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まったくの投資初心者でもほっとくだけで1000万円を貯められる3つの方法

プレジデントオンライン / 2021年11月14日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/erdikocak

お金を貯めるにはどうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんは「より安いサービスに乗り換えるなど、3つのアクションを起こすだけで、20年間で1000万円ほどを貯めることは簡単にできる」という――。

※本稿は、西山美紀『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

■「長続きする方法」を選ぶことが大切

人生100年時代を生きる私たちは、長生きする分のお金の備えが必要です。例えば、世帯主が65歳以上の世帯で月約27万円、70歳以上では月約26万円の支出があると考えると(総務省 2019年家計調査報告より)、65歳で退職して100歳まで生きた場合、約1億140万円もの支出になります。「1億円以上も?」と驚かれた方も多いかもしれません。

ところが、現在は超低金利で、銀行預金だけではなかなかお金が増えない時代。どうしたらよいのかと不安に感じる方もいるでしょう。

一方で、さまざまな生き方ができる時代でもあり、お金を準備する方法も大きく変わりました。一般の方には踏み出しにくいイメージのあった「投資」も、今なら小さな金額から始められます。これまでの貯め方から一歩踏み出して、無理なくお金を増やしたいですね。長い人生ですので「長続きする方法」を選ぶことも大切です。

まずは、自分のこれからの人生に、どんなイベントがあるかを確認しましょう。そのときにお金がどれくらい必要か、ざっくりと見積もりましょう。事前にお金の準備をしておくと「お金がなくてできなかった」ということが減って、やりたいことをどんどん叶えられる人生になるはずです。

ライフイベントでかかるお金の目安
●結婚
10万円~500万円程度
●妊娠・出産・育児(乳児期)
約30万円~
出産育児一時金(42万円)が出るため、一般的には出産そのもの(平均約50万円)には大きなお金はかかりません。
●教育費
オール公立 約1000万円
オール私立 約3000万円
保育園(幼稚園)から大学までの概算。
●住宅購入
3000万円~
●老後資金
夫婦で3000万円ほどが目安
夫婦で受け取る年金が、仮に月22万円で、月27万円使う場合は、取り崩す貯蓄は月5万円。退職後の30年間とすると、(5万円×12カ月×30年)で1800万円必要です。ほかの支出も考えて、2000~3000万円ほどが目安。

■自動的に「お金が増える」仕組みを整えよう

右肩上がりの収入や十分な年金が見込めないなか、人生100年という新しい時代を生きる私たちは、それぞれのライフステージにかかるお金をしっかり準備する必要があります。少しでも早く貯め始めれば、貯められる期間が長くなるので、月々の金額は少額で済みます。

とはいっても、「貯蓄はどうしても苦手」「忙しくて、お金について考える時間がない」という方も多いでしょう。そんな人も大丈夫です。初心者でも、ものぐさでも、忙しくても、手間をかけずに「お金が増える」仕組みをつくってしまえばいいのです。

「誰かが貯めてくれたらいいのに……」と思うかもしれませんが、最初の手続きさえすれば、誰かが貯めてくれているかのように、自動的に貯まる仕組みのできあがりです。

日本の銀行帳に10万円
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

■いますぐ始めたい3つのアクション

ぜひ整えていきたい「お金が増える仕組み」とは次の3つです。

1)よりお得なサービスに乗り換える

銀行や保険、電力会社、スマホなど、新しいサービスが次々と出てくる時代。長年同じサービスを使っていると、いつの間にか割高になっているかもしれません。お得なサービスに乗り換えれば支出がダウン。特に毎月かかる「固定費」は要チェックです。

2)制度を理解して、もれなく利用する

お金の制度はややこしいですが、押さえておくべきポイントはそれほど難しくありません。知らずに損をしないように、自分にとって必要なことに絞って、上手に利用していきましょう。税金や年金、ふるさと納税などが挙げられます。

3)初心者でもできる投資にチャレンジ

投資は大金をつぎ込むものというイメージのある方も多いですが、今は100円や1000円などの金額から始められます。一歩踏み出すと、世の中の仕組みを理解できて、視野も広がっていくはずです。お金を増やすこと以外の効果もあるでしょう。

特に、固定費に関するサービスの乗り換えや、初心者でもできる投資については、一度手続きをすればあとはほったらかしでOK。忙しい方でも、ものぐさな方でも、最初さえがんばれば、あとは自動的にお金が増えていくことを目指せます。

■サービスはそのままに節約できる「乗り換え」

3つのアクションを行うと20年間で1000万円は貯まります。書籍『お金の増やし方』(主婦の友社)から抜粋して、ご紹介します。

まずは、「よりお得なサービスに乗り換える」の具体例を見ていきましょう。

●スマホの乗り換え

毎月のスマホ料金はどれくらいでしょうか。月8000円以上という方もいるかもしれません。今は大手キャリア(携帯電話会社)からも格安プランが登場して、乗り換えるだけで月3000円程度に下げることも可能です。月5000円下げられれば、家族2人分なら、月1万円分で、20年間なら240万円のお金が貯められることになります(20年後に、今とは違うスマホが出ているかもしれないということはひとまず置いておきます)。

大手キャリアの別ブランド(auならUQモバイル、ソフトバンクならワイモバイル)のほか、格安SIM(MVNO)のマイネオやOCNモバイルONE、イオンモバイルなどに乗り換える手もあります。

●電力会社の乗り換え

2016年の電力の自由化によって、電力会社を自由に選べるようになりました。電力会社を乗り換えることで、料金が安くなる可能性があります。在宅勤務が増えている今、電気代が上がって気になっている方は、ぜひ検討してみましょう。

比較サイト(エネチェンジ、価格.com電気料金比較、新電力比較サイト)を利用すると、乗り換える際の手間も時間もほとんどかかりません。

ある家庭(4人家族)で試算をしてみたところ、年間2万円安くなることがわかりました。20年間では40万円です。一度、試算だけでもサイトで行ってみてください。

電気料金の通知
写真=iStock.com/Yusuke Ide
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yusuke Ide

■ふるさと納税を利用しない手はない

次に「制度を理解して、もれなく利用する」の具体例です。

●ふるさと納税を利用する

すでに行っている方も多いかもしれませんが、「ふるさと納税」は注目したい制度です。

応援したい自治体に寄付をして手続きをすると、年間2000円を超えた金額(家族構成や年収によって上限あり)に対して、所得税や住民税の還付や控除を受けられ、さらにお礼として自治体から特産品などの返礼品を受けとれる制度です。

お金として増えるわけではありませんが、例えばお米やお肉、フルーツ、その地方自慢の工芸品などを選ぶことで、家計が少し助かるかもしれません。

返礼品の調達価格は、寄付額の3割以下という決まりがあるため、例えば1年間で5万円のふるさと納税をした方は、(金額換算をするのもあれですが)年間1万5000円ほどの返礼品を受け取れる可能性があります。今後、制度が変わらなければ、という前提にはなりますが、20年間で約30万円分になります。共働きの夫婦それぞれが行えば、約60万円分です。

ふるさと納税は、お得感がクローズアップされがちですが、地方の産業を応援することにもつながります。筆者自身、たくさんの地域の取材をしたことがありますが、「幼稚園のバスを買えた」「町おこしができた」「食品や工芸品を全国の人に知ってもらえた」という喜びの声をたくさん聞きました。まさに、地方を支える仕組みでつくられたのがふるさと納税なので、うまく活用されている例ですね。

■初心者におすすめの「積み立て投資」

最後は、「初心者でもできる投資にチャレンジ」の具体例です。

小さな金額で始められる代表的なものに「投資信託」があります。多くの投資家から集めたお金をプロが運用するので、たとえ一人が出すお金が100円でも、世界中の株に投資することもできるのです。国内外の株や債券などに幅広く分散投資することで、たとえ損失が出たとしても、一つの企業の株を買うことに比べてダメージは抑えられるでしょう。

投資初心者の方は、「いつ買ったらよいのか」と悩む方も多いもの。そんな人におすすめなのが、積み立てで買って、長期で続けていく方法です。一度申し込みをすれば、あとは毎月自動で買い付けてもらえます。普通預金の金利は0.001%ほどですが、投資信託の場合、過去の実績では1~5%ほどのものが多く、長期で積み立てることでお金を増やせる可能性があります(ただし将来の利回りを約束するものではなく、マイナスになる場合もあります)。

毎月一定額を買っていくことで、価格が低い時にはたくさん買い、価格が高いときには少しだけ買う「ドル・コスト平均法」の効果が生まれます。この方法は万能ではありませんが、手持ちの資金が少ない方や大きなお金でいきなり投資をしたくない方、大きな損失を避けたい方には向いています。

■気づくと大きな額になっている可能性がある

また、つみたてNISAという制度を使えば、利益が出ても約20%の税金がかからないのもメリットです。年間40万円までは非課税ですので、月あたり最大3万3000円程度を積み立てていくことができます。

もし、つみたてNISAで月3万円を20年間積み立てていったらどうなるでしょうか。(3×12カ月×20年間)で720万円になります。

西山美紀『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)
西山美紀『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)

低めに見積もって、もし年利2%で運用できたとすると、元本720万円に対して、運用利益が約164万4000円上乗せされ、884万4000円という計算になります(金融庁HPの資産運用シミュレーションにて試算)。

先ほど、スマホや電力会社の乗り換えや、ふるさと納税で手元に増えた金額(340万円)に884万4000円を足すと、合計1224万4000円になり、1000万円を大きく超える金額になります。

ちなみに、月3万円ではなく、月2万円積み立てた場合(年利2%で計算)でも、合計額は約929万円となり、ほぼ1000万円になります。年利4%で運用できれば、合計額は約1073万円です。もちろん、NISAで利用できる投資信託も利回りを保証するものではありません。相場によっては元本割れの可能性もありますが、余剰資金がある方はチャレンジみる価値はあるでしょう。

「お金が残ったら貯めよう」と思いながらお金を使いきってしまい「来月こそは貯めよう」というループにハマってしまっている方でも、ほったらかしでできる積立投資の仕組みを取り入れれば、いつの間にか大きな金額になっている可能性があります。

「お金について何かしなければ」「でも何から始めたらいいかわからない」という不安を抱えている方でも、何をすべきかがわかれば気持ちが楽になるはずです。もやもやした時間がなくなり、お金と心のゆとりができれば、仕事や家庭、育児、プライベートに思いきり邁進できるのではないでしょうか。

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西山 美紀(にしやま・みき)
ファイナンシャルプランナー
出版社で編集・マーケティングを経験後、2005年にライターとして独立し、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。女性の生き方やお金、仕事、人間関係、子育てなどをテーマに取材を重ね、単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらしてくれるお金の貯め方、使い方について女性誌やWebで発信中。All About貯蓄ガイド。『Oggi』『mi-mollet』『LEE』『Marisol』『マネープラス』『日経DUAL』等で執筆のほか、記事監修、講演を行う。2児の母。

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(ファイナンシャルプランナー 西山 美紀)

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