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「孫正義の横顔は勢いとブレーキのバランスがいい」カリスマ経営者に共通する顔の特徴を解説する

プレジデントオンライン / 2022年3月18日 9時15分

イラストレーション=髙栁浩太郎

成功する起業家にはどんな共通点があるか。フランスで「相貌心理学教授」の資格を取った佐藤ブゾン貴子さんは「カリスマ起業家の横顔を見ると、勢いとブレーキのバランスが整っていることがわかる」という――。

※本稿は、佐藤ブゾン貴子『ビジネスは顔が9割 武器としての相貌心理学』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

■カリスマ起業家の条件は「勢いとブレーキ」のバランス

近年、ウーバーやエアビーアンドビーをはじめ、数多くの「ユニコーン企業(評価額が10億ドル=約1000億円を超える未上場のスタートアップ企業)」が登場しています。日本でも、10代の若さで起業する人が注目を集めたりしています。

ソフトバンクの孫正義氏から、メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEOまで、カリスマ起業家として成功している人々の顔を観察すると、最大のポイントは「勢いとブレーキ」のバランスにあることがわかります。

たとえば「額」であれば、思考の速さを示す「額の傾斜(まっすぐに立ち上がっておらず、角度がついていること)」と、論理的思考力を示す「額の三分割」を兼ね備えていること。

あるいは「鼻」であれば、鼻筋は前方に突出しているけれども、鼻の付け根は「くの字」に引っ込んでいること。鼻筋が突出しているのは「勢い」を表していますが、付け根の引っ込みは「批判精神」を表します。

この「突出する勢い」と「引く姿勢」のバランスが、起業家にとっては非常に重要です。どちらも、素質的には多くの人に見られるものですが、両方を同じバランスで持っている人はなかなかいません。

ほとんどの人は「勢いが強いタイプ」か「ブレーキが強いタイプ」のどちらかに分かれます。

しかし、勢いだけでは乗り越えられないハードルというものは存在しますし、逆にブレーキだけが強くても、慎重になりすぎて成長できないという弊害が生じます。

佐藤ブゾン貴子『ビジネスは顔が9割 武器としての相貌心理学』(祥伝社)
佐藤ブゾン貴子『ビジネスは顔が9割 武器としての相貌心理学』(祥伝社)

トップのトップになれるような起業家の場合、自分の「野心」さえもコントロールすることができます。

起業家にとって、野心は不可欠です。なんらかの野心がなければ、そもそも起業しようとは思わないでしょうし、立ち上げた事業を成長させることもできません。

とはいえ、過ぎた野心は暴走をも生みかねませんから、そこはしっかり「自制」をする必要があります。

カリスマ起業家の多くは、野心の大きさを表す「前に出たあご」に特徴がある一方で、自制心の強さを示す「固く引き締まった唇」の持ち主でもあります。

個人事業主や、小さな企業のトップであれば、勢いだけでもやっていけるでしょう。しかし、そこからさらに事業を拡大していけるかどうかは、「勢いとブレーキ」のバランスにかかっていると言えます。

■イーロン・マスクの「現実思考」は輪郭に見て取れる

同じ起業家でも、輪郭どっしりのディラテと、面長のレトラクテでは、やや方向性が異なってきます。

社会を一変させるような「イノベーション」をもたらす起業家ということなら、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏や、前出のマーク・ザッカーバーグ氏を筆頭に、レトラクテが主流といえます。

一方、ディラテの場合は、より「現実社会」と地続きになったビジネスを興すのが得意です。近年注目されている「社会起業家」は、貧困国に新たな雇用を創出するなど、世界が抱える社会問題の解決を目指したビジネスを展開していますが、こちらはまさにディラテが得意とする領域です。

面白いのが、電気自動車メーカー「テスラ」のCEOであるイーロン・マスク氏。一般的には「イノベーター」として知られており、事実、若いころは典型的なレトラクテでしたが、年齢を重ねるほどにディラテへと輪郭が変わっています。

マスク氏の場合、実現できない理想は描かないタイプ。地球の温暖化を食い止めるためにEV(電気自動車)を普及させるという目標を掲げつつ、初期は新しもの好きの富裕層やセレブを狙った高級車をリリースして、その利益をより手ごろなEVの開発費に投資するという路線を取っています。

また、人類の火星移住を目指して立ち上げた宇宙事業の「スペースX」でも、ロケットの開発費を大幅に削減することでシェアを獲得しました。決して「絵に描いた餅」では済まさない現実志向が、彼の輪郭に見て取れると言えるでしょう。

■「保守的」なジョブズが成功できた理由

相貌心理学では、顔を個々のパーツではなく全体のバランスで診断しますが、起業家についてはとりわけ、個々のパーツだけでは見えてこない点も多々あります。

たとえば、人事や個人経営者の項目では、「横から見て垂れ下がった鼻先」は、保守的で冒険できない人の特徴として紹介しました。

しかし、かのスティーブ・ジョブズ氏のように正面から見ても鼻先が矢印のように下に向いて垂れ下がっているのであれば、それは「否定の鼻」となります。

ジョブズ氏の場合、額の高さに彼の理想の高さがはっきりと表れています。そこに、この「否定の鼻」が加わると、「周りのあらゆる選択肢に厳しくダメ出しをすることで、その先の可能性をさらに想像し、完璧な世界観や価値観をつくり上げる」という姿勢となって表れます。

いわば「否定から入るイノベーション」に、ジョブズ氏のスタイルがあるわけです。

ZOZOの創業者である前澤友作氏の場合、横顔を観察してみると、びっくりするほど「平ら」な印象です。額はまっすぐですし、鼻から下のラインもまっすぐ。出たり引っ込んだりしているところがないのです。

これまでにも解説してきたように、まっすぐは「ブレーキ」、傾斜は「アクセル」のサイン。これほど横顔が平らなのは、「とことん石橋を叩いて渡る」性格の持ち主であることを意味します。

1億円のお年玉をSNSのフォロワーに配ったり、月旅行を計画したりといった、破天荒な前澤氏のイメージとは矛盾するように感じられるかもしれません。

このタイプの人は、何事も「測る」のが人生の基本方針です。自分の価値、相手の価値、仕事の価値――そのすべてを、自分独自の物差しで厳密に測っています。

したがって、一見、突飛に感じられる前澤氏の行動も、その裏には綿密な計算があります。なんなら「失敗」や「炎上」さえも織り込み済みでしょう。ただの思いつきによる破天荒ではないところに、成功した起業家ならではの非凡さがあると言えます。

■天才アインシュタインの一歩引いて情報を取捨できる目

日本は研究者に冷たい国だと言われますが、コロナ禍では改めて学術研究の重要性が浮き彫りになりました。そうしたなか、使命感も新たに研究者を目指す人々も増えたのではないでしょうか。

研究者の資質を備えた顔というものを考えるとき、参考になるのは、かの天才アインシュタインです。

アインシュタインの顔で、まず注目すべきは額です。正面から見て額のラインが丸みを帯びていて、なおかつ目がくりっとしている人は、大量の情報を外から取り入れたうえで蓄積しておける、すばらしい記憶力の持ち主なのです。

アインシュタインに見る“研究者顔”
イラストレーション=髙栁浩太郎

そのうえで、ロジカルな思考を担う「額の三分割」があれば、記憶していた情報を必要に応じて取り出す力に長けているということになります。一方、額がつるっとしている場合は、ただ頭に入ってくるものを順番に覚えているだけで、思考の材料として使いこなすことはできません。

アインシュタインの場合、くりっとした目を持ちつつ、その目が奥まっていることもポイントです。これは、ただ闇雲に情報を取り入れるのではなく、一歩引いて情報を取捨できることを意味します。

■一流の研究者に「批判精神」は欠かせない

研究者にとっては自分自身の研究に常に疑問を持つことも大切といわれます。

それを見るポイントが「鼻の付け根」。横から見たとき、鼻の付け根が「くの字」に引っ込んでいるのは「批判精神」の表れです。

一般的にこの表出があった場合、「何事に対してもひとこと物申してくる面倒な人」ということになりがちですが、研究者にとっては、自問自答をしながら研究のクオリティを高めていくという意味で、欠かせない資質と言えます。

研究とは、一朝一夕で成果の出るものではありません。ですから、何年かかろうとも投げ出さずに、「絶対にこの研究を成功させてみせる」という野心が必要です。

そんな強い野心を支えるのは、しっかりとしたあご先になります。あご先の安定感は、自分自身との信頼関係を表しており、ちょっとやそっとの逆境にはくじけない忍耐力のサインでもあるのです。

なお、アインシュタインも含め、研究者の多くは面長の輪郭の持ち主(レトラクテ)です。レトラクテの人は、確固たる価値観や独自の考えを持っているのが特徴で、それが研究に対する強い使命感につながっているのでしょう。前人未踏の研究に挑み、「先駆者」として後世に名を残すことが多いのもこのタイプです。

一方、輪郭がどっしりしたディラテの場合は、先人の研究を発展させて新たな成果をもたらすことに長けています。また、チームワークが求められる共同研究に向いているのもディラテです。

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佐藤 ブゾン 貴子(さとう・ぶぞん・たかこ)
相貌心理学教授
1975年生まれ。2004年、アパレルの勉強のためにフランスに渡り、現地で相貌心理学に出会い、傾倒。学会長に師事し、5年の研修課程を経たのち、世界で15人、日本人では初となる相貌心理学教授資格を取得する。帰国後は、1億人以上の顔分析に基づく相貌心理学を広めるために、セミナーやセッション、企業への講演などを行う。著書に『人は顔を見れば99%わかる―フランス発・相貌心理学入門』がある。

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(相貌心理学教授 佐藤 ブゾン 貴子 イラストレーション=髙栁浩太郎)

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