「副業をやるなら月5万円以上を目指すべき」副業のプロがそうアドバイスする理由
プレジデントオンライン / 2021年11月3日 10時15分
※本稿は、國富竜也『会社勤めのモヤモヤを吹き飛ばす副業の思考法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■「本業×副業」が生み出す相乗効果
銀行員時代に始めた副業の「ブログ」の売上が上がってくるタイミングで、私はWebマーケティング会社に転職しました。最初はそれこそ副業そっちのけで、本業にフルコミットして働いていました。
土日も関係なく本業の仕事に打ち込み、経験を積み重ねることに専念したのです。本業で成果を出すことにこだわったのは、ゆくゆくは貴重な経験を積ませていただく機会を会社からもらいたいと考えていたからでした。
そして十分に知識とノウハウが溜まってきたため、それらを副業に少しずつ転用し、稼ぎ始めました。
ですから当然、副業でも成果が出せるようになり、規模も大きくなってくるので、副業で得た独自の経験、ABテスト(Webマーケティングの手法の1つで、「どちらがよりよい成果を出せるのか」を検証する試験)データ、失敗談なども積み上がっていきます。
それらはもちろん本業に活かすことができますから、本業のサイトの売上も上がっていきました。それで本業でも、社内の重要な仕事を任せてもらえる機会が増えてきたわけです。
結果を出したことで編集長に昇格でき、「新事業立ち上げ――仕組み化――採用――売上最大化」など、さらに貴重な経験を積ませていただく機会をいただけました。そうした経験をさらに副業で活かすことで、本業と副業の両輪が理想的に回り始めたのです。
さらに、副業での経験を本業に還元して成果を出していたので、「私が副業に取り組むこと」に対して、周囲も応援してくれるようになりました。
すると、定時に退社しても快く送り出してもらえますし、副業する時間が増えますからさらに本業に還元でき、給料・収入アップにつながっていきました。
また、副業できる時間も増えたため、さらにそこで得た気づきを本業に活かすというよいループができたのです。
■相乗効果の生み出し方
このように、「最初は本業にコミットして結果を出す→それを副業に活かし、副業で成果を出す→副業での経験を本業に活かして成果を出す」というサイクルをつくりだすことで、本業で貴重な経験を積む機会を増やすことができるのです。
貴重な体験を積む機会が増えれば、さらに知見が溜まっていきますし、優秀な人材になれば、優秀な人と一緒に仕事をする機会も増えます。
そうすると、さらに貴重な体験を積めるようになり、稀少性の高い人材になっていきますから、たとえば同じ業界に転職する際に年収アップの交渉もできるでしょう。
私は現在、独立していますが、人によってはさらに別の副業に挑戦して、そのスキルが得られる業界に転職し、同じようにシナジーを生み出すことも可能です。
![スキルアップのイメージ](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/2/0/670/img_205cb84333ba81bf24c3071630f8e8c6353068.jpg)
「本業×副業」でシナジー(相乗効果)を生み出すための流れは、次のようなものです。
1.副業する目的を考える
2.その目的を達成するために必要なスキルを洗い出す
3.そのスキルが身につく副業を洗い出す。その際、「リスクが高い副業」「すぐに習得できる副業」は避ける
4.「好きか嫌いか」という適性を判断するために、実際に副業する
5.好きな場合、その副業を続けて成果を出す
6.その業界に就職、転職する
7.本業にコミットして有益な情報を得る
8.それを副業に転用して、個人で稼ぐ
9.副業で得た情報を本業に還元し、成果を出す
10.本業で貴重な経験を積める機会を増やす(上の役職・ポジションに就く)
■「後悔しない人生」のために考えた
私の場合、「副業する目的を考える」では、まず「後悔しない人生を送りたい」という大きなゴール(目的)を定めました。そのために、「死ぬまでにやりたいことリスト」をつくって、やりたいことを明確にしました。
そのリストに書かれた項目を1つひとつ達成するためには、どういうスキルが必要なのかを洗い出したときに、「時間や場所に縛られずに稼げるスキル」が必要だということがわかり、投資やマーケティングスキル、プログラミング、ライティングスキルを身につけるべきだということに気づきました。
ただ、仮想通貨やプログラミングなどに挑戦はしてみたのですが、まったくダメでした。挑戦してみたなかで、いちばん相性に合い、無理なく続けられて好きだったのがブログだったというわけです。
■無理なく取り組めているかがポイント
挑戦する際には、最初は一定期間(3~6カ月)取り組んでみて、取り組む過程に好きなことがあるか確認するといいでしょう。なぜなら、好きなら継続できるし、継続すると専門知識も身につき、結果としてあとからお金がついてくるからです。
たとえば大学教授。お金を稼げるから教授をめざしたのではなく、その学問を学ぶのが好きだから継続できて専門性が身につき、結果として教授になって高い給料をもらえるわけです。
副業の場合、いきなり「これが好き!」とはなりませんから、定期的に「無理なく取り組めている状態か?」を確かめるのがいいでしょう。
私のブログもそのようにして続けていたのですが、半年ほど続けても売上は全然伸びませんでした。それでも1日じゅうブログを書いていることも多く、「無理なく継続できているし、まあまあ楽しい」と思えていたのです。
私は「ある問いに対して、自分なりに考えを整理して答えを出すこと」が好きですが、それがブログを書く過程にあったわけです。
気になる副業に一定期間(3~6カ月)取り組むと、仕事の全体像を把握した上で「自分の好きなことがあるか?」「自分はこの仕事が楽しいと思えるか?」を判断することができます。
ですから、まず3~6カ月間取り組んでみて振り返ってみることをオススメします。
■月5万円以上の副業収入は転職でアピール可能
そして「この副業が好きだ!」という確信があれば、シナジーを生むために転職を視野に入れるのもアリです。できれば、「副業で月5万円以上稼げた状態」で転職活動に挑むのがいいでしょう。月5万円ほど稼げる経験とスキルも備わっているため、未経験の業界であっても転職できる可能性が高まるからです。
実際、銀行員だった私がWebマーケティング会社の面接を受けたのは、ブログで月に3~5万円ほど稼げ始めた時期でした。
そのため、仕事の全体像をとらえたうえで、自分には適性があることや、具体的にどんなスキルがあるかを面接で具体的に説明できたのです。「稼げた実績」と「100記事ほど書いたブログ」をポートフォリオとして提出できたので、説明にも納得感をもたせることができたと思います。
![國富竜也『会社勤めのモヤモヤを吹き飛ばす副業の思考法』(KADOKAWA)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/7/200/img_17af6622cff7fce0ccddc30cb69c23f3267305.jpg)
月に5万~10万円程度の副収入があれば、「この会社で経験を積みたいけど、提示された初任給では生活が苦しい」というような会社でも、選択肢に入れることができるようになります。
また、人によっては、年収の交渉手段としても「副業の成果」が使えるでしょう。自分から言うのはあまりオススメできませんが、転職の面接時の年収交渉にも対応可能でしょう。
このように、「好き」と「稼ぐ」の両方を満たしていると、未経験のジャンルの会社に転職できる可能性も高まりますし、転職後のミスマッチを防ぐこともできます。
「本業×副業」という働き方を続けることで、このようなメリットもあるのです。
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Webマーケター 副業情報サイト「副業コンパス」運営
立教大学理学部を卒業。新卒で三井住友信託銀行へ入社した後、Webマーケティング会社に転職して編集長を務める。銀行員時代から始めた副業ブログでは、「副業コンパス」というサイトを運営し、わずか2年半で副業月収8桁を達成。現在は、副業コンパスを運営する傍ら、大手レンタルサーバーのメディアに対するSEOコンサル、メディア事業の立ち上げサポート、企業への投資などを行う。副業やブログに関する有益な発信をしており、ブログは月15万人、ブログに関するメルマガの購読者は1万人、twitterフォロワーは8万人を超える。
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(Webマーケター 副業情報サイト「副業コンパス」運営 國富 竜也)
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