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早くても長くてもダメ…専門医が断言する「寝ても疲れが取れない人」に共通する根本原因

プレジデントオンライン / 2022年1月5日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/nathaphat

しっかり寝ても疲れが取れないのはなぜか。睡眠専門医の白濱龍太郎さんは「1日の脳と体の疲労を取るには、いつ眠るのか、どれだけ長く眠るのかよりも重要なことがある」という――。

※本稿は、白濱龍太郎『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

■しっかり寝ても疲れが取れない医学的理由

免疫力の向上や疲労回復に欠かせない、睡眠。しかし、仕事が忙しくて十分な睡眠時間が確保できないという方は、多いのではないでしょうか。

なかには「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚める」「寝ても疲れが取れない」など、深刻な睡眠の悩みを抱えている方もたくさんいらっしゃると思います。

また、「すぐに眠れる」「睡眠を6~8時間しっかりとっている」という人でも、ぐっすり眠れているとは限らず、いわゆる隠れ不眠の方は非常に多くいます。

次に挙げるような状態が毎日続いているようなら、質の良い睡眠がとれていない可能性が高いので注意する必要があるでしょう。

◎睡眠チェックリスト
□ 電車の座席に座ると、居眠りをしてしまう
□ 昼食後に必ず眠くなる
□ コーヒーや栄養ドリンクを飲んだり、ガムをかんだり、タバコを吸ったりしないと頭や体をシャキッと保つことができない
□ 運転中、信号待ちなどの際に、ふっと眠気に襲われることが頻繁にある
□ 毎晩ふとんに入ると、バタンキューで寝落ちしてしまう

睡眠は、単に長い時間とればよいというわけではありません。

体に十分な休息を与え、ベストな状態に整えるには、「眠った時間」だけでなく、「眠りの質」が重要になるからです。

ここでは、拙著『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)より、睡眠の悩み解消につながる、「質の良い睡眠とはどのようなものか」についてご説明します。

■ぐっすり眠るカギは「深睡眠」

私たちはよく「睡眠は質が大事」「良い睡眠をとろう」といった言葉を耳にします。

しかし、「睡眠の質」は何で決まるのか、「良い睡眠」とはどのようなものなのかをきちんと説明できる人は、あまり多くないでしょう。

詳しくは後述しますが、ぐっすり眠れるというのは、「深睡眠(徐波睡眠)」がよくとれている状態のことです。

深睡眠の間は、途中で目が覚めにくく、また脳内に蓄積されたアミロイドβタンパク質などの疲労物質の除去や、体の機能を修繕させたり、免疫力を高めたりする成長ホルモンの分泌が、もっとも盛んに行われます。

そのため、この時間が多いほど、疲れが取れ病気になりにくい体になります。つまり、ぐっすり眠れる=深睡眠がしっかりとれる=疲れにくく健康になる、といえるのです。

眠っている猫と人
写真=iStock.com/LewisTsePuiLung
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LewisTsePuiLung

■初めの4時間で脳と体の疲れは8割取れる

先程もお話した通り、「睡眠の質」「睡眠の良し悪し」は、「深睡眠(徐波睡眠)」によって決まります。「眠りについてから4時間以内に、深睡眠をしっかりとれたかどうか」が、睡眠の質を左右するのです。

では、「深睡眠」とは、具体的にはどんな状態を指すのでしょう。

睡眠には、大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のふたつがあります。人間が眠りにつくと、まずレム睡眠が始まり、次にノンレム睡眠が訪れ、再びレム睡眠に戻る。この繰り返しが約90~120分間隔でおきます。

レム睡眠は、眠りに入った直前や起きる間際のうとうとと眠っているような状態で、よく「浅い睡眠」といわれます。

その間、筋肉はゆるみ、体は休息状態に入りますが、脳(大脳皮質)は活発に動いており、1日にあった出来事や学習したことを整理して、記憶という形で固定するという作業を行っています。

■「4時間以内に2回以上の深睡眠」がベスト

一方、ノンレム睡眠は、深い睡眠です。起こそうとして体を揺すってもなかなか起きません。脳を休ませ、体の疲れを回復させるための睡眠で、脳も体も深い休息をとっています。そして、ノンレム睡眠は、眠りの深さによって3つのステージに分かれています。

そのなかでも脳が一番リラックスした状態にあり、深い眠りに入っているのが、ステージ3の「深睡眠」です。脳波をみても、この深睡眠のときに、もっとも脳の活動が低下していることがわかります。

また、眠りについた後、最初に深睡眠がやってくるときに、傷ついた体の細胞の修復を行う成長ホルモンの分泌がピークを迎えることも明らかになっています。

一晩の睡眠の流れをみると、深睡眠は眠りについてからの30分、および2~4時間後に出現し、明け方にむけてはレム睡眠が多くあらわれるようになります。

ですから、眠りの初期段階、すなわち眠りについてから4時間以内に深睡眠が十分にとれていないと、脳や体の疲れがしっかり回復しないまま、翌日を迎えることになってしまいます。

「寝ても疲れが取れない」という人は、このサイクルがうまくいっていないということなのです。

前述したように、レム睡眠とノンレム睡眠は約90~120分間隔で一巡するので、4時間の間にノンレム睡眠が起きる回数は、2~3回です。睡眠時間が短くてもぐっすり眠れる人は、その睡眠が良いかどうかは別にして、眠ってから4時間以内に深睡眠が2回以上、しかも長い時間きちんと訪れているのではないかと想像できます。

ベッドルーム
写真=iStock.com/demaerre
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/demaerre

■ぐっすり眠れたかどうかは、朝の脈拍でわかる

ただ、眠りについてから4時間以内に深睡眠をしっかりとれたかどうかは、本格的な機械で計測しなければならず、個人で調べることができません。

最近は、睡眠の質を計るアプリや家庭用の器具もいろいろとありますが、それではなかなか正確な数値は出ないといえるでしょう。

ぐっすり眠れているかどうかのひとつの目安となるのが、日中の状態です。

冒頭のチェックリストでチェックが多く付いた人は、十分な深睡眠がとれていない可能性が高いので気を付けてください。

チェックリストの中の「バタンキューで寝落ちする」のはよさそうに思われますが、実は眠りが足りておらず、脳がほとんど気絶しているような状態で眠りに入っているだけです。

その場合、寝入りはいいかもしれませんが、2回目の深睡眠がとれていない可能性が高いのです。ちなみに、ふとんに入ってから大体10~15分くらいで眠りに入るのが、よい睡眠だといわれています。

もうひとつ、睡眠の質の良し悪しを知る簡単な方法があります。それは、脈拍を測ることです。目が覚め、寝たままの状態で、手首の血管が浮き出ている部分に人差し指と中指をぐっと押し当て、脈の回数を測ってください。

ぐっすり眠れているときは、いつもより脈の回数が少なくなっているはずです。

■睡眠は時間よりも深さを重視する

ここまでお話してきたように、朝すっきりと目覚め、1日を活動的に過ごすためには、眠りの初期の4時間の睡眠をいかに良いものにするかが大切です。

睡眠に関する本には、よく「午後10時から午前2時までのゴールデンタイムに睡眠をとるとよい」と書かれています。

白濱龍太郎『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム
白濱龍太郎『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム

毎日この時間帯に眠れば、規則正しいリズムで生活することができ、眠りに関係する体温やホルモンの分泌なども正常に働き、よい睡眠がとりやすくなるからです。しかし、仕事で深夜まで働く日があったり、夜勤があったりする場合は、この時間帯に眠ることはできません。

そこで深睡眠の話を思い出してほしいのですが、眠りについてからの4時間までに深睡眠がとれていれば、脳と体の疲れの大半、約80%は取れてしまいます。

睡眠の質を上げる方法にはさまざまなものがありますが、「お風呂でぬるめのお湯につかる」「リラックスできる音楽を聴く」「あかりを消してキャンドルで夜を過ごす」「眠る前に深呼吸をする」などが手軽にできておすすめです。

1日の脳と体の疲労を取るには、いつ眠るのか、どれだけ長く眠るのか、ではなく、最初の4時間以内にいかに深く眠るかが大切なのです。

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白濱 龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
睡眠専門医
睡眠専門医。睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長。筑波大学医学群学医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大附属病院を経て2013年に「RESM新横浜」を開設。睡眠の質や無呼吸症候群などの睡眠にまつわる病気を適切に診断するために最新の医療機器を導入し、日本睡眠学会認定施設として専門医療を提供している。著書に、『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』『睡眠専門医が考案した いびきを自分で治す方法』(アスコム)など。

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(睡眠専門医 白濱 龍太郎)

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