそんな悩みを持っているなら、本書をおすすめします。

樺沢紫苑『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』(KADOKAWA)
樺沢紫苑『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』(KADOKAWA)

本書の著者は、『学びを結果に変えるアウトプット大全』などのベストセラーの著者でもある、精神科医の樺沢紫苑氏。樺沢氏は本書で、脳科学などの観点から、日常のさまざまな行動を最適化するための方法を紹介しています。

「昼休みの最適化」として紹介されるのは、外食ランチです。自分のデスクではなく、別の場所で食事をとるために歩くことで、ドーパミンが分泌され、記憶力や集中力が向上するとされています。

外食が難しいなら、近くの公園などで弁当を食べるのもおすすめです。フィンランドの研究では、1カ月に5時間以上、自然の中で過ごすだけで、ストレスが大幅に軽減され、脳を活性化し、記憶力、創造力、集中力、計画性が向上し、うつ病の予防効果がみられたという報告があります。昼休みに20~30分、公園などで過ごして、自然と接するようにしましょう。リフレッシュでき、午後からの仕事の効率が上がるはずです。

このように本書には、朝、昼、夜など、時間帯ごとにさまざまな行動を最適化するための知識が詰まっています。少しの変化でも、積み重ねれば大きな変化になるもの。一つひとつの行動を最適化して、もっと快適で、効率的で、楽しい生活を送りましょう。

■「糖質制限でやせる理由」を医師が解説

最後にご紹介したいのが、第10位の『医者が教えるダイエット 最強の教科書』。

牧田善二『医者が教えるダイエット 最強の教科書』(ダイヤモンド社)
牧田善二『医者が教えるダイエット 最強の教科書』(ダイヤモンド社)

夏の終わりとともに、ダイエットも終わり。秋はおいしいものを食べて冬に備え、また来年の夏に頑張ればいいか——そんなふうについ自分を甘やかしてしまっているあなたが今すぐ理想の体形を手に入れたいなら、本書をおすすめします。

著者は、糖尿病専門医の牧田善二氏。20万人を診察した経験から、「医学的に正しいやせ方」を紹介しています。

「医学的に正しいやせ方」のキモは「糖質制限」。医学的には、運動もカロリー制限も意味がなく、糖質制限こそが効果的なダイエット方法だと本書は主張します。

本書で示されるのは、「ダイエット成功のための7つのルール」。第1のルールは、糖質を1日60gに抑えることです。炭水化物を減らすと肝臓や筋肉に貯蔵されているグリコーゲンが使われ、それが尽きると脂肪が分解されてエネルギー源となります。つまり、糖質をとる量を減らすと、脂肪を燃焼して痩せることができるのです。

7つのルールには、ほかにも「カロリーは気にしない」「野菜を最初に、炭水化物は最後に食べる」などが挙げられています。カロリー制限や無理な運動で失敗してきた方は、ぜひ本書を手に、糖質制限について知識をつけてみてはいかがでしょうか。

今月も、データサイエンスからグラフィックファシリテーション、そしてカーボンニュートラルまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。ほかにも、先月第1位だった『「後回し」にしない技術』(イ・ミンギュ著、吉川南訳、文響社)が第5位、第2位だった『半歩先を読む思考法』(落合陽一著、新潮社)が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部 本の要約サイトflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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(flier編集部)

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