「誹謗中傷は言わせておけばいい」細木数子が娘・かおりに残した帝王学
プレジデントオンライン / 2022年1月16日 10時15分
■「言いすぎたかな、可哀想だったわね」
「地獄に落ちるわよ!」
「占いで人生変わりゃ、苦労する人なんていないよ!」
テレビの番組で手厳しいセリフを繰り返していた母の細木数子は、世間からは鉄の女のように見られていましたが、テレビの演出で、インパクトの強いキャラを求められていたのです。実際の母の姿は、それとは違うものでした。
テレビでの発言も、放送が終わると必ず電話があって、「今の番組、ちょっと言いすぎてたかしら」などと、今日の自分がどう見えていたのかを心配するほどでした。私が印象を正直に答えると、「やっぱり言いすぎたかな、可哀想だったわね」と、相手を思いやり、落ち込むこともありました。でも、過度であってもそれくらいきつく言わないと多くの人は気づかない。「その人に本当の愛情を持っているからこそ厳しくなるのよ」と話していました。メディアではそんな姿を見せなかったこともあって、誹謗中傷を受けることもありました。
仕事では大きな宝石をつけ、立派な毛皮やゴージャスなスーツを着てましたが、家では面倒くさいと言って、質素な格好でした。穴の開いた洋服も繕って着ていたぐらいですし、私がティッシュを2、3枚取ったりすると、「昔はティッシュで鼻をかむような贅沢はできなかったよ」と言われたりしました。
みなさんからは派手に見え、食事などは豪華な外食をイメージするでしょうが、私たち家族の分まで母は手料理を作ってくれ、家事もしていました。食べ物は粗末にしない人で、食事に行って残したときにはテイクアウトをして、翌日に食べていました。
母が六星占術を編み出す前は、銀座のクラブのママなど水商売で生計を立てていました。軌道に乗っている時期もありましたが、ときには人に騙されたり、裏切られたりして負債を抱えて辛酸をなめたこともあります。その経験が、六星占術の生まれた背景でもあります。
母は、金儲けをしようと思って占いを始めたわけではありません。誰もが裸で生まれてくるのに、なぜ人の人生はこれほどまでにさまざまになるのか。それを研究して生まれたのが、六星占術です。運気のリズムを知ることで、人生の危機を回避することができるのではないか。人の助けになったり、幸せにすることができるのではないかと考えたのです。
■社会に大切な子孫繁栄、中学2年で見合い話
借金についても、どんな試練であろうと逃げることなく誠意を持って対処すれば、お金はあとからついてくる。目先の金勘定だけでビジネスを始めてはいけない。1人で儲けることはせずに、仕事に関わった人が一緒に儲かるようにしなければならない。そうすることによって、自分にあとあと返ってくることにもなる、といましめていました。
母は晩年は丸くなってきましたが、昔から「曲がったことは大嫌い」な性格で、子ども相手だとしても礼儀や教育についてはとにかくスパルタでした。甥っ子、姪っ子たちからは「怖いおばちゃん」と思われていて、あまりの厳しさから煙たい存在でしたが、その中で私は姪ながら「ばあば、ばあば」と懐いていました。
一時期は一緒に暮らしていたこともあって母も私を溺愛してくれ、3歳のときに養女に迎えようとしたくらいです。そのときは実母が断ったことで実現しませんでしたが、「伯母と姪」の関係から、実際に「細木数子の娘」となったのは2016年に、正式に養子縁組をしてからです。
「女性の幸せは結婚して家庭を築くこと」と考えていた母に、私は中学2年生にして、いきなり倍以上も年齢の離れた29歳の男性とお見合いをさせられました。もちろん断りましたが、何度もお見合いを持ちかけられ、19歳のときに結婚しました。
母は、「社会にとって子孫繁栄は大切なこと。子どもがいない人は別の形で世に貢献し、親は子を持つことで愛や知恵を育み、子はそのような親の姿を見ることで親だけでなく目上の人を敬愛し、兄弟姉妹への思いやりを持つようになる」という考えでした。少子化の今だからこそ、家族を大切にし、「当たり前の幸せ」に気がつくべきだとずっと説いてきたのです。
■運を開くには、運気を知って行動を起こす
「継承者」としてはっきりと打診されたのは、十数年前のことです。それまでは私も家庭が大事だし、小さいころから占いの基礎的なことは聞かされてはいたものの、鑑定をするなんて、とてもできる気がしませんでした。
そして何よりも、母が経験してきたような激しいバッシングを、今のようなネット社会で受けることにも不安を感じていました。その点で母はマスコミにたたかれても、「私の信念は見る人にはわかる。言わしておけばいい。万人に好かれることはない。自分の本質をきちんと見つめ、自分の軸になる信念をしっかり持っていれば、人の言うことに左右されることはない」という考えでした。
しかし母のマネジャー的な役割をこなすなかで、これほど信頼を受け、喜ばれている六星占術の継承を断ったら、母が情熱を注いで積み上げてきたものが途絶えてしまうと思い、35歳のときに母の願いを聞き入れ、後継者になる決心をしました。以来、母と常に行動をともにし、それまで以上に六星占術を学び、16年に正式な継承者になったのです。
占いは、自分の運気のサイクルを知ることができます。その運気を知って行動を起こすからこそ、運が開けるのです。どんなに運気のサイクルが良くても、何もしなければ、当然、何も起こることはありません。占いは統計学です。占いに一喜一憂してはいけません。最終的には自分が決断することだからこそ、本人の「心」が大切になるのです。
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占術家
「六星占術」で人気を集め、「地獄に落ちるわよ!」といった発言など、強烈なキャラクターで一世を風靡した細木数子さん。飲食店経営など実業家として活動後、占術家に。1980年代に出した占いの著書がベストセラーとなり、「六星占術」ブームが起き、テレビで「視聴率の女王」とも呼ばれた。2021年11月、83歳で死去。
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細木数子のマネジャー兼アシスタントを経て六星占術の継承者に。著書には『あなたが幸せになれない理由─母・細木数子から受け継いだ幸福論』など。
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(細木 かおり 構成=吉田茂人 写真=細木数子事務所)
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