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「いい人ほど苦しみやすい」マウンティングされやすい人とされにくい人の決定的な違い

プレジデントオンライン / 2021年10月21日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/itakayuki

「自分のほうが立場が上」というマウンティングの標的になりやすい人がいる。作家のアルテイシアさんは「『嫌われたくなくてみんなにいい顔をしてしまう』という人ほど悩みがちだが、そういう長所を恥じる必要はない。困った人からはそっと離れるのがいい」という――。

※本稿は、アルテイシア『モヤる言葉、ヤバい人』(大和書房)の一部を再編集したものです。

■まずは「されやすい人」の特徴を理解しよう

世の中には、マウンティングされやすい人とされにくい人がいると思う。

私はマウンティングされにくい派だが、がっしり骨太で「本物のドラミング、聞かせてやろうか?」とゴリラ感を漂わせているからだろう。おまけに顔や服装も圧が強い。

実際の戦闘力はスカウターで測るとカメさん並みだが、見た目が強そうな印象なのだ。

マウンティング好きは自分より弱い者を叩きたいため、弱そうに見えるタイプを狙う。そのため小柄な女子やおとなしそうな女子が標的になりやすいんじゃないか。

今からセノビックを飲んでも骨格は変わらないが、印象を変えることは可能だ。背筋を伸ばして大股で歩く、声を張ってハキハキ話すなど、姿勢や振る舞いを変えるのは効果的。また、強見えするナメられないファッションやメイクのネット記事もあるので、参考にしてほしい。

ちなみに、痴漢もおとなしそうな女性を狙うことで知られている。女性陣から「サングラスをかけて通勤するようにしたら痴漢に遭わなくなった」との報告も寄せられた。これは手軽なテクなので試してほしいし、鉄道会社はキオスクでトゲつきのサングラスを販売してほしい。

トゲ肩パッドやメリケンサックなどの小物使いで「世紀末感」を演出すれば、マウンティング好きは寄ってこない。ラオウのように額に血管を浮き上がらせたり、初対面で「こんにちは、狗法眼ガルフです」と挨拶して、犬の話しかしないのもおすすめだ(※狗法眼ガルフ/『北斗の拳』に登場する犬好きの暴君。愛犬のブルドッグの名前は「セキ」)

■「攻撃は最大の防御」強そうに見せる方法

「攻撃は最大の防御」というが、私はやられたら兆倍返しするタイプなのでマウンティングされにくい。一方、怒るのが苦手なタイプは標的になりやすい。

ラオウのように闘気をまとうのがベストだが、一朝一夕でまとえるものじゃないし、堪忍袋の緒は人によって長さが違う。

なので、反射的に笑顔を出すクセをやめよう。そのうえでプーチン顔やハシビロコウ顔をマスターしてほしい。どうしても笑顔が出てしまう人は、微笑みながらクルミを握りつぶすといいだろう。

こちらを向くハシビロコウ
写真=iStock.com/Kesu01
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kesu01

また、積極的にホラを吹くのもおすすめだ。「昔、失礼なこと言われて棒で殴っちゃったんですよ〜」と話して「おとなしそうだけど、やる時はやる」アピールをしよう。

棒の部分は角材・バール・グレッチなど好みでアレンジしてほしい。やたらと自虐しないことも重要だ。自分を低く見せると「こいつは見下してオッケー」とナメられて、マウンティングやイジリの標的になりやすい。

■嫌いな人とは距離を置く

マウンティングされやすい派には「嫌われたくなくてみんなにいい顔をしてしまう、八方美人なんですよ」と悩む女子もいるが、それは人を差別しない、みんなに公平で親切という長所なのだ。そんな素晴らしい長所を変える必要などない。ただこの世には人の長所につけこみ、利用&搾取してくる妖怪がいる。そんな魑魅魍魎ホイホイにならないために、「相手に嫌われること」よりも「自分が相手を好きか、嫌いか?」を意識しよう。

この人のこと好きだな、一緒にいて居心地がいいなと思う人と仲良くして、そうじゃない人とは距離を置く、これが快適な人間関係を築くコツである。生きづらさを解消したい時、もっとも有効なのは「付き合う人を変えること」。腐れ縁を断ち切れば、新たな縁が生まれる。斬鉄剣でつまらぬものをバッサバッサと斬ってほしい。

■されたときの使える「返し」技

とはいえ仕事関係やママ友付き合いなど、切りたくても切れない縁もある。

女性陣にヒアリングすると「会社の先輩から『あなたも女子力磨けば結婚できるよ』とクソバイスされた」「ママ友から『夫が一流企業に勤めてる』『夫にベンツを買ってもらった』と自慢される」といった声が寄せられた。そこで「うるせえな」「だからどうした」と返せればいいが、そうもいかない場面は多い。

そんな時はハート様のように相手の技を無効化するのがおすすめだ(※ハート様/『北斗の拳』に登場するぽっちゃりキャラ。どんな攻撃も吸収する脂肪の塊のような肉体で「拳法殺し」の異名をもつ)

攻撃されてもダメージを受けずにケロリンパとしていれば、「こいつはマウンティングしがいがない」と相手の方が離れていく。

またネズミ返し・スピ返し・右翼返しは、あらゆる場面で応用できる。ネズミ返しは「女子力磨けば〜」に対して「お肌は磨いてますよ! 今こんな石けんを使ってて」とア●ウェイを紹介する。スピ返しは「結婚したいんですけど……神様はどこに導こうとしているのでしょうか……とにかく神に祈ります……」と神を連呼する。右翼返しは「この曲を聞いて婚活がんばりまーす♪」とアイフォンから軍歌を流して縦揺れする。

願い事をする女性
写真=iStock.com/gyro
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gyro

いずれも相手は「あまり近づかないでおこう」と距離を置いてくるはずだ。それだと悪い噂が立つ、子どもがいじめられると懸念する方は、ナイツ返しはどうだろう。

「夫が○○商事に勤めてる」→「私は村上ショージを目指してる」、「息子が○○中に合格した」→「私はギョウ虫検査に引っかかった」とトークを展開すれば「いい加減にしろ」「どうもありがとうございましたー」と名コンビの誕生だ。

■あさっての方向にボールを投げる

要するに、全然別の話をふろうという提案である。

この人は話を聞いてくれると印象づけると、厄介な人を引き寄せやすい。まともに会話のキャッチボールをしようとせず、あさっての方向にボールを投げる練習をしよう。

「ベンツを買ってもらった」と言われたら「ベンツってドイツ車だよね、メルケル首相についてどう思う?」と返してもいいし、「ドイツ軍人はうろたえないッ!」とシュトロハイムの真似をして「ジョジョ読んでる? 何部推し?」と返してもいい(ちなみに拙者は四部推し)。「ドイツといえばシェパードだよね」と、犬の話しかしない狗法眼ガルフ返しもおすすめだワン。

私はマウンティングするのもされるのも嫌いだが、それはイジメや差別を憎んでいるからだ。人に上下や優劣をつけて、自分より下の者や弱い者を攻撃する。それで己の劣等感を埋めようとする。そんな卑劣な人間とは関わりたくないし、俺のグレッチが火を吹くぜ。そんな寸法でやっとりますので、同じくマウンティングに興味のない人々と平和に暮らしている。

■男女のマウンティングの違い

だが過去を振り返ると、あれはマウンティングだったなと思う事案がいくつかある。

大学時代にテストやバイトの成績が良かった時、周りの男子から「お前なんか大したことない」「その程度で調子に乗るな」的な発言をよくされた。彼らの中には「女は男より下であるべき」というミソジニーがあったのだろう。女子校には「できないフリして男を立てる」的な文化がなかったので、ラピュタは本当にあったんだ……! と衝撃を受けた。

驚いている女性
写真=iStock.com/karinsasaki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/karinsasaki

「女の敵は女」「女はドロドロして陰湿」と語る人がいるが、それこそがミソジニーだ。

男女共にマウンティング好きはいて、それは性別じゃなく性格の問題である。ただ男女でマウンティングの傾向が異なる印象はある。

男は学歴・仕事・金のジャンルで優位に立ちたがり、女は結婚・子育て・容姿のジャンルで優位に立ちたがる。これも根っこにジェンダーロールがあるのだろう。

■「マウンティングはしない、されない、関わらない」

いずれにせよ、我は「マウンティングはしない、されない、関わらない」の三原則でいきたい。かつ「その気はないのに、相手にマウンティングと受け取られる」という誤解も避けたい。

たとえば、不妊治療中の女子から「子持ちの人に『子どもはまだ?』『産むなら早い方がいいよ』とか言われると、相手に悪気はなくてもマウンティングだと感じてしまう」といった悩みをよく聞く。

人には様々な事情があるし、その事情を話したくない人も多い。なのでやはり発言する側が気をつかって、相手がどう感じるか想像することが大事だろう。

■被害者意識を抱いてしまう自分も許そう

マウンティングと受け取ってしまう自分がイヤ、そんな自分は性格悪いと落ち込む、といった悩みも聞くが、それは人として自然な感情だろう。「他人と比べてもしかたない」とよく言うが「比べるのはしかたない、人間だもの」と私は思う。

私も恋愛地獄行脚をしていた頃、セレブの記事を見ながら「ビクトリアはいいな、ベッカムがいて」とさめざめ泣いて「誰と比べとんねん」と友人一同につっこまれた。親友の結婚式に出席した時も、おめでたい気持ちと妬ましい気持ちが半々だった。

そうやってネガティブな感情を抱くだけなら、誰にも迷惑はかけていない。心の中は不可侵領域で、何を思おうが自由なのだ。

アルテイシア『モヤる言葉、ヤバい人』(大和書房)
アルテイシア『モヤる言葉、ヤバい人』(大和書房)

マウンティングと受け取ってしまうのは、性格が悪いからじゃなく、今がつらい状況だから。状況が変われば気持ちも変わる。「どんな時でも人の幸せを喜ばなきゃ」なんてブッダみは出さなくていいし、無理する方が余計こじらせてしまう。「今は、これでいいのだ」とブッダじゃなくバカボンのパパになろう。

そして、そのつらい気持ちを今後に活かそう。たとえば選択的子ナシの私には不妊治療のつらさはわからないが、欲しいものが手に入らないつらさならよくわかる。

立場や属性が違っても、同じ経験をしていなくても、想像力があれば人はわかりあえる。

「人それぞれ喜びも苦しみもある」と皆が胸に刻めば、七つの傷を持つ男がいなくても、世界に平和が訪れる。というわけで私もハート様のように「マウンティング殺しのアルテイシア」の異名を持ちたいと思う。

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アルテイシア(あるていしあ)
作家
神戸生まれ。著書に『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』『モヤる言葉、ヤバイ人』『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』他、多数。

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(作家 アルテイシア)

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