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「ピアノやバイオリンはやめても、これだけは続けたほうがいい」東大生の母がそう主張する習い事

プレジデントオンライン / 2022年5月19日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/miya227

子供が「習い事をやめたい」と言い出したら、そのままやめさせてもいいのか。4人の子供全員を東京大学に合格させた佐藤亮子さんは「まずは理由を聞くといい。ただし、幼児教室とスイミングは続けたほうがいい」という――。

※本稿は、佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

■「集中しなさい」と言われても集中はできない

宿題するのを促したいとき
✕ なんでやらないの! 早くやりなさい!/集中して宿題をやりなさい!
◯ 一緒に宿題をやってみようか

宿題をさせたいときに、「なんでやらないの! 早くやりなさい!」「集中して宿題をやりなさい!」といった声かけをしていませんか。これらの声かけはNGです。宿題をやろうという気持ちはあっても、実力不足で問題を解けないと、宿題に取りかかることも集中することもできません。

たとえば、10問のうち7問以上わかれば集中してやれます。でも、10問中2問ぐらいしかわからないと、集中することはできないし、そもそも宿題に取りかかる気持ちにもなれません。お母さんたちはよく、「集中しなさい」という言葉を使いますが、「集中」はしようと思ってできるものではありません。楽しいこと、自分ができることをしていると自然に集中するものです。だから、「集中力」に対する考え方を変えてほしいですね。

■集中できない原因は「実力不足」の可能性が高い

集中できないときには、実力不足でよくわかっていない可能性が高いです。

たとえば600mが何kmかわからない子どもがいますが、「1km=1000m」という基本がわかっていないと計算はできません。子どもがなかなか宿題に取りかかれないときには、「一緒に宿題をやってみようか」と声をかけてみましょう。そして、子どもの横に座って、宿題のどこがわかっていて、どこがわからないかを確認することが大切です。勉強は積み重ねですから、躓いている箇所がわかったら、そこまで戻って勉強をやり直させることが大切です。

問題は解けるのに、宿題に取りかかる準備が面倒で、なかなか取りかかれない場合もあります。そんなときには、お母さんが宿題のプリントや教科書、ノート、問題集などを机の上に出してあげるといいですね。取りかかるハードルが低くなります。

アドバイス
知らない言語で書かれた書物を、「集中して読みなさい」と言われても読めませんよね。お子さんが宿題をやらないのはそういう状態かもしれません。お子さんの横に座って、わかっているかどうかチェックしましょう。

■「この前のテスト悪かったでしょ」と言ってはいけない

テストに向けての勉強を促したいとき
✕ ちゃんと勉強しなさい。この前のテスト悪かったでしょ。/今度はいい点数とれるように頑張りなさい
◯ この予定でやってみようか。/点数とれるように、一緒にチャレンジしてみない?

テストが近づくと、「ちゃんと勉強しなさい。この前のテスト悪かったでしょ」「今度はいい点数とれるように頑張りなさい」などと声をかけるお母さんが多いと思いますが、「この前のテスト悪かったでしょ」は、絶対に言ってはいけない言葉です。子どもは悪い点数を取ったときのことを思い出して、イヤな気持ちになります。このような後ろ向きの言葉ではなく、子どものやる気を引き出す前向きな言葉をかけましょう。

子どもは、テストの勉強をしなくてはいけないと内心焦っていても、何をどのようにやればいいのかがわからない場合がほとんどです。だから、子どもにテストの勉強を任せるのではなく、お母さんがサポートしてあげましょう。

■予定表を作ることで、子どもはやる気になる

まず、テストの時期、テスト範囲などを把握したうえで、逆算して1日にどのくらいやればいいか、予定を立てます。その予定表を見せながら、「この予定でやってみようか」と声をかけてあげるといいですね。子どもは自分のために何かしてもらうとうれしいものです。「点数とれるように、一緒にチャレンジしてみない?」と、やる気になる声かけをして、お子さんに寄り添ってあげましょう。お母さんが勉強の計画を立てて横にいてあげると、子どもはうれしくて勉強をするようになると思います。

手にのせた時計と英語で曜日が書かれたキューブ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

テストでいい点数を取れるようになれば、勉強することが楽しくなってきます。お母さんが働いていて忙しいため、そのようなサポートができないという場合も、予定表だけは作ってほしいですね。ただ「やりなさい」と言うのではなく、お母さんが予定表を作って、子どもをやる気にさせることが大切です。

アドバイス
働いているお母さんは、帰宅後は疲れているとは思いますが、30分でいいから、すぐにお子さんの勉強を見てあげましょう。お子さんが寝た後にやりたいことをやれますから、まずはお子さんのために時間を使ってほしいですね。

■習い事を「やめたい」と言ったら…

習い事に行くのを嫌がったり、「やめたい」と言ったりしたとき
✕ 続けなさい。ずっとやってきたのにもったいない。/○○君は続けているでしょ
◯ どうしてやめたいの?

わが家の子どもたちは1歳頃から公文式教室、3歳からバイオリン、4歳からスイミングにきょうだいで楽しく通っていました。「やめたい」と言ったことはありませんね。「子どもが習い事をやめたいと言っていますが、どうしたらいいですか」と質問されることが多いのですが、まず、「どうしてやめたいの?」と理由を聞くといいと思います。理由を聞かずに、「続けなさい」というのはよくありませんね。

最初は楽しく習い事をしていても、ピアノ、バイオリンなどの楽器は子どもによって進度に差が出やすいため、上達しないとお稽古をするのがイヤになって、やめたがるお子さんも少なくないようです。また、親の希望でやらせた習い事は、子どもが実際にやってみると好きではない場合もあります。習い事そのものがイヤなのか、先生や通っている生徒がイヤなのか、習い事の数が多すぎて疲れているのか、やめたい理由を尋ねることが大切です。

バイオリン
写真=iStock.com/J-Elgaard
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/J-Elgaard

■幼児教室とスイミングは続けたほうがいい

親子で話し合って、続けるかやめるかを決めるといいのですが、幼児教室の勉強、スイミングなどは、「今やめても、どうせ小学校でやらなくてはならない」ものなので、続けさせた方がいいと思います。それ以外の習い事は、お子さんが嫌がるのならやめさせてもいいのではないでしょうか。

子どもは好きな習い事は集中して楽しくやりますが、イヤで仕方ない習い事は集中できないし、苦痛です。無理矢理やらせるのはかわいそうです。子どもに「続けてもいい」という思いがあれば、「もう少し頑張ってみようか」と励まして続けさせるといいですね。あとになって、音楽やスポーツの習い事を「あのときやめずに続けてよかった」という話も聞きますから。

アドバイス
習い事を続けさせたい親のなかには、「ずっとやってきたのにもったいない」と思う方もいるようですが、習い事に過度な期待はしないで、「いい経験になって良かった」と考えてはいかがでしょうか。

■迷惑をかけたときは、親が謝る姿を子どもに見せる

外出先で走り回っているとき
✕ 走っちゃダメでしょ!/こっちに来なさい!
◯ こんなところで走ると、迷惑をかけるでしょ

幼い子どもはじっとしているのが苦手で、すぐに動いたり、走ったりしてしまいます。公園などの遊び場だと問題ありませんが、デパートなど公共の場で走り回ると、他人の迷惑になります。他人にぶつかって怪我をさせたり、子どもが怪我をしたりして危ないですし、陳列している商品にあたって壊してしまうかもしれません。

佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)
佐藤亮子『子どものやる気がどんどん上がる魔法の声かけ 3男1女東大理三合格の母が12歳までにかけた言葉』(中央公論新社)

先日、デパートでこんな光景を見かけました。3歳ぐらいの子どもが上がってくるエスカレーターの近くを走り回っていたので、老夫婦が「危ないからこっちに来なさい」と子どもの手をひっぱって走るのをやめさせて、「この子のお母さんはどこにいるんですか?」と声をあげていました。

でも、近くにお母さんはいません。少しして若いお母さんが現れたのですが、子どもに「こっちに来なさい!」と言うだけ。老夫婦にお礼もお詫びも言いません。男性が「人に迷惑をかけたのだから、一言あってもいいだろう」と怒っていましたね。お母さんは、そう言われても男性の方を見ないで、何も言わず、子どもの手を引っ張って行きました。こんな声かけではダメです。子どもが人に迷惑をかけたときには、親が謝る姿を子どもに見せましょう。

■走りたがったときは「教えるチャンス」

外出したら、子どもから目を離さないのは当然だし、子どもが走りださないよう、しっかりと手をつなぎましょう。走りたがったときには、「公共の場で人に迷惑をかけない」ということを教えるチャンスです。理由も言わずに「走っちゃダメでしょ!」と叱るのではなく、「こんなところで走ると、迷惑をかけるでしょ」と声をかけ、怪我や物を壊してしまうおそれがあることをこんこんと説明してあげましょう。

アドバイス
公共の場で子どもが走り回ったりしていると、周りの人に注意されます。子どもが迷惑をかけたときには、「大変申し訳ございませんでした。ありがとうございました。助かりました」と、お詫びとお礼の言葉を言いましょう。

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佐藤 亮子(さとう・りょうこ)
浜学園アドバイザー
元英語教師。3人の息子と娘1人の4人全員が東京大学理科三類(医学部)に合格。ユニークな教育方法が人気。『3男1女東大理III合格! 教えて! 佐藤ママ 18歳までに親がやるべきこと』『東大脳を育てる! 読み聞かせ絵本100』など著書多数。

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(浜学園アドバイザー 佐藤 亮子)

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