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公約の目玉は「日本を追い越す」…韓国の次期大統領候補のあまりに危険すぎる思想

プレジデントオンライン / 2021年11月12日 15時15分

2021年11月10日、韓国・ソウルで記者会見する韓国与党「共に民主党」の大統領候補、李在明・前京畿道知事 - 写真=時事通信フォト

■大統領選は前検事総長と前京畿道知事の一騎打ち

韓国で来年3月に実施される大統領選挙に向け、保守系最大野党「国民の力」が同党の予備選の結果、前検事総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏(60)を公認候補に選出した。同党は11月5日に予備選結果を発表した。

大統領選は尹氏と、革新系与党「共に民主党」公認候補の前京畿道知事、李在明(イ・ジェミョン)氏(56)の2人による事実上の一騎打ちとなる。

尹氏は検事出身で、2019年に文在寅(ムン・ジェイン)大統領から検事総長に任命されたが、その直後に文在寅氏の側近の不正疑惑の捜査に乗り出し、文在寅政権と対立し、今年3月に検事総長を辞任した。韓国の保守層から信頼を得ている。

選出後にソウル市内で演説した尹氏は「必ず、共に民主党を倒し、政権交代を成し遂げてみせる。新しい韓国を作る」と語った。

尹氏は冷え切った日本との関係を改善する意欲も示している。沙鴎一歩はこの尹氏が大統領に選ばれることを期待する。尹氏が勝たなければ、日韓関係は改善しない。

■李在明氏は「日本を追い越す」と反日感情をあらわに

韓国社会世論研究所が11月8日に公表した世論調査の結果によると、尹錫悦氏の支持率が4割台に急上昇し、李在明氏を10ポイント以上引き離した。2人は競り合い拮抗していたが、党の予備選で公認候補に選ばれたことで一時的に尹氏の人気が高まったとの見方もあり、このまま尹氏が来年3月の大統領選まで高い支持率を維持していけるかどうかは不透明だ。

尹氏と李氏にはそれぞれ不正疑惑が発覚している。尹氏は検事総長時代に裁判官の個人情報を不正に収集した疑いで捜査機関が捜査に着手していたことが最近、報道された。一方、李氏は知事になる前の京畿道城南市長時代に都市開発事業をめぐる不正行為があったことが指摘されている。大統領選は泥仕合の様相を呈している。

李氏が共に民主党の公認候補に選出されたのが、10月10日だった。このとき、李氏は「国を守る頼りがいのある大統領になる。腐敗した既得権と戦う。日本を追い越し、そして世界をリードする国をつくる」と演説し、反日感情をあらわにした。

李氏は貧困家庭に生まれ、苦学して弁護士となった。その逆境の半生を韓国の国民に訴え、全国民に現金を支給する「ベーシックインカム(最低生活保障)」を目玉の公約に掲げている。

■日韓関係を戦後最悪の状態に追い込んだ文在寅政権

それにしても「日本を追い越す」である。なにも公認候補受託の演説で日本を引き合いに出さなくでもいいと思う。これまでの連載で指摘してきたように、李氏は文在寅大統領と同じように韓国国民の反日感情に訴えて自らの政治基盤を固めようとする政治家なのである。今後の言動を注意したいが、文在寅大統領以上の反日家なのだろう。

そんな李氏が大統領に就任すれば、日本と韓国の関係はさらに冷え込むことは間違いない。

日韓関係を戦後最悪の状態に追い込んだのは、文在寅政権である。徴用工訴訟と慰安婦問題を利用して反日感情を煽り立ててきた。

戦時中に朝鮮半島から日本の工場に動員された韓国人の元徴用工(労働者)が日本企業に損害賠償を求めた一連の裁判が、徴用工訴訟である。2018年10月、新日鉄住金(現・日本製鉄)に賠償を命じる判決が大法院(韓国最高裁)で確定し、同年11月には三菱重工業に対し、同様の判決が大法院で確定した。この2つの大法院判断がきっかけであり、元凶だった。

現在、徴用工訴訟は日本企業の資産売却をめぐって重大な局面に入っているが、これまで文在寅大統領は何ひとつ具体的解決策をとっていない。

そもそも日本と韓国との間の損害賠償請求の問題は、「完全かつ最終的に解決した」とする1965年の日韓請求権・経済協力協定ですべて片が付いている。同協定は2国間の公の約束である。公の約束を反故にする韓国側が間違っている。

■慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決」と合意済み

慰安婦問題も同じである。

1965年の日韓請求権・経済協力協定での処理はもちろんのこと、2015年12月の日韓合意で慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決される」ことが確認されている。合意後に日本と韓国の両外相がソウルで共同発表した。ちなみにこのときの日本の外相がいまの岸田文雄首相である。

安倍晋三首相(当時)も朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)に国際電話を入れ、謝罪と反省の気持ちを伝えた。

ところが、保守政権の朴槿恵氏が失脚すると、2017年5月に大統領に就任した革新政権の文在寅氏がこの日韓合意を否定し、翌年11月には慰安婦の財団も解散させた。

文在寅大統領は韓国国民の反日感情を政治利用し、自らの政権を維持し、盛り上げようと企てたのである。

■与野党の候補はともに「アウトサイダー」の存在

11月6日付の読売新聞の社説は「来年3月の韓国大統領選に向けて、主要政党の公認候補が出揃った。文在寅政権が残した内政や外交の懸案にどう取り組み、政治の刷新を果たしていくかが選挙戦で問われることになろう」と書き出す。

韓国
写真=iStock.com/PictureLake
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PictureLake

日本の立場から言えば、解決しなければならない「文在寅政権が残した懸案」は徴用工訴訟と慰安婦問題だ。繰り返すが、文在寅大統領はこの2つを政治利用し、韓国国民の反日感情を煽り立てた。その目的は政権の維持と強化にあった。

読売社説は指摘する。

「注目されるのは、与野党の候補が共に、既存の政治から距離を置く『アウトサイダー』の存在であることだ。文政権の政策の行き詰まりや、政治の変化を求める国民の声が背景にあると言える」

「アウトサイダー」とは実におもしろい見方だ。日本から見ると、韓国の政治家はアウトサイダーばかりだ。反日種族主義(反日トライバリズム)に固まった文在寅大統領がその代表格だ。歴代の韓国大統領は大統領職を辞すると決まったように逮捕され、有罪判決が下される。日本では考えられない、異常な事態を生む政治風土が韓国にはある。

■「政治の素人」だが、検事総長まで上り詰めた人物

読売社説はアウトサイダーの政治家が人気を博す理由をこう指摘する。

「文政権では、1980年代の反軍事政権運動に参加した元学生活動家が要職を占めてきた。李氏の選出は、元活動家らが長い政治活動を通じて既得権益層と化し、国民の支持を失いつつある現実を反映しているのではないか」
「野党側の尹氏も、政治経験が全くない異色の候補だ。検事総長時代に文政権の検察改革に抵抗したことで注目を集めた。わずか4カ月前に大統領選出馬を表明し、予備選で勝利したのは、保守陣営の人材不足の裏返しでもあろう」

「国民の支持を失いつつある現実を反映」はうなずけるが、「保守陣営の人材不足の裏返し」はどうだろうか。野党、国民の力の予備選には複数の候補がいたではないか。

さらに読売社説は「尹氏は党内の討論会などで失言を繰り返し、『政治の素人』の弱さが出た。政権を担うに足る識見が今後試されることになる」と書く。

しかし、「政治の素人」とは言え、海千山千の韓国政界で文在寅大統領に気に入られて検事総長まで上り詰めた人物である。李氏よりは日韓関係の改善面で期待はできるはずだ。

最後に読売社説は訴える。

「李氏は、文氏の路線をどう見直すのか。尹氏は、北朝鮮の脅威に日米韓連携で対処する保守陣営の政策を維持するのか。日本にとっても注視すべき点だ」
「予備選ではスキャンダル攻撃が目立った。両候補には本選に向けて建設的な論戦を期待したい」

来年3月の大統領選の結果がどうなるか。目が離せない。

■「これまで以上に外交努力を」と朝日社説

11月7日付の朝日新聞の社説は「韓国の大法院(最高裁)が、日本企業に賠償を命じた徴用工裁判の判決から3年が過ぎた」と書き出し、こう主張する。

「待ったなしの状況に日韓両政府は、これまで以上に外交努力を尽くさねばならない」

「日韓両政府は」と書くが、相変わらず、朝日社説は喧嘩両成敗が好きなようだ。沙鴎一歩はこれまで何度も訴えてきた。徴用工訴訟の問題はすべて韓国が間違っている。朝日社説は日韓請求権・経済協力協定(1965年)や歪んだ韓国司法の判断、そして文在寅大統領のやり口をどう考えているのだろうか。

朝日社説は「手続きとしては資産現金化のカウントダウンに入ったと指摘される。強制執行となると日本政府は報復措置をとる構えだ。そうなればさらなる関係悪化は避けられない」とも主張するが、日本が対抗の措置を取るのは当然である。外交の基本は自国の利益を守り、国益を得ることにある。その基本から判断しても対抗措置は欠かせない。黙っていたのでは、韓国の不正を許すことになる。

朝日社説は指摘する。

「判決後、韓国内で同種の提訴が相次いだが、最近は訴えが退けられる事例が目立つ。韓国では被害者らが損害を認識し、一定の時間が経てば請求権は消えるとされるためだ」

それでも2018年10月と11月の大法院判断は消えない。韓国政府が司法判断を超越する政治決断を下す必要がある。

■間違っているのは日韓協定を無視した文在寅政権

朝日社説は「両政府ともこれまで、原告数の際限のない増加を警戒してきた。だが、新たな訴訟の可能性が低まったことを機に、政府間協議を活性化するべきだ」とも主張するが、訴訟の減少という現象が果たして戦後最悪の日韓関係改善する糸口になるのか。

さらに朝日社説は「韓国側では、いかに危機を回避するかをめぐり、実現可能性がある議論が出始めている」と指摘し、「例えば先月の国会委員会では与党の重鎮議員が、韓国政府による『代位弁済』に言及した。韓国政府が被告の日本企業に代わって原告に賠償金を支払い、その後に日本側に請求するという方策である」と書く。

だが、この代位弁済案は当初から水面下で検討されたが、日韓双方に認識のズレがあってなかなかまとまらなかった。その点に関し、朝日社説も「同種の一時的な肩代わり案は韓国政府内で検討されてきたが、正式な提案には至っていない」と認めている。

朝日社説は訴える。

「これらの案を含め、外交当局間で話し合い、知恵を絞れば、双方が妥協できる解決案を探すのは不可能ではあるまい」
「ただ、どんな妙案でも、韓国政府が原告側を粘り強く説得せねばならないし、また、その環境を整えるためにも日本政府が植民地支配という歴史の問題に謙虚な姿勢をとり続ける必要がある」

「双方が妥協できる解決案」と書くが、間違っているのは日韓請求権・経済協力協定を無視した韓国の文在寅政権だ。その意味で日本は被害者だ。被害者の日本がどうして妥協しなければならないのか。朝日社説の主張には納得できない。

(ジャーナリスト 沙鴎 一歩)

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