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「トヨタよりホンダ、ソニーよりパナソニックのほうが長い」平均勤続年数ランキング2021

プレジデントオンライン / 2022年2月12日 11時15分

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均勤続年数ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象3694社のうち、平均勤続年数が最も長いのは、東北を拠点にする金融持株会社フィデアホールディングス(平均勤続年数27.1年)だった。「トップ300社」の詳細をお伝えする――。(第3回/全4回)

■平均勤続年数トップ300社の平均年収は654.9万円

プレジデントオンラインは、「平均勤続年数ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象は、有価証券報告書(2020年9月期~2021年8月期、一部企業については、2021年9月、10月期の数値)において、従業員平均勤続年数などの情報を開示している3694社である。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

トップ300社の平均勤続年数は20.5年で平均年収は654.9万円だった。

3694社の平均勤続年数は12.4年、平均年収は611万円だったので、それを大きく上回っている。ただ、トップ10のうち、611万円を下回った企業は4社あり、必ずしも平均勤続年数の長さと平均年収の高さは比例するとはいえない。

ランクインした300社のうち平均年収1000万円超は、三井住友トラストHD(12位)、MS&ADインシュアランスグループHD(24位)、T&DHD(50位)、テレビ東京HD(68位)、第一三共(203位)、ENEOS HD(218位)、日本取引所グループ(256位)の7社だった。前回調査からは2社減っている。

■平均勤続年数トップは東北を拠点にする金融持株会社

従業員の平均勤続年数トップは、「27.1年」のフィデアホールディングス(HD)だ。秋田県を拠点とする北都銀行と山形県が拠点の荘内銀行を子会社に擁する金融持株会社である。

ただし、フィデアHDのような持株会社は、従業員数が基本的には多くないため、わずかな変動で数値の変動が大きい。

さらに、会社によっては子会社での勤続年数を加える場合もあるし、その逆に持株会社の在籍年数に限定する例もある。開示方針がバラバラであることも留意しておくべきポイントである。

フィデアHDでは、従業員数が114名から104名と10名減少したことで、前年の22.9年から4年以上も長くなった。この年数は出身銀行での勤続年を通算している。

■鉄道会社や電機メーカーが上位に並ぶ

フィデアHDに次ぐのは、桂川電機、松尾電機、平河ヒューテック、三菱製紙だ。

桂川電機は大判型プリンタ、松尾電機はコンデンサー、平河ヒューテックは電線やネットワーク機器、三菱製紙は印刷・情報用紙が主力の製紙メーカーだ。

平均勤続年数20年以上は、基本的には終身雇用型企業と見ていいだろう。

従業員数が1000人を超す企業で平均勤続年数20年以上は、東武鉄道、キヤノンマーケティングジャパン、高島屋、日本電気硝子、名古屋鉄道、JVCケンウッド、シャープ、三協立山、東京電力HDなどだ。また、従業員が1万人以上の企業だと、パナソニック、ホンダ、デンソー、LIXIL、富士電機がある。

従業員数を100人以上に限定しなければ、平均勤続年数が30年を超す企業は存在する。臨床検査受託事業と調剤薬局を運営するファルコHDは平均勤続年数32年だ。また、銀行の持株会社である池田泉州HDとトモニHDは、ともに平均勤続年数は31年である。

■自動車会社で勤続年数が最も長いのは…

日本企業の代表格であるトヨタ自動車のここ3年の平均勤続年数を見ると、「15.7年→15.8年→16.2年」と推移。日産自動車は「18.4年→17.7年→16.9年」であり、両企業とも今回のランキングには入らなかった。それに対して、ホンダは「24.1年→23.8年→22.5年」と平均勤続年数20年以上をキープしている。

電機業界でも同様の推移を見てみると、パナソニック(22.8年→22.7年→22.7年)と日立製作所(19.0年→19.1年→19.2年)がランクインしている一方で、ソニーグループ(16.7年→16.6年→16.5年)はランク外である。

このように、同業種でライバル関係にある企業の平均勤続年数を比較するのも面白い。

■順位の変動が目立つのは旅行代理店

前回のベスト10から順位の変動が目立つのは、近畿日本ツーリストやクラブツーリズムを擁する旅行代理店のKNT-CT HD(前回6位→296位)だ。

KNT-CT HDの平均勤続年数は、前年の25.1年から18.9年と6.2年も短くなった。

これはコロナ禍によるダメージが大きい。同社広報部は「勤続年数が浅い『駐在勤務者』が一時的に100名ほど計上されていたため、平均勤続年数が一時的に下がったと思われます。現在、駐在勤務者は社から離れたので来年以降は元の数字に落ち着くはずです」と話す。

平均勤続年数トップ300社ランキング(1位~50位)
平均勤続年数トップ300社ランキング(55位~99位)
平均勤続年数トップ300社ランキング(103位~149位)
平均勤続年数トップ300社ランキング(163位~193位)
平均勤続年数トップ300社ランキング(204位~245位)
平均勤続年数トップ300社ランキング(254位~298位)

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鎌田 正文(かまた・まさふみ)
ビジネスリサーチ・ジャパン代表
1995年、ビジネスリサーチ・ジャパン設立。金融・流通・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材、執筆。『2012年版 図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本』など、業界研究の著作多数。

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(ビジネスリサーチ・ジャパン代表 鎌田 正文 図版作成=大橋昭一)

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