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1日差で大違い「最大11万円節税可能」元国税専門官が教える"車をお得に買えるのは何月何日か"

プレジデントオンライン / 2022年2月19日 11時15分

出典=『絶対トクする!節税の全ワザ』

賢く節税するにはどうしたらいいのか。元国税専門官で金融ライターの小林義崇さんは「例えば、自動車を所有すると自動車税(軽自動車税)がかかります。この税が発生する基準日は4月1日。4月2日に車を買えば、ほぼ1年間は自動車税を払わずに済ませることができます」という。自動車の税金のほか、フリマの稼ぎや受け取った保険金で課税される・されないケースの仕組みも合わせてレポートしよう――。

※本稿は、小林義崇『絶対トクする!節税の全ワザ』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

■フリマサイトで不用品を売っても税金はゼロ!

最近はスマホで使えるフリマサイトなどで、個人でもモノを売りやすくなりました。なかにはかなりの収入を得ている人もいるようですが、やっぱり税金に注意が必要です。

まずは、不用品(生活用動産)を売った場合は非課税というルールを覚えておきましょう。家にある使わなくなった電化製品や、読まなくなった本などを売る分には、いくら儲けても非課税です。確定申告をする必要もまったくありません。

ただし、気をつけなくてはならないポイントがあります。生活用動産(図表1参照)が1個または1組あたり30万円超で売れた場合は、確定申告が必要となります。

要は、「高級品を売るときは気をつけましょう」ということですね。この条件に合致する所得を得ると、「総合譲渡所得」の扱いになります。

また、この総合譲渡所得には、年間50万円の特別控除額が設けられています。もし、いらない宝石や骨董品がたくさんある場合、一括で売るよりも、数年間に分けたほうがいいかもしれません。そのほうが、売った年ごとに特別控除額50万円が使えて節税できるからです。

■転売で得た利益にはしっかり税が課せられます

人によっては不用品を売るだけにとどまらず、ほかのところで仕入れた商品を販売して定期的に収入を得ている人もいると思います。いわゆる「転売ヤー」とよばれる人ですね。

この場合、非課税にはなりません。事業所得または雑所得として扱われます。事業所得はビジネスで得た所得、雑所得はビジネスとまではいえないお小遣い稼ぎのような所得が該当します。

小林義崇『絶対トクする!節税の全ワザ』(きずな出版)
小林義崇『絶対トクする!節税の全ワザ』(きずな出版)

一般の人がたまに売買して収入を得ているレベルであれば、雑所得がふさわしいでしょう。売上から仕入れ代や送料などを引いて出た雑所得に対して税金がかかります。

ここで、大事なのは「20万円ルール」です。会社員が副業的に得た所得だと、「年間20万円」に収まれば確定申告はふつう必要ありません。

また専業主婦のように収入がない人がフリマサイトなどで稼ぐ場合は、「48万円」がボーダーラインです。基礎控除の48万円までは所得税はかからないので、利益が48万円に収まるなら確定申告は必要ありません(※)

(※)所得金額43万円~48万円の場合は、住民税の申告が必要

会社員の「20万円ルール」とボーダーライン
出典=『絶対トクする!節税の全ワザ』

■入院して受け取った保険金は非課税

医療保険などに加入し、保険金を受け取ったときは、税金はかかるのでしょうか。

じつは保険金の税金のルールについては勘違いが多く、国税庁は「誤りの多い事例」としてホームページで注意喚起をしています。

ややこしいことに、保険金として支払われるお金には、税金がかからないものと、税金がかかるものがあります。税金がかかる場合も、所得税(住民税)、贈与税、相続税という複数のパターンに分かれています。

まず覚えておきたいのは、「税金がかからない保険金」です。個人が病気やケガをして入院給付金などを受け取ったら、金額にかかわらず非課税です。

非課税ですから確定申告や納税も必要ないのですが、一点だけ注意したいのが医療費控除への影響です。医療費控除の金額を計算するとき、受け取った入院給付金などは差し引く必要があります。

医療費控除の確定申告をするのであれば、支払った医療費とともに、受け取った保険金もきちんと確認しておきましょう。

保険金の税金のルール
出典=『絶対トクする!節税の全ワザ』

■「保険料をだれが払ったか」がすごく重要

保険金のうち、税金がかかる可能性があるのが生命保険です。

具体的には

(1)だれかが亡くなって生命保険をもらった場合
(2)満期を迎えて満期保険金を受け取る場合
(3)途中で解約して解約返戻金を受け取った場合

このとき、税金の問題が出てきます。

生命保険は「被保険者」が亡くなったら、指定した「受取人」が保険金を受け取ります。税金の場合、この2人の登場人物に加えて、「保険料を負担した人」も税金の判断要素となります。

この登場人物の組み合わせによって、生命保険にかかる税金は変わります(図表4参照)。

まずは、「保険料負担者と保険金受取人が同じ人」というパターン。「妻が亡くなったら、夫が保険金を受け取る」という生命保険で、保険料を夫が負担しているケースをイメージしてください。

この場合、保険金を受け取った本人の一時所得として、所得税や住民税の対象となります。これだと、受け取った生命保険から、それまでに払い込んだ保険料を必要経費として差し引けます。

税金がかかる可能性がある生命保険
出典=『絶対トクする!節税の全ワザ』

さらに一時所得には「特別控除50万円を引いて、2分の1にする」というルールがあるので、思ったほどは税金がかからないはずです。

保険料負担者と保険金受取人が別人の場合は、税金の計算が変わります。所得税ではなく贈与税、もしくは相続税の対象になってしまうのです。

たとえば、夫が保険料を負担していて、妻が保険金受取人になっているケース。この生命保険の被保険者が死亡すると、妻が生命保険金を受け取ることになります。

お金の流れを考えると、夫が保険料を支払って、妻がお金をもらったわけですから、実質的に「夫から妻に財産贈与があった」と判断されます。こうなると、贈与税の対象になります。

最後に、相続税の対象となるパターンです。これは、保険料を負担していた人が死亡したケースです。

たとえば夫が自分自身を被保険者とする生命保険に加入し、保険料を支払っていて、その夫が死亡して妻が生命保険金を受け取ったとしましょう。

この場合は、亡くなった夫から、残された妻にお金が渡ったという見方になるので、相続税の対象になるのです。

■自動車税を考えるなら、車の購入は4月2日に

自動車を所有すると、車検代やガソリン代などの維持費がかかりますが、税金も少なくない負担になります。

車にかかる税金は複数ありますが、毎年支払いが必要なのが自動車税(※)です。これは4月1日時点の所有者に毎年課せられる地方税で、都道府県に納めます。

※排気量(自家用の乗用車)1000cc以下:2万9500円~6000cc超:11万1000円、(軽自動車は一律)1万800円

なお、軽自動車の所有者には、自動車税ではなく軽自動車税が課せられますが、基本的に自動車税と同じしくみです。

ポイントは「4月1日」が基準日だという点。4月2日に車を買えば、ほぼ1年間は自動車税を払わずに済ませることができます。4月2日以降になる場合も、できるだけ早く車を買うようにすれば、それだけ自動車税を払わなくていい期間が長くなります。

自動車税の金額は「総排気量」にしたがって上がり、用途(自家用・営業用)によっても負担が変わります。ちなみに、2019年10月1日以後に初回新規登録を受けた車なら、従来より自動車税が低くなります。

また、一部の環境配慮車(電気自動車やハイブリッドカーなど)は、グリーン化特例という自動車税の軽減措置があります。この特例は自動車の燃費性能などに応じて自動車税を引き下げるもので、基準に達していれば50~75%もの税負担が抑えられます。

その一方、グリーン化特例の導入にともなって、初回新規登録から13年を経過した車については、自動車税が15%上乗せされる重課というしくみも導入されています。

車を買う、あるいは売るときは、燃費性能や経過年数をチェックしましょう。

2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた 自家用自動車(登録車)の自動車税(種別割)の税額表
出典=『絶対トクする!節税の全ワザ』

■自動車重量税の支払いは13年目、18年目で変わる!

自動車税と似ていますが、自動車重量税は別の税金です。こちらは「車の重さ」で変わる税金です。自動車重量税は毎年納めるのではなく、車検のときに次回の車検までにかかる税金を前払いします。新車は新規登録時に初回車検までの3年分、以後車検ごとに2年分の自動車重量税を払います。

次の車検のときに支払う自動車重量税の金額は、国土交通省のサイト「次回自動車重量税額照会サービス」で調べられます。

自動車重量税も、環境への配慮から燃費性能のよい車に対する軽減措置があります。たとえばEV(電気自動車)の場合、新車登録時と、初回車検時の自動車重量税が免除されます。

逆に、新車登録から年数の経った車は、自動車重量税が増えます。ここで税額が上がる区切りとなるのが13年と18年です。

たとえば3トン車の場合、13年、18年の区切りを超えるごとに、車検時に納める税額が約2万~3万円程度変わってきます。

自動車税、自動車重量税のいずれも、13年以上になると税負担が増えますが、これは環境問題への影響を抑えるためです。車を選ぶときは、できるだけ環境性能のよいものを選ぶことが節税につながります。また、13年という基準を頭に入れて、車の買い替え時を逃さないようにしましょう。

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小林 義崇(こばやし・よしたか)
フリーライター
国税局の国税専門官、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所に勤務。2017年、金融関係のフリーライターに転身。著書に『すみません、金利ってなんですか?』(サンマーク出版)などがある。

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(フリーライター 小林 義崇)

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