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92歳・世界最高齢の総務部員が、毎日往復2時間かけて"BMW"で通勤するワケ

プレジデントオンライン / 2022年5月31日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ooyoo

92歳の総務課長・玉置泰子さんは、毎日片道1時間かけてBMWで通勤している。玉置さんは「BMWとは、『B=バス、M=メトロ(地下鉄)、W=ウォーキング(歩く)』の頭文字をとったもの。毎日の通勤がしらずしらずのうちに足腰を鍛えてくれています」という――。

※本稿は、玉置泰子『92歳総務課長の教え』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

■50年間、毎朝30分のヨガを欠かさない

私は50年ほど毎朝、ヨガを続けています。会社が加入する健康保険組合の研修に、興味本位で参加したのがきっかけでした。

ヨガにもいろいろな流派があります。私が研修会で教わったのは、佐保田鶴治さんという哲学者でもある先生がはじめた流派のヨガでした。

佐保田先生は偶然にも私の親戚でしたので(教室では先生のお弟子さんが教えてくださいました)、これも何かのご縁だと思ってしばらく続けていたら、見事にハマッたのです。

ヨガというと、身体を柔軟に使ってアクロバティックなポーズをとるものだと誤解する人も多いようです。本来大切なのは、呼吸法と瞑想(めいそう)です。

私はストレッチ程度に身体を伸ばすことはできますが、50年もやっているのに、難しいポーズはとれません。呼吸法と瞑想だけでも、ヨガの恩恵は十分得られると思っているのです。

■ストレスが消える呼吸法

呼吸法といっても、特別なものではありません。ごく簡単です。

玉置泰子『92歳総務課長の教え』(ダイヤモンド社)
玉置泰子『92歳総務課長の教え』(ダイヤモンド社)

鼻から大きく息を吸ったら、いったんお腹の下に空気をためて、それを口から吐きます。吐くときは一度に深く吐き出すのではなく、ハッハッハッというふうに小刻みに吐き切ります。そして最後に、頭のてっぺんで息を止める意識を持つと、脳が活性化されるそうです。

呼吸は全身を動かすエネルギーのもとですから、元気も出てきます。

ヨガの瞑想にはさまざまな方法がありますが、私が実践しているのは、自分にとってラクな姿勢で床にあぐらをかいて座り、背すじをピンと伸ばした状態で目を軽く閉じるだけのシンプルなやり方。それから瞑想に入ります。これでストレスが霧散するのです。

呼吸法と瞑想で計30分前後。心身がしゃきっとして、今日も一日頑張ろうという明るい気分になれるので、一度試してみてください。

■「ヨガのあとに般若心経を唱える」独自メニュー

毎朝、ヨガの瞑想を終えたら、私は『般若心経』を読んでいます。

この流れは誰かに教わったわけではなく、私が自分で考案した独自のメニューです。私のなかでは、ヨガの瞑想と般若心経はひと続きになっています。

ヨガと般若心経がどう関わっているのか、私にはわかりません。ヨガも般若心経も、もとを正せばインドにルーツがありますから、どこかで関わりがあるのではないでしょうか。

私が実践しているヨガの創始者である佐保田鶴治先生も、『般若心経の真実』という本をお書きになっています。

瞑想では、気持ちを鎮めて自分を“無“の状態に持っていきます。そして般若心経では、すべては“空”であるという教えをひたすら唱えるのですから、私にとってはほとんど同じものなのです。

机の上に置かれた般若心経
写真=iStock.com/Toru Kimura
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Toru Kimura

般若心経の唱え方は、会社の禅寺研修で20年ほど通い続けた「黄檗宗萬福寺(おうばくしゅうまんぷくじ)」というところで教えてもらいました。

般若心経の唱え方には、さまざまなスタイルがあるようですが、私は研修で教わった唱え方が身についています。それは10分くらいかけて、ゆっくり唱えるやり方です。

声をゆっくり出すことで、呼吸も大きくなりますから、身体の隅々までエネルギーが満ちあふれる感じがしてきます。

■なぜ続けられるのか

ヨガも般若心経も「よく長いこと続きますね」と感心されることがあります。ヨガをやり般若心経を唱えると気持ちがよくて心が鎮まり、新しい一日のスタートを切るのにふさわしい清々しい気分になります。

ヨガも般若心経も気持ちがいいから、自然に続けられるのです。そして一度、習慣になってしまうと、やらないと気持ち悪くなります。

ですから、毎日飽きもせずに続けられるのでしょう。

■“BMW”で通勤している

私が平日、ヨガと般若心経、朝食を終えて自宅を出るのは、午前7時半頃です。それから会社まで片道1時間ほどかけて「BMW」で通勤しています。

BMWといっても、ドイツ製のあの有名な高級車のことではありません(私は自動車免許を持っていません)。

BMWとは、「B=バス、M=メトロ(地下鉄)、W=ウォーキング(歩く)」の頭文字をとったもの。

私が妹と2人で住んでいるのは、大阪府北部の豊中市です。自宅を出て、まずは大阪市の中心部まで乗り入れている鉄道(メトロと相互乗り入れ)の駅まで、路線バスに乗って向かいます。自宅からほど近いバス停からの所要時間は、20分くらいです。

メトロに乗ってから、勤務先の最寄り駅(本町駅)まで、乗り換えなしで20分前後で到着します。本町駅から会社までは、徒歩で5~6分ほどです。

■通勤電車では立っていることもしばしば

以上、片道1時間のBMWが毎日の日課です。仕事が終わったら、今度は逆のルートをたどって「WMB」でうちまで帰ります。一日の歩数は往復の通勤のみで6000歩程度です。

バスでは座れる日もありますが、通勤時間のメトロでは空席がなく、立っていることも少なくありません。こうした毎日の通勤が、私の健康づくりに役立っていると思います。

「老化は足腰から」といわれます。足腰が立たなくなると、現役で仕事をするのも難しくなります。平日、往復2時間のBMWで知らない間に、私の足腰は鍛えられているのでしょう。

たまに「歩くのが速いですね!」と驚かれます。急ぎ足になっているつもりはないのですが、それは足腰がまだ衰えていない証しなのでしょう。

このBMWは、これからもずっと続けたいと思います。

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玉置 泰子(たまき・やすこ)
サンコーインダストリー 総務課長
1930(昭和5)年5月15日生まれ。商業高校を卒業後、25歳で三興鋲螺(現・サンコーインダストリー)に入社。以来66年にわたり、経理や庶務の業務を担ってきた。現会長より11歳年上で勤続年数も長いことから、同社の歴史を知る語り部として新人研修の担当もしている。2020年11月「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定される。

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(サンコーインダストリー 総務課長 玉置 泰子)

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