1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「現代人は疲れ果てている」鏡リュウジさんが教える、毎日に潤いを取り戻す"ある習慣"

プレジデントオンライン / 2021年12月17日 10時45分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sarayut

本場英国の占星術を日本に紹介し、女性誌では新たな占いの世界を切り開いたトップランナー、占星術研究家・鏡リュウジさんが、セブン‐イレブン限定書籍『運命を味方につける魔法の言葉』を上梓。2022年に運命の人との出会いや幸運の訪れを願うあなたを「魔法の世界」へといざなう、特別メッセージを公開する。

※本稿は、鏡リュウジ『運命を味方につける魔法の言葉』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■「魔法」の世界は実在する

子供のころを思い出してほしい。転んで膝を擦りむいたとき、そばにいた優しい誰かがあなたにこう囁(ささ)やいてくれたことはなかっただろうか?

「ほらほら、大丈夫、大丈夫。痛いの、痛いの飛んで行け!」

その人の優しい言葉で、幼かったころのあなたの痛みが少しでも和らぐような気がしたのなら……それは立派な魔法体験だ。人類最初の「魔法」は、きっとこんなところから始まったのだと僕は思う。

考えてみれば、これはとても不思議なことだ。優しさの呪文で、本当に肉体的な痛みに変化が起こる。ちょっとした風邪くらいなら症状が軽くなるかもしれないし、本当に厳しい状況であっても、愛する人からの「大丈夫」という一言が、精神的にも肉体的にも大きな支えになるということが実際にある。「魔法」は実在するのだ。

■魔法とは、「愛する心」が生み出す神秘

「魔法Magic」という言葉の定義は実にさまざまで、学問的にも一致したものはないが、現代の魔法使いの代表ともいえるアレイスター・クロウリーやダイアン・フォーチュンらの言葉を借りると、「魔法」とは「意のもとで変化を引き起こす術」のことだとされている。

この定義によれば、たとえばメールを出すことも本を書くことも試験勉強をすることも、全部が「魔法」だということになる。

確かに、あなたの努力が起こす小さな奇跡は立派な魔法だということになるだろう。そしてそのような営みは、現在は科学、技術へと成長して、大きな力を振るうようになっている。

ただ、「魔法」には「科学」とは大きく違う点がある。冒頭の、「痛いの、痛いの飛んで行け」の「呪文」を思い出してみよう。

この呪文は、あなたが心から信頼し、愛する人が「心を込めて」つぶやくときに最大の力を発揮する。よほどのことがなければ、機械的に録音された音声を流しても、思うような効果が得られることはない。

科学技術は、いつ、誰がどんなふうにやっても同じような効果がなければならない。気持ちの入れ方一つで列車が走ったり走らなかったりしたのでは、現代生活は大混乱に陥ってしまうだろう。一方で、魔法は、「人の心」が大切なキーになっているのである。

■同じ世界を生きながら、違う次元に存在する人々

近代の科学は、自分の心をとりまく世界を「たましい」のない、単なるモノだと考えている。モノは操作することができる。けれど、魔法の世界では、この世界は生命を持っていて、この世界を構成するさまざまなものが目には見えない、精妙なネットワークを形成していると考えている。

だから、人は心を込めて自分自身に、相手に、そして世界に「語りかけ」て関わることができると考える。その言葉が届けばあなたの願いは叶うだろうけれど、それは対象を支配することではない。

これは、あなたが誰かを愛することと、その相手を支配し束縛することが違うのと同じことだ。魔法が効くことがあったり、そうでなかったりするのは、この点と関わっている。

■目に見えない世界を愛おしく感じる力

ある英国の研究者はこういう魔法の捉え方を、Magicというよりは「エンチャントメントEnchantment」と呼ぶほうがいいのではないかと提唱している。

マジックというとついつい、思うとおりの結果を「引き寄せる」ための方法だと勘違いしがちだ。「こうすれば100パーセント成功する」「必ず愛される」と謳(うた)うライフハックは魅力的だけれど、よくよく考えてみれば、それは「支配者」の姿勢ではないか。

けれど、「エンチャントメント」と言うと、この世界の不思議さや思いがけなさに心を動かされ、魅了されるというニュアンスが出てくる。時に言うことを聞いてくれないこの世界を憎らしくも愛おしく感じながら、この世界の偶然が差し出してくれるチャンスや縁に心を動かす。

そんなスタンスこそ、本当の意味でマジカルな生活ではないだろうか。

■この世界に魔法を取り戻そう

今回、編集部の方からのおすすめがあって、これまでに書いてきたあちこちの本の中から、心に残りそうなものをピックアップして1冊にまとめた。

あちこちからの「つまみぐい」なので、ひとつの流れにもなっていないし、すぐに役に立つようなライフハックでもないので、正直、こうしてみなさんの前にお出しするのがちょっと不安ではある。

ただ、読み返してみると、たくさんの本を書いてきた僕は、実は案外、同じことばかり、手を変え品を変えて繰り返してきたんだなあと気がつかされる。

それは一言でいうと、「この世界にどうやって魔法を取り戻すか」ということ。

アラジンランプとカレンダー
写真=iStock.com/May Lim
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/May Lim

■「即効性」「役に立つもの」で現代人は疲れ果てている

僕はこれまで、専門的な占星術からわかりやすい星占いやおまじないまで、あれこれ書いたり、翻訳したりしてきた。ただ、それを「信じろ」とか「こうすれば必ず当たる」「効く」といったことはできるかぎりしないできたつもりでいる。

なぜなら、「こうすれば即効性がある」というマニュアルは、本来の魔法ではなくテクノロジーのへたな真似事だから。「問題を解決する10のステップ」「幸運を引き寄せる秘訣(シークレット)」というのは本来、僕の考える魔法にはそぐわない。

そうでなくても今の世界には、「これが役に立つ」「自己発見のためのノウハウ」のような情報がネットや動画で溢(あふ)れかえっている。僕たちはかえってそれで疲れてしまっているのではないだろうか。

■「小さな奇跡」の世界へようこそ

占いや魔法は、無駄かもしれないけれど、ちょっとやってみよう、ほかの世界のことに目を向けてみよう、という潤(うるお)いのようなものから生まれてくる。

鏡リュウジ『運命を味方につける魔法の言葉』(プレジデント社)
鏡リュウジ『運命を味方につける魔法の言葉』(プレジデント社)

本書『運命を味方につける魔法の言葉』に集めたさまざま「言葉」は、そのためのヒントだ。

焦ったりうまくいかなかったりしたとき、目先の結果だけを求めてはかえってうまくいかなくなるだけだ。心に少し余裕が生まれたときだけ本当の魔法は起こる。小さな奇跡がやってくる。

この忙しく、世知辛い世の中だからこそ、「役に立たたない」魔法の言葉があなたに届きますように。そして、それがあなたの心を少し動かすことができれば、それこそが本当の魔法だと僕は信じている。

新しい年が、あなたにとって愛と幸運に満ちた1年となりますように。

----------

鏡 リュウジ(かがみ・りゅうじ)
占星術研究家、翻訳家
国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介し、従来の「占い」のイメージを一新。占星術の歴史にも造詣が深い。英国占星術協会会員、日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。主な著書に『鏡リュウジの占星術の教科書I、II、III』、『占星術の文化誌』(原書房)、『タロットの秘密』(講談社現代新書)、『占いはなぜ当たるのですか』(説話社)、主な訳書に『ユングと占星術』『占星学』(青土社)、『占星術とユング心理学』(原書房)、『ホラリー占星術』(駒草出版)など多数。

----------

(占星術研究家、翻訳家 鏡 リュウジ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください