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なぜ高い買い物をたくさんするのか…本物のお金持ちが「ムダにみえる浪費」をする本当の理由

プレジデントオンライン / 2022年3月18日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Cindy Shebley

本物のお金持ちはどんなお金の使い方をしているのか。投資家の永野彰一さんは「大事なのは、買った時より高く売れるものを買い続けること。そうすれば、買い物が無限ループできるので、高い買い物も決してムダではなくなる」という――。

※本稿は、永野彰一『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■8年落ちのプリウスを1年ごとに乗り換える理由

金銭感覚① 最後に残ったのがユニクロとプリウスだった

意外に思うかもしれませんが、僕には「欲」というものがありません。「金銭欲」もなければ、「物欲」もないし、「承認欲求」もありません。誰かに認められる必要がないので、「地位」も「名誉」も欲しいとは思いません。

酒、タバコ、ギャンブル、宝クジは何もやらないし、興味もありません。生きていることがギャンブルですから、ギャンブルはメチャメチャ好きですけど、自分でやることはまずありません。

投資家ですから、必要な投資なら100万円でも200万円でも出しますが、日常生活では浪費はしないと決めています。

基本的に、洋服はユニクロ、時計はG-shockという感じです。最近はオランダのブランドのG-STAR RAWの洋服を三重・長島のアウトレッドで買って着ています。値段はユニクロより高いのですが、見る人によってはユニクロっぽく見えます。

ギラギラしたくないというのもありますが、お金を持っていることをアピールして、人から信頼を得る必要がないからです。

クルマなんて、本当は軽トラックでもいいのですが、8年落ちのプリウスを20万円で買って乗っています。オークション落ちのプリウスで、走行距離は15万kmくらいです。

プリウスは燃費がいいし、30万kmは走ってくれるので、10万kmから15万kmの中古車を買って、1年で10万kmくらい走って、車検を通さないで次を買う……というのが一番効率がいいのです。1年ごとに乗り換えていて、もう4台目になります。

洋服とかクルマにこだわらないのは、僕なりの理由があります。仮に50万円のスーツがあったとしても、あの胡散臭いヤツが着ているみたいなスーツだな、どうでもいいや、いらないな……と思ってしまうのです。

フェラーリにしても、中古なら月20万~30万円のローンで買えますから、月収50万円のサラリーマンでも無理したら乗れるな、それじゃ、いらないわ……となるのです。

ドンドンいらない、いらないと選択肢を排除していったら、最後に残ったのが、ユニクロとプリウスだったということです。

その日に着る服を選ぶ時間もムダだと思っていますから、同じ服を2着買って着回すことで、ムダな時間をゼロにしています。洋服を選ぶための5分があれば、それをビジネスの時間に充てることができるのです。

■あえて高速ではなく下道で移動する理由

金銭感覚② 「103万円の壁」は論外! 税金はしっかり納める

僕は中古のプリウスに乗って、毎日、全国各地をビジネスのために駆け回っています。不動産投資で最初に大きなマイナスを被ったというのもありますが、山や不動産を下見に行く時は、全国どこであっても高速道路は使わず、できるだけ下道を走って目的地に向かっています。

それが北海道であっても、九州であっても同じです。最近は九州南端の鹿児島に行くことが多かったのですが、僕の家には関門トンネルの150円の領収書ばかりが山積みになっている感じです。

不動産投資を始めた当初は、あくまで経費削減のために下道を使っていましたが、それが習慣のようになり、不動産投資がプラスに転じてからも、下道を走ることが続いています。

運転免許を取った頃から下道の方が好きというのもありますし、僕にはいくらでも時間がありましたから、無理に高い高速代を払って急ぐ必要がなかったのです。

下道を使うことには、もうひとつ別の理由もあります。毎年、かなりの税金を払っているので、それに加えて高速料金を支払うより、下道を使った方がいいかなと思っているのです。

下道は税金で作られていますから、僕が払った税金をムダにしないためにも、できる限り下道を使いたいということです。その方が、気持ちよく税金が払える……という思いもあります。

逆に、これだけ下道を使わせてもらっているのだから、税金をきちんと納めないと申し訳ないなという気持ちもあるのです。

僕の中には「節税」という考え方はまったくなくて、税金はきっちりと納めたいと思っています。

富裕層になるためのメソッドみたいな話を聞いたことがあるのですが、富裕層ほど、きちんと税金を納めている人が多いといいます。

ビジネスで成功している人を見ると、確かにきちんと払っている人がほとんどですから、僕も税金はしっかり納めたいと考えているのです。

主婦がパートをする時などに「103万円の壁」ということがよく話題になります。

年間103万円までのパートなら所得税がかからないが、それを超えると税金を払う必要があるというボーダーラインの話ですが、税金を払いたくないから103万円以上は働かないなんて、僕にとっては論外です。

ボーダーラインを1万円でも超えたら10万円の税金が発生するとしても、僕は気にせずに働いて、10万円の税金を納めます。海外の法人を利用して日本には1円も税金を払わないという方針の会社もありますが、日本でやっていく限りは、税金はしっかり払い続けると決めているのです。

■空き家に落ちている1円玉は必ず拾う

金銭感覚③ 時計にゴールド……資産は分散して保有する

僕はお金に対してはシビアな考え方をしています。空き家などを掃除していると、1円玉が落ちていることがありますが、絶対に拾います。

今までに何度1円で泣いてきたかわかりません。15歳の時から、ずっと1円で泣いてきましたから、1円玉は本当に大事にしないといけないと思っています。

普段はお金を遣うこともほとんどありません。遣う予定のないお金があったら、不動産を買ったり、株を買ったりして、現金で持っているようなことはしません。

現金を持っていることのリスクは避けるべきですから、「ゴールド」(金)や「時計」を買うようにしています。資産は分散して持つということです。

現金を持つことのリスクには、様々なケースが想定されます。

「インフレ」になって現金の価値が大暴落するようなケースをはじめ、「ハイパーインフレ」のリスク、「預金封鎖」のリスク、「財産税」導入のリスクなどが代表的ですが、そうしたリスクに対する防御策としては、現金をゴールドや時計に換えて持っていることが最も有効だと考えています。

費用対効果という視点でみれば、ゴールドよりも時計の方が勝っていると思います。

仮に、リュックに資産を入れて避難するような事態が起こった場合など、1億円分のゴールドを背負って逃げるのはメチャクチャ大変ですけど、時計を1億円分というのは、超高級時計のリシャール・ミルならば4~5本ですから、小さなポシェットに入れて簡単に移動できるのです。

ゴールドは持っているといっても「金の延べ棒」(インゴット)ではありません。10gから50gくらいのネックレスなど、ゴールドのアクセサリーで持っています。

自分の手元にないものは信用できませんから、オンラインでの金投資はやりませんし、延べ棒で持つのも保管が大変すぎます。その点、アクセサリーならば、分散して手軽に持てるというメリットがあります。

ひとたびインフレになると現金の価値は下がりますが、ゴールドの場合は逆に価値が上がるという傾向があります。インフレだけでなく、災害時や戦争、世界情勢の混乱時でも価値が上がる傾向があるなど、ゴールドには「有事に強い」と言われる資産価値があります。そこが一番の魅力と言えます。

仮に、月1000万円の稼ぎがあったとしたら、意識的に100万円分くらいの割合で時計やゴールドを買っています。時計が8割で、ゴールドが2割という感じです。

買ったものはすべて自分で持ち続けていますし、売るつもりもありません。資産を増やす生き方をしているのですから、売る必要などないのです。

■富裕層はフェラーリやランボルギーニを現金で一括購入

金銭感覚④ 融資を受けた時点で負けだと思っている

僕はビジネスをする時に、銀行などの融資を受けたことは一度もありません。ここまで読み進めてくださった方ならわかる通り、山を1円で買うとか、26部屋のアパートでも150万円で買っていますから、そもそも融資を受ける必要がないのです。

例えば、200万円の物件と2000万円の物件があったら、迷わず200万円の物件を選びます。

なぜなら、金額の大きい物件というのは利回りが低いからです。高利回りの物件を探して買っていれば、融資を組まなくて済むということです。

融資というのは、お金がない人をサポートするためのものですから、富裕層を見ればわかる通り、彼らがローンを組むなんてことはありません。フェラーリやランボルギーニを持っている人は、全員が現金で買っています。極論を言ってしまえば、ローンを組んでいる時点で負け組だと思います。

真っ赤なランボルギーニ・ウルカン(2017年3月25日・英国レスターにて)
写真=iStock.com/RistoArnaudov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RistoArnaudov

僕はプライベートでも、ローンを組んで何かを買うとか、キャッシングをしたこともありません。高校や大学時代の学費も、ひとりで生活していましたけれど、奨学金は借りていません。

高校は特待生だったので授業料は免除ですし、大学も1年生の時だけ特待生だったので大隈記念奨学金をもらっていました。

年間100万円くらい出るので授業料以上にお金をもらっていましたが、これは返済不要の給付型奨学金でした。

特待生とか、授業料免除というと、ものすごく頭がいいとか、ズバ抜けて勉強ができたと思うかもしれませんが、そんなことはありません。高校は大学まで進むために早稲田の付属を選んだだけで、まともに受験をしていたら、早稲田に入れたかどうかは怪しいものです。

勉強ができるというより、勘どころというか、大事なポイントを掴むことはメチャメチャ早いと思っています。それだけは自覚しています。

■35年返済の5200万円の銀行融資を受けての気付き

金銭感覚⑤ 勉強のために銀行の住宅ローンを組んでみた

ビジネスでは一度も融資を受けたことがありませんが、「ローンを組むというのはどんな気持ちになるのか?」を知りたくて、試しにというか、勉強のために住宅ローンを組んだことがあります。

普通は何かに挑戦するために銀行の融資を受けますが、とりあえず融資を受けてみるという逆の挑戦をしたのです。

ローンでマイホームを購入する人の気持ちが知りたかったというか、自分で経験していないのに銀行融資をバカにすることはできない……と思って、一回やってみようという感じです。

僕が30歳になった2021年4月のことで、名古屋の自宅を買うために、35年返済の5200万円の銀行融資を受けたのです。これまでフルキャッシュでやってきましたから、せっかくの機会なのでフルローンを組みました。

もしムダだと思ったら、1年で解約して一括返済すればいい……くらいの軽い気持ちでしたが、ローンを申請する手続きの段階から、何となくギクシャクして、銀行の人にかなり怪しまれたようです。

名古屋に買った自宅は新築の注文住宅ですが、頭金は0円で申し込みました。「頭金は1円も出せません」と宣言した直後に、僕の確定申告書が出てきたので、銀行の人は「ん⁉」という顔で、目を白黒させていました。僕は慌てて「あの、実は浪費家なんです」と苦しい言い訳に追われました。

■「消費者の感覚を麻痺させるシステム」

「団信には入りません」といった時も、「どういうことですか⁉」と戸惑いの顔をされて困りました。団信というのは、団体信用生命保険のことで、住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合に、保険金によって残りの住宅ローンが弁済されるという保険制度のことです。

住宅ローンを組む時は加入するのが一般的ですが、僕としては0.2%の金利の上乗せがもったいないと思ったし、絶対に完済できますから、申し込まなかったのです。不安そうな銀行の人に「頑張りますので」と言うのが精一杯でした。

その他にも、融資手数料として110万円も支払うことがわかって、「どうして110万円も手数料が掛かるのですか?」という素朴な疑問が口から飛び出しそうになりましたが、グッとこらえて申し込みを済ませました。

実際に住宅ローンを組んでみて、「意外と何も感じないものだな」ということがよくわかりました。

35年のローンを組むということは、65歳までに完済すればいいわけですから、毎月の収入があるならば、「自分は今、莫大な借金をしている」という切迫感は一切ありません。

長期ローンというのは、「消費者の感覚を麻痺させるシステムなのだ」ということが、実感として理解できました。僕にとっては、これも貴重な体験のひとつです。

■将来のために1000万円貯蓄する30代の女性

金銭感覚⑥ 僕には「生命保険」や「貯蓄」の必要がない

団信(団体信用生命保険)や生命保険というのは、将来に不安があるから掛けるのだと思いますが、僕にはそうした不安がないから、生命保険は掛けていないし、掛ける必要もないと思っています。

1万円とか2万円の掛け金を払うのなら、そのお金を投資に回すことで、最終的には保険金以上の金額を手にすることができます。僕が死んだ時には、生命保険を掛け続ける以上の財産が残っているのです。

人に対しての保険はまったく別のものですから、自動車保険はきちんと入っていますが、僕は独身だから、家族のために保険金を担保しておく必要がありません。団信とか生命保険に入る意味というか、理由が見当たらないのです。

貯蓄とか貯金というのも、将来の不安に備えるという意味では保険と同じです。お金を稼ぎ出す能力があって、どこに行っても、どんなビジネスでも生み出せるならば、お金を貯める必要がありませんから、貯蓄や貯金というのは、やっぱり不安の表れなのだと思います。

同い年の30代の女性たちの話を聞くと、1000万円くらい貯金している人がゴロゴロいます。「そのお金をどうするの?」と尋ねても、「とくに予定はない。将来のために貯めておくだけ」だと言います。将来が不安だから、1円も遣わずに、ただ貯金を続けているだけなのです。

彼女たちは、50~60代までに3000万円くらい貯めて、60歳になったらその貯金を取り崩し始めて、すべて遣い切ったら終わり……という将来を思い描いているようです。

1000万円を持っていることが悪いとは思いませんが、遣わないお金というのは意味がないし、そういう生き方をしていると、一生不安が解消されることはないだろうなと思います。

老後の生活を不安に思って貯金を蓄え続けて、いざ老後になったら、今度はいつ貯金がなくなるかという不安を抱え続けるのですから、常に不安と隣り合わせの生涯を歩むことになるのです。

■買った時より高く売れるものを買い続ける

こうした考え方とは逆に、年収が1000万円クラスの人ほど、年収200万~300万円の人と比べて貯蓄が少ないというか、ほぼ貯蓄がないという話もあります。

収入が1000万円を超えると自分に自信がつきますから、蓄えておく必要を感じなくなって、入ってきたお金を右から左に遣ってしまうのです。

年収1000万円クラスの人が、ちょっと高い別荘を買うとか、ベンツの新車を1200万円も出して買うことを、僕は悪いことだとは思いません。投資という視点で見れば、その金額に見合った価値が残るものに対して、資金を投入するのはいいことだと思います。

大事なのは、買った時より高く売れるものを買い続けることです。そうすれば、買い物が無限ループでできますから、高い買い物も決してムダではなくなるのです。

ロレックス・ディープシーの接写
写真=iStock.com/felixmizioznikov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/felixmizioznikov

僕としては、30代の女性たちとも、年収1000万円の人とも違う考え方をしています。「お金を稼ぐ自信はある」、「1000万円も稼げる」、でも、「お金を遣う必要がない」から「不安もない」という生き方が、最も強いのではないかと思っています。

■高校時代に100を超える資格を自費で取得

金銭感覚⑦ 「生きていくためのお金を稼ぐ」という段階は終わった

1996年にアメリカで発売されて、世界的に大ヒットした『キャッシュフローゲーム』というボードゲームがあります。

これは大ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が考案したもので、投資を学ぶことによって、お金持ちになるための知識が身に付くというゲームです。

このゲームでは、お金持ちになるステップを3段階に分けています。

最初のステップは、「ラット(ネズミ)レース」と呼ばれるもので、生きていくために必要なお金を稼がなければならない段階です。そこを超えると、次のステップとして自分が黙っていてもお金が入ってくる世界に入ります。

さらにそこを超えると、今度はお金を人のために遣う段階に入っていきます。僕は今、この3つ目のステップに自分が来ていると思っています。

高校生の時に家を追い出されて、自分で稼ぐようになりました。親の同意を得て株の取り引きを始めましたが、これが第1のステップになります。

そこでメチャメチャ儲けたため、高校時代に100を超える資格を自費で取得できるくらいの余裕が生まれました。

永野彰一『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)
永野彰一『一生お金に困らない山投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)

その後、お金が余るような状態が21~22歳くらいまで続いたので、このあたりまでが第2のステップです。つまり、普通に生きていくためのお金の稼ぎ方はすでに20代の前半で終わっているのです。

この第2ステップでは、何億円を失うとか、散々いろいろなことをやった挙げ句、「もうお金がいくらあっても際限がない」というか、「こんなお金の遣い方をしていても意味がない」と思うようになって、「もっと人のためにお金を遣いたい」と考え始めたのが21~22歳の時です。ここで第2ステップが終了です。

ここから第3ステップに入って、「自分のお金を投資して、困っている人を手助けする」ことを最優先にしたビジネスを始めて、すでに10年目を超えました。

この10年間で様々な知識や経験を得ていますから、その蓄積が現在の僕を支えてくれているのだと思います。

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永野 彰一(ながの・しょういち)
投資家・事業家
1990年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業。14歳の時に取得した「乙種第4類危険物取扱者」を手始めに、100を超える資格を高校在学中の2年間に取得。最年少取得記録を多数保有している。プロの雀士でもある。現在は不動産投資家として活動し、全国に数百の山を所有。「山王」と呼ばれている。テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』などメディアにも多数出演。

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(投資家・事業家 永野 彰一)

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