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仕事のデキる人は無意識に仕掛けている…「成果の好循環」を生み出す4つのステップ

プレジデントオンライン / 2021年11月9日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Zephyr18

本当に仕事のできる人ほど無意識のうちにやっていることがある。世界的コンサルティング企業・マッキンゼーに14年間勤めたコンサルタントの赤羽雄二さんは「見返りを期待せず、いつも種まきをしている。具体的には4つのステップに分解することができる」という――。

※本稿は、赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)の一部を再編集したものです。

■自分で工夫をして意識的にしかけていくことが必要

本当に仕事のできる人は好循環を次々に生み出しています。目の前で素晴らしい好循環を見て、「なるほど、仕事というのはこういうふうにやるのか」と感動し、自分もと頑張るというのが過去の仕事の伝授のしかたでした。

赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)
赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)

今はそういう見本を目の当たりにする機会が減りましたので、自分で工夫をして意識的にしかけていくことが必要になりました。

「好循環」とは、自分が実現したいことが複数の追い風を受け、より簡単・確実に実行できるようになることです。「好循環を生み出す」とは、自分が打ったいくつかの布石によって好循環を起こし、追い風を吹かせ、ねらいを実現することです。

ここにあるのはただの因果関係ではありません。「いくつかの布石を打っておく」「先手を打つ」「意識的に追い風をつくり出す」。そして、それらの結果によって、さらにもっとよい循環が起きるのです。

好循環は、上司・先輩が何かやってくれるものではなく、自分で種まきをし、しかけていって実現できることです。すぐにではなく、数カ月後、数年後に大きな果実を生みます。

好循環を生み出すステップとしては、次の4つが考えられます。

1 何を実現したいのか、ターゲットを決める(ここが出発点になります。自分がわくわくするようなターゲット、普通ではすぐに手が届かないようなターゲットを設定します。たとえば、「1年以内に本を出す」「配属5年目までにシンガポールオフィス勤務になる」などです)
2 ターゲットの実現を容易にするため、理想的には何が起きるとうれしいかを考える
3 その理想的な状況を起こすためには、何が起きるといいのかを考える
4 それを実現するため、自分に何ができるのかを検討する

直接的メリット、結果を追求するのではなく、2ステップほど離れたところ、つまり2ステップほど手前から考えることがポイントです。

好循環を自分から起こすことができるようになると、仕事が大きく前に進むようになります。精神衛生上も非常にプラスです。自信もみなぎります。

■1年以内に本を出すための方法を因数分解

たとえば「1年以内に本を出す」の場合、

1 ターゲットは「1年以内に本を出す」
2 理想的には、「半年以内に出版社5社の編集者にコンタクトし、1社と企画案に合意する」
3 その状況を起こすためには、ねらっているテーマに関して毎月ブログを10本、3カ月で30本書き、文章を一定以上書けることを実証する。ブログは一記事3000~3500字
4 それを実現するため、自分が書きたいテーマ3つに関して、記事を70~100ずつ読み、詳しい人を4、5人ずつ見つけてインタビューし、ブログテーマを30ずつ挙げてみる

また、「配属5年目までにシンガポールオフィス勤務になる」の場合、

1 ターゲットは「5年目までにシンガポールオフィス勤務になる」
2 理想的には、3年目までに本社での海外要員募集制度に応募する
3 その状況を起こすためには、2年目までに同期の間でも目立つような営業成績を上げておく。本社の新事業提案コンテストにも参加して力をつけるとともに、本社の経営企画部との接点をつくっておく
4 それを実現するため、自分は先輩から受け継いだ顧客リストに1カ月以内にすべて当たるだけではなく、不動産情報をもとに新たな顧客開拓リストを対象地域とその周辺で作成し、最速で結果が出るように仕込んでおく

といったことになります。

私は自宅で働くのが大好き
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

■いつも種まきをしておく

好循環を生み出すには、いつも種まきをしておくことが必要です。ねらって何かを生み出そうとするというものではなく、起きるといいなと思えることへの布石を前もって打っておくイメージだからです。

たとえばですが、以下のようなことが挙げられます。

1 後輩・友人に相談されたら、親身になって相談に乗る
2 誰かに質問されたら、知らなくてもちょっと調べて教えてあげる
3 Googleアラートで興味深い英語記事を見つけたら、チームに転送しておく
4 興味のある分野でブログを書き始めておく
5 興味が湧いた分野に関しては、何冊も本を読んで知識を深めておく
6 幕張や東京ビッグサイトなどで面白そうな展示会があったら、地方からでも年に数回は参加しておく
7 同窓会の幹事を引き受けてくれないかと依頼されたら、引き受ける
8 誰かいい人を知らないかと依頼されたら、できる範囲で動いてあげる
9 海外出張、海外駐在の可能性を上げるために、普段から英語の勉強をしておく

■気の合う同僚、友人と話し、刺激し合う

これらをやるのはもちろん立派なことですが、目先の利益にはそこまでなりません。

したがって、忙しくなると後回しになったり、いつのまにか忘れてしまったりしがちです。もしこれらが実行できれば、十人に一人のレベルの立派な努力だと思います。

しかも、明確なビジョンを持って動いていれば、遅かれ早かれ、なんらかの結果を生む場合が多いです。

ただ、心の余裕がないとやりづらいので、気の合う同僚、友人と話し、刺激しあうといいですね。やらないよりはやっておいたほうが確実によく、そのいくつかが布石となって追風が吹くことはよくあります。

というより、追風はときどき吹いていますが、帆をあげていないとそれを感じ取り活かすことができない、と言ったほうが正確かもしれません。実際に追風を感じたら、帆をあげて目いっぱい風をとらえます。

具体的には、思いがけないところから「大きな仕事の依頼が来る」「全社プロジェクトにアサインされる」「重要なポジションのオファーが来る」「会いたかった人に会う機会が生まれる」「講演の依頼が来る」「執筆の依頼が来る」「企画した講演会への参加者が想定以上に増え、次回、次々回も依頼される」などいろいろなことが起きていきます。

■誰かのためにもなり、自分のためにもなる

種まきをしたあとは、期待しないで待つことが大切です。

期待すると疲れますし、余計な動きをして無駄なことも起きてしまいます。期待しないで待つと、意外なところで何かが動いてだんだん大きな成果につながり、成果が成果を生むようなことも起きていきます。

期待しないでいても、動くときは動く、動かないときはもちろん動かない、ということで疲れませんし、何かを無駄にしているわけでもありません。「時がくれば事が起きる」という感覚に近いかもしれません。

「期待しないで待つ」というと、「無駄打ちをしてしまうのか」と気になってしまう方もおられるかもしれません。しかしそうではありません。

必要なこと、人としてやっておいたほうが誰かのためになること、しかもそれ自身が自分のためにもなること(調べてあげるとか、ブログを書くとか)をしておくとあとでその種まきが活きることが多い、ということなので、決して無駄ではありません。

【従来の落し穴】
●何かをやろうとしてもあまりうまくいったことがない
●好循環と言われても、想像もできない
●種まきを何度かしたが、すべて無駄になった
●どうしても期待して待ってしまうが、何も起きなかった。疲れた
【独学チェックポイント】
□どういう分野で好循環を生み出せるといいか、リストアップしてみたか
□今後起きるとうれしいことを考えて、いくつもの種まきをしたか
□種まきをしたあと、期待しないで待っているか(あせりは禁物)

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赤羽 雄二(あかば・ゆうじ)
ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター
東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズを共同創業。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』(宝島社)、『成長思考』(日本経済新聞出版社)、『アクションリーディング』(SBクリエイティブ)などがある。

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(ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター 赤羽 雄二)

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