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「周囲の評価が勝手に上がる」実績ゼロの放送作家を敏腕コンサルに変えた"ある一言"

プレジデントオンライン / 2021年11月30日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

副業で成功するにはどうすればいいか。放送作家でコンサルタントの野呂エイシロウさんは「いまは広報PRコンサルタントの仕事をしているが、当初は放送作家の仕事だけだった。多くの企業が向こうから相談を持ちかけてくる状態になったのは、戦略的な『自己PR』を仕掛けたからだ」という――。

※本稿は、野呂エイシロウ『副業は、自己PRがすべて。』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■たくさんの仕事をしている人の「自己PR」戦略

僕はいま、広報PRコンサルタントとして国内外の有名企業のプロジェクトに参加して仕事をしています。あくまでも裏方ですから積極的に社名こそ挙げませんが、ウィキペディアで「野呂エイシロウ」を調べてもらうと、過去の実績の一部が記載されています。

それをいって偉そうにしたいわけではなく、ここでお伝えしたいのは「どうしてそんなたくさんの仕事ができるようになったのか?」ということです。

僕のキャリアは一介の放送作家としてスタートしていて、ブランドのある外資系コンサル出身でも、大学の特任教授でもなんでもありません。

つまり、「業界外の企業が僕をコンサルとして信頼する理由」は、副業としてコンサルタントの仕事をはじめた段階では、まったくなかったわけです。

それが、多くの企業が向こうから相談を持ちかけてくる状態になったのは、戦略的な「自己PR」を行ったからです。

■ブログで自分のやったことをコツコツと発信

僕が広報PRコンサルタントとして最初にやったサービスは、「テレビに企業の商品やサービスを取り上げてもらえる企画」を考えることでした。

化粧品会社の仕事なら、バラエティや情報番組のなかでタレントがメイクで様変わりするコーナーを考え、映像としてのおもしろさと宣伝効果の両立を図るといった感じです。いくら商品が露出したって、コーナーそのものに人を惹きつけるおもしろさがなかったら視聴者の心には残らないし、企画が悪ければそもそも番組の会議をとおりません。「そんなつまらない企画なら、お金を払ってCM枠でやってくれ」となるのがオチです。

では、テレビ番組の考える「おもしろさ」とはなんなのか? 視聴者に役立つ情報であったり、トレンドだったり、宣伝くささを感じさせない展開であったり、番組や局のカラーに合った内容であったり、時間帯ごとのメイン視聴者層に響く内容であったり、実に様々なエッセンスがあります。また、おもしろいからといって「やってはいけない御法度」もあります。

そうしたエッセンスを、僕はブログで発信し続けたのです。そのエッセンスは、テレビ番組をヒットさせるノウハウでもありますから、正しくは「テレビ番組をヒットさせるノウハウ」と一緒に、メディア広報のノウハウをブログで配信し続けました。

■仕事が仕事を生む好循環を作るために心がけたこと

その狙いは、もちろん自己PRです。テレビ業界では僕の名前はそれなりに知られていましたが、業界外では無名です。放送作家の仕事だけならそれで十分ですが、広報PRコンサルタントで成功するには、業界外に名を売る必要がありました。

ですから業界外に向けて、野呂エイシロウという「放送作家」と「そのノウハウを活かしたメディア広報の担い手」を広くPRしたのです。

ブログの読者が増え、ほかのサイトでも紹介されるようになり、企業の広報担当者の目に留まるようになると、僕が営業をしなくても「相談に乗ってほしい」という依頼が舞い込むようになりました。

商品やサービスがテレビに露出することの宣伝効果は大きく、企業全体の業績にも影響しますから、実績を挙げていれば経営者や事業部門トップの役員と会う機会も生まれます。

トップとのコミュニケーションを通じ、メディア広報だけでなく商品開発やブランディングのプロジェクトにも関与する仕事が増えていったのです。

新しいビジネスを経験したら、その経験をブログで広めていくことで「野呂さんっていう人は、そんな実績もあるのか」と広く知られ、さらに新しい領域のビジネスに挑戦する機会を得る好循環ができていきます。

僕の仕事は、テレビという影響力の強いメディアが背景にあり、特殊といえば特殊かもしれません。ですが、僕自身の自己PRにおいては、テレビの影響力と権力に甘えた覚えはありません。「自分の言葉ひとつ、表現ひとつが相手にどんな印象を抱かせるか」をつねに考えながら、継続的に発信し続けてきました。

■「昨日は赤坂に」「このあとフジテレビへ」で自分を装う

人は、服装や持ち物を含めた見た目や雰囲気から相手の情報を無意識に探っています。「優しそう」「怖そう」という性格を探るのと同じように、「自信がありそう」「羽振りがよさそう」といった情報もしっかりとキャッチしています。

ですから、見た目や雰囲気をうまく使い「売れっ子」を演じることが、あなたの仕事への評価や期待値にも大きく影響するのです。

さらに、見た目や雰囲気だけでなく、「自分は売れっ子である」ということを、日々のちょっとした言動でも徹底して表現していきましょう。

笑い話のようなネタですが、僕は放送作家になった駆け出しの頃、よく「昨日は赤坂にいました」とか「このあとフジテレビなんですよ」といっていました。

東京の街並み
写真=iStock.com/kanzilyou
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kanzilyou

テレビ業界では、赤坂といえばTBSを指します。実際は、ただ赤坂で飲んでいただけなのですが、言い方ひとつで周囲が勝手に「TBSでも仕事しているのか。売れているなあ」となります。また、フジテレビにもただ知人と話しに行っただけですが、「フジテレビの仕事もあるのか、すごいな!」となるのです。

僕のこのやり方は、もはや「嘘ではない」というだけで、バレたら評価の下がるグレーゾーンのハッタリですが、ありかなしかでいえば、「あり」だと思います。

■「いつも忙しい」と言い続けることが価値になる

例えば、商談や打ち合わせで相手に気を遣ってか、「僕は今日、何時まででも大丈夫ですよ」という人がいます。その気遣いは素晴らしいのですが、無駄に話し合いの時間が延びるだけであまり建設的な効果はありません。

それよりも「○時から次がありまして……」といったほうが、「それなら時間までに終わらせよう」と効率的に話し合いが行われますし、「ほかにもいろいろ仕事をしている人なんだな」という印象を残すことができます。

顧客が会社員であれば、個人事業でバリバリ働いている人に憧れと敬意を持ってくれる人も意外と多く、それだけで信頼感につながります。

ブログで日々の仕事について書いていったほうがいいのも、「仕事がたくさんあって、いつも忙しい」ことを印象づけるためです。

「仕事がたくさんある」→「売れっ子」→「売れっ子はいい仕事をしてくれる」→「相応のギャラを払うべきだろう」と、仕事に対する期待や信頼に加え、あなたの仕事の価格にもいい影響を与えてくれるでしょう。

野呂エイシロウ『副業は、自己PRがすべて。』(プレジデント社)
野呂エイシロウ『副業は、自己PRがすべて。』(プレジデント社)

「今日は商談が2件しかなくて」では暇そうですが、「さっきまで商談が2件続けてあって」というとバリバリ働いている印象を与えることができます。こうした、「売れている自分」を演出する言葉の言い換えを習慣化してください。

逆に、「いつでも呼んでいただければすぐ伺います!」とか、「なにか仕事はありませんか?」といった「売れていない宣言」は厳禁です。仕事がないのは実力がないことの証拠ですから、わざわざ信頼性の低い人に仕事を依頼しませんし、振るとすれば安い仕事だけです。

向こうから、「ぜひお願いしたい」といわせる努力をしてください。

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野呂 エイシロウ(のろ・えいしろう)
放送作家・戦略的PRコンサルタント
1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家としての活動を開始し、数々の人気番組を手掛ける。30歳のとき、戦略的PRコンサルタントの仕事をスタート。これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。著書に、『「話のおもしろい人」の法則』『心をつかむ話し方 無敵の法則』『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』(すべてアスコム)、『プレスリリースはラブレター テレビを完全攻略する戦略的PR術』(万来舎)などがある。

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(放送作家・戦略的PRコンサルタント 野呂 エイシロウ)

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