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「離婚約」という新しい別れ方に脚光…浮気夫と6年後に離婚する妻に13歳娘が放った"ギクリとする発言"

プレジデントオンライン / 2021年12月12日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yuruphoto

離婚約(りこんやく)する人が増えている。離婚約とは、夫婦で話し合い、期日を決めて離婚しようと交わす約束のこと(離婚約中に関係が改善すれば取り消すことも可能)。離婚約に関する本を執筆し、現在、離婚約中のイメージコンサルタント・のらりくららさんが、離婚約を経て3年前に実際に離婚した女性(48)にインタビューした――。

※本稿は、のらりくらら『離婚約、してみました。』(光文社)の一部を再編集したものです。

■今、女性たちに脚光を浴びる「離婚約」という生き方

離婚約を経て離婚した人、私と同じく現在、離婚約中の人。そんな“お仲間”に話を聞けば迷う心を断ち切るヒントが得られるかもと思い、探してみることに。

「今、離婚約中なんだ」と周りに言うと、意外にも、「私の友達で、くららと同じように夫婦で話し合って数年後に離婚する予定って言ってる人いたよ」と教えてくれたり、「実はウチもそうなの」と告白されたり、「離婚について話し合えるって羨ましい」と過去に揉めた離婚経験者から言われたり。離婚約という言葉は知らなくても、離婚約を実際にしている最中の人や経験者は意外にいて、そんな方々からリアルな話を聞かせてもらうことができました。

■【約2年の「離婚約」期間を経て離婚したかずみさん(48歳)の場合】

離婚約の最大のメリットは離婚というゴールが見えて気持ちが楽になったこと

最初にお会いしたのは、現在、離婚して3年目のかずみさん(48歳・仮名)。

高校生の娘さんがひとり。2年間の離婚約の後、離婚。年下でデザイナーの夫とは彼女が38歳のときに知り合ったそう。彼の第一印象は、「仕事ができそうな人」。この年齢で付き合うなら結婚して家庭を作るのが前提であること、子どもの教育方針が一致したこと、さらにこれまで相手の女性関係で苦労してきたから、仕事人間で今までとは真逆のキャラクターだったことも決め手となり、出会って3カ月でスピード結婚。

翌年には女児を出産。子どもと向き合って育児をしたかったかずみさんは一旦、仕事を辞め育児に専念したものの、その3年後、夫がデザイン事務所を立ち上げたタイミングで経理を手伝うことに。娘が私立小学校に入学したため、校内活動やボランティア活動に多くの時間を割くようになり、すっかり娘中心の生活になったころ、夫の異変を感じ始めたと言います。

【かずみ】夫のデザイン会社で経理として働いていたある日、夫から出された不自然な領収書を見つけてしまったんです。しかも驚くような額を高級レストランやホテルに使っていて。これはもう浮気だと確信しました。

【くらら】旦那さんを追及したんですか?

【かずみ】しました。夫は、「ごめんなさい。でも子どもが生まれてから僕の相手をしてくれなかったから」と浮気を認めたんです。私としては、してないと否定して欲しかった。浮気を認められたことで夫が信頼できなくなりました。

【くらら】そう言われて、かずみさんは旦那さんの相手をしていなかったという実感はあったのですか?

■2度目の浮気で…「6年後に離婚をしたい」と告げた

【かずみ】今、思うと、確かに子育てに一生懸命になりすぎて夫を構っていなかったんですよね。夫から何度かセックスを求められたけれど、母になってからというもの、そういう気にはなりませんでした。それ以来、一切誘われなかったし、「僕も忙しいし、お互いそういう気にならないよね」という夫の言葉を鵜吞みにしていました。そのときは何をおいても子育てがいちばんだったんですよね。夫は年下だったし、もう少し気にかけたり、話をしたり、コミュニケーションを取るべきだったと思います。

【くらら】旦那さんには何と伝えたんですか?

【かずみ】夫に、「二度と浮気相手の女性とは会わない」という約束を取り付け、約束を破ったらすぐに別れると伝えました。夫も二度としない、約束通り女性とは関係を終わらせると誓いました。私はそれを信じていました。ですが、1年後に続いていることが発覚して。しかもその女性に定期的にお金を振り込んでいたんです。ガラガラと音を立てて心のシャッターが下りました。

【くらら】えええ、ショックですね。その後はどうされたんですか?

【かずみ】一切、信用できなくなり、そんな人とは老後、一緒に暮らせないと思いました。それが娘が小学6年生のときでした。でも娘には悲しい思いをさせたくなかったし、学校に知られるのも気になり、すぐに離婚すると啖呵(たんか)を切ったものの、準備期間も必要だし、すぐにはできないなと思いました。

のらりくらら『離婚約、してみました。』(光文社)
のらりくらら『離婚約、してみました。』(光文社)

夫も娘のことが大好きで、いい父親ではあったんです。私は夫の会社以外の仕事を見つけなければいけなかったし、娘の年齢的にも離婚をきちんと理解できる高校卒業後がベストタイミングと思い、全てのお金の流れやメールなどの証拠をプリントアウトしたものを突き付け、6年後に離婚をしたいと告げました。

【くらら】お子さんのことを考えての6年後だったんですね。

【かずみ】「たかが1回の浮気で離婚するなんて」と言われましたが、そもそもそれが価値観の違い。私にとっては1回も100回も浮気は浮気。彼は浮気相手と別れるという約束を破り、しかもお金まで渡していた。私に言わせれば、一生信用できなくなって離婚を言い渡すには十分すぎるほどの理由でした。もうすぐ子育てには終わりが来る。この先の人生を価値観が合わない人とは一緒に過ごしたくないし、自分の人生をもっと楽しみたいと思ったんですよね。夫は6年後の離婚の提案を受け入れました。

【くらら】離婚約中にどんな準備をされましたか?

■夫との離婚の話し合いは2〜3カ月に1回、外で食事をしながら

【かずみ】早速、ずっとやりたいと思っていた、仕事として長く続けられそうなエステサロンを夫の会社の資金でオープン。サロンのために部屋を借りるには、離婚約をしている間に夫に保証人になってもらうのが最もスムーズだと考えたからです。

【くらら】離婚約中の旦那さんとの関係はどうでしたか?

【かずみ】子育てのパートナーとしては順調でした。夫と離婚を進める話し合いは、2〜3カ月に1回くらいのペースで外で食事をしながらしました。内容はやはり娘のことが中心で、親権、夫の仕事を手伝っていたのでそれをどうするかが主な議題でした。離婚の話し合いをするときは、家以外で他人の目がある場所をオススメします。金銭的なことが絡んでくるといきなり怒り出す人もいます。レストランやカフェなど、人目があればキレたり、暴力沙汰になるような最悪の事態も防げます。お互いに家より集中して話せますしね。

【くらら】夫婦問題カウンセラーの方も同じことを仰っていました。養育費はどうしましたか?

【かずみ】養育費、学費は夫がそのまま払うことで合意しました。共同名義で購入した自宅は娘に残し、親権をどちらが持つかは娘が一緒に住みたいほうにしようと決め、娘に聞くことに。夫の娘への思いは信頼していたので、私でなくてもいいと思っていました。

結局、娘は私と住みたいと言ったため、私が親権を持ち、これまで通り娘と自宅に住み続けています。娘のことを第一に考え、離婚しても娘にとっては私たちは父と母であり続けるという思いが同じだったことはよかったですね。また、離婚後も私は夫の仕事を手伝うことになりました。

薬指から結婚指輪を外す女性の手元
写真=iStock.com/solidcolours
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/solidcolours

【くらら】離婚約がスムーズにいった要因は何だったと思いますか?

【かずみ】最大の要因は金銭的に揉めなかったことだと思います。私が経理をやっていたこともあり、金銭面は得意だったのも有利に働いたのかもしれません。また、プライベートで親しくさせていただいている弁護士さんがいて、相談できたことも心強かったです。素人には離婚に関する詳しいことはわからないので、法的拘束力はない離婚約ですがスムーズに進めるには専門家に法的なアドバイスを求めたほうがいいと思います。我が家は特に文章には残しませんでしたが、できれば書面化することをオススメします。

【くらら】娘さんにはいつのタイミングで離婚約を伝えましたか?

■13歳の娘「もしママに彼ができても私はパパとは呼ばないよ」

【かずみ】伝える前に見透かされてしまいました(苦笑)。離婚を決めてからも、娘の前では夫の悪口は言わないように心がけてはいたんですが、夫にイライラしているのが態度に出ていたのかもしれません。

あるとき、「ママ、パパのこういうところ苦手なんだよね」と言うと、立て続けに、「ママ見ていればわかるよ。別れちゃえばいいじゃん。私が大人になるまで待っていたらママ、おばあちゃんになっちゃうよ。でも、もしママに彼ができても私はパパとは呼ばないよ」と言うんです。びっくりしましたが、13歳の娘がいちばん大人でした(笑)。娘のために離婚を延ばそうと思っていたので、娘がいいと言うなら早くしようと決断できました。娘の言う通り、もし新たにパートナーを探すなら、独身に戻るのに早いに越したことはないですもんね。

結局、6年かける予定が約2年間の離婚約に短縮され、私たち夫婦は離婚しました。

離婚届
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

【くらら】実際に離婚したときはどんな感じでしたか?

【かずみ】離婚届は一緒に出しに行きましたが、夫の新しい家が見つかるまでは引き続き一緒に住むことになっていたので、届けを出したときはあっさりしたもので特に実感もありませんでした。でも夫が家を出て行ったときはやはり悲しくなったのを覚えています。それまで少しずつ写真などは目につかないところにしまっていましたが、それでも彼が置いていったものを片付けていたら感慨深くなりましたね。「こんなことになるためにこの家を建てたんじゃないのに」って。

【くらら】離婚約をしてみてどうでしたか?

【かずみ】離婚約には期限があります。ゴールが決まっていると相手の嫌なところも我慢できるし、お互いの将来に向けて前向きな話ができるので、やはり離婚約をしてよかったと思います。

私の場合、6年間の離婚約の予定が約2年になりましたが、離婚約期間が長い場合は夫に、「私は変わらず離婚したいと思っている」と定期的に伝えたほうがいいと思います。なかったことにされたり忘れられたりしている場合もあるので、意思確認と内容の微調整をしながら進めていくほうがトラブルにならないと思います。

【くらら】離婚した今、どうですか?

【かずみ】離婚した今も彼の会社の経理を続けていますし、私の仕事のデザインも彼に手伝ってもらっています。離婚約中、離婚後も娘が望む間は年に1回くらいは旅行しようと話していた通り、実際に旅行に行って家族として仲良くしています。離婚後もこんなに円満な関係でいられるのも、離婚約という期間があったことでお互い冷静になれたからだと思っています。

私には今、パートナーがいますが前夫には言っていません。何となくそこはお互いにグレーにしています。娘は、「パパと離婚してママはパパの悪口を言わなくなったし、ご機嫌になったからよかった」と言っています。娘のためにも離婚約期間を短くしてよかったと思っています。

■かずみさんの離婚約のポイント

●1 娘の養育費、学費は全て夫が払う。
●2 夫婦共有名義の家は最終的には娘に残す。
●3 夫の会社の経理を担当させてもらう=給料=生活費。
●4 娘が高校を卒業するまで結婚を続ける。※途中、変更
●5 娘が住みたい人と住む。住む人が家に残り、親権を取る。
●6 年1回は旅行に行く。死ぬまでふわっと家族。
●7 一緒に暮らしている間はあからさまにパートナーを作らない。

娘の手前もあるので隠すくらいがいい。

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のらりくらら イメージコンサルタント
40歳。フリーランスのイメージコンサルタント、女性の幸せ研究家。8歳年上の夫、13歳の娘がいる。娘が高校に入学するタイミングで離婚しようと、夫と離婚の約束、「離婚約」を交わす。

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(イメージコンサルタント のらりくらら)

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