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「私たちへの誹謗中傷はいつまで続くのか」小室眞子さんがいま最も不安に思っていること

プレジデントオンライン / 2021年10月27日 15時15分

結婚後、記者会見に臨む小室圭さんと眞子さん夫妻=2021年10月26日午後、東京都千代田区 - 写真=EPA/時事通信フォト

■会見で両親への感謝の言葉はなかった

小室眞子さんは会見で両親への感謝の言葉を口にしなかった。

これが何を意味するのか、会見中継を見ながら考えていた。

10月26日、午後2時。会見場に現れた2人は明らかに緊張していた。

会場から見て向かって右に眞子さん、左に小室圭が座る。圭の目が落ち着きなく左右を見渡す。

司会の声かけで眞子さんが話し始める。

「現在、新型コロナウイルス感染症の影響が続き大変な思いをされている多くの方々にお見舞いを申し上げます」

声は落ち着いている。

「本日、皆さまにお伝えしたいことがあるため、このような場を設けました」

型どおりの、私たちは今日結婚しましたというものではない。そんなことより大事なことがあるといいたいようだ。会場に緊張が走った。

これまで皇族としての務めを果たそうと努力し、たくさんの方たちに見守られ、支えられてきましたと続ける。訪問した国々でも温かく見守ってくれた方々への感謝を述べる。

前振りが終わって、「私と圭さんの結婚についてさまざまな考えがあることは承知しております」と本題に入る。静かに見守って下さった方々や「事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらずに応援してくださった方々に感謝しております」とメディア批判に転調していくのだが、その前に、「私にとって圭さんはかけがえのない存在です。そして私たちにとって結婚は自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした」と、2020年11月に公表した「お気持ち」の中でも強調していた結婚への強い意思を再び繰り返す。

■すべては私が考え、指示したこと

小室圭に替わって、「私は眞子さんを愛しております」と堂々と宣言する。

「一度きりの人生を愛する人と共に過ごしたいと思っています」として、これまでも2人で励まし合ってきた、その上で「このたびの結婚に関してご迷惑をおかけしてしまった方には大変申し訳なく思っております」と続けた。方々ではないから、これは母親の元婚約者へのおわびなのだろうか。

眞子さんが引き取る。「これまで私が公に発言する機会は限られてきました」。ここから彼女がどうしてもこの場でいいたかったことが明らかにされると、期待感が膨らむ。

そのために生まれてしまった誤解もあったとして、衝撃的な告白になる。

婚約に関する報道が出て以降、さまざまなことがあったが、圭が独断で動いたことはない、すべては私が考え、指示したことだというのである。

■小室さんは皇室を離れるための“先兵”だった

圭の母親の元婚約者への対応も、私がお願いした方向で進めてもらった。婚約延期後、小室圭が留学したことも、私がお願いしたことで、元々将来留学したいと考えていた圭に計画を前倒しにして、海外に拠点をつくってほしいと頼んだというのである。

つまり、かなり前から、皇室を離れるためには結婚しかない、日本で暮らすのは嫌で、海外で暮らしたいと考え、小室圭を“先兵”として動かしていたというのだ。

どんなことをしても皇室という籠の中から飛び立ち、一人の人間として生きたいという切実な思いがあったことを初めて吐露したのである。

圭が独断で行動し、私の気持ちを考えていないという批判があったが、それは“誤報”だというのだ。

「誤った情報がなぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、いわれのない物語となって広がっていくことに、恐怖心を覚えるとともに、つらく悲しい思いをいたしました」

小室圭は書かれた紙を目の前に掲げて読んでいるが、眞子さんは毅然(きぜん)として前を向き、時々下に置かれた文面に目をやる程度。

バラの上に置かれた結婚指輪
写真=iStock.com/Vadven
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Vadven

■「誹謗中傷で2人が心身に不調をきたした」と痛烈に批判

ここで小室圭に再びチェンジ。

母親と元婚約者との金銭トラブルといわれている事柄に触れる。

詳しい経緯は本年4月に公表した通りとした上で、元婚約者にはこれまでも折に触れて、お礼を申し述べていると、礼は失していないといいたいようだ。

解決金については、母親が精神的な不調を抱えていて、元婚約者と会うことはドクターストップがかかっているため、「解決に向けて、私ができる限り対応したい。解決金を受け取っていただきたい気持ちは変わっていない」と話す。

元婚約者からは、代理の週刊誌の記者を通じて前向きな返事をもらっているとしている。

その上で、

「この数年間誤った情報があたかも事実であるかのように扱われ、誹謗中傷が続いたことにより、眞子さんが心身に不調をきたしたことをとても悲しく思います。私の母も心身に不調をきたし仕事を辞めざるを得ない事態にまで追い込まれましたし、身の危険を感じながら過ごしています」

あんたたちメディアが心ないでっち上げ報道をするから、2人は心身に傷を負ってしまったのだと、痛烈に批判する。

会場にいたメディア、特に週刊誌記者などは、この言葉をどう聞いたのだろう。

■皇室との関係は一切断ちますと宣言したかのよう

小室圭は「私は眞子さんと温かい家庭を築いていきたいと思います」、「これからもできる限りのことをして、眞子さんをお支えしていきたいと思います」と述べて眞子さんと交代する。

眞子さんは、これから新しい生活を始めるが、また違う形での困難があると思うとして、「これまでもそうであったように2人で力を合わせて共に歩いていきたいと思っています」と話す。

「これまで私たちが自分たちの心に忠実に進んでこられたのは、お互いの存在と、励まし応援してくださる方々の存在があったからです。今心を守りながら生きることに困難を感じ、傷ついている方がたくさんいらっしゃると思います。周囲の人の温かい助けや支えによって、より多くの人が心を大切に守りながら生きていける社会となることを心から願っております」

こう結んだ。

この後、事前に提出された質問に答える文書が取材陣に配られた。

2人は顔を見合わせ、前を向いて一礼して戻っていった。
2人の背に、記者たちからの祝福の拍手はなかった。

最後に、秋篠宮と母親紀子さん、天皇皇后、上皇上皇后への感謝の言葉があれば、見送る記者たちの何人かは拍手をしたのではないか。

まるで、皇室との関係はこちらから一切断ちますと宣言したかのようだった。

■一番大きな不安は「誹謗中傷がこれからも続くのではないか」

眞子さんは、事前の質問に答えた文書の中でもこう書いている。

「これからは、穏やかな気持ちで生活できることを期待しております。新しい環境に入るのですから不安は様々あります。一番大きな不安を挙げるのであれば、私や私の家族、圭さんや圭さんのご家族に対する誹謗(ひぼう)中傷がこれからも続くのではないかということです。私と圭さんが元皇族とその夫として皇室とどう関わっていくつもりかというご質問についてですが、私がお伝えできるのは、一人の人として、皇室の方々のお幸せをお祈りしたいと思っているということです。(小室眞子)」

では、宮内庁が前日に質疑応答をなくす理由として挙げた、「質問の中に誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねないものが含まれていることに強い衝撃を受けられた」「そのような質問が、カメラが入り多くの人に囲まれた会場で読み上げられ、それに対して口頭でお答えになることを想像するだけで、恐怖心がよみがえるという強い不安を感じられた」「以上のことから、口頭での質疑応答は不可能であると思われたものである」というのが具体的にどれを指すのか?

それが日本雑誌協会からの2点の質問だったことが、後から配られた文書で判明する。

質問は、小室さんの母親による遺族年金の不正受給疑惑と、眞子さんは小室圭が「フィアンセ」としてフォーダム大学に入学することを容認しておられたのでしょうか。

なぜこのような「愚問」がチェックされずに眞子さんのところまで渡ってしまったのか、不思議でならない。これだけを見ても、眞子さんの周辺に信頼できる有能で誠実な人間がいないことが見て取れる。

これに対して眞子さんは、怒りとともに激しく反論している。

「この質問は、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問であると思います。このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷が更に広がりそうで、口頭で質問にお答えすることは不可能であると思いました。誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問をいただいたことは、誠に残念に思います」

さらに、インターネットの中の批判的な書き込みについては、こう答えている。

「否定的な報道やインターネット上の書き込みについてですが、誤った情報が、なぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、謂(いわ)れのない物語となって広がっていくことには、強い恐怖心を覚えました」

■メディアを痛烈に批判した「歴史的な会見」になった

元婚約者の一方的ないい分がひとり歩きして、小室圭の母親は稀代の悪女に仕立て上げられ、その息子と結婚するお前も同じ人間だというようなストーリーが出来上がっていくことに、いいようのない深い悲しみと怒りを感じていたのだ。

私も何度かここで、週刊誌を中心とした2人にまつわる報道は目に余ると書いたが、当人たちはペンの暴力以上の恐怖を感じていたのだろう。

それが誹謗中傷という極めて強い表現になったのだと思う。

この問題が一段落したら、雑誌協会は秋篠宮眞子さん報道の異常さを検証するための第三者機関をつくるべきである。

そういう意味では、皇室を昨日の朝離れたとはいえ、皇室の人間が初めて公の場でメディアを痛烈に批判した「歴史的な会見」になった。

だが、先日、医師が眞子さんの「複雑性PTSD」を公表した時もそうだったが、「言論を封殺するのか」と息巻いたり、ネットのコメント欄には誹謗中傷の言辞が溢(あふ)れたりした。

今回も会見のやり方が変更になったという速報が流れると、違反コメント数が基準を超えたことを理由にヤフーニュースのコメント欄が非表示になった。

会見後、そういう誹謗中傷が大好きな連中が自粛するとは到底思えない。SNSはニューヨークにいても追いかけてくるから、2人が安穏な生活を送るにはしばらく時間がかかるかもしれない。

テレビカメラマンとクルースタッフ
写真=iStock.com/nathaphat
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/nathaphat

■両親は諸手を挙げて祝福しているとは思えない

両親への感謝の言葉がなかったのはなぜか?

秋篠宮と紀子さんが出した眞子さんの結婚についての「ご感想」も、全面的に2人の結婚を祝福するというものではなかった。

「本日、私たちの長女眞子は結婚いたしました。最初に結婚をすることについて公表して以降、私たちにとって予期していなかった出来事が起こりました。このことについて、私たちの周りからも種々の示唆をいただくとともに、心配する声や反対する声が寄せられました。また、皇室への影響も少なからずありました。ご迷惑をおかけした方々に誠に申し訳ない気持ちでおります」(朝日新聞デジタル10月26日 14時59分)

おわびから入っている。

「これからも、今までの気持を大切にして、二人で自分たちなりの形で、幸せな家庭を築いていってくれることを願っております」(同)

という言葉はあるが、結びでも、

「今回、皇室としては類例を見ない結婚となりました。しかし、そのような中にあっても静かに見守って下さった方々、そして直接的・間接的に応援をして下さった方々に深く感謝申し上げます」

この文面を読む限り、両親が諸手を挙げて祝福しているとは思えない。

秋篠宮夫妻が小室母子にいい感情を持っていないという週刊誌報道が何度も流れたが、やはり事実なのだろうか。

これから新生活を始める2人にとって寂しい船出にはなったが、覚悟を決めて2人が選んだ道である。私は大きな拍手で2人の前途を祝福したいと思う。

(文中敬称略)

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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