1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「週4回のトレーニングでも楽に感じる」ジム通いが続く人と続かない人の決定的な違い

プレジデントオンライン / 2022年3月18日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kohei_hara

目標の達成には日々の積み重ねが重要だ。では、ものごとを習慣化させるにはどうすればいいのか。中学受験専門塾・伸学会代表の菊池洋匡さんは「人は本能的に同じ行動を繰り返したがる。週1回より週4回のトレーニングのほうが楽に感じる」という――。

※本稿は、菊池洋匡『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

■歯磨き、入浴…「頻度」が習慣化を加速させる

この記事では、習慣化を加速させるポイントや、習慣化の失敗につながるありがちな落とし穴についてお話ししていきます。

まずは、習慣化を加速させるために最も重要な要素をお伝えします。それは、頻度です。

私たちは、歯磨きや入浴のように毎日やることに対しては、心理的な抵抗をあまり感じません。それに対して、ときどきやることに対しては、面倒くささを感じます。

勉強でもそれは同じです。毎日勉強するほうが、週に1度勉強するよりも楽なのです。

■週4回以上ジムに通うと習慣化しやすい

この習慣化における頻度の重要性を示す研究が、ビクトリア大学(カナダ)の研究者によって行われました。この研究では、新しくジムに通い始めた111人の人々を12週間にわたって観察し、ジム通いが続いた人と続かなかった人の違いを探りました。

その結果、最もジム通いの習慣化と関係があったのは頻度だったことがわかりました。1週間の中でジムに行く回数が多いほど、12週間が経ってもジム通いを続けている確率が高くなりました。

特に、週に4回以上の頻度でジムに通うと、ジム通いが習慣になる確率がグンと高くなったそうです。

「人は本能的に同じ行動を繰り返したがる」とお伝えしましたが、そのことがとてもよくわかる数字ですね。週7日のうちの過半数である4回を超えると、多数決の力が「続ける」ほうに働くというわけです。

わたしジムに週4回通えた!
イラストレーション=伊藤ハムスター

■少量でもいいので毎日勉強すると習慣化しやすい

このことは私の指導経験とも一致します。

週に2回しか授業がなく、宿題も比較的すぐに終わる量しかない小4の子たちよりも、週に5回、6回と塾に来て勉強し、毎日たくさんの宿題をこなしている小6の子たちのほうが、「塾が楽しい」「勉強が楽しい」と言う子が多いのです。

人の行動は「楽しい→やる」だけでなく、「やる→楽しくなる」という関係性もあるのですね。

だとすると、小4の子でも、それほど宿題が多くないからといって、1日でまとめて片付けるようなやり方はもったいないですね。できれば毎日、少なくとも週に4日以上、少しずつ勉強するようにしたほうが、勉強を楽しく継続できるでしょう。

塾に通い出す前の低学年の子でも、毎日必ず机に向かって勉強する習慣をつけておくとよいですね。たとえ5~10分でも、必ず何かをするようにしてくださいね。

週4にわけて少しずつやろう!
イラストレーション=伊藤ハムスター

■「明日こそちゃんとやろう!」を繰り返す

目標を決め、それを達成するための行動計画も決まり、「さぁやろう!」となったとき。ちょっと面倒になって、「あとでやればいいんじゃない?」と思ってしまうことって、私たち大人でもありますよね? こうした先延ばし癖は、習慣化の大敵です。

仮に、先延ばしした勉強の「借金返済」ができたとしても、先ほどの「頻度を増やす」に反することになるので、勉強を習慣化することにはつながりません。

長期的に見ると、まとめてドカンとやる作戦はデメリットが大きいのです。まして、借金を返済しきれなかったら、目も当てられませんね。

しかし、多くの子どもは、その失敗をします。

しかも、何度も繰り返します。

「明日こそちゃんとやろう! その分今日は楽しんじゃおう!」

その繰り返しなのです。

なぜこのような失敗をしてしまうのでしょうか?

それは、人には「先のことを楽観的に考える習性」があるからです。

■人は未来のことには楽観的になりやすい

ウィスコンシン大学(米国)のロビン・タナー教授とデューク大学(米国)のカート・カールソン教授が、こんな実験を行いました。

彼らは被験者たちを2つのグループに分けて、一方のグループに以下のような質問をしました。

「来月は週に何回くらい運動をしようと思いますか?」

それから、別のグループには、少し言葉を変えてこんな質問をしました。

「理想的には、来月は週に何回くらい運動をしようと思いますか?」

この結果、なんと2つのグループの回答に差は見られませんでした。それどころか、「現実的に考えて答えてください」と言われた参加者たちも、やはり楽観的な予想によって回答しました。

私たちは先のことを考えるとき、「きっと今よりも時間に余裕があるだろう」と考えがちです。これは、何を隠そう、私自身にも当てはまります。毎年毎年、「きっと来年になったらもう少し仕事が楽になるだろう」と期待してしまっています。

こうした性質のせいで、「今はやりたくないことも、あとになればきっとやる気になるだろう」と考えてしまうようです。

その後、被験者たちを集め、実際に運動した回数を報告してもらったところ、案の定、予想よりも少ない回数でした。そして、教授たちはあらためて、同じ参加者たちに質問をしました。

「次の2週間で何回運動をしようと思いますか?」

すると、参加者たちは不本意に終わった結果を挽回しようと思ったのか、さらに多い回数を申告しました。もちろんできるわけもないのですが……。目標は「達成可能なものでなければならない」のは、すでにお伝えした通りです。

■毎日一定の行動をすると、積み重ねの重みに気づける

しかし、受験生にもこういう子どもが多いのが現実です。忘れた宿題を「来週までにやってきます」と言って、本当にやってきた子なんてほとんど見たことがありません。

このような先延ばし癖は、どうすれば克服できるのでしょう?

その方法が、「毎日同じ行動をする」ことをルール化することです。

毎日1時間勉強していたら試験日までに○○時間も勉強できる!
イラストレーション=伊藤ハムスター

「やったり、やらなかったり」を減らし、毎日一定の行動をすることが、先延ばし癖を克服するために最も効果的です。

今日1時間多く勉強すれば、明日も明後日も、その次の日も、1時間多く勉強できます。そのつながりを意識させれば、長い日数を積み重ねたときに、どれくらいの差になるかに意識が向くようになるのです。

だから、その1時間の重みに気が付けるのです。

私の経営する塾「伸学会」でも、毎週ホームルームの時間に、学習記録で1週間分の学習時間をチェックさせています。小6になると、入試までの残りの週数をかければ、どれだけの勉強時間が残されているかを可視化できます。

菊池洋匡 『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ )
菊池洋匡『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ)

残り時間は日ごとに減っていくのが基本ですが、1日あたりの勉強時間を増やすと、トータルの残り時間を増やせます。

これは子どもにとっても良い刺激になるようです。

受験学年以外だと、塾以外にも習い事があったりして、毎日一定のペースで勉強するのは難しいかもしれません。ですが、できる限り「明日も同じだけ勉強する」という意識を持たせてあげてくださいね。

そうすれば、気付いたころには「習慣の力」が働き出しますよ。

【ポイント】
・先延ばし癖は、習慣化の大敵
・「毎日同じ行動をする」ことをルール化する
・1週間分の学習時間をチェックして可視化する

----------

菊池 洋匡(きくち・ひろただ)
中学受験「伸学会」代表、算数オリンピック銀メダリスト
開成中学校・高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科卒業。10年間の塾講師歴を経て、2014年に中学受験専門塾「伸学会」を自由が丘に開校し、現在は目黒・中野を合わせて3教室に加え、オンライン指導も展開。指導理念と指導法はメルマガ(登録者約8000人)とYouTube(登録者約46000人)でも配信。著書に『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ)などがある。

----------

(中学受験「伸学会」代表、算数オリンピック銀メダリスト 菊池 洋匡 イラストレーション=伊藤ハムスター)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください