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「それでは私は議事録をとります」オンラインのグループ選考で勝ち上がる就活生の殺し文句

プレジデントオンライン / 2022年4月30日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Blue Planet Studio

採用試験でオンラインでのグループディスカッションに臨む場合、どう振る舞えばいいのか。就活ライターのトイアンナさんは「オールマイティーに活躍することより、自分の強みを活かしたポジション取りができるかどうかが重要」という――。

※本稿は、トイアンナ『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■就活オンライン化でグループディスカッションが変わった

就活がオンライン化したことで、最も変化したのはグループディスカッションです。対面のグループディスカッションでは、同時に数名の人が話せます。また、それぞれが異なる作業をしていても、何が起きているか見渡すことが可能です。

しかし、オンラインでは

(1)1度に1人しか話せない
(2)お互いに何をしているかが見えづらい

というデメリットがあります。そこで、オンライン専用の対策が必要となってしまうのです。ここでは、「オンライン選考初代」といえる2022卒から得た知見をもとに、オンライン特化型の対策をお伝えします。

■メンバーの通信状況が悪くなったらどうさばくか

自分の意見を説明するのが得意な「パイオニア型」
課題をまとめ、次へ進められる「リーダー型」

この2グループは、オンラインで口火を切ってください。オンラインでは特に「誰が話し始めるか」の遠慮合戦が起こり、沈黙が発生しやすくなります。

最初に「では、まず議題を具体的な数値目標に落とし込んで、次の○分でアイディアを出し、次の○分で絞り込みましょう」と進め方の合意を取り付けます。会議ツールのチャット機能でおおまかな流れを入力し、共有すると可視化されてなおよいでしょう。

誰かの通信状況が悪くなるトラブルは、もはやオンライン・グループディスカッションに付き物。慌てず「では、○○さんは音声が復帰するまで、チャットで筆談してください」など誘導できれば、さらにリーダーとしての適性を評価されやすくなります。

■PCやタブレットに慣れていなければタイピングの練習を

複数の意見を合わせ最適案が出せる「バランサー型」
字がきれいな「書記型」

意見が食い違ったとき、オンラインでは状況の共有すら難しくなります。画面共有や共有URLの送付が許されている場合は、Googleドキュメントなどに争点を書き出して共有し、何でもめているか可視化しましょう。

また、双方の意見を合わせた「折衷案」が作れないかも、議事録を画面共有で見せながら残していくとよいでしょう。通信トラブルが起きたメンバーには、ここでGoogleドキュメントへの筆談を促すこともできます。的確で速いタイピングが求められますので、PCやタブレットを使い慣れていない方は、打鍵の練習をしておいてください。

時間を気にしつつ作業ができる「タイムキーパー型」

オンラインのグループディスカッションでは、対面と比べて誰もが時間を気にしがちです。したがって、タイムキーパーが活躍できるシーンが減ってしまいます。もともと、主な役割として認識されづらく、選考通過率も下がりうるタイムキーパーの業務。ここでは思い切って、他の役割を担うほうが良さそうです。

■「今から何を話すのか」「ここまで何を話したか」要所で挟む

発表でスラスラ話せる「プレゼンター型」

オンラインのプレゼンには、GoogleスライドやMicrosoft PowerPointを活用できるチャンス。1日以上の課題解決型インターンなどでは、メンバーへいつでも見られる共有URLだけ渡しつつ「みんなの話を聞きながら準備するね」と宣言し、作業を開始するのがよいでしょう。数十分~1時間しか猶予がないグループディスカッションでは、資料を作り込むことはあきらめてプレゼンで何を伝えるか、全員が見ているドキュメントやチャットへ、要旨だけまとめて共有する方が賢い戦略です。

プレゼンでは、対面でのプレゼンよりも「今から何を話すのか」「ここまで何を話したのか」を要所で挟みながら話すことで、音声のみの相手にもわかりやすく情報伝達できます。

たとえば、

「結論として、私たちのチームは○○を提案します。私たちはまず、課題を数値に落とし込みました。そして課題を○○に設定しました。次に、出したアイディアはAとBでした。A案は……」といったように、自分がいま何を話しているかを、都度お伝えすること。これが、オンライン会議でのコツです。

オンライン会議を待つ女性
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

■議題が迷走したときに発揮される能力がある

とっさの質問に答えられる「トラブルシューター型」

オンラインのグループディスカッションでは、対話に手間取り、時間が対面より押しがちです。したがって、プレゼンや質疑応答の準備までする時間が取れないケースの方が多くなります。

したがって、オンラインでは質疑応答の対応以外で価値を出しましょう。ディスカッション中に起きる疑問(例:私たちが提案する新規アイディアって、過去に現実で採用されてない?)をとっさに調べたり、議題が迷走したときに戻したり。臨機応変さがもともとの強みですから、その強みを生かして手綱を握りましょう。

■「自分は絶対こう思う」議論を壊して場を支配する人の制し方

ここからは、グループワークでよくある「困った!」に対応する方法をお伝えします。

トイアンナ『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』(KADOKAWA)
トイアンナ『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』(KADOKAWA)

■トラブル1 無理筋な議論を押し通す人が出てきた

突拍子もないアイディアに固執する、相手の議論を声で制止するなど……。議論を壊す人、英訳して「クラッシャー」と呼ばれる人が出ることはままあります。対面ならまだ、やんわりと止められます。しかし、オンラインでは「黙らない人」が暴力的に場を支配できてしまいます。

そういう人には「その方向でも考えたいから、根拠となるデータを○分までに集めてほしい。複数案があったほうが望ましいから、別の案を○○さんと、△△さんは書き出してもらえますか」と、役割分担をしましょう。

そうすることで、クラッシャーとなっている人も自分の意見を否定されたとは感じずに作業を進められますし、他の案も並列して出すことができます。

■トラブル2 通信状況が悪く途中で参加できなくなった

人の通信トラブルならまだしも、自分の通信回線が悪くなると、パニックに陥りますよね。まずは深呼吸をして「こういうときもある、大丈夫、大丈夫」と念じてください。

落ち着いたら、チャット機能に「通信回線が悪いので、再接続します」と残し、退室します。そして、アプリを閉じてから再度URLへアクセスしてみましょう。それでも調子が悪い場合は、デバイス(スマホ、PC、タブレットなど)を再起動して、接続を試みます。

再起動しても接続がうまくいかない場合は、人事部など連絡先へ「通信トラブルで途中参加が難しくなってしまいました。私の都合によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

貴社は第一志望であり、キャンセル枠がもしあれば、別日程でも参加させていただけないでしょうか」とダメ元のメールを送りましょう。送らなければ落ちますが、送れば通るかもしれません。そのチャンスに賭けてください。

■チャットを活用してグループでひとつにまとまる

■トラブル3 画面共有を禁止された

一部の選考では、オンラインのグループワークでも画面共有が禁止されています。画面共有に慣れていると、禁止されただけで呆然としてしまう方がいます。しかし、これは「電話会議なのだ」と脳を切り替えましょう。これまでアプリのコール機能で友達と話したことはありますよね? そのとき、対面よりも詳しく状況を説明しませんか? それと同じように、「今、誰が何をしているのか。そして、これから何をすればいいのか」全体図を言葉にして何度も共有しましょう。

なお、私はオンライン会議の際に、以下のような表記をチャットで入れることがあります。

<今日の流れ>
10:00~10:10 議題を数字に落とし込む
10:10~10:20 アイディア出し ←いまここ!
10:20~10:30 アイディアを絞り込む
10:30~10:40 プレゼン準備

ステップが進むたび「←いまここ!」の位置をずらして再投稿します。全員が何をしているか、俯瞰できるようにした工夫です。たとえ画面共有ができなくても、チームがバラバラにならないよう工夫を凝らして、選考を突破していきましょう。

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トイアンナ(といあんな)
就活・恋愛ライター
1987年生まれ。慶応義塾大学卒業後、P&GジャパンおよびLVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパンでマーケティング職として約6年間勤務。その後フリーライターに転身し、就活媒体支援、大手企業の採用ページ執筆などを行う。主な担当は就活対策のほか、婚活、マーケティング。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、『モテたいわけではないのだが』(イースト・プレス)など。

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(就活・恋愛ライター トイアンナ)

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