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今どき…「アナログ文具で売上300%UP」大阪のおじさん社員が開発した"子供がやる気になる"文具6

プレジデントオンライン / 2022年1月3日 11時15分

左からソニックの企画開発部プロダクト課の樋口寛征さん、代表取締役の佐々木康道さん、企画開発部部長の糸井和生さん。デジタル全盛&コロナ禍で「アナログ文具」の売り上げが3倍! - 撮影=梅田佳澄

一見普通の文具だが、さにあらず。「子供のリビングルームでの勉強」に特化しており、使い勝手がいい。テーブル上の消しゴムカスも吸い取る電動の卓上クリーナーは累計36万個売れている。子供の集中力も上がると評判を呼び、デジタル全盛&コロナ禍の中、売上はなんと3倍増。開発した大阪の文具メーカー「ソニック」を訪ねた——。

※本稿は、「プレジデントFamily2022冬号」の一部を再編集したものです。

——家庭用のホワイトボード、電動の卓上クリーナーなど、ありそうでなかった勉強サポートグッズを開発したのはどんなきっかけですか?

【糸井和生さん(企画開発部部長、以下糸井)】もともとクリップやコンパスの製造で創業した会社ですが、7年前に、リビング学習に特化した「リビガクシリーズ」という文具シリーズを発売しました。

最初に、リビング学習というキーワードに注目したのは、10年ほど前。住宅メーカーがリビング学習を想定したモデルハウスを提案したり、リビングに置きやすい小さめサイズの学習机が登場したりと、リビング学習への関心が高まり始めた時期でした。

文具にも、リビング学習に適したサイズやデザイン、機能性の高い商品が必要ではないか、と気づいたことがシリーズ誕生のきっかけです。

【佐々木康道さん(代表取締役、以下佐々木)】私たちは仕事仲間であると同時に、同世代の子供を持つパパ友。当時はまだお互いの子供が小学校入学前で、ピンときていない部分もあったんですよね。子供の成長とともに実生活での気づきが積み重なって、それが商品開発にも反映されています。おかげさまで売れ行きは順調でして、2020年は自宅学習の増加で家の勉強環境を整えようという人が多かったのか売り上げは3倍になりました。

【糸井】最初に注力したのは、「食卓のゴミ問題」でした。子供がお絵かきしたときの消しゴムのカスや、鉛筆削りを持ち運ぶときにうっかり削りカスをこぼしてしまうことを想定して、電動のクリーナー(※編集部註:以下、記事中に登場する商品を文末で写真付きで紹介しています)、食卓の汚れを気にせず勉強や工作をするために敷くテーブルマット、ダストボックスにロックをかけられる鉛筆削りなどを商品化しました。デザインもリビングになじむようにシンプルにしています。

細かいゴミも吸い取る「スージー」電動の卓上クリーナー。工作のゴミなども吸ってくれるパワフル設計。シリーズ初期から発売され累計36万個売れているロングセラー。(1650円)
提供=ソニック
細かいゴミも吸い取る「スージー」電動の卓上クリーナー。工作のゴミなども吸ってくれるパワフル設計。シリーズ初期から発売され累計36万個売れているロングセラー。(1650円) - 提供=ソニック

■残り時間を色で知らせる「アナログタイマー」で勉強モードに

【佐々木】テーブルマットは、テーブルが汚れるのを気にせずに、のびのびお絵かきしたり工作したりできるように、というところが開発のスタート地点。「汚しちゃダメ!」「はみ出しちゃダメ!」と注意してばかりでは、親子ともにストレス。親子の小さなケンカを防いで、リビング学習をスムーズにできるお手伝いができれば、という思いもありましたね。

【樋口寛征さん(企画開発部プロダクト課、以下樋口)】普段、よく目にする文具売り場にリビング学習に特化したシリーズがあれば、「そうか! こういうものがあるなら、うちもリビングで子供に勉強させてみようかな」というお客さまの新たな気づきにもつながりますよね。そのためにもリビガクシリーズとして点数をそろえることが大事だと思っていて、7年間で53点のアイテムを送り出しています。

『プレジデントFamily2022年冬号』
『プレジデントFamily2022年冬号』

【佐々木】開発をしているうちに、文具にできることって実はまだまだたくさんあるなと。最近では、時間管理、整理整頓といった「いい習慣づくり」にも重きを置いています。社会人になっても時間管理や整理整頓って大事ですよね。それを子供のうちからサポートできるものを作ろうと思ったんです。

【糸井】残り時間を色で知らせる「トキ・サポ 時っ感タイマー」や、1日、1週間のタスク管理ができる「マイプランボード」などは、時間管理する習慣を身につけるのにおすすめです。

【樋口】わが家の娘も中学受験の際には、このタイマーが必需品でした。塾で出される大量のプリントを効率よくこなしていくには、時間で区切りながら集中するトレーニングが不可欠。タイマーがあることで、自然とそれが身についたようです。

【佐々木】うちの息子にもタイマーをよく使わせました。勉強する際、まずは「5分間チャレンジ!」と、タイマーを5分にセットして簡単な算数ドリルをやらせてみる。するとそこからスイッチが入って、勉強モードになるんですよ。

残り時間が色でわかる!「トキ・サポ時っ感タイマー」アナログ式の卓上タイマー。残り時間は色面で表示されるようになっていて、時間が直感的にわかる工夫がしてある。30分計もある。(2420円)
提供=ソニック
残り時間が色でわかる!「トキ・サポ時っ感タイマー」アナログ式の卓上タイマー。残り時間は色面で表示されるようになっていて、時間が直感的にわかる工夫がしてある。30分計もある。(2420円) - 提供=ソニック
食卓が汚れない!「テーブルマット」勉強スペースに敷くマット。フチが付いているので消しゴムのカスなどが散らばらず、まとめて捨てやすい。ほかにくるくると巻いて小さくまとめられる。ソフトタイプもある。(660円)
提供=ソニック
食卓が汚れない!「テーブルマット」勉強スペースに敷くマット。フチが付いているので消しゴムのカスなどが散らばらず、まとめて捨てやすい。ほかにくるくると巻いて小さくまとめられる。ソフトタイプもある。(660円) - 提供=ソニック

■一生モノの習慣づくりにもなる!

——パパとしての経験がそのまま商品開発にも生かされてきたんですね。

【糸井】そうですね。たとえばリビングで使うとなると、電動鉛筆削りはあちこち持ち運べるコードレスがいいなとか。「消しゴムがない、赤鉛筆がない」と、毎日のように“ナイナイ事件”が頻発しているな、とか(笑)。

【樋口】“ナイナイ事件”を防ぐために生まれたのが、「ハコボート」。筆記具、工作道具、ノート、鉛筆削りなどをすべて収納できて、子供が片手で持ち運べるようになっています。

【糸井】タイマーや鉛筆削り、収納トレーなど、我々の商品は、機能だけを見れば、すでにオフィス用品、収納用品として使われているものも多いんです。それを子供が使いやすいようなリビング学習専用グッズとして再構築して、商品として提案していくことが大事なのかな、と。

【佐々木】だから、発表当時は「こんなものわざわざ出す意味ある? 普通のもの使えばいいやん」となかなか理解が得られないものもありました。たとえばタイマー。スマホにタイマー機能もついている時代にいる? って。でもスマホを隣に置いて集中できる子なんて、そうはいない。子供が操作しやすいように工夫して作っています。

親の実感をもとに開発していると、今の時代だからこそむしろシンプルでわかりやすい使い方のものが必要なんだ、と思いますね。文具という枠にとらわれず、子供の成長を応援するアイテムをこれからも商品化していきたいと思っています!

勉強道具は一括収納「ハコボート」筆記具、鉛筆削り、ノート、ハサミなどの学習道具をコンパクトに収納できるボックス。筆記具入れは勉強する際、手元に置けるよう外せるようになっている。(1485円)
提供=ソニック
勉強道具は一括収納「ハコボート」筆記具、鉛筆削り、ノート、ハサミなどの学習道具をコンパクトに収納できるボックス。筆記具入れは勉強する際、手元に置けるよう外せるようになっている。(1485円) - 提供=ソニック
持ち運べる電動鉛筆削り「フリーキー」電池を入れて使う電動鉛筆削り。リビングで勉強する場合、電気コンセントが近くになくても使いやすい。電池の持ちもよく「1年ほど使えます」(佐々木さん)。(2530円)
提供=ソニック
持ち運べる電動鉛筆削り「フリーキー」電池を入れて使う電動鉛筆削り。リビングで勉強する場合、電気コンセントが近くになくても使いやすい。電池の持ちもよく「1年ほど使えます」(佐々木さん)。(2530円) - 提供=ソニック
テレビが目に入らないように「集中できる勉強ブース」リビング学習の悩みのポイント「気が散る」を解消するための簡易勉強ブース。手元が暗くならないように、斜めに立てられる設計になっている。(2200円)
提供=ソニック
テレビが目に入らないように「集中できる勉強ブース」リビング学習の悩みのポイント「気が散る」を解消するための簡易勉強ブース。手元が暗くならないように、斜めに立てられる設計になっている。(2200円) - 提供=ソニック

(プレジデントFamily編集部 構成=浦上藍子)

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