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「初期投資100万円→すぐに月商100万円」素人が独立開業で成功するために必要な4つのこと

プレジデントオンライン / 2022年3月17日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Shutter2U

独立開業で成功するには、なにが重要なのか。投資家の永野彰一さんは「僕が未経験から初期投資100万円でボードゲーム店を開いて、すぐに月商100万円を達成できた。成功に必要するためには、自分の利益よりも相手のためを思ってやることだ」という――。

※本稿は、永野彰一『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■準備などに余計な時間を掛けないで、すぐに始める

着眼点① アイデアは話を「聞く」ことから生まれる

山投資や不動産投資など、僕が地味でも儲かるビジネスができるのは、企画力や発想力が人より優れているからではありません。その根本には「誰のどんな話でも聞いてみる」という僕の基本姿勢があると思っています。

僕は人の話はどんな内容であっても、真剣に聞くように心掛けています。わかったような気になって、簡単にスルーすることはありません。相手の話を慎重に聞いて、その会話の中で見つけたチャンスをビジネスに変えているのです。

それをわかりやすくお伝えするために、具体例を紹介します。

クルマを運転していて、給油のためにガソリンスタンドに入ったら、タイヤが消耗していたので、店員さんから交換を勧められたとします。

タイヤの交換なら、専門店に行った方が安いことはわかっていますが、僕は最初からその誘いを拒否するようなことはしません。「あぁ、なるほど。お話を聞きます」と答えてから、スマホで専門店の最も安いタイヤの値段を調べ始めるのです。

「この金額より安くなりますか?」

給油中の店員さんにこう聞いてみて、「いいですよ」という返答なら、最も安い値段以下でタイヤ交換ができます。「できません」と言われたら、そこではタイヤを交換しないだけの話です。

ダメ元でいいから、つねに「試してみる」ことによって、新たなチャンスが生まれる可能性を創り出しているのです。

「たぶん無理だろうな」と思うような話でも、一度は話してみるし、聞いてみるのです。それを100回やり続けたら、1回はできるかもしれません。

不動産や山を「お金をもらって引き取る」という、本来なら意味のわからないようなことも、その結果として生まれています。

すべてのビジネスが「何でも試してみる」から始まります。僕は準備などに余計な時間を掛けず、すぐに始めます。

やろうとなったら、今日すぐに始めます。

「はい、じゃぁ、今すぐ100万円を出します」みたいな感じで、どんなことでも素早く動き始めることにしているのです。

■日本中を飛び回り、異なる業種の仕事を同時並行でやる

着眼点② 自由な発想は「未経験」から生まれる

ビジネスを始めようとする時に、多くの人は自分が経験したことのある業種を選ぶことが多いように思います。

でも、それでは自分の持っている知識を切り売りするだけですから、あまり発展的なことは望めない気がします。

僕の場合は、自分がやったことのない業種であっても、何のためらいもなく打って出ます。固定観念がない分だけ、自由に発想を飛ばすことができますから、お金だけでなく、新たな経験も一緒に手に入れることができます。

その新たな経験が視野を広げてくれるので、さらに次のビジネスのヒントをもたらしてくれるのです。

現在、僕は違うジャンルの複数のビジネスを同時並行で進めています。極端にいえば、毎日、異なる業種の仕事を、日本中を飛び回りながらやっているという感じです。

そんな日常を繰り返していると、自分では想像もしなかったアイデアが、ある日突然、降って来ることがあります。それは、違うジャンルのビジネスを同時並行でやっていることの「副産物」なのかもしれません。

僕が初めてのビジネスを手掛けた時のエピソードを紹介します。4年前の2018年4月のことですが、都内にボードゲーム店をオープンしたのです。

ボードゲームについてはほとんど何も知りませんから、それを遊べる店にも行ったことがありません。この頃は、不動産投資や山投資を始めていて、全国を慌ただしく飛び回っている時期でした。

きっかけは、美術大学に通う男子大学生の知り合いがいて、卒業まで半年というのに、進路が決まっていなかったことです。何が好きなのかと聞いたら、「ボードゲームです」と言うので、「よし、じゃぁ、ボードゲーム店を作ろうか」となったのです。

ボードゲームとは、卓上でボード(盤)やコマ、カードなどを使って遊ぶゲームのことです。代表的なのは「モノポリー」や「バックギャモン」などですが、その種類は世界各国に無数にあって、将棋や囲碁、チェスなどもボードゲームの一種です。

■相場よりメチャクチャ安いボードゲーム店で月商100万円

すぐに空いている店舗を探して来て、内装などはすべて自分たちでやりました。初期投資は100万円ほどです。

結論から先にお伝えすると、月商はすぐに100万円に達しました。そこから、家賃15万円、スタッフの給料30万円、缶ジュース代10万円を引いて、毎月40万円の利益が出ました。知識ゼロからのスタートであっても、工夫次第で利益を生み出すことはできるのです。

JRの主要駅から徒歩2分という好立地や、近くに複数の大学があったことも勝因のひとつですが、このボードゲーム店が儲かった一番の理由は、料金設定を相場よりもメチャクチャ安くしたことにあります。

普通は「1時間300円」とか「1時間500円+ワンドリンク」みたいな感じですけど、僕は時間制ではなく、「半日+ドリンク飲み放題1000円」と「1日+ドリンク飲み放題2000円」に設定しました。

営業は「昼12時から夕方6時まで」と、「夕方6時から夜12時まで」で区切っていましたから、昼食を持ち込んで食べて、缶ジュースを好きなだけ飲んで、6時間キッチリと遊んで、料金はジャスト1000円という安さです。

今どきの大学生が割高になる時間制で遊ぶはずがないと考えたこともありますが、店内に水道設備がなかったので、苦肉の策として缶ジュースを置いて飲み放題にしたのです。その結果、お客さんは缶ジュースを10本も飲めば簡単に元が取れるという、わかりやすい設定になりました。

その後、土曜日と日曜日は終日満員になるので「1日3000円+ドリンク飲み放題」にしたのですが、これが当たりました。

全部で32席ありましたから、土日の売り上げは1日9万6000円です。それが4週トータルで約80万円となります。平日の売り上げは20万円ほどでしたから、合計で月商100万円になったのです。

初期投資100万円でボードゲーム店をオープン。すぐに月商100万円を稼ぎ、利益は月40万円。経験ゼロでも工夫次第で十分成功できると実証
出典=『一生お金に困らない山投資の始め方』
初期投資100万円でボードゲーム店をオープン。すぐに月商100万円を稼ぎ、利益は月40万円。経験ゼロでも工夫次第で十分成功できると実証 - 出典=『一生お金に困らない山投資の始め方』

■初めてのビジネスで売却に成功した理由

この店を開店してから、僕は毎日、お客さんのフリをして店に通うことにしました。さすがに料金は払いませんが、ポイントカードも作りましたし、一緒に遊んだお客さんと、「この店、どうですか、最近?」みたいな話をして、改善点などのアドバイスを聞いていました。

店長には、お客さんがボードゲームに水をこぼしたら「ありがとうございます」と言って拭きに行ってくださいね……と指示をするなど、日々、経営者として現場の仕事もしていました。

お客さんはみんな、僕のことを客だと思っていたようですが、毎日、店に通っているうちに正体がバレました。初めてやったゲームで、いきなりトップを取ったりしていたからです。

ボードゲームには「運寄り」と「プロ寄り」があって、プロ寄りのゲームは経験者でなければ絶対に勝てないと、みんながわかっています。そこに僕が入っていきなりトップを取ったりするから、「ちょっとおかしいな」となったのです。

正体がわかってからも、お客さんたちは「親分」みたいに接してくれたので、店はフレンドリーな雰囲気になって、さらに集客が増えました。

このお店は、コロナが問題になる半年くらい前に、チェーン展開しているボードゲーム店に売却しました。この頃はボードゲームがブームでしたから、メチャメチャ高く売ることができました。

僕にとっては初めて体験したビジネスですが、「ボードゲーム店とは、こういうものだ」という固定観念がなかったからこそ、その店の状況にマッチした経営判断ができたのだと思います。

■人が2カ月かけて勉強することを、1日で習得する方法

着眼点③ 「経験しながら学ぶ」から成長が速い

ビジネスで勝ち抜くためには、しっかりと「自分に対する投資」をして、知識や経験を蓄えておくことが重要だと思います。

自分に対する投資には、3つのアプローチがあります。

①毎日の仕事を通じて知識や経験を身につける。
②大学や専門学校に通って知識を得る。
③自分でビジネスを回しながら知識や経験を積み重ねる。

この3つが、自分の価値を高めていくための現実的な方法だと思います。僕は毎日、③のアプローチを繰り返しています。

先に紹介したボードゲーム店のケースも同様ですが、最初に資金を投入し、経営者として現場に入りながら、売り上げを伸ばす工夫をしつつ、最前線の知識や経験を手に入れています。

最前線の知識や経験を得ることが、そのまま経営者として収益を上げることに直結しているのです。

自分でビジネスを回しながら「自分への投資」に取り組めば、「ビジネスが回る」→「お金になる」→「勉強もできる」→「経験値が付く」というサイクルが生まれます。専門学校や大学で学ぶようなことを日常レベルでマスターできるだけでなく、それをやることが、お金にもなるのです。

僕としては、人が2カ月かけて勉強することを、1日で習得してきたと思っています。猛スピードで幅広い分野の勉強を凝縮した形で続けていると、知識や経験は雪だるま式に増えますから、そこから次のビジネスのヒントが生まれて来るのです。山投資や不動産投資も、こうしたサイクルから生まれています。

自分への投資というと、どこかで勉強してからとか、資格を取ってからと思いがちですが、それでは時間とお金が掛かり過ぎます。それがムダとは思いませんが、もっと効率のいい方法があるということです。

僕のようなアプローチは極端なケースと思うかもしれませんが、実は、誰にでもできることです。

それは実際に「やるか」、「やらないか」の違いであり、そうした視点を「持てるか」、「持てないか」の問題なのです。

最も大切なことは、今の自分のレベルに見合った「自分への投資」をするのではなく、「ひとつ上の自分になるためには、どんな投資が必要なのか?」を冷静に見極めて、素早く実践することです。

ビジネスのヒントは、その先に見えてくるのです。

■誰もできないことが価値になる

着眼点④ 「どんな山でも引き受ける」から依頼が来る

自分に投資することは、自分の「価値」を高めることにつながります。周囲の人たちがその価値を認めるようになれば、ビジネスは大きく動き出すことになります。

現在の僕には、「どんな山でも、どんな物件でも引き取る」という、他の人にはない価値があります。

太いパイプで繋がった不動産会社の担当者は、僕の価値を認めているから、次々と「お金をもらって引き取る案件」を回してくれるのです。

大事なことは、できるだけ早く他の人と明確に差別化できる価値を身につけることだと思います。

「誰でもできること」が「上手にできた」としても、それは価値ではありません。誰もできないようなことができるから、周囲の人が価値として認めてくれるのです。ビジネスの世界だけでなく、スポーツでも芸能でも、求められているものは同じだと思います。

僕の場合は、それが「どんな物件でも引き取る」であり、「転売することは考えない」ということですが、不動産会社の人たちが、その価値や持ち味を評価してくれているからビジネスとして成立するのです。

こうした信頼関係は、担当者が僕の「価値」を認めてくれている限りは、これからも続いていくと思っています。

仮に、その担当者が僕ではなく、オンラインサロンのメンバーと直接やりとりをするようになったら、僕は必要ないということですから、もう二度とその人とビジネスをすることはないと思います。

それで困るということはありませんし、それも縁ですから、別に揉めることもありません。もし今のビジネスが絶たれたら、他のビジネスを始めるだけのことです。そのための自分への投資は、すでに十分にやってきたと思っています。

■僕が「1円の山」を買い続ける理由

着眼点⑤ 差別化を図り「ブルーオーシャン」を創り出す

他の人と明確に差別化できる「価値」を身につけることは、「ブルーオーシャン」(競争相手のいない未開拓市場)を創り出す原動力になると思います。

電柱を探して山を買うことや、不動産を入手して賃貸弱者の人たちに格安の家賃で提供するなど、僕は他の人と明確に差別化できるビジネスをやっています。

他の人と競合になることはありませんから、結果として「ブルーオーシャン」になっているのです。

なぜ、競合にならないのか、山投資のケースで説明します。

現在、山を買っているのは、投資家かキャンプやグランピングなどで山を使いたいと思っている人たちです。

山を使いたい人は、それを定価で買って目的を達成します。投資家は、山を買ったら、できるだけ早く転売して、元を取ろうとします。

僕の場合は、山を買っても転売して元を取ろうとは思っていません。「何かあったら面白いな」と期待しているだけで、基本的には自分で持ち続けています。

投資家の目には、それが「浪費」と映るようですが、別に損をして山を買っている訳ではないですし、むしろ徹底的に損をしないように注意して買っています。

棒グラフとコインの投資コンセプト
写真=iStock.com/Dilok Klaisataporn
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dilok Klaisataporn

彼らのように出口を優先的に考えたり、リスクを過大に評価したり、目先のリターンを求めていないというだけの違いですが、その違いが大きな意味を持っているのです。

投資家は山を買ったら「誰かに売って利益を上げる」ことが狙いですから、彼らが1円の山を買うことはありません。

持ち主が1円でもいいから手放したいという山は、他に転売できるだけの価値があるとは限りませんし、余計なリスクまで背負い込む可能性があるからです。

僕は1円で山を買いますし、転売が目的ではないのでどんな山でも買いますから、そうした案件が次々と僕のところに集まって来ます。

この「1円の山を買うか、買わないか」という違いが、僕の前にブルーオーシャンを創り出しているのです。

■「トップランナー」であり続けるために

着眼点⑥ ビジネスで大切にしている4つのポイント

本稿のまとめとして、僕がビジネスをする際に大切にしている4つのポイントをお伝えします。

第1のポイントは、ビジネスは自分の利益よりも、「相手のため」を思ってやるということです。

相手を騙すとか、陥れるようなことは絶対にしません。何をやるにしても、少しでも人のためになるように心掛けています。相手のためになるということは、結果的に自分のためにもなるのです。

第2のポイントは、「泣き寝入りをしない」ということです。できる限り「相手を泣き寝入りさせない」という配慮も大切ですが、自分だけがマイナスを食らうようなことはやらないと決めています。

持ち主が処分に困っている山を引き取る時でも、いくら相手が困っているからといって、ボランティアで引き取るようなことはしません。「固定資産税の80年分をください」など、何らかの対価をもらうようにしています。

その対価があれば、僕が死ぬまでの間に処分すればいいという時間的な猶予ができますから、後で泣き寝入りをしなくて済むのです。

第3のポイントは、どんなビジネスでも、つねに「単発でプラスになる」ことを意識しています。

これだけ儲かったからといって、その利益を他のビジネスに回すことはしません。ひとつひとつの案件で、それぞれが独立して利益を積み重ねていくことを重視しています。

儲かったビジネスの利益を他の案件に回し続けていると、いつの間にか玉突きの連鎖が始まって、気がついた時には総崩れ……という危険性があります。それを回避することは、リスク管理の基本だと思っています。

永野彰一『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)
永野彰一『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)

最後の第4ポイントは、ビジネスは「人ができないことをやる」という視点を大切にしています。

誰でもできるようなことには興味がないし、人ができないことをやるのでなければ、僕がやる意味がないと思っています。

別にオリジナリティーが大事とか、プライドの問題ではありません。誰の受け売りでもなく、自分が実際に体験して学んだ知識を総動員して、「これだ!」と思えるようなものでなければ、全身全霊を傾けたビジネスなどできないということです。

「お金をもらって物件を引き取る」という形に発展した山投資や不動産投資、山投資の過程で始めた電柱探しなど、すべては僕の体験から生まれたビジネスですから、僕が「第1号」であり「トップランナー」です。

「人が出来ないことをやる」というのは「ブルーオーシャンを探す」ということとイコールの意味だと考えています。

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永野 彰一(ながの・しょういち)
投資家・事業家
1990年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。14歳の時に取得した「乙種第4類危険物取扱者」を手始めに、100を超える資格を高校在学中の2年間に取得。最年少取得記録を多数保有している。プロの雀士でもある。現在は不動産投資家として活動し、全国に数百の山を所有。「山王」と呼ばれている。テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』などメディアにも多数出演。

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(投資家・事業家 永野 彰一)

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