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株で資産3.6億円を築いたサラリーマンが教える「儲かる決算書」を3分で見抜く5カ条

プレジデントオンライン / 2022年1月2日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Galeanu Mihai

どうすれば株式投資で儲けられるのか。株式投資で3億円超の資産を築いたはっしゃんさんは「成長株を見きわめるには、決算書を読めばいい。ポイントを押さえれば1銘柄3分でジャッジできる」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、はっしゃん『株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方』(KADOKAWA)の一部を再構成したものです。

■決算書こそ「上がる株」を探す鍵

私が株式投資で築いた金融資産は2021年8月5日時点で、3億6146万円。業績と株価が右肩上がりで連動している成長企業への長期投資を中心に増やしました。

当たり前ですが、株式には「上がる株」と「上がらない株」があります。では、「上がる株」と「上がらない株」の違いって何でしょうか?

実は、「上がる株」と「上がらない株」の違いは業績にあります。

さらに言うと「上がる株」にも、「短期で終わる株」と「長期で上がり続ける成長株」の2種類があります。あなたは「短期で終わる株」と「長期で上がり続ける成長株」のどちらを買いたいと思いますか?

この2つの違いも業績にあります。好調な業績が一時的なブームで終わってしまうのが「短期で終わる株」。業績好調が5年10年と続いていくのが「長期で上がり続ける成長株」です。プロの機関投資家や中・上級者以上の個人投資家は、ほとんど業績を見て株を買っています。その業績というのが、要するに決算書になります。

株価が上昇する原動力になるのは業績ですから、プロの機関投資家に比べて情報量の少ない私たち個人投資家が「業績がよく、成長が期待でき、株価が上昇しそうな会社」を探し出すには、決算書を読めるようになることが一番の近道となります。

■決算書は最短3分で読むことができる

もちろん、決算書を最初から最後まですべて読み通す必要はありません。ほんの少しの分析を行うことでも、好業績で成長が続きそうな成長株候補に出合えるチャンスは増えます。

決算書と言うと「難しい用語がたくさん出ていて分からない」「数字の羅列ばかりで難しい」「どこを見たらいいのか分からない」という読者の方も多いと思いますが、慣れてくれば1銘柄3分もあれば成長株候補か判断できるようになるでしょう。

業績変化の重要なトリガーとなる決算短信は年4回、四半期(3カ月)ごとに発表されます。ここでは成長株投資ならではの決算短信の見方を「決算書速読10カ条」として解説していきます。

■第1条「売上と利益は増えたか」

全10カ条のうち、最も注目すべきは第1条です。最初に売上と利益の伸びで成長株候補かどうか判断します。

図表1は、5年間で79倍株に成長した半導体メーカー「レーザーテック」(6920)が2021年4月30日に発表した2021年6月期第3四半期の決算短信です。図表1の中に第1条~第5条の項目がどこに示されているかを示しました。

【図表1】レーザーテック・2021年6月期第3四半期決算・注目すべき5つのポイント
【図表1】レーザーテック・2021年6月期第3四半期決算・注目すべき5つのポイント

成長株にとって最も重要なポイントは売上と利益になりますが、その中でも売上と利益の「伸び」、利益は営業利益や純利益ではなく、経常利益(IFRSや米国基準では税引前利益)の伸びを確認します(図表1-①)。

経常利益には、その年だけ発生した特別利益や特別損失が含まれていません。あくまで、その会社の通常の企業活動で得られる利益であるため、評価に最適というのがその理由です。

また、単純に伸び率の高い銘柄を選べばよいかと言うとそうではありません。増収率・増益率が高い銘柄ほど市場期待は高く、株価はすでに上昇しています。割安に買える銘柄が少ないということです。テンバガー(株価が10倍になる銘柄)を狙うには「できるだけ割安に買う」ことも重要になります。

このような観点から、決算書はできるだけ発表当日に読むことが望ましいと言えます。発表翌日から株価は変動し織り込まれていきます。決算書の発表日は、各企業のWebサイトなどで公開されていますのでチェックしておきましょう

■第2条「純資産は増えたか」

純資産(図表1-②)は、会社の財務状況(貸借対照表〈BS〉)がどうなっているかを見る指標です。

成長株の純資産は通常、増加し続けます。大きく減少したり、連続で減少したりする場合は、成長倒れのサインになりますので、理由を確認する必要があります。理由が分からない場合は投資対象から外すことも検討します。

会計報告
写真=iStock.com/utah778
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/utah778

■第3条「自己資本比率は適正か」

自己資本比率(図表1-③)は会社が持つ総資産に占める純資産の割合で「自己資本比率=純資産/(純資産+負債)」で計算します。

自己資本比率があまりに低いと、負債すなわち借金をたくさんしてビジネスしていることになります。場合によっては借金を返せないで倒産、となりかねませんので注意してください。

また、自己資本比率が大きく減るのは、純資産が大きく減少するか、借金が急増しているときで、どちらも注意が必要です。

私は自己資本比率の安全ラインとして20~30%以上の数字を使っています。ただし、銀行などの金融業は負債比率が大きくなるので別の基準を使います。金融業を子会社に連結する会社の場合は、普通の企業と金融業の中間くらいが望ましいでしょう。

■第4条「今期予想はどうか」

今期予想(図表1-④)は、その四半期が属する事業年度に、どれくらい売上や利益を上げるか、会社自身が予想した数字です。

株価は、過去の業績よりも、将来の業績(=推定される未来の企業価値)に応じて値動きします。そのため、「業績予想」欄は重要な意味を持ちます。

注目すべきは、業績予想に変化があったときです。

業績予想の修正は、決算発表より前に発表され、決算時にはその修正が反映された数字が記載される場合と、決算発表と同時に発表される場合があります。

決算短信に「修正の有無:有」となっている場合は、決算と同時に業績予想が修正されています。「修正の有無:無」であっても、事前に修正が発表されている場合もあるので注意してください。

ただし、成長株の場合は、下方修正であっても「先行投資」による前向きな「下方修正」というケースもありますので、修正理由や内容は確認しておきましょう。

■第5条「進捗率と四半期特性はどうか」

ただし、業績予想は「保守的な予想しか出さない会社」もあり、そういう企業の場合、業績を上方修正することが多くなります。逆に「楽観的な予想を出す会社」もあり、『会社四季報』(東洋経済新報社)などで「会社計画は過大」と書かれたり、業績未達で推移することが多くなります。予想を真に受けてはいけないということですね。

 はっしゃん『株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方』(KADOKAWA)
はっしゃん『株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方』(KADOKAWA)

そこで大切になってくるのが、第5条の進捗率(図表1-⑤)になります。

「業績進捗率」は決算短信の中に記載されているわけではなく、電卓などで計算する必要があります。

この記事で紹介したレーザーテックの2021年6月期第3四半期時点の今期予想は、すでに第3四半期まで終わっているので、実績値が出ています。

売上は、第3四半期までの累計で519.5億円、通期の予想が620.0億円。今までのペースでもう1四半期分、売上が増えた場合、実績値の約1.33倍が想定される通期売上になります。

レーザーテックの2021年6月期第3四半期までの進捗率は、「5195×1.33=6909 6909/6200=1.1144」で計算します。すると、売上進捗率は111.4%になります。

四半期ごとの進捗率の計算レート
●第1四半期の場合:4倍
●第2四半期の場合:2倍
●第3四半期の場合:1.33倍

つまり、このペースで行くと会社予想を11%超上回って着地することになります。

一方の経常利益はこれまでの累計が189.6億円で、通期予想が200億円ですから、「1896×1.33=2522 2522/2000=1.26」と会社予想より26%増益になりそうです。

そして、実際の本決算では売上702.5億円(>690.9億円)、経常利益264.4億円(>252.2億円)と、第3四半期時点の累計の1.33倍をさらに上回る好結果となりました。

このように、同じ決算発表でも、第1~第3四半期は会社の通期予想に対する進捗率を計算して、業績が会社の予想通りに進んでいるかどうかを確認しましょう。

一方、売上、利益とも業種・企業によって季節差が強く出る場合もあるので、「四半期特性」がどうなっているかを確認することも大切です。

ゲーム会社の任天堂(7974)の場合、12月のクリスマスが入った第3四半期に、突出して売上も利益も大きくなるという特徴があります。同じゲーム機を販売していても、ソニー(6758)の四半期売上・経常利益にそこまでばらつきはありません。ゲーム外の事業も多く手がけるソニーと比較して、任天堂はクリスマス商戦が大きな稼ぎ時と分かります。

他にも、公共事業など国や地方自治体からの受注が多い企業の場合、予算執行の「年度末」になる1~3月期の売上が大きくなり、逆に「年度初め」の4~6月期には少なくなる傾向があります。

投資する際は過去の決算短信を四半期単位で紐解いて確認するようにしましょう。

(第2回につづく)

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はっしゃん 投資家、VTuber
サラリーマン時代に従業員持株会から投資を始め、投資歴は25年。決算分析・理論株価・四季報・月次情報などを武器に30代で資産1億円を達成。2019年、資産3億円を突破したあと、サラリーマンを卒業し、独立起業。「株ブログはっしゃんのスロートレード」や「成長株Watch」「月次Web」「理論株価Web」といった監修サイトは、数多くの個人投資家から愛用され累計PVは1億以上。また、近年ではTwitterやYouTubeなどのSNSでも投資に役立つ情報を発信中。

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(投資家、VTuber はっしゃん)

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