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「高齢者の10人に4人は口が臭い」指摘されにくい口臭予防にうってつけの"ある果物"

プレジデントオンライン / 2021年11月16日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ake Ngiamsanguan

自分の口のニオイにはなかなか気づきにくい。医師の平松類さんは「高齢になると唾液の分泌が減り、口臭を引き起こす。予防のためには、唾液を増やす食べ物を積極的に取ったり、呼吸の仕方に気を付けたりするといい」という――。

※本稿は、平松類『新版 老人の取扱説明書』(SB新書)の一部を再編集したものです。

■あなたの口は臭いか、臭くないか

高齢になると口が臭くなります。どんなに優しく接していても、満面の笑顔でいい話をしていても、口が臭いというだけで孫は逃げていってしまうものです。

とはいっても、家族も一応は年上にあたる高齢者の口臭をなかなか指摘しにくい。すると高齢者は、「何となく避けられている気がする」「嫌われている」と思い込んで疎外感を感じてしまうのです。

なぜ高齢者は口臭がするのでしょうか。

「おじいちゃんお口臭い」という入れ歯洗浄剤のCMが有名になったせいもあり、高齢者の口のニオイは入れ歯が原因と思われがちです。でも、入れ歯だけではないのです。口臭は85%が口の問題で起こり、15%が胃などで起きます。年齢を重ねることで口内の殺菌と洗浄の効果がある唾液が減るために、口臭が発生しやすくなります。

口臭というのはたいていがずっと同じ状態でつきまとっているため、自分では気づきにくいのです。他人の家に入ると「独特なニオイがするな」と思うことがありますが、住んでいる人は気づいていないのと一緒です。

ですから「自分は大丈夫」と思いがちですが、60歳を超えると43%に口臭があることがわかっています。

そこでまずは、自分の口臭をチェックしてみましょう。用意するのはコップだけ。まず、コップの中に息を吐いて手でふたをします。次に、新鮮な空気を鼻から吸って、「ハーッ」と息を吐きます。そして、コップに入れた空気を鼻から吸いましょう。さて、ニオイはどうでしょうか?

どんなにきれいでもかわいくても性格がよくても、口が臭いと顔をそむけたくなってしまうことがあります。私は小さなトイプードルを飼っています。非常にかわいく、なでると尻尾を振って喜んでくれます。散歩も楽しそうで家に帰ると喜んでくれます。しかし口臭がひどくなった時がありました。顔をなめようとしてくれて愛情表現をしてくれますが、かなりニオイがきついので顔を遠ざけてしまうぐらいでした。

■唾液が減り、歯周病が悪化すると悪臭を放つ

口臭の原因の85%が口の問題で、高齢になると唾液が減って口臭を引き起こします。肌がカサカサと乾燥するように、口の中もカサカサしてくるのです。

唾液は消化を助けるだけではなく、口の中の汚れを流してくれます。乾燥してしまって唾液が少なくなれば、口の中の汚れが流れなくなります。汚れがたまってしまい、ニオイが発生するのです。

また、舌に舌苔(ぜつたい)というものがあります。ベロをベーっと出すと表面が白く(もしくは黄色く)なっている所が舌苔です。定期的にきれいになっていくものなのですが、唾液が少なくなると舌苔も汚れてしまい、ニオイを発生させます。口の中の汚れが落ちなければ歯周病菌・虫歯菌も抑えることができず、さらにニオイが強くなります。

特に問題になるのは歯周病です。歯周病は40歳を超えると8割の人がかかっています。

軽いうちは歯茎が軽く炎症を起こす程度なので、あまり症状がありません。しかし進行すると、歯磨きをして歯茎から血が出ます。さらには、口の中がかゆくなってきます。高齢になると唾液が少なくなり、汚れも落とせず歯周病菌も落とせず、歯周病が悪化するのです。

では、歯周病によってどのようにしてニオイが発生するのでしょうか。歯周病菌は、口の中にある食べカスを溶かしてガスを発生させます。硫化ガスといって、温泉と同じガスです。よく「卵の腐ったニオイ」と例えられる悪臭が発生するのです。さらに歯周病が悪化すると、歯を支えている骨まで溶かしてしまいます。

■歯ブラシで磨いているだけでは100点ではない

解決策として、歯磨きが大切です。ただ、歯を磨く時は多くの方が歯ブラシだけ使っていると思います。歯ブラシだけではなく、デンタルフロスといって糸のようなもので歯の間に詰まったものを取ることも大切です。偉そうに言っていますが、私もあまりデンタルフロスは使っていませんでした。歯ブラシで歯を磨く。それだけでいいと思っていたのです。でも、歯医者の友人などがこまめにデンタルフロスを使っているので、反省して使うようになったのです。

アジアの高齢の女性
写真=iStock.com/Toa55
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Toa55

フロスは慣れるまでは面倒なのですが、慣れてくると歯の間の汚れがきれいに取れて気持ちよくなります。今では旅行先などでデンタルフロスを忘れると、何だかすっきりしないなと思うほどになりました。まだ使われていない方は、デンタルフロスをぜひお試しください。

歯と歯の間や、歯と歯茎の間に詰まったカスを残しておくとガスを出してニオイが出てしまうので、臭くなる前からきれいにしましょう。

また、細かく刻まれた料理は口の中にとどまりやすいです。高齢になると喉に詰まらないように細かく刻みますが、こういったものを食べた後こそ、歯磨きやうがいを徹底しましょう。こまめに水分を摂るというのも、後ほど詳しく触れますがガムを噛んだり、よく噛んで食べたりするのと同じように有効な方法です。

その他の方法としては、舌のクリーニングを聞いたことがないでしょうか? 舌からもニオイが発生するために、舌のクリーニングを定期的にするのも有効な方法とされています。

ただし、やりすぎで逆に舌が悪くなってしまう人もいて、なかなか難しく賛否両論あるようです。私もうまくできないし下手にやってしまうのも怖いので、舌のクリーニングまではしていません。「優しく軽く」が基本のようですが、気になる場合は歯医者さんに相談してみてください。

「私は入れ歯だから、虫歯とか関係ない。だから、20年も歯医者に行っていない」と自慢する高齢者もいます。けれども、入れ歯であろうと不潔にしていれば口臭は発生します。

入れ歯は、使っていれば次第にすり減ります。いくら洗浄液に浸していても、すり減った隙間にたまった汚れは落ちにくいものです。入れ歯でも、普段からこまめに手入れしないと口臭が強くなってしまいます。

それに、口の中は入れ歯だけではありません。口の内側全般もきれいにしておかないといけません。

■唾液を出やすくする3つのマッサージ

唾液が分泌される唾液腺をマッサージして(図表1)、唾液を出しやすくするのも有効な方法です。唾液腺は三つあります。

唾液を出やすくする3つのマッサージ
出所=『新版 老人の取扱説明書』

一つ目は、耳下腺(じかせん)。耳の前で奥歯のあたりにあります。指全体でさすってから、10回押します。

二つ目は、顎下腺(がっかせん)。顎の下にある柔らかい部分を、指全体で10回押します。

三つ目が、舌下腺(ぜっかせん)。顎を突き出した先の下側です。ここを親指で10回押します。

どこも押しすぎないように、優しくしましょう。食事前にマッサージすれば唾液の分泌が促進されて、口臭が減るだけでなく、消化がしやすくなるため食事がいっそう美味しくなります。

■口臭予防にお勧めの「天然の歯ブラシ」

唾液を出しやすい食べ物はレモンや梅干しです。レモンを食べるシーンを想像してみてください。口からジワッと唾液が出る感覚があると思います。酸っぱいという感覚が、唾液の分泌を促進してくれるのです。

果物には、口臭予防にうってつけのものがたくさんあります。パイナップルとパパイヤには、タンパク質を分解する「パパイン」という酵素が含まれています。パパインは口の中のタンパク質を分解して、ニオイを抑えてくれます。キウイフルーツに入っている「アクチニジン」も同様の効果があります。

天然の歯ブラシともいわれているのがリンゴです。リンゴは酸味もあるので唾液が出やすく、噛んだ際に歯をきれいにしてくれる食物繊維も豊富です。リンゴのポリフェノールも口臭に効果的です。

フルーツだけではありません。うまみの成分であるグルタミン酸というものがあります。だしの中に含まれているものです。美味しいグルタミン酸は唾液を増やしてくれるので、だしがきいた料理を食べることは口臭予防に有効です。そして食事の最後に緑茶を飲むと効果的です。

■硬いものを食べられない人はとにかく良く噛む

唾液を増やす方法としては、飴やガムを口にするのもお勧めです。

噛み砕くガム
写真=iStock.com/Warayoo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Warayoo

「飴ちゃんいる?」と言って飴を勧めてくる人や、飴を絶えず持ち歩いている人がいます(特に関西のおばちゃんですが)。口の渇きを抑えるために飴が必需品になっているのです。ガムのほうが、歯周病のことも考えると効果的です。ただし、歯にひっつきやすいなどでガムが苦手な方もいらっしゃるでしょうから、そういった方は無理をせず飴を選びましょう。

硬いものを噛んで食べることも、同じように唾液を増やしてくれます。スルメが真っ先に思いつくかもしれませんが、スルメが食べられるのは歯が20本以上ある場合に限られます。それ以下の場合は、噛み切るのになかなか苦労します。煎餅でしたらいろんな硬さがありますから、ちょうどよい硬さを選ぶことができます。

普段の食事では、硬いものが減ってついつい軟らかいものが増えてきます。これまではキンピラゴボウであったものが、ひじきのおひたしに変わったり、軟らかめのものへとついつい変えていきます。噛む時に唾液が分泌されるので、軟らかいものを食べていたとしてもよく噛むという習慣が大切です。

でも、よく噛みましょうと言われても、実行し続けるのは難しいかもしれません。であれば、噛む回数を数えると効果的です。すると1、2回しか噛まずに飲み込んでしまっていることに気づき、「もっと噛まないとな」と思うことも増えます。これで、意識的に噛む回数を増やせます。

■口呼吸ではなく鼻呼吸をすべき理由

呼吸の仕方も、口の乾燥に影響を与えます。あなたは今、鼻から息を吸っているでしょうか? 口から吸っているでしょうか? 口から息を吸うことが多いと、口臭がきつくなってしまいます。鼻から呼吸すれば、鼻を通ってから口、そして肺のほうへと空気が流れていきます。空気が乾燥していても、いったん鼻を通ることで空気に湿り気が生まれるので、口はあまり乾燥しません。

一方、口で呼吸してしまうと、空気が直接口に入ります。すると口が乾燥しやすく、口の中がネバネバとしてしまいニオイも強くなります。よって、普段から鼻呼吸を心がけるとよいです。

とはいっても、私もついつい口から呼吸をしてしまいます。アレルギー性鼻炎のせいか、鼻が詰まって口から息をしてしまうのです。アレルギーは薬などでちゃんと対応すれば、鼻から息が吸いやすくなります。

それ以外にも、興奮したりイライラしたりすると、口から呼吸をしてしまいます。そういう時こそ、意識的に鼻からお腹の中いっぱいに息を吸って口から吐きます。最初は慣れないですが、慣れてくると無意識にできてきます。

■就寝中に簡単にできる口臭予防法

寝ている時は口呼吸をしやすいです。特に、いびきをかく人は要注意です。私の父は口呼吸でいびきをかいていました。すごいいびきで、母も昔から悩まされていました。

平松類『新版 老人の取扱説明書』(SB新書)
平松類『新版 老人の取扱説明書』(SB新書)

以前までは、いびきは仕方がないものだと思っていました。でもある日、いびきの治療というのがあることがわかりました。空気を送り込むという治療法なのですが、早速父に勧めました。すると、いびきはなくなりました。

一番喜んだのは母です。父もいびきがなくなり、口臭がしなくなりました。しかも夜によく寝られるようになったので、昼ご飯の後に眠くなっていたのが減ったのです。

私の父はすごいいびきだったので、病院に行って治療をするほどでした。そんなにひどくない、いびきまではかかないけれど口呼吸になってしまうという程度でしたら、横向きで寝るとよいです。上向きに寝ると、首回りに脂肪が多い人や顎が小さい人は空気の通り道が閉鎖されます。それで、どうにか空気を通そうと口から呼吸をしがちになってしまうのです。

仮に口から呼吸をしてしまっても、部屋の湿度が保たれるように加湿器を置くのもよい方法です。私も寝る時は、なるべく加湿器を使うようにしています。

ホテルなどに泊まる場合は、濡れたタオルをかけておいて湿度を保つようにしておきます。朝になるとタオルはカラッカラに乾いていますが、このくらいあなたの口も乾燥してしまうということなのです。

口臭は85%が口からですが、残りの15%は胃などから発生しています。

胃の中で活動するピロリ菌も、口臭に関連するといわれています。ピロリ菌により胃潰瘍やガンが起きるともいわれているので、ピロリ菌の除去は口臭対策だけでなくガン予防にまでなります。気になる方は、一度医師に相談するといいでしょう。

◎周りの人がしがちな間違い
・口が臭いのに、我慢して何もしない
◎周りの人がすべき正しい行動
・歯科受診を勧める
◎自分がこうならないために
・コップを用意して、口臭をチェックする
・飴やガムを口にする
・歯ブラシだけでなく、デンタルフロスも使って歯をしっかり洗浄する
・入れ歯であろうと、歯も口もきれいにしておく
・こまめに水分を摂る
・噛む回数を増やす。噛む回数を数えるだけでも効果あり
・硬いものを食べる。硬さが選べる煎餅がお勧め
◎自分がこうなったら
・唾液腺をマッサージする
・鼻呼吸を心がける
・寝る時に口呼吸になる人は横向きで寝る
・就寝時には加湿器を使う、もしくは濡れたタオルを部屋にかけておく
・興奮気味の時は、鼻から大きく息を吸って腹に空気を入れ、口から吐く
・ピロリ菌を除去する

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平松 類(ひらまつ・るい)
二本松眼科病院 副院長
眼科専門医として、延べ10万人以上の高齢者の診察を行い、現在、全国から患者が訪れる。数多くのメディアへ出演。著書に『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)、『老眼のウソ』(時事通信社)など。

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(二本松眼科病院 副院長 平松 類)

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