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「私はいいけど、部長はどうかな」ボンヤリとダメ出しをする人に効く"必殺フレーズ"

プレジデントオンライン / 2021年10月11日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

こちらの提案に対して「私はいいけど、部長はどう思うかな……」とボンヤリしたダメ出しが返ってきた。こんな返事にはどう応じるのがベストだろうか。心理カウンセラーの五百田達成氏は「『じゃあ進めますね!』と明るく返事をすればいい。そうすれば『え、ちょっと待った!』と自分の意見を言ってくれるはず」という――。

※本稿は、五百田達成『繊細な人 鈍感な人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■「失敗を予見」というマウンティングに取れる

1.だから言ったでしょ?
4コマ「だから言ったでしょ」
マンガ・イラスト=りゃんよ

仕事でA案とB案で迷った末にA案にしたら、評判がよくなかった。同僚から「だから言ったじゃん。私はBがいいって言ったよね?」とひと言……。

思い切って始めた資格の勉強。でも思ったより大変でくじけそう。家族から「もっと慎重に考えたほうがよかったんじゃない?」とひと言……。

どうでしょう? ただでさえヘコんでいるところに、「助言を聞かなかったあなたが悪い」「一体どうするつもり?」と追い打ちをかけられているようで、悲しい気持ちになりませんか?

繊細な人であれば、つい「すみません……」と謝ったり、「せっかく言ってくれたのに……」と反省したりしてしまいます。

それでも内心は、「あれ? なんで謝ってるんだろう?」「別に迷惑かけてないのに」とモヤモヤ……。

■安全圏からの攻撃は笑ってスルー

そもそもですね! 「それは残念だったね。次はもっとこうしようね」と、前向きなアドバイスをくれるならまだしも、今さらどうしようもないことを指摘するのはずるいというもの。「私はアドバイスしたんだから責任はない、悪くない」という逃げの気持ちも透けて見えますし、「私は、この失敗を予見していたのだ、えっへん!」という謎のマウンティングも感じとれます。だから、素直にお叱り・忠告を聞く気になれないわけです。だいたい、「言ったでしょ?」と言ってますが、ほんとに言ったかどうかも怪しいものです(笑)。

というわけで、このように安全な場所から、終わったことをあれこれ言ってくる人の言葉は、「ですよね〜」「やっぱり〜」と笑ってスルーしちゃいましょう。実際、今さらどうしようもないわけですし、それよりは目の前のことをどうがんばるかのほうが大事です。

それでもスルーしきれないときは、「今さら言わないで!」「どうせ言うなら、もっとちゃんと言ってよね」「自分でも反省しているんだから、ほっといて」と、心の中だけでも反論しましょう。すっと気持ちが軽くなるはずです!

■イマイチなことをハッキリ言いたくないだけ

2.私はいいけど
4コマ「私はいいけど」
マンガ・イラスト=りゃんよ

書き上げた企画書を課長に提出したら、「僕はいいと思うけど……」と煮え切らない反応。さらには「みんなはなんて言うかな?」と続く……。

これ、モヤモヤしますよね!

「けど」って何? 「いい」なら「いい」でよくない? なんでそんなスッキリしない言い方するの……?

そもそも、こういうことを言ってくる人は内心、手放しで「いい」とは思っていません。正直イマイチだと思っている。賛成できない。でも、それをハッキリ言いたくない……。

では、なぜ言いたくないのでしょう? それは、“悪者”になりたくないから。ダメな点をイチイチ説明するのがめんどうだから。

「ダメと言っているのは僕じゃないよ」と味方のような顔をして、「みんなはどうかな?」と責任を丸投げする。そのちょっとずるくて逃げ腰な姿勢がバレバレなので、こちらとしてはモヤモヤするわけです。

■「じゃあ進めますね!」と明るく返事をしてみる

叱るなら叱る。「僕は違うと思う」とハッキリ言う。

そうやって「嫌われるリスク」を冒(おか)してでも、自分の意見(Iメッセージ)を言ってくれる人なら、「すみません、直します」「どの辺が違いますかね?」とこちらも素直に耳をかたむけられますよね?

ですから、こういう風に逃げを打つ人には「あ、課長的にはOKなんですね。よかったー、じゃあ進めますね!」と明るく返事してみましょう。

そうすれば「え、ちょっと待った! ……僕としてもこの辺がよくないと思う」と慌てて自分の意見を言ってくれるはず。そこでようやく、「じゃあ、どうすればいいか」を話し合えるわけです。

少し勇気がいるかもしれませんが、表面上は失礼な物言いではありません。試してみてください!

■自分の非は認めたくないという気持ちの表れ

3.それについては謝る
4コマ「それについては謝る」
マンガ・イラスト=りゃんよ

待ち合わせに遅れた恋人がムッとした顔で「遅れたことについては謝る」……。

書類上のミスがあった取引先がキレ気味に「ミスについては謝ります」……。

どちらも、モヤモヤが募ります。

どういうつもりで言ってるの? なんでエラそうなの? 全然謝られてる気がしないんだけど。「こっちが悪いの?」と反省しようものなら、調子に乗って「まあ、お互い様だしね」なんて言ってきたりして。そうすると、モヤモヤはマックスになります。

そもそもの話、悪い(遅れた、ミスがあった)のはあっちですが、それはまあいいとしましょう。人間にミスはつきものですから。問題は謝り方です。

「●●については謝る」、この謝り方は「自分の非をなるべく認めたくない、責任を逃れたい」という気持ちが丸見えです。だから潔くない。ずるい。「いいよ」と許す気に全然なれないわけです。

「謝る」というコミュニケーションには大きく分けて「事実ベース」と「気持ちベース」の二種類があります。

■自分の気持ちについて相手に問いかけてみる

事実ベースは「何が起こって、どこで問題が生じて、こちらの落ち度はこの部分」と冷静に分類していくやり方。

五百田達成『繊細な人 鈍感な人』(PHP研究所)
五百田達成『繊細な人 鈍感な人』(PHP研究所)

気持ちベースは「嫌な思いをさせたね、さぞかし辛かったよね」と相手の感情に寄り添うやり方。

前者はビジネスや訴訟の場面では有効ですが、普通、人が人を「許せる」のは後者がうまくいった場合だけです。

というわけで「●●については謝る」と、自分の立場を守ろうとする相手には、「私がどんな気持ちだったかわかる?」「こちらがどれだけハラハラしたかわかりますか?」と、相手が想像もしてないであろう「気持ち」について問いかけてみるといいでしょう。

相手は「はっ!」と事の重大さに気づいてくれるかもしれません。たとえ気づかなかったとしても、こちらとしては言いたいことを言えてスッキリしますよ。

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五百田 達成(いおた・たつなり)
作家・心理カウンセラー
1973年生まれ。東京大学卒業後、角川書店、博報堂をへて独立。コミュニケーションをテーマに執筆・講演を行う。『察しない男 説明しない女』ほか著書多数。

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(作家・心理カウンセラー 五百田 達成)

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