「気が乗らない飲み会に頑張って参加する人」は、いつまでたってもやりたいことができない
プレジデントオンライン / 2021年12月2日 9時15分
※本稿は、中山ゆう子『わたしは「私」を諦めないことにした』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
■会うと疲れる「エネルギーヴァンパイア」
人と会って帰ってくると、「なんか元気になれた!」というときと、「なんか、疲れたなあ」というときがありませんか?
前者が会っていたのは、エネルギーを与えてくれる人。
後者が会っていたのは、エネルギーを奪う人。
もちろん、そのときの相手の状況や、自分の状態もあります。でも、基本的に、エネルギーを奪う人というのは、いつも奪う人なのです。
こういう人を、「エネルギーヴァンパイア」と言います。
「もしかしたら、自分自身がエネルギーヴァンパイアになっていないか?」ということは気をつけないといけませんが(笑)、皆さん、案外知らないうちエネルギーヴァンパイアと会ってしまっていたりするのです。
■家族にイライラをぶつけたら本末転倒
「誘われたから」「仕事だから」「時間があったから」「聞きたいことがあったから」と。そして、帰宅して、「なんか、今日は疲れたな」と、お風呂でため息をつく。
エネルギーヴァンパイアにエネルギーを吸い尽くされてしまうと、あなたも、エネルギーヴァンパイアになっていきます。
なぜかというと、吸い尽くされてエネルギー不足に陥ると、どこかからエネルギーを補填しなければいけなくなるからです。よくあるのは、家族にイライラをぶつけることで萎縮させ、ひょいっとエネルギーを奪ってしまう、ということ。
ですから、もしあなたの周りにエネルギーヴァンパイアがいるのなら、できるだけ会う回数を減らし、距離を置きましょう。その人がいてもいなくても、あなたの人生になんら影響がないのなら、離れるようにしましょう。
私たちは、エネルギーを与え合うことで、いい影響、いい関係性を育んでいくことができます。
ですから、今日から、エネルギーのことをちょっと意識してみてください。自分から発しているものや人が発しているものが、よくわかるようになっていきます。
■「嫌われたくない」から断れなかった
昔、私は、誘いを断れない人でした。
超絶気が乗らなくても、「いいね! 行く行く!」と、いい返事をしてしまう、いわゆる「いい人」でした。
誘いを断れない人の心理には、次の3つがあると言われています。
・相手を不快にさせたくない
・いい人だと思われたい
・人間関係を崩したくない
つまりは、「嫌われたくない」ということなんですよね。
過去の私も、まさにそうだったと思います。
2013年に発売された『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)という本をご存じでしょうか。国内累計200万部超、世界を合わせると600万部を超えるベストセラーです。今でも書店でランキングの上位に並ぶほど多くの人に読まれています。
それだけ私たちは根本的に、「人から嫌われたくない」という心理を持っています。つまり、人との摩擦を恐れているのです。
![スマホでチャットアプリを使用している女性](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/a/f/670/img_af56cebd6b83352438144b5581a1bdcc231002.jpg)
■「いい人」をやりすぎると、自分の望みがわからなくなる
私たちは、幼い頃から、「みんなと仲良くしなきゃダメ」と言われて育てられていますし、特に日本では、「みんな一緒」「みんなと同じ」であることが良いとされる風潮がありますよね。だからみんな一緒だと、なんとなく安心するのです。
それゆえ、「人と違う」ことや、「人の流れに逆らうこと」を恐れてしまう傾向にあります。
しかし、「いい人」であることは美徳でもある一方、「いい人」をやりすぎると、優先すべきは「いつでも他人」になってしまいます。「自分が本当にやりたいこと」は、いつだって後回し。すると、自分の望みが次第にわからなくなっていくというループにハマっていきます。
気の進まない人間関係はあなたのエネルギーを奪ったり、ステージをシフトするときのストッパーになったりします。
ですから、まずは「いい人」であることを手放しましょう。
他人のことを優先して、自分のことを後回しにするのではなく、自分のことや、自分が本当にやりたいことを優先するようにしてみてください。
■「うん、疲れるわ」と思ったら行かない
手放すべき人間関係についてお話しします。
ぜひ、これをイメージしてみてください。
「その人と会ったときや、その場に行ったときの疲れ度合い」
もし、その人と会って元気になれるのでしたら、手放す必要も、断る必要もありません。でも、なんかドッと疲れるのであれば、それは「手放していいんだよ」というサインです。
私の場合は、それが「人」だったり、「場所」だったりします。
人がたくさん集まる場所や、知らない人がいる場所なんかがそう。
起業したばかりの頃は、お茶会や交流会に足を運んだことがあります。あわよくば、「お客さんになってくれる人がいるんじゃないか」という、つまらない下心も正直ありました(苦笑)。
![時計とカレンダー](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/8/670/img_d8903e9f0cc367ca3118e852b57102b2292364.jpg)
でも、それは疲れるだけでした。
そもそもイヤイヤ行っているので、人と仲良くなることもできず、当然、お客さまになってくれる人などいるはずもなく、その疲れ度合いはとても大きかったです。
そのあとは、「ここは良さそう」と思ったり、「やっぱり行っておいたほうがいいかな」と思ったりするたび、先にイメージするようにしています。
「うん、疲れるわ」と思ったら行かない。そんなふうに選択することにしたのです。
■自分の好き・嫌いを知ることが幸せにつながる
人の場合も同じ。「疲れる」と思ったら、会わない。約束しない。お断りする。
このように自分の基準を持っていると、人に合わせることが徐々に少なくなっていきます。
すると、自分の好みや、苦手な人、苦手な環境がわかってくるようになります。つまり、自分のことをどんどん知ることができるようになるのです。
私たちは、自分のことほどよくわかっていないものなのです。
何が自分にとっての幸せなのか、どんなふうに働いていきたいのか、がわかっていないのです。
それなのに、幸せに生きたい、働きたい、と思っても無理。
だから、自分を知ることがとても大事なのです。自分を知っていれば、私たちは、好きなように生き方も働き方も変えられるし、一からつくっていくこともできます。
そのためにも、自分の好き・嫌いを知っておくことが大切です。
そして、好みでないものは、潔く手放していくことが、とても大切なのです。
■「考える時間」がなければ、変化もできない
ステージを変えたいのに、なかなかできない。
そんな人に共通するのは「忙しすぎるということだ」と本書に書いています。
脳のメモリが残っていないので、「考える時間」や「考える余裕」がないのです。
私が起業を立て直すとき、こんなことを教わりました。
「自分で仕事をやっていくなら、何よりも先に“考える時間”を確保しなさい」
当時の私は、慣れないSNSの投稿のほか、何時間も、ときには何日もかけて、ブログやメルマガを書いていました。そのほかにも、募集・集客、お客さま対応、会場の予約、講座当日の準備や会場設営も、全部ひとりでやっていました。
そんな目の前のことでいっぱいいっぱいで、考える時間なんてない。すると、だんだん頭打ちになってくるのです。
思うように人が集まらない。何を書いても反応がない……。
そんなとき、当時のメンターに相談したら、先ほどの言葉を言われました。
それで、いったん手を止め、考える時間をまず確保することにしたのです。ほどなくすると、また人が集まってくるようになり、仕事も好調になっていきました。
■「限られた時間で何をするか」が人生の質になる
これは、起業に限ったことではなく、自分の未来をつくっていくときも同じ。
先ほどから、「気が乗らない誘いは断ろう」「疲れる人間関係は手放そう」とお伝えしていますが、それは、自分の時間を確保していくために必要なことだからです。
気が乗らないお誘いに付き合うよりも、家でぼ~っとしていたり、昼寝をしていた方が、よっぽど建設的なのです。
ぼ〜っとしたり、昼寝をしたり、なんて言うと、「そんなの予定じゃない」と思ってしまいますが、それは大きな間違い。
予定がないのも、予定のうち。
私たちにとって、何よりも大切なのは、「時間」です。
一日は24時間、一年は365日しかありません。
これだけは、どんなにお金を積んでも増やせるものではありません。
![中山ゆう子『わたしは「私」を諦めないことにした』(青春出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/200/img_de26688fc1353d2dc11f44de69d0918b127886.jpg)
もちろん、普通電車よりもちょっとお金を払って新幹線を使うことで、目的地に早く到着することはできます。歩くよりタクシーで、一般自動車道より高速道路で。そんなふうに、お金で時間を少し買うことはできます。けれど、一日は24時間、一年は365日。これは変えることができませんよね。
「その限られた時間の中で、何をしていくか」が人生の質になるのです。
だとしたら、「どうしていこうか?」を考えたり、「私は、どんなことが好きなんだろう?」「本当は何をしたいと思っているんだろう?」と思いを巡らせたりする時間は、とても大切なものなのです。
日々のことに流されていたら、そういう時間は後回しになってしまいますからね。
だから、真っ先に「予定を入れない日」を確保する。
人から見たら何の予定もない日だとしても、自分にとっては、今後の生き方や働き方につながる大切な時間なのです。
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起業コンサルタント
1972年生まれ。短期大学卒業後、地元の市役所へ就職。30歳でコーチングを学び始める。16年間着任していた市役所を辞職し、37歳で渡米。帰国後、独立起業したものの、鳴かず飛ばずの時期を4年過ごす。再起をかけて42歳でビジネスを基礎から学び直し、同時にプライベートでは、婚活をスタート。半年後、現在の夫と結婚。そのスピード婚の秘訣を知りたいという問い合わせが殺到し、婚活コンサルタントとして活動をスタート。働き方についてのご相談を多数受けるようになり、女性起業家を支援する起業コンサルタントへ転身。様々な側面から女性の経済ステージをシフトする活動を行っている。
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(起業コンサルタント 中山 ゆう子)
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