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一流のマッチョはみんな食べている…鶏のササミよりも栄養価が優れている「ある野菜」

プレジデントオンライン / 2022年4月1日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ilia Nesolenyi

体作りのためには、どんな食事が望ましいのか。高タンパク・低カロリー食レストラン「筋肉食堂」を運営する谷川俊平さんは「ブロッコリーがおすすめだ。タンパク質が多く、アミノ酸スコアが高い食材で、筋トレをする人たちは必ず食べている」という――。

※本稿は、谷川俊平『食べる筋トレ。』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■筋トレ民が大好き「ブロッコリー」の驚くべき効能

筋トレをする人(以下、トレーニーと呼ぼう)に人気の食材は、鶏肉をはじめとする肉類だろう。しかし、ここでどうしても紹介しておきたい食材がある。それは、ブロッコリーだ。

実は、ブロッコリーには、100グラムあたり、5.4グラムものタンパク質が含まれている。アミノ酸スコアも80と、野菜のなかではダントツに高い。しかも、糖質は1.5グラムと非常に低い。

谷川俊平『食べる筋トレ。』(かんき出版)
谷川俊平『食べる筋トレ。』(かんき出版)

同じ緑黄色野菜のニンジンと比べてみよう。ニンジンの100グラムあたりのタンパク質は、0.8グラムしかない。逆に、糖質は6.3グラムも含まれている。アミノ酸スコアは55だ。

こう聞くと、ブロッコリーがいかに優れた食品かがわかるだろう。

とはいえ、タンパク質の量だけを考えれば、肉や魚などのほうが優れているように思える。しかし、それ以外にもブロッコリーには数多くのメリットがある。

その1つが、「ジインドリルメタン」と「I3C」という成分だ。これらは、男性ホルモンを増強し、筋肉をつきやすくしてくれると言われている。これも、ブロッコリーが多くのトレーニーに好まれている理由だろう。

さらに、ブロッコリーには大量のビタミンCが含まれている。その量は100グラムあたり、140ミリグラム。ちなみに、ビタミン豊富と言われるレモンの可食部(皮などを除いた部分)は20ミリグラムだ。

■クリスティアーノ・ロナウドが毎日繰り返し食べている2つの食材

ご存じの方も多いと思うが、ビタミンCには、疲労回復効果がある。トレーニング後の回復だけでなく、日々の仕事の疲れもとれやすくなるので、積極的に食べないという選択肢はないのではないだろうか。

なお、ビタミンCには抗酸化作用もあるため、肌をきれいに保てるなど、若々しさを持続することにもつながる。

ちなみに、美しい筋肉の持ち主として知られるサッカー界のレジェンド、クリスティアーノ・ロナウドの毎日の食事は、「ライス、ムネ肉、ブロッコリーの繰り返し」だそうだ。

私自身も、ブロッコリーは毎日欠かさず食べている。塩茹でしたブロッコリーを1日に半株くらいは消費している。

新鮮な生グリーンブロッコリのボウル
写真=iStock.com/KateSmirnova
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/KateSmirnova

塩味がついているのでそのまま食べてもいいし、ポン酢をつけてもいい。夏場はそうめんのつゆにつけるのもサッパリしておすすめだ。

なお、ブロッコリーを茹でて調理すると、ビタミンCが流れ出てしまうというデメリットがある。気になる人は、電子レンジで蒸して調理するといいだろう。

■体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の中身

先ほど「アミノ酸スコア」という言葉が出てきたが、ここでタンパク質を選ぶ目安である「アミノ酸スコア」について詳しくお伝えしよう。

少し専門的な話になるが、タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されている。そのうち体内で合成できないアミノ酸が9種類ある。

「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「トレオニン」「リシン」「メチオニン」「フェニルアラニン」「トリプトファン」「ヒスチジン」というアミノ酸がそれだ。

これらを「必須アミノ酸」と呼ぶ。体内で合成できないということは、「食品から摂取するしかない」ということだ。

実は、この9種類の必須アミノ酸がすべてそろわないと体内で十分なタンパク質が生成されない。

だから、その食材に必須アミノ酸がどれくらいバランスよく含まれているかが大事になってくる。それを示す数値を「アミノ酸スコア」という。

ちなみに、アミノ酸スコアは100が上限で、この値が高ければ高いほど、同じ量を食べても筋肉がつきやすいということだ。

■菜食主義者のカール・ルイスでも立派な筋肉はつく

図表1を見てほしい。

主な食品のアミノ酸スコア
出所=『食べる筋トレ。』より

牛肉、鶏肉、豚肉などの食肉、マグロやアジなどの魚、卵など、動物性タンパク質のアミノ酸スコアは、ほぼ100だ。

一方、野菜類などの植物性タンパク質は、大豆など一部を除いてアミノ酸スコアが低い傾向がある。

ということは、「植物性タンパク質を食べても十分にタンパク質を生成できないのでは?」と思うかもしれないが、植物性タンパク質でも筋肉はつく。

いろいろな種類の植物性タンパク質を組み合わせることで、必須アミノ酸のバランスが整うからだ。

たとえば、陸上のカール・ルイスは菜食主義者だが、立派な筋肉のついた体で世界記録を出している。

また、牛肉や豚肉は部位によって脂肪など余分なものも多いことがあるので、カロリー過多になりやすい。

一方、植物性タンパク質のなかでも、大豆や大豆加工品のアミノ酸スコアは100だ。しかし、豆類には糖質も多い。したがって、タンパク質はできるだけいろいろな食材からとるのが望ましい。

私自身も、動物性タンパク質と植物性タンパク質をとり交ぜながら摂取している。

そう考えると、大切なのは、各食材の特徴についての知識を蓄えて、それをもとにさまざまな食材からタンパク質を摂取することではないだろうか。

クリスティアーノ・ロナウドラップトップモニタ
写真=iStock.com/ilbusca
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ilbusca

■鶏肉でオススメなのはササミよりもムネ肉

最後に、トレーニーにとっての最強食材である鶏肉について補足しておこう。

昔から、ボディビルダーたちのあいだでは、「筋肉をつけたいなら鶏肉がベスト」と言われてきた。なぜなら鶏肉は、高タンパク・低カロリーのお手本のような食品だからである。

そんな鶏肉のなかでも特におすすめの部位は「ササミ」というのが定説だった。タンパク質の含有量は、ササミもムネ肉も100グラム中、約23グラムだが、ムネ肉は脂質が100グラム中、1.9グラムあるのに対し、ササミは0.8グラム。鶏肉のなかでも最も脂質が少ないのがササミだからだ。

ちなみに、モモ肉は鶏肉のなかで最も脂肪が多く、皮つき肉の脂質は19.1グラムになる(ただし、皮を取り除けば4.8グラムに減る)。

しかし、私はどちらかというと、ムネ肉を推奨している。その理由は、疲労回復に役立つ成分が含まれているからだ。

渡り鳥は何日間も眠らずに飛び続けることができる。人間には到底、不可能な芸当だ。そんなことができるのは、翼を動かしているムネ肉に「イミダペプチド」という物質が含まれているから。

このイミダペプチドは、われわれ人間の疲労回復にも威力を発揮することがわかっている。ニワトリは、渡り鳥ではないが、そのムネ肉にもイミダペプチドは含まれている。

筋トレをした後に、鶏ムネ肉を食べると、イミダペプチドの効果で疲れが早くとれるというわけだ。

■筋肥大を目指すなら皮も食べたほうがいい

また、鶏ムネ肉は牛肉や豚肉だけでなく、同じ鶏肉のササミやモモ肉と比べても、値段が安い。牛肉を毎日食べ続けるのは経済的に厳しいという人も、ムネ肉なら毎日食べることができるのではないだろうか。

なお、鶏ムネ肉は多くの場合、皮がついたまま売られている。この皮の正体はほとんど脂身なので、体を引き締めたいならば、包丁でとることをおすすめする。

一方、筋肉を大きくしたいときは皮も食べたほうがいい。詳しくはここでは省くが、脂質は筋肉をつけるためには欠かせない栄養素だからだ。

鶏ムネ肉は塩コショウだけでも十分おいしいが、毎日食べていると飽きがくる。そんなときは「味変」で乗り切ろう。

私の働いている「筋肉食堂」では日替わりで鶏肉のソテーを提供しているが、あるときはトマトソース、あるときは大葉ジェノベーゼソースというように、さまざまなソースで変化をつけている。

梅干し、キムチ、ガーリックなどの食材とも相性が抜群だ。ぜひ味変に挑戦して、ムネ肉を存分に摂取してほしい。

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谷川 俊平(たにがわ・しゅんぺい)
「筋肉食堂」マネージャー
1983年大分県生まれ。福岡大学スポーツ科学部卒業。大学卒業後、アスリートや芸能人が数多く通うスポーツジム「TOTALWorkout」で、トップアスリートや歌手、俳優などのボディメイクを10年間担当する。数多くのクライアントと接するうち、体づくりには、食事の改善が欠かせないことに気づく。それがきっかけとなり、2015年、おいしい料理をお腹いっぱい食べて体づくりをする高タンパク・低カロリー食レストラン「筋肉食堂」をオープン。

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(「筋肉食堂」マネージャー 谷川 俊平)

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