1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「私は藤井聡太に勝った」83歳の将棋教室"同期"が驚いた藤井家のしつけ

プレジデントオンライン / 2021年11月18日 11時15分

史上最年少四冠を達成し、新聞の号外を手に笑顔を見せる藤井聡太四冠=2021年11月14日、山口県宇部市(写真=時事通信フォト)

藤井聡太四冠のあの強さはどこからくるのか。『プレジデントFamily』は今夏、その秘密を探るべく、幼少時を知る関係者に取材した。今回は、5歳から通った将棋教室に同時期に入った現在83歳の原木庄助さん編をお届けしよう――。

※本稿は、プレジデントFamilyムック『藤井聡太 天才の育て方』の記事の一部を再編集したものです(肩書は取材当時のものです)。

■83歳の将棋教室“同期”「私は藤井聡太に勝った」

藤井三冠の幼少期の様子をよく知る人物として、藤井三冠が5歳から通っていたふみもと子供将棋教室を主宰する文本力雄さんから紹介されたのが、原木庄助さんだ。

原木さんは現在83歳でこの教室には藤井三冠とほとんど同時期入室だという。入室時は70歳で、当時の藤井三冠は5歳だった。もともと将棋好きで、70歳のときに仲間と将棋教室を開こうと考えていた際、縁あってふみもと子供将棋教室を知ったのだそうだ。

原木さんは名古屋市名東区の自宅から自転車で90分かけて瀬戸市の教室へ通っていた。

「教室での対局相手は文本先生が棋力を見て決めますが、入室当初よく聡太さんと当たりました。初めのうちは僕が何局か勝ったはずです(笑)。もちろんすぐに抜かされ、聡太さんが7歳になると、歯が立たなくなりました」

そんな原木さんがよく覚えているのは、藤井三冠の「姿勢」だ。

「盤を見入るときの前のめりの姿。小さい体からものすごい集中力が伝わってきました。対局以外では年齢相応の子供です。子供たち同士でトランプをしたり、プロレスごっこをしたりしていました」

ふみもと子供将棋教室での対局の様子。集中をすると前のめりの姿勢になるのは、当時から変わらない。
画像=『藤井聡太 天才の育て方』より
ふみもと子供将棋教室での対局の様子(右が藤井聡太三冠)。集中をすると前のめりの姿勢になるのは、当時から変わらない。 - 画像=『藤井聡太 天才の育て方』より

ふみもと子供将棋教室では、年に3回ほど近所の旅館で合宿を行っていたそうだ。バスに乗って旅館に行き、日中は対局や大盤解説、詰め将棋などをし、夜は風呂につかったり、ご飯を食べたりして過ごす。

「子供たちが一緒に大風呂に入ってお湯を掛け合ったり、旅館ではしゃいだりしている姿を見かけて、ほほ笑ましい光景でした。将棋以外の子供たちの姿を見ると、自然と家庭でのしつけの様子がわかるものです。聡太さんをはじめ、将棋で強い子供たちはみんな旅館に向かうバスに乗る際に、大きな声で“お願いします”、降りるときには“ありがとうございました”と運転手に挨拶をしていました。旅館で遊ぶときも礼儀やルールから外れたことをする子はいませんでしたね」

ふみもと子供将棋教室の指導は、礼儀作法にも厳しいと評判だ。対局中はきちんと正座をする、はっきりと挨拶する、勝ってもおごった態度を取らない、対局後は駒を丁寧に箱にしまう。

「聡太さんはこうした作法をきちんと守っていました。でも、最初は甘えん坊な部分もあったと思います」

■“そういう姿勢をすると強くならないよ”

入室したての5歳のころ、大盤を使っての授業中に母親の膝枕に甘えたりすることもあったそうだ。

上級生の対局を興味深そうにのぞき込む藤井三冠。
上級生の対局を興味深そうにのぞき込む藤井三冠。(画像=『藤井聡太 天才の育て方』より)

「文本先生はきちんと指摘していました。そのときの先生の注意の仕方もうまい。『そういう姿勢をすると、将棋は強くならないよ』と言っていました。これが聡太さんの胸には何より響いたようで、聡太さんはすぐに背筋を伸ばしました。以来、母親に甘えるようなしぐさは一切見せなくなりました」

藤井三冠の大活躍の要因を、原木さんは「本人の才能、家庭の雰囲気、そして良き先輩や同期との切磋琢磨(せっさたくま)」と分析する。

「教室では世代を超えた人間関係が広がります。3歳から来ている子もいたし、僕は70歳でした。そんな人間たちが五感を使って将棋を指す。今はリモート対局や指導も普及していますけど、目の前に相手がいることがいい。苦しいときに手が震えていたり、悩んだ表情や盤面のどこを注視しているかで、何をどう悩んでいるのかが伝わったり。とくに子供のうちに五感を使うことで勝負勘が磨かれます。相手の必死さが伝わってきますから、こちらも負けまいと気合が入って、いやでも集中力が高まってくる」

入室間もない藤井三冠。学びに対する姿勢は常に貪欲だったそうだ。写真手前が藤井三冠と原木さん。
画像=『藤井聡太 天才の育て方』より
入室間もない藤井三冠。学びに対する姿勢は常に貪欲だったそうだ。写真手前が藤井三冠と原木さん。 - 画像=『藤井聡太 天才の育て方』より

原木さんの教室での立ち位置は面白い。藤井三冠の同期でありながら、文本先生とは飲み仲間。よく2人で酒を酌み交わすそうだ。

「酒席でよく話題になるのは、聡太さんが幼少期から対局に負けると大泣きしたことです。大声を上げるわけではなく、シクシクとずっと泣いている姿をよく見かけました。今でも時々、あのころと似た目をしているときがあります。あの悔しさが持つエネルギーを生かす環境に出合えたことが、彼を伸ばしたのは間違いありません」

(プレジデントFamily編集部)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

10秒滞在

記事を最後まで読む

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください