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「上司の無茶振りを撃退」デキる人が使う断ったあとに"やる気を匂わせる"フレーズ

プレジデントオンライン / 2021年12月20日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/CHUNYIP WONG

年末の忙しい時期には、仕事を頼んだり頼まれたりということも増える。自分も手いっぱいなのに、頼まれるとつい引き受けてしまうということはないだろうか。精神科医の井上智介さんは「角を立てず、上手に断るにはコツがある」という――。

■「断れない人」の3タイプ

どこの職場でも頼まれごとをうまく断れない人はいます。仕事の業務だけでなく、ランチや飲み会もうまく断れない。断るのが苦手な人は、次の3タイプです。

一つ目は、職場での立場が弱く、我慢して引き受けるしかないと思い込んで断れないタイプ。二つ目は断ると相手に悪いなと気兼ねして断れないタイプ。いわゆる「いい人」タイプですね。そして三つ目は、みんなから好かれたいという気持ちから断れないタイプの人です。

断るのが苦手なのは、もともとの性格や気質だから仕方ないとはいえ、すべてを引き受けると、身体的にはへとへとになるし、精神的にもストレスがたまり、パンクしてしまいます。断り方にはコツがあるので、知っておくとよいでしょう。

■まずは「感謝」から入る

では角を立てず断るには、どのようにすればよいでしょうか。まず言い方をマスターしましょう。それには3つのステップを踏みます。

ステップ1:「感謝」
ステップ2:「断りの理由」+「謝罪」
ステップ3:「感謝」+「匂わせ」

具体的に説明しましょう。まずステップ1の「感謝」です。

何か頼まれたときに「また押しつけてきた」「それは無理です」とすぐに断ると、やはり角が立ちます。ですから、最初は「声をかけていただき、ありがとうございます」「誘ってもらって感謝してます」と相手の気持ちやリクエストを一度受け止めるところからスタートしましょう。

■「断る理由」は何でもいい

ファーストステップで感謝を述べつつ、いよいよ断るわけですが、ステップ2では、断る理由と「お力になれなくてごめんなさい」という謝罪を伝えます。できないと断るからには、理由が必要です。でも実は、この理由は何でもOK。

平日の残業を断るときは「今夜、荷物が届くから早く帰らないといけないんです」「子どもを病院に連れて行かなきゃいけないので」「ペットの調子が朝から悪そうなのが気になって」……、子どもとペットは最強の言い訳です。

休日出勤なら「友だちの引っ越しを手伝うことになっているんです」「実家の親の様子を見に行かなきゃいけなくて」などでも。事実でなくてもいいんです。断るときは、嘘もコミュニケーションのひとつと割り切ってほしいですね。

■理由をストックしておく

ただ、その場であわてて考えると、いかにも見え透いた嘘になってしまうので、相手が「それなら仕方ないか」と思うような理由をふだんからストックしておくこと。そうすれば、いざというときにパッと出せます。

どうしても何も思いつかないとき、せっかくストックしても忘れてしまったときは「今日は先約があるのでできません」「今週末は用事があって」と、ぼかしても全然かまいません。何でもいいので理由が示せればいい。あとは、「やりたいけれど、やれなくてごめんなさい」という切り口で対応すれば、角が立ちません。

とはいえ、このまま「ごめんなさい」で終わると、相手からすると「断られたな」という、ややネガティブな雰囲気のままになってしまうので、最後の3ステップ目で「声をかけていただいてありがとうございます」と、もう一度、感謝を伝えたうえで「また余裕があるときには、やらせていただきます」と“匂わせて”終わる。そうすると相手が「まあ仕方ないか」と思える範囲におさまるはずです。

わざわざ感謝まで伝えるこのやり方は、かなり丁寧ですから、上司に無茶振りされたときにも有効です。ぜひ実践してみてください。

感謝の気持ちを示すジェスチャーをする女性
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

■断りの「ルール」を作ってしまう

もちろん、いつもこれで断っていると「あいつ、匂わせるだけで何もやらないな」となってしまうので、ここはひとつ、自分なりのルールをつくってほしいと思います。

たとえば、「1回受けたら1回は断る」。あるいは「2回受けたら、1回は断る」

全部断るわけでなく、自分の中で「これをこえたらキャパオーバーだな」というルールを設定し、そのルールの中で引き受けるということです。そのルールに沿ってやると、引き受けすぎてパンクすることもなくなるでしょう。

■「断れなかった」ではなく「断らなかった」

ただ「何か嫌だけど、余裕があるからつい引き受けてしまった」「あとから悪口を言われるのがこわくて引き受けた」……など、ネガティブな気持ちのまま引き受けることもよくあること。

そんなときに、ぜひ意識してほしいのが「断れなかった」ではなく、「断らなかった」という感覚を持つことです。

そもそも私たちは「自分がコントロールできない」ことに対して、大きなストレスを感じます。同じやるにしても「自分がコントロールして、自分の意思でやった」と、「自分はコントロールできず押しつけられた」とでは、受け止め方に雲泥の差があるのです。

ですから引き受けるときも「押しつけられて断れなかった」ではなく「断らずにちゃんと引き受けた」ととらえる。自分はダメだから断れなかったとは、絶対に思わないでほしいですね。

ストレスのない人生をおくるためには、仕事を断る、断らないだけでなく、いつも「自分の人生は自分でコントロールしている」「相手に左右されず自分で選んでいる」という考え方を持つことが大切なのです。

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井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医
島根大学医学部を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急科・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び、2年間の臨床研修を修了。その後は、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医として毎月約30社を訪問。精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務

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(産業医・精神科医 井上 智介 構成=池田 純子)

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