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「合格圏外から受かるケースは数知れず」中学受験本番で子供の力を引き出す"最強の一言"

プレジデントオンライン / 2022年1月18日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/hanapon1002

2月1日から、東京と神奈川で中学入試がスタートする。直前期をどう過ごせばいいのか。プロ家庭教師集団名門指導会の西村則康さんは「直前期は不安が押し寄せるものだ。だが、親の不安を子供に伝えてはいけない」という――。

■第一志望校は一度決めたら迷わない

年が明け、中学入試がスタートした。2月1日から東京、神奈川で入試が行われる。首都圏の受験生にとっては、ここからが本番だ。

「合格できなかったらどうしよう……」
「やっぱりもっと安全志向にするべき?」

直前期は不安が押し寄せる。だが、迷ってはいけない。今から第一志望校を変更したり、受験校をやたらと増やしたりすると、親の不安が子供に伝わるからだ。

コロナ禍2年目となる今年の中学受験。各校の出願者数が見られるサイトを見ると、中堅校の受験者数が増加している。コロナ禍でオンライン授業になったり、学校見学に行けなかったりするなど、例年と比べて十分な受験対策ができなかったことから、あまり高望みはせずに確実に合格できる学校を狙う安全志向の家庭が多いようだ。

それでも、第一志望校に行ける子は、受験生全体のおよそ3割と言われている中学受験。厳しい戦いになるのは変わらない。だからこそ、親は迷う。だが、子供の前で不安な表情を見せるのは禁物だ。一度決めた第一志望校は、たとえまだ合格可能圏に達していなくても、挑戦してみていいだろう。そのかわり、第二志望校以降の受験校の幅を持たせておくようにしよう。万が一、第一志望校が不合格で、第二志望校以降の学校に行くことになったとしても、「この学校のこんなところがいい」「この学校ならわが子にとって良さそうだ」と思える学校を選ぶことが重要だ。

■直前期は理社を伸ばして得点獲得

中学受験の勉強は、国語・算数の主要2教科に多くの時間を割く。だが、直前期に力を入れるべきものは、理科・社会だ。よく中学受験は算数が得意な子が有利と言われているが、今、この時期に算数の得点を伸ばすのは現実的ではない。それよりも理科と社会をそれぞれあと10点アップさせる方が合格に近づく。とはいえ、前に習ったことを忘れていることは多い。忘れたものはもう一度覚え、また忘れたらもう一度覚える。このもぐらたたきのような学習を入試前日まで続けることだ。

確認はこれまで使っていた教材でいい。そのときに、問題を読んで答えさせるのではなく、答えから問いを説明させるようにする。例えば、理科の植物ではオシロイバナが頻出するが、「双子葉なのに胚乳のある植物は?」と聞いて、「オシロイバナ」と答えさせるのではなく、「オシロイバナの特徴を教えて」と聞いてみる。そうやって、問いと答えを結びつける学習をしておくと、少し角度の違った問題が出たときでも、知識として思い出すことができるようになる。

算数の勉強は、確実に得点できる問題の数を増やすことだけに注力する。やるべきものは、これまでだいたい解けてはいたけれど、ときどき分からなくなってしまう問題やあと少し頑張ればできそうな問題だ。難しくて分からない問題は、手を出さなくていい。「あとちょっとで解ける問題」を「解ける問題」にすることができれば得点が上がるし、何より「解けるようになった」という自信がつく。自信がつくと、合格がイメージできるようになる。直前期に必要なのは、この「合格のイメージ」だ。

勉強している子供の手
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_

■9割の受験生がケアレスミスで失点している

一方で、不安も残る。ケアレスミスだ。きちんと問題を読み、落ち着いて計算をすれば解けた問題を、問題の読み飛ばしやつまらない計算ミスで間違えたことがあると、本番でもやってしまうのではないかと不安がよぎる。

だが、それはあなたのお子さんだけではない。実に受験生の9割が、そういったミスで失点しているのだ。だから、根絶するのは難しい。でも、減らすことはできる。問題を読み飛ばしやすい子には、問題を最後まで読む練習をさせ、計算ミスが多発する子には、この問題はどこから計算するのか聞いてみたり、答案用紙に書く場所や字の大きさなどを確認させてみたりするといい。そうやって、少しでも意識をさせると、本番で気をつけるようになる。

■「そんな勉強していると、合格できないわよ」はNG

入試本番まで1カ月を切り、いよいよラストスパートだ。にもかかわらず、いまだ勉強を始めるまでに時間がかかったり、ダラダラ勉強をしていたりすると、「もっと本気を見せてくれ!」と言いたくなるだろう。でも、考えてみてほしい。相手はわずか12歳の小学生だ。遊び盛りの子供が遊びたいのを我慢して、高い目標に向かって挑戦しようとしているのだ。

親から見れば、「まだ頑張れる」「もっと頑張れる」と思うかもしれない。でも、本人にしてみれば、すでにもうかなり頑張っているのだ。だから、まずはその姿勢を肯定し、認めてあげてほしい。

「頑張っているね」
「その調子で頑張って」

たったこれだけの言葉を渡してあげるだけで、子供はうれしい気持ちになる。

ところが、なかなかやる気を見せないわが子に発破をかけようと、「そんな勉強していると、合格できないわよ」という言い方をする親がいる。こうした言葉を投げられた子供は、「こんな勉強をしている僕は、たぶん落ちるんだろうな」と思い込み、本番でも力を発揮することができずに終わる。

■直前期に必要なのは「安心させる言葉」

不安から何かを言いたくなるのは分かる。だが、この時期に「不合格」をイメージさせる否定語は絶対に言ってはいけない。不安な気持ちになるのは、みんな同じだ。「なぜうちの子だけが」と思わず、「この時期に不安になるのは当然」と知識として知っておき、受け入れることだ。そうすれば、子供にかける言葉も変わってくる。直前期に必要なのは、子供に「安心させる言葉」をかけてあげることだ。

今から頑張っても間に合わないと自信を失いかけている子供には、「今からが本番だよ。今から本気を出せば大丈夫!」と太鼓判を押す。

1月の肩慣らし受験で不合格になって落ち込んでいる子供には、「いい練習になったね。次は大丈夫だよ!」と背中を押す。

根拠なんてなくていい。とにかく最後は「大丈夫!」と言って笑顔で送り出してあげてほしい。中学受験の合否はわずかな差で決まる。最後まで模試では合格ラインに届かなかった子が、当日の入試で点数を上げ逆転合格を果たした例は数知れず。だからこそ、最後の最後は、わが子の力を信じて、「大丈夫!」と言おう。春はもうすぐそこだ。

日本の学校入試の成功イメージ
写真=iStock.com/Sayuri Inoue
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sayuri Inoue

(西村則康)

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