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「事務作業に一番適した時間帯はいつか」効率が劇的に上がる"仕事の時間割"

プレジデントオンライン / 2021年12月9日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/dusanpetkovic

効率よく仕事に取り組むにはどうすればいいのか。メンタルコーチの大平信孝さんは「時間帯によって適している作業は違う。例えば集中力が途切れやすいランチ後は、他の人と行う仕事を入れるといい」という――。

■1日を5つに区切り、やることをざっくりと決める

同じ仕事をするにしても時間の使い方を工夫すれば、結果は大きく変わります。

時間を有効活用するために効果的なのが時間割です。学校の時間割のように厳密なものではありませんが、次のように1日を5つに区切り、それぞれの時間帯に合った仕事を割り振るのです。

①出社前の朝時間
②午前中
③昼食後~15時まで
④15時~就業まで
⑤帰宅後の時間

ポイントは、①~⑤の時間内に「最低限したいこと」を決めておくこと。事細かに決めてしまうと、急な変更に対応できなくなってしまうからです。では、1つずつ見ていきましょう。

①出社前の朝時間
出社の朝時間は、他人に邪魔されることなく自由に使える時間帯です。ですから、自分にとって大切なことは、なるべくこの時間帯に行いましょう。例えば、ランニングや語学の勉強、瞑想など、仕事以外のことです。

②午前中
午前中は、比較的集中しやすい時間帯です。ですから、企画や戦略立案など、頭を使う仕事を行うことがおすすめです。余った時間で、その他のTo Doリストに取り組むといいでしょう。

③昼食後~15時まで
ランチの後は眠気もあり、最も集中力が途切れやすい時間帯です。ですから、1人で行う仕事ではなく、ミーティングやブレスト、商談、各種調整など、他の人と行う仕事を入れましょう。

④15時~就業まで
15時以降は、勤務終了までのカウントダウンという締め切り効果によって再び集中力が高まります。そこで、経費精算や日報、各種手続きなどの面倒な事務作業を行うのがおすすめです。こういった雑務で残業するのは誰だってイヤですから、自然と早く終わらせようとするはずです。

⑤帰宅後の時間
終業後は、仕事のことは忘れ、リラックスしたり、楽しんだりする時間を確保しましょう。いわゆる「心の栄養補給」です。友人とご飯を食べに行ってもいいですし、趣味に没頭したり、好きな映画を見たり、ゆっくりお風呂に入ったりと、明日の活力になるような過ごし方がおすすめです。また、寝る前に「その日1日でよかったこと」を3つ思い浮かべてから就寝するといいでしょう。

■仕事中は15分単位で考えよう

やらなければならないことがたくさんあるのに、ついネットニュースを見てしまったり、スマホに手が伸びてしまったりして、時間を無駄にしてしまう。その時間があれば、先延ばしにしていたあの仕事ができたのに……。

キーボード、白いイヤホン
写真=iStock.com/Fototocam
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Fototocam

こんな経験がある方も多いことでしょう。その原因は、あなたがだらしないからではなく、仕事に「制限時間」を設けていないからです。

心理学の世界に「パーキンソンの法則」というものがあります。これは「仕事は、与えられた時間の長さいっぱいまで膨張する」という法則です。例えば、5分でできることでも、20分の時間があると、結果的に20分かかってしまうということです。時間制限を設けないと、仕事に必要以上の時間を費やすことになるのです。

逆に言えば、どんな仕事でも時間制限を設けることで、集中力が増し、最短の時間で終わらせることができるわけです。

私がおすすめしているのは、仕事中は時間を15分単位で区切るということです。15分と聞くとあっという間に感じると思いますが、やってみると多くのことができます。

■スマホアプリなら音が気にならない

また、60分、90分などひと区切りの時間を長くしてしまうと、前述の「パーキンソンの法則」に従って、作業時間が延びてしまい、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性があります。

なお、時間を計る際は、時計ではなく、カウントダウンできるキッチンタイマーがおすすめです。仕事中音が気になるという人は、バイブレーションや光の点滅で時間を知らせてくれるスマホアプリなどを活用してもいいでしょう。

なお、15分の冒頭では、「10秒アクション」を活用してください。

10秒アクションとは、文字通り「10秒あればできる具体的行動」のことで、試しに10秒でできることから動いてみるという方法です。

例えば、報告書を書くのであれば、まず「報告書のファイルを開く」「手帳を取り出す」など、自分で決めた10秒アクションを行います。すると、他のことが気にならなくなり、仕事に集中しやすくなります。

また、「15分でここまで終わらせる!」と決めてからとりかかることもおすすめです。ぜひ、「15分でどこまでできるか」とゲーム感覚でチャレンジしてみましょう。

これを続けていくと、「15分だと物足りない」「15分は長すぎて集中できない」といった人も出てくるかもしれません。そんなときは、時間を5分単位で延長したり、短くしたりしてください。繰り返していると、自分にとって最も集中できる区切り方を見つけることができるはずです。

■大切な仕事をやるのは1日2回

私たちが本当に集中できる時間は、1日のうちわずかです。常に高い集中力を保ち続けることはできません。

このわずかな時間を有効活用できるかどうかで、行動の「質」は変わってきます。ちなみに、「集中しやすい時間帯」は人によってさまざまです。

先ほど、就業前までの朝時間は、最も外部要因に左右されにくい時間帯だと解説しましたが、この時間以外にも、早朝、昼前、夕方など集中しやすい時間帯はその人のライフスタイルによってそれぞれあるでしょう。

その時間帯に30分間、「一番大事なこと」に本気で取り組んでみてください。この時間に、普段先延ばしにしがちだけど、自分にとって大切なこと、本当にやりたいことに取り組めたらベストです。いわゆる「緊急ではないが重要なこと」です。私はこれを「本気の30分」と呼んでいます。

時間帯とやるべきことが決まったら、オリンピック選手が本番に臨むときのように全てを出しきってください。その際、耳栓をしたり、タイマーでカウントダウンしたりすれば、より集中できます。

30分が2回で1日1時間。これを継続すれば、1年で200時間(1年で200日働くと仮定)もの超生産的な時間を手に入れることができます。

■気分転換の時間も設定する

仕事の失敗や思い通りにいかないことは、立て続けに起こるものです。こんなとき、気分転換がうまい人は、すぐ気持ちを切り替えることができます。一方、気分転換が苦手な人は、悪い状態を引きずってしまう傾向があります。

この違いはどこにあるのでしょうか。

それは、あらかじめ気分転換の方法を決めているかどうかです。

大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』(かんき出版)
大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』(かんき出版)

行動力のある人が「いつも絶好調」というわけではありません。むしろ、たくさん動くぶん、うまくいかないことも増えるわけです。それでも行動し続けられるのは、落ち込んだ気分や集中力を回復し、リフレッシュするための方法、すなわち「自分の取扱説明書」を持っていて、いつでもすぐに実行できるようになっているからです。

具体的には、深呼吸やストレッチ、散歩、甘いものを食べるなど、数分で簡単にできること、昼寝や運動など30分くらいあればできるもの、旅行やキャンプ、釣りなど、まとまった時間が必要なものの3種類を決めておくといいでしょう。こうすることで、リフレッシュが必要になったとき、状況に応じて、すぐに気分転換できるようになるのです。

また、気分転換は、「これが終わったら○○できる」という「ご褒美効果」も期待できます。心と体をリフレッシュして仕事を速く片付けることができる方法ですので、ぜひ試してみてください。

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大平 信孝(おおひら・のぶたか)
メンタルコーチ
アンカリング・イノベーション代表。目標実現の専門家。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。個人向けには「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。近著に『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ  科学的に先延ばしをなくす技術』『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(ともにかんき出版)、『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)。公式サイト。

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(メンタルコーチ 大平 信孝)

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