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論破王ひろゆき「お金持ちと貧乏人の差は永遠に埋まらない」と言い切れる論理

プレジデントオンライン / 2021年11月11日 11時15分

ひろゆき氏 - 撮影=長谷英史

働かなくても株や不動産など手持ちの資産だけで大金が転がり込んでくる富裕層がいる一方、非正規雇用や年収200万円以下で働く人が増えている日本。実業家のひろゆきさんは「この経済格差を是正することはものすごく難しいです。フランスの経済学者トマ・ピケティもそれを実証済です」と指摘する――。

※本稿は、ひろゆき『誰も教えてくれない 日本の不都合な現実』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

■移民の受け入れで若者の給料は安くなっていく

少子高齢化が進み、経団連などの経済界は、外国人の移民の受け入れを主張してきました。そうした声を反映するかたちで、日本では2019年4月から単純労働者の受け入れも可能になっています。移民の受け入れは今後も進むでしょう。

こんなふうにいうと、アジアの人たちが日本で働きたくてうずうずしているように思われるかもしれませんが、べつにアジアの人って日本に来たいとはそれほど思ってないんですよね。景気は悪いし、これから伸びていくようにも見えませんから。

医者やプログラマーなど、特定の技能を持つ外国人はもともと日本で働くことができたわけですが、大卒の優秀な外国人が積極的に日本に来るとは思えません。そういうスキルを持っている人は、アメリカとか中国とかに行くんじゃないでしょうか。

ということを考えると、これから日本で増える移民は、そういう技能を持たない人たちでしょう。カンボジアなどの裕福でない人からしたら時給500円でも高額なわけで、日本人がやってきた仕事を彼らが安くやることになります。

少子高齢化対策で移民を増やすのは、僕にはいいことには思えません。人手が足りないなら、人を雇うために時給を上げるのが経済的にはふつうなのに、外国から「500円でも働きます」という人が増えたら、時給は下がりますからね。

時給が上がると困るのは、安い労働力を確保したい経済界のエライ人や、働く必要がなく、ただ商品が安ければいいと考えがちな高齢者です。

彼らからすれば移民が増えるのは大歓迎でしょうが、若い人にはたまったものではありません。ベーシック・インカムなど、働かなくてもお金が入る仕組みがなければ、移民が増えるにつれて社会はますます乱れていくと思います。

■公務員の給料はこれからどんどん下がる

今後の日本経済の見通しが暗いなかで、安定して見える公務員になりたい人は少なくありません。どんなに日本の経済が悪くなっても役所がつぶれるとか、公務員の給料が出なくなるなんてことはまずないでしょうから、食いっぱぐれない、という意味で公務員は安定していると僕も思います。

ひろゆき『誰も教えてくれない 日本の不都合な現実』(きずな出版)
ひろゆき『誰も教えてくれない 日本の不都合な現実』(きずな出版)

でも、いままでのような安定感は今後なくなっていきそうです。

公務員のボーナスは2020年、2021年と2年連続で下がっています。公務員は景気がいときもボーナスが上がらないのでバブル時代には損でした。

でも景気が悪くなってもボーナスが下がらないといわれていたので、安定した職業だと思われていたわけです。そんな公務員のボーナスも下がっちゃっているのですから、安定神話も続かなくなりそうです。これからは日本全体の経済が落ちるにつれ、公務員の給料も下がるでしょう。民間企業に比べて残業がなく、定時で帰れる、なんてことも今後ますますなくなりそうです。

経済が落ち込むと、役所にもお金がなくなりますから、かたちを変えた残業が広まるでしょうね。これまでのように、派遣社員や民間委託業者に押しつけるだけでは回らなくなります。東京都千代田区のようなお金のあるところはいいですが、僕が生まれ育った北区はいまでも職員が足りず、住民票を取りに行ったら30分以上待たされるなんてザラです。これからもっと職員が足りずに、仕事がハードになるでしょうね。

その意味では、公務員になるなら人口が少なくてさびれた町のほうがいいかもしれません。公務員の給料は地方差があまりないので、なるべくラクできそうなところがおススメです。

■警察官はじつはおいしい職業

「人から感謝される仕事は貴重」です。特に、警察官っていい仕事だと思います。もちろん、夜勤があったり、危険な場面に出くわしたりすることもありますが、人々を犯罪とか事故から守る、救う仕事なので、めちゃくちゃ感謝されますよね。それに、警察官は人びとから尊敬される仕事でもあります。

警察官に憧(あこが)れる子どもは多いですし、人気が高いです。「お父さんの仕事はなに?」ってきかれて「警察官」と答えると、「すごーい!」ってなりますし、保育園のママ友のヒエラルキーみたいなのができたときも「警察官の家」だと一目置かれたりするわけです。

それに、警察官は公務員なので、ローンを組むのも民間企業以上に確実に通ります。これがユーチューバーとかだと、月収が4桁あっても、ローンを組めないどころか、下手したらクレジットカードの審査に落ちます。

しかも、警察官はなにか悪さでもしない限り、失業する可能性はほぼゼロ。いまは大企業でも40代くらいでいきなり早期退職を迫られたりしますが、警察ではリストラなんてありません。警察官が食いっぱぐれるときは、たぶん日本が財政破綻とかして、みんながそれ以上にヤバいときでしょうね。

パートナー探しにも困りません。警察官だから正義感が強いとか、マジメだろうとも思われますしね。もちろん、キャリア組とノンキャリア組が明確に別れていて、出世できるかどうかは完全に学歴で決まるとか、古い考えのオジサンが跋扈しているだろうから組織としての息苦しさはあるかもしれません。でも、そういうことを差し引いても、けっこうおいしい職業だと思いますよ。

■お金持ちと貧乏人の差は埋まらない

非正規雇用や年収200万円以下で働く人が増えるいまの日本では、経済格差の問題がよく語られます。コロナ禍で一律10万円の定額給付金が支給された際も「年収1000万円のお金持ちにあげなくていいだろ!」なんて思った人もいるのではないでしょうか。

でも「本当のお金持ち」は働かなくても株や不動産の資産だけで大金が転がり込んでくる人たちのことです。がむしゃらに働いている年収1000万円の人をやっかむのではなく、このような本当のお金持ちと貧乏人の格差を考えるべきですね。

トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)
トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)

じゃあ、どうしたらこういう格差は是正(ぜせい)できるのかということですが、正直、この差が埋まるのはものすごく難しいです。それを実証してみせたのが、ベストセラー『21世紀の資本』(みすず書房)を書いたフランスの経済学者トマ・ピケティです。

彼は200年以上の資産運用の史料を調べ、世界の経済成長より、資産家が持っているお金を投資に回したりして儲かる速度のほうが速いということを解き明かしたのです。たとえば、アメリカの経済成長率が年2%だと、アメリカで働く人は翌年には2%給料が上がると考えられます。

ところがお金持ちはそれよりも速いスピードで資産が増えます。たとえば投資信託などでお金を運用すれば、年率3~4%くらいのスピードで資産が増えていきます。また、お金持ちのところには、ふつうの人には出回らない儲け話が舞い込んできます。こうして、お金持ちはどんどんお金持ちになっていくわけです。残念ながらこれが、いまの社会の現実なのです。

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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
本名は西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、近著『僕が親ならこう育てるね』(扶桑社)ほか『無敵の思考』『働き方 完全無双』(大和書房)、『論破力』(朝日新書)などがある。

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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)

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