1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「人の話は中身より声を重視」富裕層が人を見極めるときに使う"判断基準"

プレジデントオンライン / 2022年1月24日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kimberrywood

「お金持ちになる人」は、普段からどのような行動をとっているのでしょうか。企業のオーナー経営者を中心に多くの富裕層に接してきた経済評論家の加谷珪一さんが、その独特の習慣をつまびらかにしてくれます――。

※本稿は、加谷珪一『150人のお金持ちから聞いた 一生困らないお金の習慣』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

■お金持ちだけが持つ独特のカンとは?

お金持ちになった人の多くは、人と違うことをやってお金持ちになっているので、何かと人と違う行動をとる。そして、人と違う行動をとるためには、独自の判断基準が必要となる。お金持ちの判断基準は、お金持ちになろうとする人にとっては非常に参考になるはずだ。

地方で建設関係の会社を経営しているある資産家は、祖父の代から事業を営む一家に生まれたが、自分で新しいビジネス形態を考え、別会社を立ち上げて社長になった。保守的な地方にしてはめずらしく新しいことばかりやってきた人である。彼の判断基準は常に「人」である。

「新しいことは自分も含めて知識がないので、あれこれ考えても意味がありません。何かを人から持ちかけられたときには、その中身ではなく、その人だけを見ます。とにかく会って、じっくり話をして、その人がどんな人物か見極めるのです。極論をいうと、話の中身はほとんど考えません」

同じく地方で事業を営むある経営者の判断基準はもっとすごい。

「私は相手の声だけで判断します。声にハリがあり、元気にしゃべる人の話はじっくり聞きます。ボソボソ言う人は最初から相手にしません」

■話の中身を考えず、人物だけを見る

2人の例はかなり極端かもしれないが、ある意味で本質を突いている。人間の知識や経験などたかが知れている。変化が激しい世の中で、新しい動きについてすべてを把握するのは困難だ。だが人物に関する評価は、一定の経験があれば、世の中がどんなに変化しても普遍的に対応できる。話の内容よりも、どんなタイプの人がどのように話を持ちかけてきているのかを判断するほうが安全という考え方である。

もちろん、これは誰にでもできるワザではない。人を見極める能力がない人がこれをやれば、いとも簡単に騙されてしまうので注意が必要だ。

さらにこれを実行するには、「覚悟」が必要だ。これがなかなかふつうの人にはできない。大金がかかっている状況で、人物だけを見極めると腹を括るにはかなりの度胸がいる。

だがこのやり方を貫徹できれば、時代や技術が変わっても、何も恐れる必要はない。インターネットが登場しようが、新しい金融テクノロジーが登場しようが、彼らにとってはどうでもいいことだ。判断基準は何も変わらないからである。

■数字は人柄を表す

広告関係の会社を経営する実業家は、まったく別の基準を持っている。それは数字だ。

「数字は人柄を表しますから、数字を見ればそれで十分です。相手が会社なら調査会社などを使って決算情報を入手します。相手が個人の場合は、年収や家の値段など数値の情報が有効です。完全にわからなくても、それとなく聞き出します」

最初はハッタリかと思ったが、そうではなかった。筆者がよく知る会社の決算書を彼が見た際に、社長の性格やおおまかな経歴までも言い当てたのである。

業種、社歴、役員構成、利益、本社の移転回数などの情報で、社長の人柄はある程度の想像ができるという。さらに資金の回転率や負債の変化など、より細かく見ていくと、場合によっては社長の経歴までも把握できるという。

筆者も仕事柄、会社の決算書を見る機会は多いのだが、どんなにごまかしても数字は嘘をつかない。粉飾決算をしている会社はおおよそ見当がつく。数字の動きに性格が出るという話はあながち嘘ではない。

■お金持ちが電車やバスに乗らない理由

お金持ちは、地下鉄やバスといった公共交通機関に乗らない人が多い。だが話をよく聞いてみると、単なる贅沢で公共交通機関に乗らないというわけではないようだ。

成功したビジネスウーマン
写真=iStock.com/LanaStock
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LanaStock

あるIT企業のオーナー社長は、基本的にタクシーを移動手段に使っている。彼がタクシーを好むのは、移動中に携帯電話やメールで連絡や簡単な打ち合わせを済ませてしまえるからだ。

IT関連企業を複数経営するある実業家は、一部のタクシー会社が提供しているハイヤーサービスを使っている。雨の日などはタクシーが拾えなくなることがあるので、少々お金がかかっても、自分の車として一定時間キープしておけるハイヤーサービスは欠かせないという。

■電車に乗らないのはリスク管理の一環

リスク管理の一環として電車に乗るのをやめたお金持ちもいる。ひとつは「痴漢の冤罪を避けるため」である。日本では冤罪が起こりやすい。特に痴漢の場合には、被害者の証言がすべての根拠になるため、一旦加害者にされてしまうと無実を証明する手段がない。

健康管理という別の観点から電車に乗らないお金持ちもいる。投資ファンドを運営するある金融マンは、特に冬の期間、電車に乗ることを避けている。風邪予防と言うと、うがいやビタミン補給などが思い浮かぶが、彼の考えは違った。それは風邪予防の定説に疑いの目を持っていたからだ。彼は学術論文を検索し、風邪やインフルエンザの感染ルートを徹底的に調べた。すると、電車内における飛沫感染、吊り革やエレベーターボタンなどからの接触感染の割合が極めて高いことがわかった。要するに、不特定多数の人が集まり、接触するものが危険なのだ。

彼は冬の間の通勤をタクシーに切り替えた。タクシーも誰が乗るかわからないが、電車に比べればだいぶリスクは少ない。その効果は絶大で、いつも冬になると風邪を引いていたのが、タクシー移動に変えてからはほとんど引かなくなったという。

■お金持ちが混雑を嫌うわけ

お金持ちで混雑、そして待つことを嫌う人は多い。お金持ちが待つ時間を嫌がるのは、おそらくその時間がもったいないからである。待たされるということは、自分の時間を浪費して相手に供与しているのと同じ。時間を浪費するくらいなら、お金を払ってその時間を買うほうがまだマシという考えだ。

行列に並ぶのも同じことだ。行列に並ぶのは、自分の時間を店側にプレゼントしているのだ。お金持ちにとって時間は売り買いできるものであり、できるだけ多くの時間を持っているほうがゲームを有利に進められると考えている。

ある実業家はさらに手厳しい意見を持っている。行列に並ぶのは「他人と同じであることを確認したいだけの後ろ向きな行為」であるという。多くの人は、ムラ社会で仲間はずれにされるのを極端に恐れる。行列に並ぶのは他人と自分は同じであるという確認作業に他ならないというのだ。この意見は傾聴に値する。

行列の先にはサービスや商品を提供する事業者が必ず存在している。行列に一生懸命並ぶということは、自分が完全に消費者の側に立っていることを意味している。「どうだ、面白いだろ!」という事業者に対して、行列という不便を味わってでも商品にありつきたい消費者。このようなことばかりやっていたのでは、いつまでもお金を貢ぐ側であり、貢がれる側にはなれないだろう。

■お金持ちはファーストクラスには乗らない

混雑する電車に乗らないお金持ちは、当然飛行機でエコノミークラスには乗らない。では、ファーストクラスに? いや、お金持ちが好んで乗るのはビジネスクラスなのだ。なぜビジネスクラスがいいのか聞いてみると、一番多い回答が「もっともコストパフォーマンスが高いから」だった。

だが、一般的な感覚で言えば、ビジネスクラスは値段が高い。アメリカ西海岸に行くのに格安エコノミーであれば数万円なのに、ビジネスクラスになると30万から50万円。快適なのはわかるが、これでコスパが高いと言えるのだろうか?

加谷珪一『150人のお金持ちから聞いた 一生困らないお金の習慣』(CCCメディアハウス)
加谷珪一『150人のお金持ちから聞いた 一生困らないお金の習慣』(CCCメディアハウス)

旅館やホテルのオーナーをしているSさんは、海外の観光地やホテルの情報収集も兼ねて、毎月のように海外旅行をしている。旅行には毎年1500万円くらいかけている。Sさんはいつもビジネスクラスに乗っている。

「ファーストクラスに乗るのはお金をドブに捨てるようなもの」とSさんは言う。

ファーストクラスは、下手をするとビジネスクラスの倍以上の料金だが、シートが2倍広いわけでもなく、トイレのスペースも同じ。ラウンジが別といっても、値段を考えると、ビジネスクラスのほうが圧倒的にお得だという。なるほど、お金持ちはファーストクラスも含めてコスパを考えていたのか!

お金がないとそもそもファーストクラスは眼中に入らないので、これはお金持ちでないと思いつかない発想だ。そう考えると、何が一番お得なのかという話には、案外いろいろな盲点があるかもしれない。自分が得だと思っていることも、視点を変えて見直してみるとよいだろう。

■ファーストクラスに乗る客は「乗ること自体に金を払う人」

ところで、Sさんが厳しい評価を下しているファーストクラスには、いったいどのような人が乗っているのだろうか。筆者はある実業家と一緒に香港に行く機会があり、その際ついにファーストクラスに乗ることができた。

乗客は少なく、我々以外には一組の香港人(?)カップルだけ。男性はおそらく芸能人か。背が高くイケメンだ。彼女もモデル体型で、2人とも「クール」を演じているようで、少し苦笑してしまった。

この手の乗客はファーストに多いという。ビジネスクラスだと仕事モードでパソコンに向かい、食べたらさっさと寝る客も多いので、基本的にまわりは静かだという。ファーストになると、にぎやかに過ごしたりするお客さんもいて、雰囲気がだいぶ違うのだそうだ。

つまりファーストクラスは、「ファーストクラスに乗ること自体にお金を出す人」がメインの乗客なのだ。こういう商売は実はあちこちに存在している。お金持ちになりたいと考える人にとっては、この話はビジネスのヒントになるかもしれない。

----------

加谷 珪一(かや・けいいち)
経済評論家
1969年宮城県生まれ。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村証券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。その後独立。中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。

----------

(経済評論家 加谷 珪一)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

10秒滞在

記事を最後まで読む

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください