「年275万円の不労所得が手に入る」投資歴18年のサラリーマン投資家が死ぬまで持ちたい日本株17選
プレジデントオンライン / 2022年3月27日 10時15分
■株価が下落しているときに跳ね上がる「ある投資指標」
実際に私が保有しており、今後、長期にわたって売却の予定もなく、株価が下がったら買い増ししていきたい銘柄を具体的に紹介していきます。
早速ですが、図表1の一覧表をご覧ください。いずれも日本を代表する超優良企業です。
おそらくは、私たちが生きている間に経営破綻することはない、安心して長期保有できる、いいえ、長期を超えて永久保有できる銘柄群といっても過言ではありません。
表の右側には、過去5年間においてPERがどの程度の変動幅の中で推移していたのかとあわせ、PBR(株価純資産倍率、低いほど割安)の変動幅も掲載しています。
業績が堅調な時は、PERが高くなりすぎていないかに留意しながら、投資判断をおこなえばよいでしょう。
業績の悪化にともない暴落が起こると、株価が下落しているにもかかわらずPERは跳ね上がります。景気敏感株についてはこの時が買い時であることも多いのですが、判断が難しく、投資初心者が参考にできるものではありません。
そんな時はPBRを参考にしましょう。表のPBRレンジの左側の数字は、ここ5年間におけるPBRの下限値です。
株価が暴落してどこまで下げるか分からない不安な時期には、PBRの下限値を確認して、「そろそろ底値付近だから、反転攻勢の買いを入れよう」といった投資判断に、ある程度の精度をもって応えてくれるはず。
■株価が乱高下しやすい相場で絶対に守るべき2つの鉄則
また、配当をどの程度出すのか、自社株買いをおこなうのか等の株主還元方針も、定期的にチェックしておきましょう。
3年程度で更新されている中期経営計画の策定時に、大きく変更されるケースもありますので、株主にとって不利益な内容となっていないか、確認しておいて損はありません。
ただし、現在の世界情勢は株価が乱高下しやすい相場です。長期配当投資は、
① 長く保有すること、
② 長期にわたって積み立ていくこと、
で勝率を高める投資法なので、これから始める方は、株価の上がり下がりに一喜一憂せず、この2つを守って投資を行うようにしてください。
ここでは一覧表から「花王」「アステラス製薬」「ブリヂストン」「NTT」の4銘柄について紹介をしていきます。
本書内では17銘柄すべてを取り上げて解説していますので、興味のある方は本書もご参照ください。
■抜群の安定性を誇る究極のディフェンシブ株
花王はトイレタリー業界国内首位で、生活必需品を提供していることから、その業績は極めて安定しています。中期経営計画「K25」で、株主還元政策として連続増配の継続を掲げていて、業績の安定性からもその実現性は極めて高いといえるでしょう。
それはつまり、投資元本に対しての配当利回りが上昇し続けることを意味します。
したがって、今現在、配当利回りが低いとしても、長期保有による配当利回りの上昇を見込んで投資するのも選択肢の一つということ。
花王は、抜群の安定性を誇る究極のディフェンシブ株と言えますが、その安定性ゆえに株価はなかなか安くなりません。株式市場全体が暴落している時でも相対的な下落率は低く、絶好の買い場が訪れることは極めて稀でしょう。
昔から、PERが20倍程度まで近づくことはあっても、下回ることはめったにありませんでした。
なので投資できる水準は、PER20倍~25倍程度、配当利回り2%を超えたくらいから検討すれば問題ないと思います。
■減配なし、海外売上比率80%のグローバル企業
アステラス製薬は、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して発足しました。株主還元に非常に積極的で、発足以来、一度も減配をおこなうことなく、実質は累進配当(減配せずに利益成長にあわせて増配していくこと)となっています。
また、自社株買いと消却も断続的におこなっており、利益配分政策も申し分ありません。海外売上高比率80%を誇るグローバル企業です。
薬の売値が原価よりもはるかに大きくなることを揶揄(やゆ)した「薬九層倍(くすりくそうばい)」という四字熟語があります。製薬業界というのは、研究開発費こそ莫大な金額となるものの、一度承認されて販売できるようになれば、その製造原価の低さから、大きな利益が期待できるのです。
そのため、業界平均の利益率はかなり高くなっています。
また、新薬開発には10年単位の時間を要することから積み重ねが必要で、新規の参入障壁はかなり高く、新たなライバル企業が現れづらいのがこの業界の特徴です。基本的に儲かるセクターと言えるでしょう。
また、アステラス製薬のコミュニケーションスローガンは「明日は変えられる。」で、ホームページにスペシャルサイトが設けられています。人の想いが多分に伝わってくる内容で、読んでいると目頭が熱くなってきます。
こういう企業へ投資できれば、株価が低迷した時でも、応援したいという気持ちから長期保有の助けとなってくれるはず。また、その時に買い増しできれば、将来のリターンを加速してくれるでしょう。
株価はなかなか安くなりませんが、突発的な株価下落で配当利回りが3%を超えることが稀にありますので、その時が概ね買い時です。
■業績悪化でも株主還元の姿勢を守る世界4強の一角
フランスのミシュラン、米国のグッドイヤーと並び、「世界3大タイヤメーカー」と呼ばれています。最近では、ドイツのコンチネンタルがグッドイヤーに肉薄しており、実質は世界4強の業界と言えるでしょう。
ブリヂストンは、業績が景気に左右される「景気敏感株」です。景気が悪い時には減配も当然にあります。
しかし、配当基本方針には、「連結配当性向40%を目安に安定的かつ継続的な配当額の向上に努めることを基本とする」とあり、コロナショックの影響で赤字となった2020年においても、30%程度の減配にとどめています。
業績が悪い中でも株主に配当で還元しようという姿勢が伝わってくる対応です。長い目で見れば配当は右肩上がりで、安心して長期保有できるでしょう。
先述のようにブリヂストンは景気敏感株で、株価の変動が大きいため、高値で買ってしまうと年単位で含み損を抱える可能性が高いと考えられます。
それでも長期保有していれば株価は戻しますし、配当も増額されていきます。ですので、コツコツと投資し株数を増やしていくことに、私は何の不安もありません。
■連結営業利益は1兆5千億円超、2011年度から連続増配
NTTはNTTドコモ、NTT東日本・西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータを傘下に置く巨大企業集団です。
もともとは収益源のほとんどが音声サービスでしたが、現在ではその比率は20%以下になっており、ブロードバンド関連に事業構造を転換しています。
連結営業利益は1兆5千億円を安定して超えており、純利益でも1兆円に迫る勢いで、事業は好調を維持しています。また、国(財務大臣)が株式の3分の1以上を保有している特殊会社でもあります。
NTTは、まだ日本に株主還元の考え方が根付く以前から、株主還元に積極的でした。実質的には減配をおこなわない累進配当政策となっており、2011年度からは連続増配を継続中です。
また、断続的に自社株買いとその消却を実施しており、株主価値の向上に努め続けている姿勢も魅力的です。
利益水準が安定していることから、株価も堅調に推移することが多いのですが、携帯電話料金の値下げが話題になった時のような、一過性の暴落が稀にありますので留意が必要といえます。
ただ、その後の株価は例外なく戻していますので、暴落が起これば買い増しすれば事足りるという認識です。配当利回り4%程度で投資できれば、問題はないでしょう。
他の特色としては、NTTは株式の保有期間に応じてdポイントを進呈している点があります。
100株以上を2年以上継続保有することで1500ポイント、5年以上継続することで3000ポイントを受け取ることができます(現状受け取れる回数は条件を満たした時の2回のみ)。
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「日本の配当株」専門の現役サラリーマン投資家
1977年、熊本県生まれ。2004年株式投資を開始。ハイリターン・一攫千金を求め新興市場にて個別銘柄の投資をするも、ライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、リーマンショックで含み損が600万円にまで膨らむ。2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2021年の税引き後の手取り配当額は223万3199円と過去最高を更新。「どのような相場でも安定的に配当を受け取るには?」を日々模索。近年は、計18年の投資生活で磨いた技術やノウハウをTwitterやブログにて配信。著書に『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)がある。
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(「日本の配当株」専門の現役サラリーマン投資家 長期株式投資)
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