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「きれいな机がずっと続く」整理整頓よりもハードルが低い"ちょっとしたコツ"

プレジデントオンライン / 2021年12月10日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/time99lek

きれいな机を保つにはどうすればいいのか。メンタルコーチの大平信孝さんは「よく使うモノの定位置を決めるといい。使ったら元に戻すだけなのでリバウンドを防げる」という――。

■片づけで集中力と行動力が手に入る

かつてベストセラーになった『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』(草思社)で著者のリズ・ダベンポートは、「ビジネスパーソンは年間150時間を探し物に費やしている」と指摘しました。1カ月に20日働くとすると、1日平均37分30秒もの時間を、探し物に費やしている計算です。さらに、モノが見つからないせいでイライラしたり、焦ったりと感情が乱されるうえ、集中力も奪われてしまいます。その結果、やるべきことに着手できないなど、行動力に大きな悪影響をもたらします。逆に言えば、探し物をなくすだけで、集中力と行動力が手に入ると言えます。

「身のまわりがスッキリ片づいていれば、仕事もはかどる」というのは、誰しもわかっていることだと思います。とはいえ、「忙しくてなかなか片づけられない」「整理整頓をしても、すぐに元の状態に逆戻りしてしまう」という人も多いことでしょう。

また、一度作業を中断されるとなかなか元の集中力を取り戻せないという人も多いと思います。これは、頭の中が整理されていないから。

片づけられないのは、「しっかり片づけなければ」「タスクを完璧に処理しなければ」という「完璧主義」に原因があります。実は、身のまわりや頭の中を整理し、それを持続するには完璧に整理する必要はありません。ちょっとしたことを意識するだけで、集中力や行動力を取り戻すことができるのです。

ここでは、探し物が多い人、集中力が途切れがちな人にオススメの、「整理術」を3つご紹介します。

■1 片づけよりもハードルが低い「定位置決め」

1つ目は、机上や引き出しにある文房具、書類などのなかで使用頻度の高いものから「定位置」を決めることです。

「定位置」を決めるだけで、探し物の頻度は大幅に減ります。また、単に片づけるだけだと、時間とともに元の状態に戻ってしまいますが、定位置を決めてしまえば、「使ったら元に戻す」だけなので、リバウンドを防ぐことができます。

この際重要なのは、一気に全てを整理しようとしないことです。完璧にやろうとすると、時間も体力も必要なので、つい先延ばしにしてしまうからです。使用頻度の高いモノだけを5つほど決めて、定位置を決めるだけならそれほど負担はかかりません。

■2 パソコンのデスクトップも机と同じ

机上だけでなく、パソコン内での探し物も、行動力や集中力を奪われる原因になります。

例えば、作成中のプレゼン資料や画像、上書き前の書類、いつダウンロードしたかわからないファイルなどで、「デスクトップが、アイコンでびっしり」という状態になっている人はいませんか?

デスクトップが散らかっていると、視界に余計なものが入り、気が散ったり、つい別の作業を始めてしまったりと、やるべきことになかなか着手できないことが増えます。

デスクトップ上で必要なファイルを探す時間も、探し物同様、1年間に換算すると、かなりの時間を費やしているはずです。

パソコンのデスクトップも机と同じように整理しておきましょう。

コンピュータオフィス
写真=iStock.com/Koldunov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Koldunov

整理の方法は次の通りです。

まず、月に一度、デスクトップを整理する日を決めます。月のはじめや終わりなど、わかりやすいタイミングを決めて手帳やカレンダーに書き込んでおきましょう。

その日が来たら、不要なファイルやフォルダを削除して、次の5つのフォルダをつくります。

①保存用
②完了していずれ捨てる予定だが、今すぐは捨てられないもの
③今週必要なもの
④今週は手をつけないが、現在とりかかり中のもの
⑤①~④に該当しないもの

このうち、③の「今週必要なもの」だけを、デスクトップに置きます。そして残りの4つは、「Dドライブ」「外付けハードディスク」「クラウド上」など、デスクトップ以外の場所に置きます。これらは、バックアップのため、2カ所に保存しましょう。

ポイントは、⑤の「①~④に該当しないもの」です。

このフォルダには、後日参照する可能性が低いけれど、削除できないファイルやフォルダを入れます。月に一度デスクトップを整理する際に、「2021年12月」など「年月」をタイトルにしたフォルダを作成し、この中に該当するファイルやフォルダを全部移動させ、⑤のフォルダに格納しましょう。

こうして月ごとにまとめることで、後日参照する必要が出た際も、簡単に見つけることができます。

パソコンのデスクトップを整理するだけで、集中力は驚くほど上がります。月に一度、数十分あればできますので、ぜひ試してみてください。

■3 頭の中のごちゃごちゃも整理しよう

仕事に集中しているときにかぎって電話が鳴る。
忙しいときにかぎって、上司や同僚に話しかけられる。
昼ごはんを食べた後は、集中力が途切れがちになる。

集中力は、一度途切れると、なかなか元には戻らないものです。再び作業に取り掛かろうと思っているのに、ついスマホでニュースを見てしまったり、ネットサーフィンしてしまったり、メールを開いてしまったり……。こんな経験がある人も多いと思います。

実は、中断した仕事を、スムーズに再開するにはコツがあります。

それは、再開後にやるべきことメモして、目につくところに貼っておくことです。こんな簡単なことで、作業を再開したときに集中力を瞬時に取り戻すことができるのです。

これには理由があります。私たちが一度作業を中断されると、すぐに集中を取り戻すことができないのは、「再開後に何をするか?」が不明確だからなのです。

特にオフィスワーカーは、同時並行で行わなければならない仕事をいくつも抱えています。いわゆる「マルチタスク」です。そのため、一度作業が中断されると、何から再開するか迷ってしまうのです。その迷いが、あなたの集中力を奪っているのです。

■「今すぐ◯◯する」というメモを残す

これを防ぐには、再開時にやるべきことを、明確な「コマンド」として、決めておくことです。といってもやることは簡単で、再開時にやることをメモに残しておくだけ。私はこのメモを10秒でできるコマンド(行動内容)をメモするという意味で、「10秒コマンドメモ」と呼んでいます。

大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)
大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)

「10秒コマンドメモ」は、脳科学の知見を元に私が考えた方法です。このメモを見て10秒行動すると、行動力の源になる「ドーパミン」という物質を分泌する、脳の「側坐核」が刺激されます。それによって、迷うことなく動くことができるようになるのです。

ちなみに、このメモは、次のように書くと効果的です。

「今すぐ、作りかけのプレゼンを見る」
「今すぐ、Aさんに電話する」
「今すぐ、机上の領収証を処理する」

といったように、「今すぐ◯◯する」という形で書くのです。

なお、「10秒コマンドメモ」はパソコンのディスプレイや机の中央など、すぐ目につくところに残すようにしましょう。もちろん、いくつもやるべきことがあると迷いが生じますから「10秒コマンドメモ」は1つだけにすることがポイントです。

このように、ちょっとした工夫で仕事もプライベートもスムーズに進めることができます。ひとつひとつはそれほど難しいことではありませんので、ぜひ取り入れてみてください。

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大平 信孝(おおひら・のぶたか)
メンタルコーチ
アンカリング・イノベーション代表。目標実現の専門家。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。個人向けには「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。近著に『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ  科学的に先延ばしをなくす技術』『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(ともにかんき出版)、『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)。公式サイト。

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(メンタルコーチ 大平 信孝)

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