ひろゆきが「本当に"頭"が貧相だなと思う」今どきの人物4選
プレジデントオンライン / 2021年11月6日 11時15分
※本稿は、ひろゆき『誰も教えてくれない 日本の不都合な現実』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
■日本の道徳教育を真に受ける人
日本の学校では、道徳教育で「人のよろこぶことをしなさい」とか「人には親切にしなさい」とか「人を怒らせてはいけません」などと教えたりします。はたしてそれは適切なのでしょうか?
というのも、現実の世の中では「悪い人」がいます。学校だって、クラスメートに暴力で脅(おど)されて、お金をせびられ続ける子どもがいる。そのような人たちの存在を無視している道徳教育は、適切な教えをしているとはとても思えません。
「人のよろこぶことをしなさい」や「人を怒らせてはいけません」は、世の中に「いい人」しか存在しないことを前提にしています。たとえば「お金盗んでこいよ」と命令してくる人を前にして、「人を怒らせてはいけません」は必要でしょうか。
本当にいい人は、こうした綺麗事を真に受けやすく、相手を怒らせてはならないと犯罪行為に手を染めてしまうケースもあります。
ですので、道徳の授業でも「悪い人」が存在することを前提にすべきです。つまり、「悪い人には冷たくあたりなさい」といったことも教え、それに加えて、相手が「いい人」であるなら「人のよろこぶことをしなさい」と教えるべきなのです。
「人には親切にしなさい」や「人を怒らせてはいけません」も、世の中全般にいえる道理ではなく、「いい人」が相手の場合などに限定しなければならないはずです。
そうでないと、道徳の授業など、教室のなかではよくても、現実の世の中ではなんの役にも立ちません。綺麗事のみで成り立っていて、「悪い人」の存在を考えていないことは、日本の道徳教育の大きな欠陥だと思います。
■学校の勉強にばかりのめりこむ人
これは前著『ラクしてうまくいく生き方』(きずな出版)でも書きましたが、大学は卒業しておいたほうがいいです。結局、企業は学歴というか、偏差値で学生を判断するからです。だから、勉強が苦ではないのであれば、まじめに勉強したほうがいいです。
でも、偏差値が高いことと、仕事で成果を出せるかどうかはまったくの別問題です。とくに今後、AI(人工知能)やロボティクス化がさまざまな場面で進むと、偏差値が高くて勉強しかできない人の価値はどんどん下がっていくでしょう。
そもそもの話ですが、AI化が進んでいない現在ですら、じつは学校の勉強はほとんど役には立ちません。
知識を詰めこむよりも、いかに必要な情報をすばやくインターネットで検索して探し出せるかという力のほうが有意義ですよね(もちろん、コツコツ勉強を続ける勤勉さとか、読解力とか、論理的思考能力など、学校の勉強で身につけられる力もありますが)。
あと大事になるのは、きちんと自分の考えを伝える意味でのコミュニケーション能力、そして度胸でしょう。外国で言葉の通じない人たちとすぐに仲よくなれる人がたまにいますが、そのような能力ですね。
最近、この「コミュニケーション能力」や、「意欲」「関心」「粘り強さ」「新しい発想」「挑戦する気持ち」など、テストの数値では測れない非認知能力が注目されています。こういう点は、学校教育ではカバーされていないのが現状です。
非認知能力は幼児期から学童期にかけて大きく伸びるといいます。とくにお子さんが小さいうちは学校の勉強以上に重視したほうがいいと思います。
■学校の先生のいうことを真に受ける人
子どもはいろんなことを知りたい好奇心の強い存在です。その子どもたちに物事を教えるのが学校の先生なわけですが、子どもが学校の先生を「大人の手本」にしてしまうのは、あまりよろしくないと僕は思います。
というのも、学校の先生の多くは大学で教職課程を経て、そのまま教師になります。つまり、一般社会に出たことのない人たちです。学校のほかの社会の仕組みを知らないので、考え方が偏(かたよ)りがちになり、子どもに教える際にもズレたことをいってしまうこともよくあると思うのです。
もちろん、これは学校の先生の言葉を無視していいわけではありませんよ。学校の勉強に関しては、彼らは専門の教育を受けて学んできたエキスパートなわけですし、まじめな人が多そうだから、そこは信頼していいと思います。
でも、学校の勉強以外のこと、たとえば進路のこととか、生き方とか、そういう部分で先生の言葉を真に受けすぎるのは危険だと思うのです。
とくに中高生だと、親以外に触れ合う機会のある大人って学校の先生だけのことも多いですからね。社会人の経験だったら、父親とか母親のほうがよっぽど豊富な場合も多いんじゃないでしょうか。
学校の先生は民間の会社員と違い、営業ノルマもクビも基本的にない、特殊な世界ですからね。それでいえば僕なんかは、教師を目指す人には一度、ほかの民間の仕事を経験してから教師になってもらったほうが、よほど子どもたちのためになるのではないかなと思います。
本書でもいろいろ述べているように、この社会って綺麗事だけで回っているわけじゃない、ということを知っている人が教育の現場にいたほうがいいのではないでしょうか。
■読書量と年収は比例すると思っている人
たまに書籍やネットの情報で見かけるのが「年収が高い人はたくさん本を読む。逆に年収が低い人はぜんぜん本を読まない。だから本をたくさん読んで年収を上げよう」みたいなロジックです。
いやこれ、おかしいですよね。たしかに、さまざまな調査データなどでは「年収が高い人は本をよく読む」というのがあるかもしれません。でもそれって、どっちが原因で、どっちが結果なのかはわからないわけです。
つまり、たくさん本を読んでいるから年収が上がったわけではなくて、そもそも年収が高い人はお金に余裕があるから、本をたくさん買って読める……というだけかもしれないわけです。
だいたい、読書量と年収が比例関係にあるのだとすれば、古典とか漢文とかを研究している人のほうが、商社マンとか金融マンよりも年収が高くなるはずです。
でも、そんなことはありませんよね。大学の先生の年収はそんなに高くありませんから。これは別に読書に限った話ではなくて、「年収が高い人は○○をしている」「長寿の人は○○を食べている」というようなロジックは、鵜呑みにせず、疑ってかかったほうがいいでしょう。収入が多くなるとか、長生きするとかは、もっといろいろな要素が複雑に絡み合った結果だと思いますよ。
こういうロジックを使う人は、いかにも説得力がありそうな調査データとかを使ってきますが、データをいくら見ても、その因果関係まではわからないはずです。というか、本を読む目的が年収アップのため、というのは、発想が貧相というか、切ないですよね。
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2ちゃんねる創設者
本名は西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、近著『僕が親ならこう育てるね』(扶桑社)ほか『無敵の思考』『働き方 完全無双』(大和書房)、『論破力』(朝日新書)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
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