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「集中力はやる気の問題ではない」仕事を最速で終わらせる人が使っている"ある道具"

プレジデントオンライン / 2021年10月30日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Geber86

集中力を切らさずに仕事を続けるにはどうすればいいのか。メンタルコーチの大平信孝さんは「時間を15分単位に区切り、制限時間を意識して取り組むといい。適度に制限時間を設定すると集中できることは、脳科学の実験でも証明されている」という――。

※本稿は、大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■毎日8万6400円が平等に与えられているイメージ

「時間の使い方=人生の質」である。

行動力を身につけるうえで大切なことの1つに、「タイムマネジメント」があります。なぜ、タイムマネジメントが必要なのでしょうか。それは、何かをするにしても、何もしないにしても、私たちは「時間」を原資に行動しているからです。

当たり前ですが、私たちは、時間を引き延ばしたり、短くしたりすることはできません。生きているかぎり、私たちは毎日、1日(=24時間=8万6400秒)という時間を自動的に与えられます。たとえば、1秒を1円だと考えてみましょう。どんな人にでも毎日8万6400円が平等に与えられているというイメージです。この8万6400円は、前借りもできないし、貯金もできません。つまり、使っても使わなくてもその日かぎり……。

究極を言えば、「時間=命」です。私たちは、全ての行動に「自分の命の残り時間」を使っているわけです。

これを意識するだけでも、行動力は変わってきます。本稿では、本当に大切なことのために、最大限時間を使えるようになる方法を紹介します。

■1.自分が何に時間を使っているかを把握しよう

当たり前の話ですが、行動するためにはその原資となる「時間」が必要です。投資をするのに資金が必要なのと同じです。

お金の場合、家計簿をつけて自分の資産や使い方の傾向を把握することが必要ですが、時間にも同じことが言えます。

つまり、行動できるようになるためには、時間の家計簿をつけて、「自分の時間の使い道」を振り返ることが大切なのです。

■時間の使い道を3通りに分類してみる

「時間の家計簿をつける」といっても難しいことをする必要はありません。

具体的には、直近の1週間について、自分の時間の使い道を、「①投資」「②消費」「③浪費」の3つに分類して、それらのおおよその時間を書き出してみるだけです。

これも、お金に対する考え方と似ています。それでは、1つずつ見ていきましょう。

①投資

「投資」とは、自身の未来をイメージし、形にするための時間です。学びや経験、健康、人間関係を深めることなどに使った時間です。

仕事で言えば、中長期の計画や目標の立案、部下や後輩の指導、専門分野の勉強、効率化、提案、企画書の作成、効果的なミーティングなどです。

プライベートで言えば、将来設計、資産運用、自己啓発、家族との団欒などです。

②消費

「消費」とは、生活を維持するために使った時間です。食事、睡眠、休息、気分転換など、「現状を維持するために使った時間」と言ってもいいでしょう。

仕事で言えば、指示された仕事の遂行、報告書や資料の作成、会議や商談の準備、進捗(しんちょく)確認、スケジュール管理、来客や電話・問い合わせへの対応、雑用、連絡、報告、相談、休憩、雑談などがこれにあたります。

■「投資」時間がゼロだと、よくて「現状維持」

③浪費

「浪費」は、投資にも消費にもならない時間です。漫然とダラダラ過ごしたり、無目的に過ごす時間です。目的のないネットサーフィン、終わりのないユーチューブやテレビの視聴、暴飲暴食、過度な夜更かしなどです。

仕事で言えば、働いているフリ、形骸化した朝礼や勉強会、会議、誰も見ない議事録や報告書の作成、意味のない残業、同じミスを何度も繰り返すなどです。

ここでのポイントは、「浪費」時間をゼロにする必要はないということ。車のハンドルに遊びがあるように、ダラダラしたり、ボーっとしたりする時間も忙しいときや疲れているときほど必要だったりします。ただし、あまりに無目的で創造的でない浪費の時間があるのだとすれば減らしていきましょう。そして、その余剰分を自己投資、未来への投資のために使うと未来がいい方向にシフトしていきます。

というのも、「投資」時間がゼロだと、よくて「現状維持」だからです。つまり、「すぐやる人」になりたいと思いつつも、消費と浪費にしか時間を使っていないとすると、永遠に「すぐやりたいけれど、できない人」のままなのです。

まずは、自分の時間の使い道をチェックしてみてください。

ここがポイント
浪費時間を圧縮し、投資時間を増やす

■2.時間割をつくって原則を守る

仕事や生活が忙しすぎて、1日の終わりになるとぐったり、自分が本当にやりたいことや好きなことをする時間がない。どうしたら、本当にやりたいことをする時間を確保できるのか……。こんな悩みを抱えている方もいることでしょう。

新しいことに挑戦したいのに、その時間とエネルギーがない。たしかに、1日中タスクやTo Doリストに追われていたら、誰でも疲弊します。仕事でもプライベートでも、やらされ感や義務感だけで動くと激しく消耗します。

しかし、同じ仕事をするにしても時間の使い方を工夫すれば、結果はだいぶ変わってきます。そのために効果的なのが時間割です。ここで言う時間割とは、学校の時間割よりもざっくりしたものです。具体的には次のように1日を5分割し、それぞれの時間帯に合った仕事やタスクを割り振っていきます。

①就業前まで
②午前中
③15時まで
④勤務時間終了まで
⑤就寝まで

この時間割のポイントは、その時間内に「すべきことを事細かに決める」のではなく、「最低限したいことを決めておく」ことです。残った時間で、To Doリストを処理したり、スケジュールをこなすことになります。

時計
写真=iStock.com/Wako Megumi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wako Megumi

①就業前まで
就業前までの朝時間は、最も外部要因に左右されにくい時間帯です。ですから、自分にとって大事なことは、なるべくここに組み込みます。たとえば、運動や勉強、瞑想など、仕事以外のことです。

②午前中
午前中は、比較的集中しやすい時間帯です。頭を使う仕事や創造的な仕事は、できるかぎりこの時間帯に行いましょう。
たとえば、中長期の計画の立案、企画書・提案書の作成、新事業の構想などです。余った時間で、To Doリストに取り組むといいでしょう。

■事細かにスケジュールを決める必要はない

③15時まで
昼食後は集中力が途切れやすい時間帯です。1人で行う仕事ではなく、会議、打ち合わせ、面談、商談、日程調整など、他の人と一緒にする仕事を入れるといいでしょう。

④勤務時間終了まで
15時以降は、勤務終了までのカウントダウンという締め切り効果によって再び集中力が高まりますので、報告書の作成や、各種手続き、事後処理など、面倒だけど必要な仕事をするのがおすすめです。
また、前述の通り、明日のスケジュールを確認し、最高のアウトプットと、3つのキーアクションを決めてもいいでしょう。

⑤就寝まで
終業後は、仕事のことは忘れ、リラックスしたり、楽しんだり、心の栄養補給をする時間を確保しましょう。
おいしいご飯を食べる、お酒を飲む、友人との会話を楽しむ、趣味に没頭する、お風呂にゆっくり入るなどです。
また、「今日のよかったこと」を3つ思い出してから眠りにつくことをおすすめします。

ここがポイント
細かくスケジューリングしすぎないよう注意しよう。

■3.仕事中は時間を15分単位に区切る

時間を有効活用したいと思っているのに、ついネットニュースを見てしまったり、スマホに手が伸びてしまったりして、結局無駄に時間を費やしてしまう。その時間があれば、先延ばしにしていたあの仕事ができたのに……。

こうなってしまうのは、仕事に制限時間を設けていないからです。脳科学の実験でも、適度に制限時間を設定したほうが、制限時間を設けなかったときよりも脳が活性化して集中できることが証明されています。

大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)
大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)

「パーキンソンの法則」というものをご存じでしょうか。これは「仕事は、与えられた時間の長さいっぱいまで膨張する」という心理学の世界では有名な法則です。たとえば、15分でできる仕事でも、30分の時間があると結果的に30分の時間をかけてしまう傾向があります。

このように、時間制限を設けなければ、1つの仕事を終わらせるために必要以上の時間を費やすことになるのです。逆に言えば、どんな仕事でもタイムリミットを設けることで、集中力が増し、最短の時間で終わらせることができるわけです。

そこでおすすめなのが、時間を15分に区切ることです。短く感じるかもしれませんが、集中すれば多くのことができます。

■ゲーム感覚で取り組むのがコツ

また、60分、90分など比較的ロングスパンで区切ってしまうと、つい油断して、冒頭の15分、20分を無駄にしてしまう可能性があります。時間を計る際は、時計ではなく、カウントダウンできるツールを活用することがおすすめです。

私はキッチンタイマーを愛用していますが、最近はスマホアプリなど便利なツールもたくさんあります。音だけでなく、バイブレーションや光の点滅で時間を知らせてくれるので、仕事中も周囲を気にせず活用することができます。

ポイントは「15分でここまで終わらせる!」と決めてからとりかかること。もしくは、「15分でどこまでできるか」とゲーム感覚でチャレンジしてみてもいいでしょう。

これを続けていくと、「15分だと物足りない」「15分は長すぎて集中できない」といった人も出てくるかもしれません。

そんなときは、タイマーの設定を20分に延長してみる、10分に短縮してみるといった調整をしてみましょう。

繰り返し実践すると、自分がいちばん集中できる時間の区切り方を見つけることができます。

ここがポイント
何度も試してみて、最も集中できる時間の単位を見つけよう。

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大平 信孝(おおひら・のぶたか)
メンタルコーチ
アンカリング・イノベーション代表。目標実現の専門家。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。個人向けには「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。近著に『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ  科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)、『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』。公式サイト。

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(メンタルコーチ 大平 信孝)

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