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「集中力はやる気の問題ではない」仕事中の雑念を消し去る"百均で買えるある道具"

プレジデントオンライン / 2021年11月11日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/eclipse_images

集中力を上げるにはどうすればいいのか。作業療法士の菅原洋平さんは「指サックをつけるといい。触覚などの感覚をつかさどる脳の『後方連合野』が指サックによって刺激され、余計な考えごとをしてしまう『前方連合野』の働きが抑制される」という――。

※本稿は、菅原洋平『「できない自分」を脳から変える行動大全』(扶桑社BOOKS)の一部を再編集したものです。

■こんな自分がイヤだ!①
集中できなくて、気づいたら体がぐてーっとなっている

【こうすれば脳変】
両足の裏を地面につける

【応用例】
○厚めのひざかけをかける
○作業中は脚を組まない
○30分に1回姿勢を正す

【脳が変わる理由】
・姿勢を正すことで脳の覚醒度が高まる
・上頭頂小葉が働いてマルチタスクを回避できる
・ワーキングメモリが活発に働く

姿勢を正すことで脳の覚醒度が高まる

作業する姿勢と脳の集中力は密接に関係しています。仕事に集中できないときは、頬杖をつく、脚を組む、椅子に浅く腰かけて背もたれに寄りかかる(仙骨座り)、といった姿勢になっていませんか? 体の中心部の筋肉の活動が低下すると、脳の覚醒度が低下します。

そんなときは、図表1のイラストを参考に姿勢をリセットしてみましょう。また、姿勢が崩れるとボーッとするだけでなく、無駄な情報に気が散りやすくなります。脳の「上頭頂小葉」という部位は、姿勢と作業の正確性に関連しており、姿勢が崩れると「ワーキングメモリ」(ストックした情報をつなぎ合わせて効果的に使う能力)が働かなくなってしまうのです。

姿勢をリセット
図表1(『「できない自分」を脳から変える行動大全』)

❶両足の裏を地面につける
❷両肩を耳につけるように肩をすくめ、その肩を後ろに引いてストンッと落とす(そこが本来の肩の位置)
❸肛門を締めて、肩をおしりに向けて引き下げ5秒キープ
※❶~❸を3回繰り返す

【Keyword】
上頭頂小葉
ワーキングメモリ

■こんな自分がイヤだ!②
始めたはいいものの、「そういえばあれも……」と気が散る

【こうすれば脳変】
指サックをつける

【応用例】
○ノートやペンを書き心地のいいものに替える
○下着を快適なものに取り換える

【脳が変わる理由】
・脳の前方連合野の働きを抑制して雑念をカット
・触覚を刺激することで集中力アップ

触覚を刺激すると雑念を抑えることができる

集中できずに考えごとをしてしまう場合は、指サックをつけて、脳に新鮮な触覚情報を届けましょう。たったそれだけで、普段よりもはかどるような感じがします。見たり聞いたり触ったりといった感覚をつかさどる脳の「後方連合野」が指サックによって刺激され、ぐるぐると考えごとをしてしまう「前方連合野」の働きを抑制してくれます。

人差し指
写真=iStock.com/Hana-Photo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hana-Photo

同じように、筆圧を感じやすい柔らかい下敷きを使ったり、ノートやペンを書き心地のいいものに替えることでも、触覚や手の筋肉の感覚を増強できておすすめ。

触覚は外受容感覚のなかでは唯一塞ぐことのできない感覚です。人との会話に集中できない、文章が理解しづらい、相手に対して否定的な感情が湧く……といった場合は、衣服の素材やフィット感が悪く、体や脳が不快感を感じている可能性も。肌に接している下着を快適なものに取り換えるだけで、改善するかもしれません。

【Keyword】
後方連合野
前方連合野

■こんな自分がイヤだ!③
パソコンで書類を見ていたはずが、ネットサーフィンに

【こうすれば脳変】
書類は画面でなく紙で読む
ディスプレイから紙に変えるだけ! ポイントはまばたき

オフィスワーカーを対象にした調査で、「ディスプレイよりも紙のほうが没頭しやすく文章が読みやすい」という結果が出ています。要因として、紙の作業は両手で複数の文書を同時に処理できたり、操作位置への視線移動が不要という点や、集中を乱すツールバーなどの刺激がないことが挙げられています。

もうひとつ考えられるのは、ディスプレイでの作業だとまばたきが減り、脳内で情報処理を行う「デフォルト・モードネットワーク」が機能しづらいという点。まばたきは一瞬ですが、脳内では情報をまとめる重要な役割があるのです。

【Keyword】
デフォルト・モードネットワーク

※デフォルト・モードネットワークとは?
ボーッとしていると怠けているという印象を抱きがちですが、実は脳にとって大切な時間なのです。何もしていない時間に脳内では、デフォルト・モードネットワークという神経回路が働いて「まとめモード」のように情報処理が行われています。ここで情報がまとめられ、一見、関連がなさそうな情報が結びつくとひらめきを生み出してくれます。ボーッとしたり、単純作業をしている時間や、友人とたわいもない話をしているとき、一瞬ですがまばたきをしているときもデフォルト・モードネットワークに切り替わります。考えごとに行き詰まって息抜きをしたら突然アイデアがひらめいたりするのはこれのおかげなのです。

■こんな自分がイヤだ!④
始めた作業が終わらなくて、なんだかすべて中途半端

【こうすれば脳変】
スキマ時間には「終わりの見える作業」だけやる
菅原洋平『「できない自分」を脳から変える行動大全』(扶桑社BOOKS)
菅原洋平『「できない自分」を脳から変える行動大全』(扶桑社BOOKS)
スキマ時間に部屋の片づけはNG。ゴールを見定めて

時間が守れない人は、「まだ時間がある」と、スキマ時間に部屋の片づけなどの終わりのない作業を始めてしまいがち。ゴールが見えない作業は情報量が多いです。脳は、情報量が多いと時間がゆっくり進む錯覚を起こしますが、実際の時間の流れは変わらないので、気がつけば思った以上に時間が過ぎているのです。一方で、時間が守れる人は、「メールを1通送る」といった具合に、ゴールが明確な作業を選択しています。このように、スキマ時間ができたときにはゴールの見える作業を選べば、簡単に時間の超過を防ぐことができるのです。

 
【Keyword】
脳内時間

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菅原 洋平(すがわら・ようへい)
作業療法士
ユークロニア代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、脳の機能を活かした人材開発を行うビジネスプランをもとに、ユークロニア株式会社を設立。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で行い、その活動はテレビや雑誌などでも注目を集める。ベストセラーとなった『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)や『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的”な方法』(文響社)など、多くの著書がある。

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(作業療法士 菅原 洋平)

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